SONGS「hideが遺したもの」を見てタイムスリップした気持ちになった
2018年12月8日にNHK総合で放送されたSONGS「hideが遺したもの」のまとめと感想になります。
番組では、THE YELLOW MONKEYの吉井和哉さん、元乃木坂46の生駒里奈さん、MIYAVIさんをゲストに「hideが遺したものとはなんだったのか」をテーマにそれぞれ語る中、ここでは特に印象的だった言葉を記録したいと思います。
目次
吉井 メロディーに対し、反発しない言葉
吉井さんのインタビューが一番心に残ったので少し多めですが、ざっくりまとめると・・
✔hideは歌詞に拘りを持っていた
⇒韻を踏み、メロディーに対して反発する言葉を選ばない
⇒どんなに良い言葉でもイントネーションがメロディーに合わなければ使わない
✔hideは歌が魅力
⇒声のトーンがhideの人間性を表している
⇒自分の歌に酔っていない感じが最高にクール
⇒遠慮さや謙虚さが歌に出ているのがルックスと反していて好き
▼テレビでhideを語るのは初
・年齢は少し上だが同志のような気持ちを抱いていた
・「球根」を評価してもらったことが嬉しい
⇒吉井さん「hideさんも日本の音楽シーン、J‐POPシーンの中で、いかにロックというものを一般化させて、その中にどれだけ密度の濃いものを表現として入れることができるかっていうようなお話の中で、”球根”みたいなコアな曲を作って頑張っているねというような解釈で受け取ったんですけど、嬉しかったですね。」
ヒデの曲は本当に面白いです。ロックからポップな曲まで歌詞や歌声、パフォーマンス含めて時代の流れを感じさせないカッコよさがあります。
私が一番「天才!」「職人!」と思うのは、メロディーに乗る日本語を重視して選んでいるはずなのに、完成した歌詞には美しい表現しか見当たらないところ。意味不明な言葉がないところです。
「どんなに良い言葉でもメロディーに反していたら選ばない」通り、ベストな言葉から他の表現に変えても、全体を見ると歌詞に必ず強いメッセージや高度なストーリーがある。歌詞が音に乗っているのに、音も歌詞に乗っている。
ヒデは私にとって日本語って面白い!と教えてくれたミュージシャンでもありました。きっと今のJ‐POPにも色んなところにヒデは残っている・・そのひとつに、こうした歌詞の言葉遊びがあると思います。
生駒 圧倒的なカリスマ力
✔今の音楽シーンにある当たり前は、hideが軸を作った
✔これだけの情報社会で、まだ知らないことがあったんだという音やオシャレを教えてくれた
✔今はhideのような(カリスマ力を持った人)アイコンになる人は少ないから魅力的
生駒ちゃんは、まだ22歳だそうで。しかし、こうしたリアルタイムでXやヒデを楽しむことが叶わなかった世代の子たちも虜にしちゃうのがヒデのカリスマ性です。番組終了後もTwitterのトレンドに番組名と”hide”の名が上がり、「YouTubeで知りファンになりました!」という若い子がたくさんいたのは流石だと思いましたよ。
そんな生駒ちゃんが最も心に刺さるヒデソングにあげたのが「DICE」!その時のビジュアル含めて大好きだとか。偶然にも私と同じです!意見もまったく同じ!うん、うん、うん、うん。
生駒ちゃん「(DICEのヒデが)神様に見えた・・」
現在いても古さを感じさせないどころか、新しさしか見えないカリスマ性こそ、まさしくヒデにしか出せない魅力どころか魔力だったのでしょうね。
MIYAVI 世界に向けて発信している
✔hideは当たり前に世界に向けて発信していた
✔エンターテイナー、遊び心を大切にしていた
✔音楽活動以外にも影響を与えた人
MIYAVIはどちらかというと、「hideが遺したもの」を語るというよりは、遺したものをこういう活動を通して次世代に引き継いでいきたいです。と、いうような内容を紹介&語っていました。
また、番組の最後に「ピンクスパイダー」を演奏し、ヒデへの自身の想いを込めていました↓以下は「ピンクスパーダー」について語るhideの言葉を引用
「妄想を抱えたクモ<蜘蛛>」という意味なんですけど、スパイダー、蜘蛛が吐く糸はwebとも言うんですけど、webというのは、僕たちの情報収集のツール。その象徴でもあるインターネットとかいうのがあるんですけど、その情報を収集するためにwebを張ったクモというのは、自分の張ったそのwebの中でしか生きていけなかったり、それ以外は知らないんだけども、他のwebを張ったのをすごい情報を持っているような妄想に、、妄想がすごく、妄想に凝り固まって外の世界を知らない男の話なんです。
最後に空を飛ぶんですけども、空と言う名の別の世界に行くんですけど、雲に憧れて雲に憧れて、あの雲になりたいと思って空を飛んで雲になるんですけども。実はクモというのも空という大きなものの構成要員の一つでしかなくて、歯車になったに過ぎなかったというお話なんですけども。
この時代にこんな曲を作っていたなんて、とんでもない人だと改めて衝撃を受けます。
雲とクラウドをかけたり、蜘蛛の糸とwebをかけたり・・現代ネット社会に通じるテーマに、時間差で理解に追いつくこの感じ・・。初めて聴いた時は、まだ携帯すら持っていませんでしたからね、私。
まとめ
今年も12月13日がやってきます。hideがこの世を去ってからもう20年。こうして時間が経った現在も、誕生日近くになると、彼の特集番組があることを嬉しく思います。
番組では、3人のインタビューに交えて、過去の映像をハイビジョンで観ることが出来、まるでつい最近収録されたものを観ているような錯覚さえ感じ、切ないような・・嬉しいような気持ちになりました。
私がXを知ったのは、既にJAPANがついた後で、当時まだ小学生でした。突然テレビで流れた映像に「なんだこれ!!カッコイイ!!」と釘付け&ショックを受けたのがきっかけです。
初めてロックを聴いた時、俗にいう雷が落ちた感じのアレです。ロックなのにクラシックでもあり、おっかない化粧をしているのに優しさを感じる絶妙なアンバランスさに、子どもながらとんでもないモノを知ってしまった気がしたのです。
特に好きだったのがHIDE。ビジュアルは派手だけど、ヘンテコリンなことをしてくれる優しいお兄さんというのが、当時の理由だったと思う。子どもの目では、他のXのメンバーは怖い人だと思ってたからなおさらw
ただ残念なことに、好きになってから暫くしないうちに解散しちゃって・・。母になんで解散するの?どうにかならないの?としつこく質問していたなぁ。あの頃はまさかその後HIDEが亡くなるなんて思ってもいませんでした。
解散してからもたくさん活動してくれて、曲も最高にカッコよくて、この人凄い!って普通に子どもでも分かる魅力があったんだよ・・。だからリアルタイムでXやヒデのライブに行っていたお姉さんたちが羨ましかった。いーなー友達にファンがいて。いーなーライブに行けて。
だから中学の入学式で、前の席の子がヒデを好きと知ったときは嬉しかったなぁ。その時は既に亡くなってしまっていたんですけどね。
私はまだhideが亡くなった33歳にさえ届いていない年齢のファンですが、私と同じように彼の死後を観ている方が長いファンもいるし、たった今ファンになった方、そして昔からのファン&めちゃくちゃ古くからのファン、そんな幅広い世代を不思議な熱狂に包んでしまうのがhideこと松本秀人でした。
最後にまとめると、
hideが遺したもの・・それは時代を感じさせない生き方なんだと思います。
時代を感じさせないから新しいし、幅広く楽しめる。
それは、とんでもないカリスマ性を遺してくれた摩訶不思議なギタリストでした。