誰が勝つの?ピリピリムードなグランプリファイナル2018
グランプリファイナル2018
グランプリファイナルの結果が出ました!!
日本人スケーターたちが頑張ってくれましたよ!!
映像が途切れ途切れの中、イライラしながらの観戦でしたがとりあえず、(まだインタビューや各社の記事をみていませんが)感想だけ載せます!
やっぱ女子が賑やかだと面白い!
目次
男子は宇野VSネイサン
まずは、シニア男子の結果から。優勝はアメリカのネイサン・チェン選手、準優勝は日本の宇野昌磨選手、そして3位には注目の若手、韓国のチャ・ジュンファン選手が輝きました。
その他の結果は以下をどうぞ。
【男子総合順位】
1 ネイサン・チェン アメリカ 282.42点
2 宇野昌磨 日本 275.10点
3 チャ・ジュンファン 韓国 263.49点
5 キーガン・メッシング カナダ 236.05点
6 セルゲイ・ヴォロノフ ロシア 226.44点
※羽生結弦選手が足首の怪我でOUT⇒キーガン・メッシング選手がIN
今大会では、お互いが大崩れをしない限り、ほぼ宇野かネイサンがワンツーで並ぶだろうと予想されていましたが、結果はその通りで、まさに二人の戦いとなりました。
金メダルはネイサン、銀メダルは宇野。どちらが勝ってもおかしくない、どちらかのほんのちょっとの不調で勝者が変わる・・そんな二人のファイナルを今回は少しだけ追ってみたいと思います。
二刀流なハイブリット・ネイサン?!
SP 92.99 TES 48.78 PCS 44.21
3A 4F / 4Tso
とてつもなくカッコいいショートプログラムを引っさげて登場のネイサン。これは目立つし、誰とも被らないスタイルが目を惹きます。リズム感とセンスも良いし、ショートに関してはもう「ジャンプ以外が薄い」なんて言わせないレベルに押し上げてきました。
後半4Tからのコンビネーションジャンプでミスが出てしまったのは惜しかったですが、スピン、ステップはオールレベル4で揃え、成功したジャンプにも高いGOEがつきました。これは侮れない・・。
FS 189.43 TES 101.79 PCS 88.64 Ded-1
4F 4Lz<fall 4Tot 3A / 4T3T 3Lz3T 3F1Eu3S
続くフリーでは、なかなか曲がかからなくて変なスタートになってしまったのが気の毒でしたが、かなりまとめてきた演技でした。ショートほどの濃さは、まだないかもしれませんが、今回の演技は全体的にも「あ、これちょっとヤバいな」「近いうちにネイサンの覚醒くるな」と思わせる内容だったと思います。
告白すると、「今の男子シングルスケーターの中で一番好きかも・・」と心揺れる魅力がありました。この調子で行けば演技構成点も上がってくるかも!ネイサン通によると(?)今回はファイナルに向けて学業の方をセーブし、スケートに時間を割いて準備してきたようなので、それが結果として結びついたのでしょうね!
いやー。最近は二刀流人間が若い方の間で出てきますが、皆さん凄いですね。時間のやり繰りもですが、人生の歩み方に無駄がない!絶対、人間はじめてじゃないでしょ!ってくらいハイブリットな生き方が素敵です。
そんなネイサン、後半も大事な時は、そこら辺を上手に調整してくるだろうから恐ろしい!これから冬の補講が待っているのかな?どちらも悔いなく頑張ってください。
君はグレイテスト・ショーマンだから
SP 91.67 TES 46.88 PCS 44.79
4F<so 4T2T / 3A
ネイサンと同じく、とてもお似合いで素敵なプログラムを武器に戦う宇野選手。音ハメが心地よすぎて、いつまでも見ていたいと思わせる演技です。そんな宇野選手、どうやら絶不調だったようで、本番前は心配していたのですが、覚悟していたよりは大きなミスがなくてホッとしました。やはりそこは気持ちの強さだったのかな?
FS 183.42 TES 93.29 PCS 90.14
4S<<so 4F< 4T 4T2T / 3A 3A1Eu3Fso手 なんとか3S3T
実は前に「宇野選手は顔つきが変わった」と書いたのですが、これ違ったら失礼だと思ってぼかした言い方をしていただけで、本当は「ミラノワールド以降、苦しそうな顔をしているな」と思っていたのです・・。
金メダルのプレッシャー。1番を目指す気持ち。目の前にいる多くのライバル。普段のおっとりとした雰囲気とは裏腹に、そういうのがずっとあり、ずっと戦っているのだと思います。
最近なかなか上手く決まらなかった4Tに対しては「回り過ぎてしまう」「調子が良すぎてセーブできない」という自己分析がありました。このコメントを聞くたびに、それだけ「成功させたい」「勝ちたい」という彼の気持ちの強さが演技に出ているのだと感じていました。
ただ、今はその強すぎる気持ちが良い方向へ傾かずに、想像より遠くまで進みすぎちゃっているだけ。きっと、その気持ちは正確にジャンプへとプラスの方向に乗ってくれると信じています。
あとひとつ、これだけは間違いない!やっぱ宇野昌磨はファンを増やすスケートをする。どんな状況にあれこれに尽きる!全日本ではグレイトなショーマ待ってます!
女子は紀平VSザギトワ
あんまりこのお約束な煽りは使いたくなかったのですが、結果がそうなってしまったからには仕方があるまい!2018/2019シーズンは紀平VSザギトワの対決としてスケート界に記録されそうです。
今季は日本人の表彰台チャンスありかも?という予想通り、やはり紀平選手が優勝というかたちでファンの夢を叶えてくれました。五輪女王にして早くも岐路に立たせられるザギトワ選手は準優勝となりました。
その他の結果は以下からどうぞ。
【女子総合順位】
1 紀平梨花 日本 233.12点
2 アリーナ・ザギトワ ロシア 226.53点
3 エリザベータ・タクタミシェワ ロシア 215.32点
4 坂本花織 日本 211.68点
5 ソフィア・サモドゥロワ ロシア 204.33点
6 宮原知子 日本 201.31点
全体的に大きなミスなく良い演技で終えられた大会でした。それだけに、この結果というものは、それぞれが現在の限界からどうスコアを上げていけばいいのかを改めて考える経験になったのではないでしょうか。
強い心を手に入れた紀平
SP 82.51 TES 47.36 PCS 35.15
3A 3F3T / 3Lz
ショートで世界最高記録を更新。が、驚くのはそこではない。全ジャンプを成功させれば80点くらい出るのはファンですら分かっていたこと。凄いのはまずスピンでひとつレベルを落としいる中(FSSp2ですね)、つまりまだパーフェクトではないのにこのスコアに乗せたこと。
そして何より凄いのは、アクセルの注目に隠れている男子のようなルッツ!!ここでGOE+2.36ゲットです。いや強いでしょ、武器すぎるでしょ。アクセルの加点も2.51点なので、とんでもない保険になります。2点超えがふたつ、こりゃ他と差がつくわけだ。
FS 150.61 TES 78.21 PCS 72.40
3A<<ot手 3A2T 3Lo 3Lz3T / 3F 3Lz2T2Lo 3S
フリーに関しては冒頭のアクセルの後、映像が乱れ、ループが終わったっぽい直後から再び観られたので途中ちんぷんかんぷんでしたが、リプレイで2本目のアクセルが決まったのを確認したらバッチリきれいなジャンプだったので安心しました!
紀平選手はメンタルが本当に強くなりました!こんな短期間で何があったの?というくらい逞しいです。高校も通信制にしたことで練習時間も確保できるし、それが自信にも繋がっているのかな?
今季は挑戦者として戦うので、マスコミの煽りにも屈しない心を持ち合わせているとは思いますが、なんせマスコミは未来のスターに執着するのがお決まりのパターンなので、練習や試合の悪影響にならない程度に彼女を追ってあげてほしいです。アスリートをアイドル扱いだけはしないでね!
冒頭のアクセルがDGかつ単独だったので、次にもう1本いく勇気は凄かったです!でも、あそこは勝つためにはいくしかなかったですよね!その判断が凄い!守りも攻めの判断もきちんと状況を把握している賢さが凄いです。
また、アクセルをミスした場合に、ルッツにセカンドトリプルをつけられる技術も、それを想定しながら準備している練習も隙がありません!あとは難しいフライングシットスピンが整えば完璧。今季はこのままでいってほしい!神様お願いしまーす!!
追われるザギトワ
SP 77.93 TES 42.10 PCS 35.83
3Lz3Lo 2A / 3F
やたら煽られるザギトワ選手。世間はニューヒロインが誕生するところが見たいのね~という空気を嫌でも感じながらの試合だったと思います。それでもノーミス+レベル取りこぼしなしは偉かった!もう、演技前は泣き出しそうな顔をしていたのでヒヤヒヤしましたが、気持ちで押し切りましたね!
「ザギトワちゃんがノーミスでも80点いかないんだ?」というお声もチラホラ聞こえましたが、今回はザギトワ比でトレードマークの美しいスピンがあんまりでしたね。一方で紀平選手はFSSp以外はいつもより良かった・・そこら辺もGOEで差をつけたのかな?
あとは2Aの完成度がやや落ちてしまい、上手く点を重ねられませんでした。しかし最近は、どの選手も複雑な入りから2Aを跳びますよね。特に日本人選手はメドベージェワ選手やザギトワ選手よりもアクセルが上手い子が多い。どんどん詰められてくる恐怖と戦うのは怖いものです。
と、全体を見ても余裕のない滑りで、PCSもそんなに高く評価しづらい状況だったため、その点も紀平35.15点、ザギトワ35.83点と差をつけられなかったのがショートのスコアだったと思われます。
FS 148.60 TES 75.90 PCS 72.70
2A 3Lz1T 3S 2A / 3Lz3Lo 3F2T2Lo 3F
前半のコンボでミスが出てしまったときには、ミラノワールドが頭をよぎりましたが、そこを経験したからこそ強かった。あとはきっちりまとめましたザギトワ選手!最近セカンドループが調子悪いので、回転不足にならないかドキドキしていましたが心配なしでホッとしました。
以前、日本のテレビ番組で素のザギトワ選手を観た時に、競技の時は大人っぽいけれど、プライベートではまだ幼い面もあるのだなーと感じたことがありました。今回、会見で意地悪な質問をされた際にも、その一面が見られましたね。
まだ十代の少女、どうしても感情が表に出てしまうもの。適当に交わすなんてことは出来ません。アスリートの心の強さと人としての心の強さは種類が違うと思います。年齢を重ねないと出てこない強さもあるからです。
ここからはアスリートである前に、ひとりの女の子としてアリーナ・ザギトワを扱ってくれるような雰囲気があれば幸いです。大人が若い子を食い物にするようなところは見ていて気持ちがいいものではありませんからね。
ジュニアは島田が銅メダル!
はい、そしてここからはジュニアを秒速でおさらいします!
【男子総合順位】
1 スティーブン・ゴゴレフ カナダ 233.58点
2 ピョートル・グメンニク ロシア 218.75点
3 島田高志郎 日本 214.38点
いえーい!!高志郎くんがフリーで4Tを決めて3位になりました!!最後だけ惜しかった!けど、いいの!よく頑張った!3Aも決まって良かった!アクセル決まったの良かったですよね?ランビエール先生!!
高志郎くんについては先月アツく語ったばかりなので以下省略。
goldenretrievers.hatenablog.com
ゴゴレフくんとピョートルくんも金銀おめでとう!
コストルナヤ様の時代が来た
女子の結果はこうでした。
【女子総合順位】
1 アリョーナ・コストルナヤ 217.98点
2 アレクサンドラ・トゥルソワ 215.20点
3 アリョーナ・カニシェワ 198.14点
えーっと・・まず表彰台は全員ロシアです。タラカノワが4位、シェルバコワが5位。おそらくジュニアは順位がよめん!という方が多かったと思われますが、私のイチオシがコストルナヤ選手なのは相変わらずで、しかも優勝できたのがめちゃめちゃ嬉しかったです!!!!!
初めて観た時は衝撃でした。「えっ?ロシアにこんな綺麗な滑りをする子がいるの?なになに?突然変異?」と、かなりロシアに対して失礼な感想を持ってしまった私。それくらい年齢に対してありえない、もはや知性すら感じるスケートのコストルナヤ様。
この子こそシニアに参戦してきたら脅威でしょう・・と過去記事のどこかで鼻息荒くしていた記憶があるのですが、今回の結果を受けて本気で楽しみになってきました。
ただ、それと同時にトゥルソワさんも以前より進化した滑りになっていたので未知数。てっきりリプ⇒メドベ⇒ザギからの進化系になるかと思いきや、ライバルに感化されてか彼女も美しい滑りを意識して戦っています!
ロシアっ子から思うこと
私は女子の4回転がシニアで使い物になるのかが全くイメージできません。とてもリスキーだし、それこそ短期集中決戦でしか結果を出せない技だと思っているからです。やはり選手が狙うのは五輪金でしょ?そうなると時期的にこの子たちはどうなるのかな?という思いも・・。
でもトゥルソワ選手ならシニアに上がっても4Tまでなら操れそうな気がしないでもない・・。
今思うと安藤さんはやっぱり天才だ。途中4回転に色んな意味で潰されかけたけど、それをなくしても世界女王になれるしっかりとしたジャンプ技術を持っていた。年齢特有の体重管理に悩んだ後も健康さを失わず身体を絞って復活したし、何より勇気あるシフトチェンジが素晴らしかった。
もしロシアの高難度ジャンパーたちが同じような壁に今後ぶちあたったなら、私は彼女たちが使い捨てのように消えていくのではなく、安藤さんのように4回転を捨ててでもいいから他に勝てる方法を見つけてほしい。
確かに昔と現在じゃ技術も時代の流れも状況もルールも違うし、もちろん安藤さんとロシアっ子の跳ぶ4回転の質や成功率が違うのも分かります。しかし、結局ジュニア時代から高難度ジャンプを跳ぶ女子選手がぶち当たる壁は世界共通、時代なんぞ関係なく同じなので、そんな風に感じました。
だからこそ、「備え」がある紀平選手は強い。彼女は北京を見据えて「短期決戦」ではなく「長期決戦」で技術を磨いています。もしかしたら北京までの間、後輩の4回転ジャンパーに負けるシーズンが来るかもしれない。しかし、最終的に生き残るのは、安定した基礎があるベテランスケーターという流れに返るのではないでしょうか。
待ち構えているもの
さて、ここからいよいよ代表選考への本格ラッシュと各自なるわけですが、一体どうなるのでしょうね?
宇野、宮原の調子が悪そうだというのは分かりましたが、ベストを尽くせば高い点数が出るということも分かりました。
宮原選手は今季、改善中のジャンプの浮き沈みがあるのは仕方がないと思います。しかし、彼女は大事な時にここぞという力を見せてくれるので、頑張って後半へ繋げていってほしい!きっと今は後輩の活躍に少なからず衝撃があると思いますが乗り越えられるように祈っています。
坂本選手は、ファイナルに向けて気合いを入れて練習してきたのが伝わってきました。メダルに届かなかったのはショックだったろうけど、あの女子のピリピリムードの中、修羅場を駆け抜けたリーザ姉さんの余裕はさすがでしたね。
あとは全日本!ファイナル、全日本どちらもMAXでいくのは気持ちの面でも大変だと思いますが、こちらも祈るしかない!頑張れ!
ファイナルに出場していない組も北京まで誰が花開くかは分からないと思っているます。今年がダメでも来年がある。まだまだ先のことは分からない。色んなネガティブな意見が届いているとは思いますが、全日本、何があるか分からないし、誰だってチャンスがあると真剣に思っています。
ファイナルを見ていて思ったのは、勝つために重要なのは、最終的にその選手がベストを出したときに何点出せるのかということです。いくらノーミスでもザギトワに届かなければ敵わない。ミスしないのも大切ですが、結局はミスろうがいかにトップ選手を超せる点数を出せるのかが鍵ですよね。
チャンピオンになる選手は、PCSの出方が違います。徐々に積み上げていくというよりは、一気に出せるチャンスを逃さずに上げて来る。あとはちょっとしたエッジづかいも違う。ほんのちょっとした部分だけど、そのちょっとした部分が大きな差をつけてくるし、そのちょっとした部分がなかなか埋まらない。
と、そろそろ終わりにしたいのに、終わりがしみじみしちゃっているので、明るくしめると、
最後まで誰が勝つのか分からない試合は久しぶりでワクワクしたー!!!
トップスケーターって凄いんだなぁと改めて感じたグランプリファイナルでした。
いきなりー完ー
走り書きなので誤字脱字誤変換は後程チェックし、直します。ズボラですみません。
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