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さいたまワールド2019 女子のキーパーソンは誰?

世界フィギュアスケート選手権2019

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お久しぶりです。女子シングルの結果が出ましたね。

 

わたくし、チャレンジカップ、ロシア女子の代表選考などなど暫し沈黙、あえてスルーしておりました。

 

それには理由がございまして・・今回はその中のひとつをお話しようかと思います。

 

少し前までの予想と本番の現実

日本勢にとってはホームの世界選手権。もちろん表彰台のチャンス!と、だけ言わず、ナンバーワンの座にも紀平、坂本、宮原の誰かが試合展開によっては届くのではないか??という期待込みで進んだ今シーズン。

 

しかし結果はロシアとカザフスタンの勝利となりました。

 

ザギトワ 237.50点

2トゥルシンバエワ 224.76点

3メドベージェワ 223.80点

4紀平 

5坂本

6宮原

 

(1ロシア2カザフ3ロシア4日本5日本6日本なので、日露互いに来季3枠確保だったのはハッピー)

 

蓋を開けてみたらビックリ!1エテリ2エテリ3元エテリ・・といったエテリ組の底力を見せつけられた世界選手権だったのです。体の成長で低迷したら再起不能と囁かれているエテリ組生。それを覆す姿を見せつけられた数日間だったのです。

 

 

それでもトゥルシンバエワがメダル争いに食い込むとは、大会ギリギリまで予想できませんでしたねえ。ただショートを観てありりりり?進化しとる!!こりゃ楽には勝てないぞ!と、嬉しい焦りに変化。以前、彼女は日本人選手が不調のとき何気にひょっこり出て来る侮れないキャラと書いていたのですが、まさかワールドでそれが来るとは思いませんでした。スゴw

 

メドベージェワがキーパーソンだった

で、ここからが本題なんですが、私があれだけ「リーザかメドか」と大モメしていたロシア代表選考に触れなかったのは、ズバリ・・ごめんなさい・・「メドが選ばれたら、一度出来上がった日本有利な勢力図の流れが、またガラッと変わる」予感がしたからなんです。私のたまに当たる野性の勘が発動した

 

今季、好調だったリーザにこそ心情的には、誰より1番に枠をあげてほしい。でも今のロシアの負の流れを変えるのはメドかもしれない・・。そんな複雑な心境があり、ワールドの結果を見届けるまでは「こうした方がいい」と軽はずみには言えないな・・と胸にしまっておいたのです。

 

やはりザギ・メドの五輪金銀コンビが参戦してくるイメージというのは大きいです。見た目ノーミスすればPCSも日本人選手よりも出るんじゃないかと警戒していました。(ロシアはそのパターンに賭けていた気がする)

 

さらに、このふたりは日本での知名度も異常に高く、ライバルの本拠地でありながらもほぼホームみたいな国での試合。むしろふたりにとって五輪後なにかと心理負担を浴びせるロシア国内よりパワーが出そう。おまけに日本開催なら日本勢への地元アゲもなさそう←

 

今季序盤~中盤まではメドが沈み、ザギVS日本人という構図の中、ザギトワ選手にとってはメンタル的にも辛い試合が続きました。きっとプレッシャーが半端なかったはず。そして、それをどう跳ね返すのか、どうすればいいのかを模索していたように感じていました。

 

しかし急なメドべージェワ選手の登場は、そんなザギトワ選手のプレッシャーを少なからず別な方向へ飛ばしてくれるのでは?と思ったのです。これまでの「紀平」トリプルアクセルといったプレッシャーから「復活しつつあるメドにも負けられない」というイメージも沸かせてくれるのではないか。

 

そうなるとザギトワ選手は、再び五輪でのメドVSザギ劇場にあった情熱という名の作用を思い起こし、力に変えることが可能では?と、考えたのです。

 

そしてあれだけ叩かれているメドベージェワ選手の立場を思うと、「こんな状況で選出されたら結果出すしか道ないじゃん」「最低でもザギを超えるか、メダルとるかしかロシアに帰れないじゃん」だったら絶対根性見せてくるでしょ!そうでなきゃリーザが報われない。

 

普通のメンタルだったら怖くて怖くて仕方ないはずですよ。でもやんなきゃ終わりな状況ですよ。もの凄く強い気持ちで挑んでくるのは当然な大会でした。実際、目の奥の闘志が半端なかったです。だからこそ、メドべージェワの存在は、ロシア女子へのスパイスにもなり、キーパーソンにもなるとにらんでいました。

 

しかしもう一度言うと、そんなことは「ワールドの結果が出るまでは口が裂けても言えないわー!」が本音でした。リーザを思うとどうしてもね。選考方法もハチャメチャで日本だったらあり得ない。実際に彼女が出ていても良い演技をしてくれていたことでしょう。

 

リーザ、ザギ、メドどの選手も脅威だし、代表としての3人のバランスが取れている・・。ただ、この中でひとりは選べない・・そんな苦しい状況がロシア女子の心にいつも以上の責任感を与え、力になったのだと思います。(サモもお疲れさん)

 

ジャッジ

今大会はエッジや回転不足にやさしい大会だと思いました。見た目ノーミス演技にはドカンと点が出て、ミスありの演技にはメダルは難しいよ、という風な印象でしたね。ある意味分かりやすいジャッジだったのかも?!

 

今までは「はーせっかく良い演技だったのにURかー厳しいなあ」とか「エッジエラー厳しすぎいいい」と、盛り上がりたいのに盛り上がれないフィギュアスケートあるあるの状況下に置かれた身としては、普段の「もーこんなの認定しちゃえよーしらけるじゃーん」というズボラな考えはNGで「あ、やっぱ少しは厳しめジャッジも必要かもね」と教えてくれましたw

 

当たり前だけど、みんな認定しちゃうと、少しずつ本来の点からかけ離れるし、エラーなし回転不足なしの選手が報われないわね。バンバン点が出ていくのは面白いし、精神上も良いんだけど、いつものに見慣れていると違和感でちゃうので少し混乱しました。大会によってジャッジがコロコロ変わるんじゃなくて、どっちかに統一してほしいなー。でも選手はだーれも悪くないよー。みんな公平に認定だったと思うので、結果には文句ありません。

 

さすが世界選手権!というような全選手のピーク(本気)を実感させられた演技の終結でした!ザギ、トゥルシン、メドおめでとう!!

 

ジャパニーズガール

最後に日本女子の感想を。個人的にさいたまワールドのキーパーソンはメドベージェワですがMVPは坂本選手にあげたい。

 

私は坂本選手のピークが全日本で終わってはいないか心配していました。しかし、実際は違いました。相当な練習を積んでいるのが丸わかりな・・それくらい短期間で何もかもを改善させているスケートでした。

 

トリプルアクセルにセカンドループ、はたまたついにタノやら四回転・・と高難度構成の選手が渦巻く時代の中「ジャンプの質」を極めることで、トップにのぼりつめている坂本花織の存在にはカッコよさがありました。ショートのジャンプは今季一。

 

ただ坂本選手の構成ではミスが許されません。それゆえパーフェクトが表彰台への絶対条件でした。フリップの抜けは本当に悔しかったね。それでも、課題とされていた体の使い方がとても美しく、それが本来のスケーティングの良さと溶け込んだ動きになっていて素晴らしかったです。

 

坂本選手は豪快で清らかなスケーティングのわりにはPCSが出ない選手でした。しかし、今回のような所作もパフォーマンスも美しい坂本選手であれば当然トップクラスのPCSが狙える。時々、緊張でスポーツよりの動きになっちゃう試合もあるけれど、今回のような演技がコンスタントに出てくるとスポーツの良さもアーティストとしての良さも両方出せる面白いスケーターになりそうです。

 

 

来季もリショーさんとの名コンビでリベンジしてほしい!ループの神様という曲があったら滑った方がいいレベルにループが神!

 

紀平選手について。チャレンジカップのショートでトリプルアクセルを成功できていたら、少しは心の負担も軽くなっていたのかな・・と思いました。それくらいショートでのトリプルアクセルは成功体験が少なく、イメージが弱いまま本番を迎えてしまったように観えました。

 

アクセルに関しては、どーーーしても「跳べ」「跳ぶな」「やらなきゃよかった」と注目を免れない難しさがありますが、来季を考えても高難度構成は必須なので、挑戦したことは無駄ではないと思います。

 

むしろバンバン挑戦して成功体験を積んでほしいです。大切なのは100%出てくる外野の言葉なんか気にしないこと!歴代選手、男子も女子も高難度構成を組む選手はみんなが通る道ですよね。応援しています。

 

また、いくら紀平といってもまだシニアデビュー年、最終Gに入らないとどうしてもPCSは期待するほど貰えないのだなと改めて悟りました。それくらい最終Gに意味はあったと思います。(+ミスを最小限に抑えたメドザギのPCSに対抗するのは、宮原含めまだまだよされた気がした)ぜひリベンジを。

 

今季は追う立場として伸び伸びと挑戦できるはずのシーズンでしたが、先輩たちが本領発揮してくる後半になっても、メンタル面を維持することが鍵となっていました。振り返れば、昨季のザギトワ選手も世界選手権では心身ともに持たなかった・・。それでも今季はその学びを生かしました。次は紀平梨花の番。今年の分を来年に繋げて欲しいと強く思います。

 

そして宮原選手。

ルール改正後は困難の多い日々だったことでしょう。回転不足気味のジャンプに波があるのは本人が一番もどかしかったと思います。

 

大きなジャンプや難しいジャンプを跳ぶ選手の中で戦うには、ジャンプの前後に難しい工夫が必要、ジャンプでつけられた差はスピンやステップのGOEで重ねよう、少しでも多くのPCSを出せるようにプログラムのブラッシュアップは念入りにしよう。

 

宮原選手は宮原知子のできる技術を最高までに押し上げているんですよね。自分ができる精一杯までのことはきちんとやっている。だからこそ悩んだシーズンだっただろうな・・とフリーを観ながら思っていました。

 

しかし、あえて言いたい。スケートアメリカの演技。あれは素晴らしかった。あんな演技がこれからも見たい。シーズンが進むにつれて、どんどん自信をなくしてしまったような滑りになったのが逆に「さっとんはもっと凄いのに」と思わせてくれました。

 

だから限界なんてないし、もっと伸びしろもあると思う。若手選手の中に挟まると、色々考えちゃうだろうけど、私はスケートアメリカの宮原を観てしまった以上は期待しています。

 

手直し前のプログラム。全然悪くないどころか、むしろ良かった。動きも洗練されていたし、何より滑り慣れていてスムーズだった。来季は自信を持ってミスパーフェクト復活だ!

 

おわりに

来季は4回転合戦の幕開けでしょうかね。シニアでもトゥルシンバエワ並みの細さならイケるのかも?と新たな発見ができたような・・。

 

日本勢もトリプルアクセルトライ組が増えていきそうです。高難度ジャンプを練習するとケガも増えちゃうので、それでシーズン使えなくなっちゃうのは厳しいなあ。みんなケガだけはないように祈っています。

 

なんかやっとケガが治り、安定してきた選手がまた高難度ジャンプで離脱するのとか見たくないなーという不安が・・。公表していなくても大体の不調の原因がケガや体のことだったりするので。

 

健康な高難度構成が拝めますように。