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真央ちゃんこれで最後なの?THE ICE 2017から見る時の流れ 

 

今年も始まりました真夏の祭典「THE ICE 2017」

これが始まらないと夏じゃない!という真央ファンも多いのではないでしょうか?

 

※ちなみにステファン(ステファン+ファンを合わせた私の造語)の私はファンタジーオンアイスが始まらないと夏が来た気がしません。冬です。

 

そんなTHE ICEですが、今年は真央ちゃん引退後初のショーということもあり、真央ファンもワクワクドキドキの大盛り上がりの状態となっています。しかし、その一方では「THE ICEは今年で最後なのかな」という話もチラホラとささやかれています。

 

 
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今年で最後?真央ちゃんはプロにならない説

なぜこんな憶測が飛ぶのかというと、真央ちゃん自身が数々のインタビューで「ショーが終わるまでは先のことはわからない。」と発言しているからなんですね。つまりは現段階ではプロとしてスケートを続けるかわからないということです。ということは、もちろん来年のTHE ICEはまったくもっての未定ということになりますから、今年で最後になるのではないかという噂に繋がったのです。

 

仮にもし、真央ちゃんがスケートを続けてくれることになったとしても、その決断の時期によってはTHE ICEは開催できないかもしれません。そう考えると、THE ICEは今回で最後・・プロの道に進むとしても今後は別なショーを新たにつくっていくのではないかという気がします。それと合わせて何となくですが、真央ちゃんはスケートを続けていくことに大きな責任を持っている気もするんですね。現役生活とTHE ICEは繋がっていて、このまま現役の延長でショーに出るのではなく、プロになったらプロとしてのショーの見せ方があると考えているのかもしれません。そうなるとまた新たに変えていかなければならないこともある・・色々な迷いや葛藤がありそうです。実に深い!

 

 

 

時代の変化

現在のTHE ICEは浅田真央による浅田真央のショーといった感じに演出され、真央ファンが満足することが第一にされているように感じます。同じくファンタジーオンアイスもすっかり羽生結弦による羽生結弦のショーになっています。人気者をとことん前面に出すといったところでしょうか。若干、他のスケーターの扱いが心配なところが正直あります。

 

その他のショーでもそうですが、アイスショー(試合も)には時代の変化と共にいつか後輩にショーを受け継ぐ瞬間があります。若手を売り出してあげたい、年齢と共に技術の維持が難しくなってきた等でショーから離れていく日が必ず存在するからです。残念ですが、荒川さんも羽生選手も、そして真央ちゃんもいつかは後輩にショーやそのポジションをバトンタッチする時が来ます。ですが、ファンとしてはやはり一日も長くリンクに立っていてほしいもの。私の理想は座長を酷使するスタイルではなく、現役からプロまでそれぞれが負担なく参加でき、スポットライトが当たるようなショーです。

 

 

 

理想はアイスレジェンドの進化版

一体どんなショーかというと、ズバリはアイスレジェンドのようなショーですね。あれはあれでステファンは大変そうでしたが、何が良いかというとバランスですね。ステファンが座長でありながらも、脇に真央ちゃん・大ちゃん・コストナーという絶対脇じゃない主役級のメンバーが揃い、そんな4人が同じプログラムに存在していても、お互いの個性を邪魔せず自然にストーリーの世界観が演出されていて凄く良かったです。また、トリをつとめたのが座長ではなく大ちゃんで、しかも皆さんが大好きなマンボというのも斬新でした。誰をメインにするかに重点を置くより、メイン級が勢揃いの大サービスコラボでひとつのショーができるのもいいなと思うのです。実際に真央ちゃん・大ちゃんも言っていたように何かひとつロミオとジュリエットのようなテーマを決めて、皆でストーリーを滑っていくショーがあっても面白そうです。毎年テーマを変えてやっていったら最高。個人的には「戦争」とか重いテーマのものをどう演出するのか見てみたい。技術的な盛り上がりや人気は現役に託して、表現面やもろもろの細かい負担はプロがカバーしちゃったり?妄想だけでも期待値上がります。

 

 

 

日本のアイスショー界の問題

しかし、そうはいってもアイスショーにそれだけのメンバーを集めるには所属事務所やスケーター同士の繋がり等色々と難しい問題があります。実際は不可能でしょうね。今はフィギュア人気も海外では下火で盛り上がらないし、ショーで食べていくとなると日本くらいしか仕事がない現状です。それなのに日本のショーのクオリティーってどれも少しお遊戯的というか・・アーティストとのコラボも微妙、衣装も微妙、人気選手のアイドルコンサート?といった感じ。おまけに最近では特定のスケーター以外のファンも減っちゃって・・(皆さんどこへ?)どこかで方向性を変えないと現役たちは引退後にショーという居場所がなくなっちゃうんじゃないかと心配です。そのためにも、ここでひとつ黄金世代組たちに流れを変えて新たなムーブメントをプロの世界で巻き起こしてほしいというのが密かな願いであります。

 

長年の選手生活から解放され、もう別な人生を歩みたい!という方にはもちろんそこを応援したいですが、今後もスケートの道を突っ走る方々には革命を起こしてほしいものですね。

 

 

 

おわりに

今年の夏季ショーでの現役組の新プログラムを見て「みんな若いのに上手いな~」と驚きながら、「でもこの輝きが短いのもフィギュアなんだよな。」と妙にしんみりしてしまいました。バンクーバー五輪の頃は当時活躍していたスケーターは今もプロとしてリンクにいるものだと思っていましたから、この現実が寂しいです。平昌五輪が終わったらまた誰かスケート界から去ってしまうのかと思うと今から悲しすぎます。私は真央ちゃんにはプロとしてバリバリやってほしいという反面、THE ICEで久しぶりの真央ちゃんを見て、「真央ちゃんは表現者というより、やっぱりファイターだったんだな。そこが魅力だったのかも。」と感じてしまいました。私は己の信念のもと、ひたむきに競技へ立ち向かう侍のような真央ちゃんの姿が好きだったのかもしれません。うん。表現者というより、応援したくなるファイターだったんです。

 

THE ICEを終えて、しばらく考えた後に真央ちゃんがスケート界に戻ってきてくれたら、今度はファイターではなく表現者として浅田真央をしっかりと見たいです。現役時代は真央ちゃんのことを選手というよりアーティストだと思っていたのに、今更こんな風に感じるなんておかしいですよね。私の中で何が起きていたんでしょう。謎です。

 

今回ローリーとのまるで別れを意味するような会話が世に出ましたが、あれはローリー=競技プロ=現役用プロ=ファイター用プロ=引退したら方向性変えるから少しの期間バイバイ、と勝手に解釈していいですかね?スケートを辞めるとかではなく、競技者から表現者へとステップアップする際にはちょっと新しくなろうかな~的なことだと思っておきます。

 

今回もまとまりのない記事を書いてしまいすみませんでした。いや~ここでは好きなことを書けるのでついつい思うままに言葉を並べてしまうんです。仕事用の記事だとそうはいきませんからね。それでも最後まで読んでくださった方には感謝です。ありがとうございました。

 

 

 

 

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日本人のおなまえっ!沖縄 前編

 

2017年7月20日にNHK総合で放送された「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ! 沖縄 前編」のまとめと感想になります。

 

 

番組あらすじ

全国的にも珍しい名字がたくさんある沖縄。今回はそんな沖縄のおなまえに関する不思議をご紹介します。比嘉さんの由来は何?なぜ読みにくいなまえが多いの?などなどたくさんの疑問を前編と後編に分けて調べつくす貴重な回なので、要チェックです!!

 

 

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なぜ比嘉さまは1番多いの?

沖縄県外の皆さま、沖縄で最も多い名字が「比嘉」さまだとご存知でしたか?私は知りませんでしたが、沖縄で「比嘉」さまといえばは佐藤さま並みにありふれた名字なんだとか。いくらそうは言っても「比嘉」ってどんな意味なの?なまえに使う漢字にしては珍しいな~等と不思議になるのが沖縄ネーム!一体「比嘉」さまのヒガってなんのこと?

 

実は比嘉さまのヒガには心にジーンとくる意味が込められているのです。それは何かと言うと、比嘉さまのヒガは「東」だったという説に隠されています。東とは日が昇る方角を指しますが、かつてヒガさんは日向(ひむか)さまというなまえであったと言われています。面白いのが、ヒムカという言葉が沖縄に伝わる過程でヒガという発音に変化したそうなんですね。そしてそのヒガを漢字に当てはめた結果、ヒガさまは「比嘉」さまという新しいなまえを、この世に生み出すことになったわけです。

 

また、沖縄には古くから「東御廻り」という東方への聖地巡礼を表す行事があります。首里城から見て東にある世界遺産の斎場御獄は、まさにその聖地となっており、この場所から見える久高島は琉球開祖の神様が降りた地と言われていることから「比嘉」さまのヒガは神様のいる位置を示しているとも考えられるそうです。確かに今も昔もお日様の存在は日本人にとって信仰の対象でもあり、すべての生き物が生きていくために必要不可欠なものです。「比嘉」さまは、日が昇る東に生命を感じたその心を、未来の日本人に伝えるために名字として残したのでしょう。

 

”太陽があって、豊かな恵みがある”

自然を敬う気持ちこそが東を大切にする信仰へと繋がったのかもしれませんね。

 

 

 

 なぜ難読名字が多いの?

続いては沖縄の難読名字について。皆さまは次の名字を読むことができますか?

 

大工廻さま 勢理客さま 保栄茂さま 小谷さま

 

正解は順番に、ダクジャクさま・ジッチャクさま・ビンさま・ウククさまになります。

 

普通に読めない方が多いと思いますが、実はこれも元の発音から変化したなまえなんです!例えば「保栄茂」という名字は本来「ホエモ」というなまえで呼ばれており、その由来は地名から来ているそうです。しかし、ホエモはやがてフィムと呼ばれるようになり、その後さらにビンという呼び名に変化し、今に至るのだとか。他の名字も同じような感じで、変化の過程で沖縄スタイルのなまえになったんですね。確かに沖縄の地名を名字にするとなると、それらを漢字に当てはめる段階で既に独特なものになるんだろうな~とは思います。恐らく沖縄の方にとっては、一発で名前を呼ばれることがなくて嫌かもしれませんが、普通の名字の私からしたらカッコイイですね。

 

 

 

なぜ独特な名字なの?

難読名字の他には、読み方は普通なんだけど・・なぜ変わった漢字に当てはめるの?という名字もあります。例えば田中さまが田仲さまに、上原さまが宇栄原さまに、前田さまが真栄田さまに等、沖縄ならではの表記がありますよね。これはなぜなんでしょう。

 

それには色々な説があるそうで、単純に同じ土地のなまえを区別するために作ったもの(富本さまと富見本さま)や、かつて琉球の時代には王子と同じ漢字(中城)を使用することができなかったため、少しアレンジした仲(田中さまが田仲さまに)にしていた等の興味深い歴史が感じられます。また、当時薩摩藩が和風のなまえを禁止していたことも影響し、かなりオリジナリティ溢れる名字になったという背景も。

 

言われてみれば沖縄、仲がつく名字が多いですね。それが琉球王国時代の名残なんてロマンがあって素敵です。

 

 

 

なぜ読み方が何通りもあるの?

沖縄には同じ読み方で表記が異なる名字の他にも、同じ漢字で読み方が異なるものもあります。例えば女優の新垣結衣さんの「新垣」という名字にはそれぞれアラガキ・ニイガキという読み方があるのですが、実はこれら「新垣」さまも初めはアラカチさまと呼ばれていたそうなんです。なぜ突然アラカチさまから他の呼び名になったのかというのは、昭和初期に名字の書きかえが行われた際に現在一般的に使われている読み方になったからだそうです。しかし実際の沖縄ではアラガキ・ニイガキの他にもアラカキ・シンガキという呼び方があり、昔は沖縄の方が県外へ移住する際には県外の人にも読みやすい言い方に変えていたという説もあるようです。

 

 

 

なぜ城がつく名字が多いの?

沖縄の名字には、とにかく「城」がつくなまえが多いと思いませんか?沖縄にはかつて琉球王国の王宮や政治・文化の中心地であった首里城がありますから、なにかそれに関係しているんじゃない?と大体は考えますよね。

 

ちなみに沖縄に多い名字ランキング

 

1比嘉

2金城

3大城

4宮城

5新垣

6玉城

7上原

8島袋

9平良

10山城

 

となっています。こうしてみても10位中5つもの名字に「城」がつくのですから、いくら首里城関係といってもあまりにも多すぎますよね。では、このたくさんの「城」はどこからやってきたの?という話になりますが、沖縄には遥か昔なんと400近い城が存在していたそうで、人々はそれら城を「グスク」と呼び、それはそれは大切にしていたんだとか。つまりは現在「城」がつく名字の方は、かつてグスクがあった地域の出身者ということになります。

 

そこで、なぜにそんなグスクだらけなの?という疑問がありますが、もちろんグスクといってもすべてが王宮というわけではなく、裕福の象徴をグスクと言い表していたからなんですね。かつて貿易で盛んだった琉球では、貿易船を捕まえれば富が得られるというアメリカンドリーム的な流れの中、貿易を通して多くの民が繁栄した歴史があります。そして裕福になった者たちが、その力を見せる証としてグスクが誕生し、国は多くの城ネームで 溢れていきました。

 

また、グスクにはただ単に城そのもののサイズや豪華さを表すだけでなく、 島にとって大切とされる場所も同様にグスクとされていました。 具体的には、貿易商で直接富を得るわけではありませんが、島にあやしい船が紛れ込んでいないか見張りをする場所や人の役割等も宝とされていたのです。私は沖縄のこうした心がたまらなく魅力的で、愛さずにはいられません。

 

沖縄県人にとってのグスクとは栄華の象徴でもあり、精神を支えるパワースポットでもあったのです。

 

 

 

感想

沖縄スペシャルの前編はいかがでしたでしょうか?沖縄にはいにしえから自然と共存し、愛し、信仰する心とそれらを次世代へ受け継いでいこうとする人々の魂を感じました。一方、沖縄の言葉や唄には現地の方でさえ段々と使われなくなったり、忘れられたりするものもあると思いますが、沖縄にはなんだか歴史のミステリアスな部分のヒントが多くある気がして、絶対に文化や伝統を失ってほしくないという気持ちにもなりました。

名字に関しては調べていくうちに、戦前には名字差別によって沖縄らしい名字からごく一般的な名字に改名された方々もいらっしゃった事実も知り、決して良い部分だけではないと思うと、本来誇るべき守るべきものをそうさせてしまっ時代の流れが残念でなりません。ただ、いつの世も名字にはひとつひとつに由来があり、ロマンがあります。私たちは、その自分たちのルーツとなる名字を尊び、大切にしていく使命があるということ、先人たちの教えを学び、伝えていくことが人の生きる道なんだと言われたような気がします。

 

 

沖縄前編、名字の由来だけではなく、色々と勉強になりました。次回後編も楽しみです!最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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印象操作に騙される女性たち

 

近頃テレビでは自民・安倍叩きで賑わっていますね。

 

どの局でも口を開けば「内閣支持率がついに29%に!」「特に女性からの支持を失っている!」とキャンペーンしていますが、あれだけワイドショーで毎日のように偏向報道をしていれば洗脳されてしまう視聴者がいてもおかしくありません。

 

海外の報道にも目を通す方や、テレビ以外の情報を自ら収集する方でもない限り、現在のメディアの異常性に疑問を持つことは、まずないというのが現状です。

 

 

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偏向報道とは?

では、なぜメディアがおかしいと思うのかと言いますと、そこら辺はこちらのケント・ギルバートさんのブログ記事を読んで頂けるとわかる通り、安倍内閣に打撃を与えるためには、なりふり構わず違憲性や証拠がないことを報じ、「安倍は悪」と印象操作しているからです。

 

ameblo.jp

 

その一方で、安倍内閣にとって有利になる内容は一切報じないという違和感・・・。個人的には蓮舫さんの二重国籍問題の方が余程問題であると思いますし、きちんと報道されるべきだと思います。しかしながら実際の報道には偏りがあり、メディアが報じたい内容しか視聴者は知ることができないのです。

 

さらにワイドショーに出てくるコメンテーターたちの発言に注目してみると「~と思う」「~のように見える」「~ではないか」「~と感じる」「~という印象」「~かもしれない」というような事実に基づかない憶測が多く、こうした巧みな表現を使うことで、まるでそれが事実であるかのように印象操作をしていることがわかります。まるで大きな声を出せば嘘も真実になるといったところでしょうか。特別安倍総理の支持者でなくても洗脳力のあるニュースには非常に恐ろしくなります。

 

 

 

世界は今、フェイクニュースに追われている

アメリカのトランプ大統領もロシアゲート疑惑でCNNに追い掛け回されていましたが、あれも結局CNN幹部への隠し撮りが発覚し、フェイクニュースだとわかりました。その隠し撮りされた内容には証拠がないロシアゲート疑惑を特集するのは視聴率のためだということ、それに乗っかる視聴者は馬鹿だという発言が残されていました。そうなんです。おわかりの通り、どこも視聴率になるため、目的のためなら真実は二の次で報道してしまうんですね。もちろんトランプ大統領側にもフェイクニュースはありますが(記事下にリンクあり)、私たち視聴者はメディアの印象操作によって動かされているという自覚を持って、情報を選別し、自分の意見をきっちり持っていくことが大切になってきます。

 

それにしてもアメリカは隠し撮りしちゃう勇者がいるのが凄いですね。日本はこのまま声を上げず、のほほんとしていて本当に大丈夫なんだろうかと心配です。

 

 

 

憲法改正は悪!

もう一つ、日本の未来のために真剣に考えていかなければならない問題「9条」があります。なんだかメディアの風潮では9条について触れるだけでも悪とされるのではないかという恐ろしささえあります。憲法改正イコール戦争という図式ができていて、「歴史を繰り返さないためには改正イコール悪だという認識を持とう!」「9条が日本を守ってくれる!」という声一色で決めつけてあるため、世界情勢が変化した今も自国の問題に関心すら持たない人たちを増やしてしまっているのではないでしょうか。

 

戦争をしない、したくないなどというのは当たり前です。しないようにするためにはどうしたらいいのかを考えなければならないのです。歴史を繰り返さないようにするためには、本当にただ改正や過去を悪だと決めつければ解決するのでしょうか?そうしないためには、むしろなぜ戦争が起きたのかきちんと学ぶ必要があるのではないでしょうか?何が戦争を引き起こすのか、どうして起こるのか、「悪」の一言で処理せずにもっと真剣に向き合うことが今の世代の仕事だと思います。私はこのまま自国の政治や歴史に関心すら持たない人々が増え続け、メディアの意見に振り回される世の中になっていくことに危機感しかありません。

 

誤解してほしくないのは、私自身「戦争がしたい、過去はすべて正しい」と言っているわけでなく「9条」に関して自分なりの意見を持つことが大切だということを次世代にお伝えしたいのです。当たり前のように存在している意見の他に、自分で情報を調べ、それらを比較した上で、それぞれの考えを持ってほしいのです。

 

 

 

日本は素晴らしい?韓国は素晴らしい?

最後に、ここ数年多い日本をひたすら称賛する番組と、韓国を称賛する報道について感じた違和感について書きたいと思います。

 

まずは、日本をよいしょする番組について。別に自国のことを褒められて悪い気はしませんが、ちょっと異常という過剰というか・・不自然ですよね。実際、日本にだって悪いところはたくさんあるし、社会に不満を持つ人だって普通にいます。「こんな時代に生まれて不幸だ」と嘆く人だっているでしょう。しかしそれらのネガティブな感情を「そんなの勘違いだよ!君は素晴らしい国に生まれたんだ!日本は完璧さ!」と思わせるのがこういった類の番組なのではないかなあという気がします。

 

外国人観光客に「日本の何がクール?」といちいち聞きまわるのも恥ずかしいからやめてほしいというのもありますが、私は日本が好きだからこそ、こういうやり方で自尊心を保つのは嫌だな~と感じます。仮に他の国が同じことして「私たちは素晴らしい民族」と喜んでいたら気持ち悪くありませんか?そんなことをしないと自信を持てないのかと思いませんか?

 

日本の良さを伝えてくれる番組があるのは良いけど、それと同時に「ここがヘンだよ日本人」のような日本の悪い部分を取り上げてバトルする番組もバランスよくあった方がいいよな~なんて思うのです。日本人って褒められるより、批判されているときの方が燃えるっていうか、指摘されるとすぐ改善するので最終的に完璧になるというか。称賛されるのも嬉しいですが、日本にとってプラス面だけでなくマイナス面も、マイナス面だけでなくプラス面も・・・視聴者が勘違いしない程度にやってほしいなというのが希望です。

 

 

その逆に韓国を称賛する番組は一時よりは減りましたが、相変わらず見たことも聞いたこともないアイドルが「大人気」とゴリ押しが酷いですね。日本の場合、韓国のようなダンスアイドルグループは90年代に流行しましたが、今の若い子たちにとってはそんな時代は知らないわけですから新鮮に映るし、スゴイと思うのでしょうね。ゴリ押しの成果は少なからずあるのか?「日本人はダンスも歌も下手で魅力ない」なんてツイートしている高校生も多いです。

 

現在の音楽市場はCDの時代ではなくなり、それを売るにはAKBのような「会いに行けるアイドル」戦略でもしなければ儲けになりませんからね。AKBが日本人の歌唱力やダンス技術の実力・頂点という認識の人はいませんし、あえてそういうやり方(手に届くアイドル)にしているのをわかって見ています。日本の音楽ファンの根っことなる部分は多種多様で強いですから、今は地下アイドル、インディーズまたはマイナーバンド、洋楽オタク等、大衆的なものから個人個人の趣味や嗜好に日本人の気持ちは向いていっているので、いくらJ‐POPの批判をしてもそれがK‐pop人気に繋がるとは思えません。ファンを獲得できたとしても、ちょうどダンスアイドルグループの隙間世代である10代の一部だけなのです。

 

ここで気を付けたいのが、すっかり韓流アイドルたちに魅了された子たちはファッションからメイクまで韓国スタイルになっていきます。そして中には韓国を称賛し、日本を否定する子も。好きなものは好きでいいし、否定したいことは否定して構いませんが、「好きだからと言って盲目的にならないように」注意してほしいですね。都合よく政治と文化は別という人もいますが、「自分の意見」を持たずに考えなしにそう言う人と、しかっり学んで意見を持った上で言う人の意味はまったく違います。残念ながら日本人の多くが意見なさすぎなんです。少なさすぎなんです。そういう私も日本人なんで偉そうに言えないのですが、私も含めもっとひとりひとりが自分の国のことを真面目に考えた方がいいのではないかと、繰り返しになりますが思うのです。

 

真面目になること、国について考えることがかっこ悪いだとか、変だとか思う必要はありません。当たり前のことを当たり前に感じ、行動していく世の中に、初めて未来があると確信しています。

 

 

 

おわりに

突然こんな説教くさいブログを書いてしまいすみません。なぜ急にこんな記事を書いてしまったかというと、メディアでは安倍内閣で何かある度に「女性はきちんと説明されないと信用しない」とか「女性は支持していない」等と勝手に決めつけられたり、韓流かぶれになった人たちが「慰安婦問題について日本はきちんと謝罪と賠償をすべき!日本海と言ってごめんなさい!」と言っている姿を見ると、なんだか女性はテレビの印象操作に洗脳されやすく、いいカモになってしまっていると思ったからです。残念ながら多くの方がメディアに「どうせ女なんて芸能ニュースにしか興味ない」と馬鹿にされ、無知を積み重ねているのです。

 

私は特別な思想を持っているわけではないので、右にも左にも偏らずに正しいと思う意見を選んでいきたいと思っていますが、やはり人間というものは少なからず自分の都合のいい方へ耳を傾けてしまうものです。それだけ情報の選別にはある意味、正解・不正解がなく、難しいものですが、ただ何も考えずにワイドニュースを観ていてはいけないということだけは確かです。自分がメディアに泳がされるのではなく、自分から世の中に興味を持ち、自己主張をしていく。たとえそれが他人とは違う意見でも「自分なり」のきちんとした考えを持つことが重要です。これは日常の人間関係でも同じですが、そうしていくことで自分にも自信が持て、視野も広がるのではないでしょうか。

 

私も自分の意見、そして反対の意見を一緒に合わせながら物事を見ていけるように努力していきたいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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真凜風トゥーランドットの感想

 

こんにちは!お久しぶりです!オリンピックシーズンの新プログラムがぞくぞくと発表、公開されてきましたね!

 

私はというと、引っ越しの際にパソコンを壊してしまい、長らくスマホから細々とブログ更新に励んでいましたが、さすがに記事を打ち込む行為に疲れ果て、数か月ほどここを放置してしまいました。

 

しかし、やっと新しいパソコンを購入したので(貧乏なのに)今日からまたボチボチ復活していきたいと思います!

 

さて、そんな個人的な話はあっちにやって、スケートファンの皆さん!現在は「オリンピックシーズンがついにきたか~」という気持ちと、「もう4年経ったの?!」という2つの気持ちでドキドキワクワクしているのではないでしょうか?新プログラムの話題が出てくると自分が滑るわけでもないのに何だか緊張してきますよね。今シーズンは代表選考等でなかなかリラックスできるムードはないかもしれませんが、それぞれ応援する選手は違っても一緒にこの競技を楽しみ、盛り上げていきましょう!

 

そんな中、今回の記事では先日新プログラムをお披露目してくれた本田真凜選手について書いていきたいと思います。

 

 

 

新プログラムはトゥーランドット

 

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真凜ちゃんの今季プログラムは

SP「ジェラシー&ラ・クンパルシータ」 ジェフリー・バトル

FS「トゥーランドット」 デビット・ウィルソン

だそうです。SPはタンゴですね。真凜×タンゴって鈴木あっこ×タンゴ並みになぜかわかりませんが想像できるのは私だけでしょうか?表情を作るのが得意とする選手が滑るイメージがあります。しかしFSはその逆で予想外にもトゥーランドットです!私の中でオリンピックでトゥーランドットといえば完全に荒川さんのイメージ!いや、正確には荒川さんがトゥーランドットで金メダルを獲ったのが最近のように感じるからそう思うのかわかりませんが、この選曲は海外勢にトゥーランドット=日本人の勝負曲という印象を与えるかもしれませんね。

 

 

 

なぜ、この選曲なのか

私はSP、FSのどちらかに「スプリングソナタ」的なハマりプログラムを入れてくると思っていたのですが、そうではなかったのが驚きです。これはシニアデビューのためにジュニア時代とは違う大人っぽさを出すためにあえてそうしたのかはわかりませんが、トゥーランドットはまだ少し早いのではないかなと勝手に思ってしまいました。せっかく表現が売りなのに、曲負けしなければいいのだけれど・・・。トゥーランドットはどうしても天真爛漫や儚さというよりはどこか寂し気でクールな美しさというか・・葛藤から心を開くまでの心境を壮大でロマン溢れる曲に乗せて滑らなければならない難しさがあるので、決してわかりやすい表現ではないと思うんですよね。濱田コーチはこの選曲理由を「基礎からクラシックをやってきているロシア勢に対抗するためには東洋人的なものを出した方がいい」からとおっしゃっていました。(FSの選曲は濱田コーチ)ちなみに同じリンクメイトの先輩である宮原知子選手のFSも東洋美を象徴して「蝶々夫人」となっています。ん~個人個人によってハマり曲は違うと思うから、あまり東洋的なものにこだわらなくても・・という気持ちと、今後ロシアが活躍する限りずっと濱田組はその路線でいくの?という複雑な心境です。あ、でも宮原選手の蝶々夫人は期待しています。同系統のミス・サイゴンがめちゃくちゃ好きなので。

 

 

 

それでも完成度の高いFSを披露

上記でこれだけ心配していますが、実際にDOIで披露されたトゥーランドットを見てみると、なるほど~さすがだな~と声が出るような綺麗に表現された仕上がりで良かったと思います。一言でいうとジャッジが好きそうなスケートです。途中イナバウアーが入るのですが、大変失礼ながら、そこだけはどうしても荒川さんがよぎってしまうのでナシにした方がよさげな気がしました。ただ無理のない大人っぽさでまとめられていて、観客も演技早々からプログラムの世界観に溶け込めると思うので、全体的にはかなりの勝負プログラムとなっています。振り付けがデビット・ウィルソンということもあってか、これまたうまい具合に計算されているんですよね。演技を見て韓国人ファンは衣裳を含めキム・ヨナの真似をしている!と反応していますが、そもそもトゥーランドットは真凜ちゃんの先輩でもある太田由希奈さんのイメージの方が日本人にとっては強いですからね。さらにオリンピックでトゥーランドットといえば荒川さんなわけですよ。確かにキム・ヨナと同じウィルソンの振り付けだから似てしまう部分はあるかもしれませんが、私にはこのふたり、まったく違うタイプに見えます。私は真凜ちゃんのトゥーランドット、想像以上にストーリー性があって良かったです。

 

 

 

トーリー性と芸術性を持って

 

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現在、夏のアイスショーで大忙しの真凜ちゃんですが、シーズン開幕までの残り時間はオリンピック出場に向けてプログラムにバリバリ磨きをかけていってほしいと思います。ストーリー性に加えて、シニアの先輩スケーターの芸術性にも引けを取らないような練習や経験が積めることを願っています。

 

1.毎夜、心によみがえるのは? 「希望」

2.燃え上がるが火ではないのは? 「血潮」

3.火をつける氷とは? 「トゥーランドット

 

ちなみにこれはトゥーランドットに出てくる有名な3つの謎解きです。トゥーランドットは自身に近づいてくる男にこの問題を出し、不正解であれば処刑していたんですよね。この後トゥーランドットは全問正解したカラフに「やっぱり無理」と拒否したので優しいカラフは「私の名はなんでしょう?正解したら処刑していいよ、答えられなかったら結婚してね」と条件を出します。そこでトゥーランドットは民衆に「あの男の名前がわかるまで誰も寝てはならぬ!」状態になり、色々経て、最後にあの人の名前は「愛」だわ!となって終わるわけですが、こうして書いていても難しいプログラムですよね。特に曲の最大の盛り上がりでもあるVincero!のところは色々な感情が詰まった部分だと思うので見逃せません。それにしても、トゥーランドットって氷のように冷たい女ですよね。おそろしい。こんなお姫様を表現することを任せられた真凜ちゃんは、かなり濱田コーチから期待されているんだなと思います。当然、表現力だけでなく、技術面でも強敵のロシアやカナダ勢に負けないように若手にはガツガツいってほしいですね。

 

 

以上になりますが、真凜ちゃんの新シーズンが華やかなものになるよう応援しています。悔いのない演技ができますように!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

ハリー・ポッター魔法のような誕生劇 アナザーストーリーズ運命の分岐点

2017年5月23日にNHKBSプレミアムで放送された「アナザーストーリーズ 運命の分岐点 ハリー・ポッター 魔法のような誕生劇」のまとめと感想になります。

 

~今や世界で一番有名な児童書と言っても大袈裟ではないハリー・ポッターシリーズ。今回はそんな「ハリー・ポッター」が世に出版されるきっかけとなった出来事や物語を通して生まれた様々なサプライズなどを3つに分けて紹介していきます。

 
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視点1
ハリー・ポッターを救った女神 事務員ブライアニー・イーブンズの場合

まず初めに紹介するのはハリー・ポッター誕生のきっかけとなったクリストファー・リトル著作権代理事務所(当時)に勤務していたブライアニーさんのお話。

ブライアニーさんは好奇心旺盛の自由人で職を転々としていました。ある日、友人からの「お給料がいいよ」というススメでとある著作権代理事務所に転職しました。そこでは雑務係として働き、毎日たくさん届く郵便物や売り原稿の仕分けをしていました。ほとんどの原稿が返却箱行きになる中、ふとブライアニーさんの目に留まった"お門違い"な原稿。それはクリストファー・リトル社では取り扱っていない児童書でした。

本来ならここで即、返却箱行きになるはずのその原稿。しかしブライアニーさんは好奇心から「少しだけ…」と読んでしまいます。すると出だしの数ページを呼んだだけで、あまりの魅力に夢中になってしまい、原稿を全部読み終わるまではバレないように隠し持っていることにしました。

 

そんな中、作者のJ.K.ローリングさん(当時30)は何社にも原稿を送るも全て断られるという日々を送っていました。ローリングさんは小さい頃から空想好きな女の子で、イギリスの大学を卒業後はポルトガルで英語教師をし、現地で出会った男性と結婚、そして出産。しかし、28の時に離婚をしてシングルマザーとなってからはイギリスに移り住み、生活保護を受けながら娘を育てていたのです。何とか貧困から脱したいと書き上げた原稿が後の大ヒット作となるハリー・ポッターでした。

せっかく原稿を書いても本を出版するには代理人が必要です。ローリングさんは何社にもNOをつきつけられ焦る中、間違って児童書を受け付けていない出版社へ原稿を送ってしまいます。それがあのブライアニーさんがいるクリストファー・リトル著作権代理事務所であり、ハリー・ポッター誕生の最初の分岐点となる事務所だったのです。

 

そんなローリングさんの現状を知ることもなく、こっそりと返却箱行きのハリー・ポッターを読んでいたブライアニーさんは、原稿を読み終えると大胆にも「続きを送って!」と個人的にローリングさんに連絡をしてしまいます。一方どんな可能性でもすがりたい気持ちのローリングさんはブライアニーさんに直ぐ原稿を送ります。

読めば読むほど物語にハマっていくブライアニーさん。しかし雑務係であるブライアニーさんにはこの「ハリー・ポッター」がどんなに面白い本であろうがそれをどうすることもできません。色々と悩んだ末「この本が出版されないなんてもったいない!」と思ったブライアニーさんは上司のクリストファーさんに「この本は売れます!」と説得に動き出しました。

児童書を扱わない会社なので、もちろんクリストファーさんの反応も「はぁ?」だったのですが、そうは言いつつもブライアニーさんの熱心な様子に負け、原稿をきちんと読んでくれることになりました。その結果、奇跡が起きます。何と原稿を読んだクリストファーさんが、ローリングさんの才能を確信し「君の代理をしたい、その本を売りたい」と素早く連絡を取ったのです。

ブライアニーさんの一言でついに出版までの第一歩を踏み出すことになったハリー・ポッターでしたが、その道はまだまだ険しいものでした。代理人は決まったものの出版社が見つからなかったのです。そのネックとなっていたのは、ハリー・ポッターのページ数でした。分量が多すぎるため子ども向きではないと判断されていたのです。確実に売れる本でなければならない、リスキーなことはできないとイギリス中の出版社から受け入れてもらえない中、ブライアニーさんは根気よく出版社に声をかけ続けました。そして一年後、ついにその時が訪れます。ある出版社から「本を売りたい」と返事があったのです。

その名はブルームズベリー社。実はこの会社も初めは「原稿には期待していなかった」と言います。しかしここからが運命の分かれ道。なんと会長のナイジェル・ニュートンさんの娘アリスちゃんがきっかけで流れは一変していったのです。アリスちゃんは大の読書好きで、いつもニュートンさんが仕事で持ち帰る原稿を読むのが日課となっていました。その日もいつもと同じように父の持ち帰ってきた原稿を読んでいると、とても面白い話に出会います。そして「パパ、これは今まで出していたどんな本よりもずっと面白い」と教えてくれたのが、まさにハリー・ポッターだったのです。「子どもが読んで面白いと感じる本」そんな娘の意見に反応して、会長のナイジェル・ニュートン氏はブルームズベリー社からハリー・ポッターシリーズ第一巻の出版を決心したのです。

 

こうして1997年6月26日にハリー・ポッターは発売。J.K.ローリングさんの長年の夢が叶った瞬間でした。

 

その後、物語の出来に注目したアメリカの出版社が、その販売権を巡り1000万円以上の高値で落札したことから、ハリー・ポッターの評価は急速に高まり、世界中で社会現象を巻き起こす程の大人気作品となりました。

 

いつか本当に良い時期が来ることを信じ抜いた結果がローリングさんの未来を明るく照らしてくれました。

 
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視点2
ハリー・ポッターを日本に導いた画家 ダン・シュレシンジャーの場合

続いてはハリー・ポッター日本版の表紙絵を手掛けたアメリカ人画家ダンさんのお話。このお方は現在画家でありますが、かつては弁護士兼マラソン選手をしていた驚きの経歴の持ち主でもあります。マラソンでアメリカの代表候補として活躍する傍ら名門オックスフォード大学で日本語を専攻、さらに弁護士になるためハーバード大学法科大学院へ進学し卒業したスゴイお方なんです。弁護士で収入を得て、マラソンをするという何ともチャレンジャーな人生を歩んできたのですね。しかし、度重なるケガに悩まされ泣く泣くマラソン選手を引退してからは、弁護士一本に情熱を注ぎ、アメリカ、イギリス、日本と世界各地を飛び回る生活に追われることになります。そんなハードな日常の中、癒しを求め始めた絵に魅了され、やがてダンさんは画家を目指したいと思うようになります。

絵を本業にしたいと思ったダンさんの気持ちを誰よりも応援してくれたのは学生時代に出会った同じ弁護士である奥様でした。「元はといえばあなたが弁護士になったのはマラソンのためだし、これからは好きなことをすればいいわよ」と明るく言ってくれたのです。何て理解のある奥様なんでしょう。自分でも弁護士は本望ではなかったダンさんは奥様のありがたい気持ちを大切にし、家事と育児をしながら画家への道を進むことになりました。

しかし、才能で食べていくというのは簡単なことではありません。絵は評価されない限り、ただの趣味になってしまいます。「このままでは背中をおしてくれた妻に申し訳ない…何とかしなければ」次第にダンさんの中にも焦りが生まれるようになりました。

 

そんなある日、ダンさん宅に友人である松岡佑子さんが遊びに来ました。お気づきの方はそうです。あのハリー・ポッター日本版の翻訳を手掛けた松岡佑子さんです。実はこの二人、ダンさんがまだマラソン選手だった時に偶然飛行機で隣同士になったことが縁で友人関係になっていたのです。何せ学生時代に日本語を勉強していたダンさんは機会があれば日本人と会話してみたいと思っていたそうで、松岡さんに会ったときは絶好の機会だったわけです。後にこの出会いがダンさんの運命を変えるとは気づかずに…。

 

話は戻り、ダンさん宅に遊びに来ていた松岡さんは当時、出版社を営んでいた旦那様を亡くし、会社を継ぐために奮起していたところでした。何か出版しないとと悩んでいた松岡さんはダンさんに「オススメな本はない?」と相談。考えた末ダンさんはちょうどママ友からススメられていた「ハリー・ポッター」を紹介しました。この時松岡さんは「じゃあ、もし出版が決まったら絵を描いてね~」とダンさんに話し、二人で冗談を交わしていたそうです。しかし松岡さんはその夜、ハリー・ポッターを読んだところスッカリその世界観にハマってしまい一晩で出版することを決意します。そこからは出版に向けて着々と行動し、めでたく日本での出版が決まりました。さっそく松岡さんは約束通りダンさんに表紙絵を依頼。こうしてダンさんの初仕事は決定したのです。

 

その後、物語のイメージを壊さないようあえてハリーの顔を描かなかったダンさんの表紙絵は作者であるJ.K.ローリングさんに絶賛され、画家としての地位も確立、松岡さんも会社を続けられることになりました。もしマラソンをしていなかったら、もし挫折していなかったら、もし飛行機に乗っていなかったら…今とは違う人生だったかもしれません。いくつもの偶然が重なったおかげでダンさんの人生は思いがけない幸せを手にすることが出来ました。

残念なことにダンさんの夢をサポートしてくれた奥様はダンさんの成功を見届けてすぐに病気で他界してしまいました。しかしダンさんは言います。「妻は松岡さんにハリー・ポッターを薦めたのは私よと言うのです。妻の名誉のためにもそういうことにしたいのです。」

 
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視点3
がんと闘う少女 ケイティ・ホークの場合

最後はがんを患いながらも病気と懸命に闘ったハリー・ポッター大好き少女ケイティちゃんのお話。ケイティちゃんはわずか6才でがんを患い、その後苦しい治療を余儀なくされる生活を送ってきました。そんな絶望的な日々の中、唯一の希望は大好きな本、ハリー・ポッターの世界でした。

ある日、治療に励むケイティちゃんの様子を見た弁護士ポール・スタインザーグさんは、出版社にケイティちゃんがいかにハリー・ポッターが好きかをメールしてみることにしました。すると、驚くことに、何とJ.K.ローリングさん本人から返事が届いたのです。

それからというものケイティちゃんとローリングさんの間では極秘のメールでのやりとりが始まりました。一部特別に公開されたメールの文章には"がんと闘うケイティちゃんはグリフィンドールにふさわしい"というハリポタファンなら誰もが喜びそうな気遣いや、物語のネタバレを特別にしながら"秘密をバラすとフクロウが行くよ"などと子ども心をくすぐる楽しい内容で溢れていました。

ただ返事をもらえるだけでも嬉しいものですが、病気で苦しむ気持ちに配慮して文を考えてくれることは、ケイティちゃんのお母様にとっては心強かったでしょうね。

 

しかし、ケイティちゃんの病状は8才になる頃には深刻に悪化し、別れの日は刻々と近づいてきました。ついに医師からは持って二週間の命と宣告されたことを知ったローリングさんは、ケイティちゃんのためだけに未発売の本を読み聞かせすることにしました。それはケイティちゃんの体力を考慮して1日15分だけ電話で伝えるものでした。

 

最後の電話の日、ケイティちゃんは電話に出ることは叶いませんでしたが、19日間を生き抜きました。ローリングさんは最期にケイティちゃんへ以下のメッセージを送りました。

 

"ケイティ、ハリーより勇敢だった。ずっと忘れない"

 

ローリングさんが病気や戦乱で苦しむ子どもたちとメッセージのやりとりをしている例は少なくないそうです。今もこんなやりとりがどこかで密かに行われているのかもしれません。ローリングさんは作家になりたいというよりは、作家を通して子どもたちに夢を与えたいのではないかと思いました。

 

 

さいごに

ハリー・ポッターシリーズが全世界で脚光を浴びた数年後、イギリスである短編小説が人気となりました。そのタイトルはロバート・ガルブレイス著の「カッコウの呼び声」人々がその新人作家の正体があのJ.K.ローリングと知ったのは本が発売されて暫く経ってのことでした。有名になりすぎたローリングさんは別名で本を出すことで、自身の作家としての評価を確認していたのです。

この本を読んでいくと、「ブライアニー」という人物が登場してきます。そう、ハリー・ポッター出版までのキーパーソンになったあのブライアニー・イーブンズさんです。実はブライアニーさん、ハリー・ポッター発売を待たずに彼氏と別れたことで心機一転をはかり、出版社を退社していたのです。しかしローリングさんはずっと自身の作品をここまで導いてくれたブライアニーさんに感謝しており、いつか小説にブライアニーさんを登場させたいと考えていたのでしょう。その思いが長年の時を経てブライアニーさんのもとへ届いたのです。何ともほっこりするお話です。もしかしたらハリー・ポッターよりもハリー・ポッターができるまで…またはハリー・ポッターを通して生まれた数々の出会いの方が小説よりもずっと面白いかもしれない、そんな風にも感じる人間模様でした。

 

 

番組を見て

数多くの人々に愛されているハリー・ポッター。おそらく架空の人物の中で最も知名度のある名前といっても過言ではないでしょう。

ハリー・ポッターヒットの裏には映画化されても原作のイメージを裏切らないキャストと舞台があったからだと思います。私も映画の舞台になったオックスフォード大学まで行ったことがありますが、現地を実際に見てみると、かなりCGにも力を入れたんだなぁ~なんて感じることが出来て、改めて映画製作者のハリー・ポッターに対する拘りや敬意、そして愛情が伝わってきました。

ハリー・ポッターはイギリスの文化で溢れているのも魅力の一つですし、今では「イギリスといえば?」「ハリー・ポッター!」と言えるほど新しい文化になっていますよね。本ひとつでその国のイメージをポジティブにしてくれるのですから文化って本当にかけがえのないものですよね。日本もゲームのキャラクターやアニメのキャラクターなどが世界を飛び立って素晴らしい活躍をしてくれているのでキャラクターの力は侮れません。そもそもキャラクターは幼い頃に見たままの姿であり続けますし、いつ見ても当時の記憶にタイムスリップできるからこそ懐かしく、貴重なものなのかもしれません。

 

今回はハリー・ポッターに関する3つの物語を紹介しましたが、どれも共通するのは「夢」であったと思います。人は夢を見て、叶えたいと願う生き物。それが叶うか叶わないかは人それぞれですが、夢を追うことや行動に起こすことは希望に繋がりますし、達成するまでは苦しいですが、必ずしも成功だけに物語があるわけでないし、色々な体験を通して人生の味が楽しめるのだなと思いました。

 

ケイティちゃんのお母様が番組のインタビューで答えてくれたケイティちゃんとローリングさんとのメールのやり取りで感じた「親にはできない人生の彩りを与えてくれた」という一言はまさに、夢が起こした魔法だと感じますね。夢を叶えた人だからこそ、与えられる夢であり、夢を見ていた人にだけ届いた小さな幸せだったと思います。

 

ハリー・ポッター誕生に至ってはこの他にもいくつか物語を聞いたりもしますが、本と限らず誰かにとって支えになったり、希望になったり、転機となったりする出来事はたくさんあるでしょう。私はまだ運命を変えるようなものとは出会っていないので、そんな方を見るだけで凄いと思いますし、羨ましいです。もし、「私も巡り会えていない」という方がいたら、今後そういった機会があればお互い大切にしていきましょうね。

 

それでは、長くなりましたが以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

日本人のおなまえっ!高橋さんのルーツとは?

2017年5月11日にNHK総合で放送された「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ! 【高橋】」のまとめと感想になります。

 

~番組あらすじ~

日本人の名字について特集する番組。今回は名字ランキング3位の高橋さんです。芸能界やスポーツ界でも高橋一生高橋尚子高橋大輔高橋克実高橋メアリージュンなどなど数多くの高橋さんがパッと思いつくくらいの超メジャーネーム。果たしてそんな高橋さんの由来は何かを探究していきます。(名字ランキングでは、はしごだかも合わせた集計になっています)全国の高橋さんは要チェック!

 

~目次~

1「高橋」は実在した橋だった?!

2 天皇の料理番の高橋さん

3 文字の秘密

4 神主をしている人も多い?

 

 

「高橋」は実在した橋だった?!

ルーツ探しの最初にやって来たのは、奈良県天理市。ここには高橋さんに関する貴重な石碑が存在しています。それは今から約1300年前の万葉集がかかれたもので、ここには以下の歌が綴られています。

 

"石上 布留の高橋 高高に 妹待つらむ 夜ぞ更けにける"

 

高い橋に愛する人への気持ちが高まる様子を重ねた何ともロマンチックな歌なんですね。ここで気になるのが「布留の高橋」というワード。あれ?もしかしてこれって実在した橋なんじゃない?と思いませんか。結論からいうとズバリyesです。見た目はごくフツーの橋なんですが、古くからある歴史の詰まった橋なんですね。ちなみに昔はもう少し高さがあったようですが、現在では建て替えられて万葉集の時代の姿とは変わっているそうです。しかしここにくれば、高橋さんは古の高橋さんと想いを共有できるかも?興味のある方は石上神社へ行ってみるとよいかもしれません。

 

続いてはやってきたのは、同じく奈良県の八条町。こちらには平安時代に登録された高橋さんのルーツともいわれる「高橋神社」があります。もちろんこちらにも橋は存在しているのですが、先ほどと同様フツーの橋なんですね。しかしガッカリしないでください。重要なのはここからなんです。実はこの橋が架かっている場所から東にはあの空海鑑真が住職をしていた大安寺があり、西には光明天皇ゆかりの薬師寺があるのです。ザックリいうと、この2つの大切な寺社の間に架かる橋がこの橋なんですね。つまりは高貴な方々が行き来する場所だったというわけです。そのためこの橋には当時の最新技術や特別なデザインが施されており、まさに現在でいう東京スカイツリー級のシンボル的な役割を担っていました。高橋さんは全国にたくさんいて、その分ルーツも様々ですが、以上のこともあり奈良の高橋さんが1番由緒正しく力のあった方たちだと考えられるそうです。

 

 

天皇の料理番の高橋さん

では、他の高橋さん情報についてもいくつか見ていきましょう。まずは栃木県小山市にある高橋神社にまつられている磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)さまについてのお話です。こちらの神社には多くの料理人さんたちが参拝にやってくるそうなんですが、それはなぜかご存知ですか?なんとこの磐鹿六雁命さまは天皇の料理番だったお方で、現在こちらの神社では料理の神様として信仰されています。その遥か昔、天皇の料理人や台所仕事を任されている人たちは皆「高橋さん」だったそうなんです。その料理人さんたちすべてを取り締まるリーダー的存在がこの天皇の料理番こと磐鹿六雁命さまだったんですね。なんでも包丁さばきの指導なんかもされていたようで、高橋流包丁式なんて儀式もあるくらい凄かったとか。ちなみに当時は鶴(捕まえるのも怖そう)や鯉が高級料理とされていたそうですよ。料理好きの高橋さんはこちらがルーツかも?

 

 

文字の秘密

次は甲骨文字から高橋さんのルーツを探ります。実は「高橋」という字は高も橋のどちらも甲骨文字に残されているんです。さっそく字を見ていくと、「高橋」には口がたくさん使われていることがわかります。実はこの口という字には、神様に対する願いが詰まった箱という意味があり、神事に関係するものを表しているんですね。このことから高橋さんは、かなり神様に近い存在だったことがわかります。

 

甲骨文字について解説


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高橋の「高」は城門の前に神様に対する願いを入れた箱を供えた様子を表したもの。城の中に悪霊が入ってこないよう、お祓いしていたことがわかる。


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高橋の「橋」は城門の上で舞いを捧げている様子を表したもの。

 

まさに「高橋」とは城門でお祓いをしている人の姿を重ねた文字だったんです。高橋さんは歩くスーパーパワースポットなのかもしれませんね。

いかがですか?普段何となく書いていた字が神秘的に思えてきたのではないでしょうか。最後に具体的な例を書いていきます。

 

 

神主をしている人も多い?

新潟県弥彦村にある弥彦神社は年間150万人もの参拝客が訪れる人気スポットです。また、恋愛祈願や子宝に恵まれることでも知られており、女性の神様がいることでも有名です。そんな弥彦神社の神主の名は高橋良直さん。そうです。さっそく高橋さんの登場です。もう予想がつく方もいらっしゃると思いますが、弥彦神社の神主さんは代々高橋さんがやっておられるんですね。

そんな神主の高橋さんが「ぜひ見ていただきたい」とオススメされたのが、神社内にある「玉ノ橋」という大変古い時代からある小さな橋。この橋は、おまつりをしている神様が何かあった時に、こちらを渡られて村内を回ったりする際に使われるものだと言われている、別名神様専用の橋なんだそうです。高橋さんが弥彦神社に行かれましたらぜひ橋をご覧になってみてはいかがでしょうか。(弥彦神社のパワーは凄いのである意味気をつけてください。特に御札。)

 

話は戻り、弥彦の神様が新潟に来た時、その家来や末裔が高橋さんだったと言われています。実際に神社におまつりしている神様の由緒を記した古文書(高橋文書)によると、天香語山命という神様がいて、この神様が天照大神のひ孫であることがわかっているそうです。さらにずっーと文書を遡っていくと昔から高橋さんが神主を受け継いでいることもわかったんですね。

しかし!現在弥彦神社の神主をされている高橋良直さんがラストタカハシになってしまうかもしれないとのこと…。高橋さんいわくご自身が生きている限りはこの伝統をまもりたいとのことですが、どうかラストにならないでほしいですね。

 

 

感想

以上が高橋さんについての回になります。同じ神様系統の名字※齋藤さんは伊勢神宮発祥でしたが、高橋さんにはルーツが色々あるので自分はどのルーツなのか探してみるのも面白そうですよね。あと、もうひとつ付け加えたいことがありました。そもそも名字とは江戸時代以前は皆さん気軽に変更しまくっていた(引っ越しする度にとか)らしいのですが、高橋さんは自らのルーツに誇りを持っており変えなかったことから現在もこんなにたくさんの高橋姓が残っているそうです。なるほどね~と思いますよね。なんだかスペインに侍の子孫を名乗る日本姓がいる感じに似ています。ぜひ名字に興味を持った方は他の名字、特に両親の名字について調べてみてください。新しい発見があるかもしれません。

 

※さいとうさんについてはコチラ

 

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【オイコノミア 】教育を考える編 無償化に賛成?反対?

2017年4月26日にEテレで放送された「オイコノミア もしもマタヨシ国が生まれたら"教育"を考える編」のまとめになります。

 

 

今回は「保育園・幼稚園~大学までの教育費を国が負担、無償化案」について賛否を問います。


※番組を10秒で紹介

ピース又吉直樹さんが建国した架空の国・マタヨシ国。国王である又吉さんは「国民全員に一律で教育無償化」を提案します。さらに、この政策についての賛否を地球から招いた仲間たちと話し合うことで、様々な角度から教育費について深く考えていこうという回になります。

 

 
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6人中3人が賛成

番組に参加してくれたのは現役大学生、奨学金返済中のワーキングママ、子ども食堂の運営者、孫がいるおばあちゃん、4大卒のフリーター、家事も育児も仕事もこなすパパの6人。さっそくこの6人に今回の案について意見を聞いてみたところ、ちょうど半分の3人が賛成という結果になりました。

 

 

意外と多い?!

思っていたより賛成派が多いなと感じたのですが皆さんはいかがですか?私はどちらかと言うと「一律はダメでしょう」的な流れになるのかと予想していたので少々驚きました。もちろん反対派からは「皆が行くからとりあえず行こうかは良くない」という声も上がりましたが、それに対して賛成派からは「"なんとなく"行った人の中でも何かしら大学で学んだことは社会で生きている。だからこそ一律でも意味がある。」という返答がされました。時は流れ、進学が当たり前になりつつ今は、大学に入ってみようと考える層も増えているのかもしれませんね。

 

(反対派ではその他こんな意見もありました)

・我が子の学費くらいは自分で払うべき
・払える人まで払わなくてもよくなるのはおかしい
・一律はよくない

 

 

日本人と教育費

突然ですが問題です。今、大学進学にかかる費用の税金負担を支持する人の比率は5割以上いる?イエスorノー?

 

正解はノーです。これは半数の人が支持できないわという結果ですよね。その理由はなぜかを教育社会学者の濱中淳子さんは「日本は教育劣位社会であるからだ」と語ります。教育劣位社会というと「ナニナニ?日本人は教育を重視していないのかー!」となりそうですが、そうではなく、日本人は教育を大事だと思っているけれど、医療や介護等他の分野に比べると教育の優先順位は低いと考えているという意味なんです。確かに日本は超高齢化社会…状況的にはそうなりますよね。田舎なんかだと介護問題と子どもの教育費問題をダブルで抱えている家庭もありますし、それぞれの分野で金銭的な難しさが溢れているのも現状です。

 

 

学習意欲

教育費の家計負担が大きい日本。番組では、教育費イコール家庭が払うものというかたちが根付いているので、生まれた環境(経済力)によって早くも大学に進学できるかできないかが決まっているのではないか、それによりこどもの学習意欲は違ってくるのではないかという意見もありました。

大学進学が前提にある環境の子と大学に行けるかどうかわからない子、または全く行ける可能性がない子。最初から選択肢がある子と選択肢がない子、選択肢があることすらわからない環境の子では、学習に対する必要性の認識にバラツつきがでるという考えです。確かに自分がどんな人たちに囲まれて育ったかによって経験や知識の範囲は違うと思います。社会がこどもたちにどんな未来を見せてあげられるかにより個人個人の方向性や生き方も変わってくるのではないでしょうか。

 

 

才能で食べれる人は一握り

また、「才能がない人が分かりやすく頼れるのが教育」という意見もありました。世の中にはこどもたちに「大学に行っていなくても何か他の才能で社会的に成功した人もいる」なんて話をする方もいます。するとこどもたちは素直に「勉強している自分は間違っているのか」という錯覚をおこしてしまいます。これはとても無責任な行為であり、才能で食べていける人にしか通用しない生き方を才能がない普通の人間にアドバイスするのはよくないと賛成派の方は主張します。もちろん大学に行ったからといって全て(リスキーではない)ではないという意見もありました。

 

 

大学生増加への危惧

続いては反対派の「無償化で大学生が増えれば、(大学の)レベルが下がったり、進学の効果が弱るのでは?」という意見について。日本では大学教育は役に立たないなんてわりと思われています。大学で学んだ内容なんて仕事では使わないじゃないか、だったら大学になんて行く必要がないし、無償化なんてなおさらしなくてよくないか、という考えもあります。しかしそれについてはこんな声も。「大学で習った知識を仕事で使っているかが重要ではなく、大学で学習したという"経験"が役立つ。働いてからも"学ぶ人"になることが大事。むしろ進学の効果はあるのではないか。」確かに…私のいとこがまさにコレなんですよね。休みの日も資格の勉強をしたり、調べものしたり…まぁよく仕事に生かすような勉強してるんです。思えば小さい頃から勉強することが身に付いていた人なんで、それが大人になっても継続しているんですよね。きっとヤツは出世コースなんだろうなぁ。

 

 

平等が不平等を招く財源

実際に教育税をつくる!となった場合に多くの人は「税は払う段階だと損しただけの気持ちになる」そうです。じゃあダメじゃんとなりますが、日本では若者より高齢層の方が税金を使うことには肯定的なんですね。その背景には自分にできることが年々なくなってきた中、それなら人のために役立てることがあるならしたいという意識があるようです。ただお昼ご飯を食べれるか食べれないかの人に「未来のために」とお金を払わせることが正しいのかという意見もあり難しい問題ではあります。

 

 

結論

さいごに「教育を受けて得をするのは本人か、せいぜいその家族くらいであるのに、そこに税金を投入するメリットはあるのか?」という反対派の意見に対する賛成派の意見を紹介します。これについて賛成派は「教育なしで今の社会と同じクオリティでやっていけるとは思わない。学びから全ての暮らしが変わっていく。」と反論しました。今ある医療や科学技術も全ては学びのおかげということですね。ここでわかったのは、反対派も賛成派も結論として、社会全体にとってどんなメリットがあるのかが税を使うにあたって一番大事なポイントだということです。ちなみに番組では賛成派の意見に合わせて"大卒者は高卒者に比べ所得税を生涯で約1500万円多く支払っている"というデータを提示していました。以上のことを踏まえて、再度「教育費(一律)無償化」の賛否を確認したところ賛成派4人、中間2人となりました。反対派がいないとはまた驚きですが、中間派に話を聞くと「社会に対してあなたは必要な人間なんだよという未来を与えることは大切」だと感じたため中間まで気持ちが揺らいだそうです。番組のまとめとしては「損をする人にそうではないのだと否定するのではなく、教育に対しての理解を抱くことが大切」だと締めくくっていました。

 

 

感想

時々耳にする「私学校行ってないからさぁーこどもも大学行かなくてもいいと思ってる。別に大学なんて行かなくても大丈夫だったしね。」といいながらも「こっちはこども生んでやってるのに、教育費くらい無償化してほしい。」というお母さんの言葉。決して学費を払えないわけではないけれど高校までは無償化を求めたいという方たちもチラホラいます。しかしながら私はそれが税金の正しい使い方かといったら違うだろうと思います。教育のための無償化か、生活の補助としての無償化か、人によっては受け取り方や必要性の違いは大きく、こうした意見のわかれ道をまとめるにはある程度どこかの意見を切り捨てていかなければ実現には至りません。…と、いっても私自身はこの問題については中間派なんですがね。

基本的に無償化するに当たっては私も"ただ通えばいい"ではなく、国が教育に力を入れた結果がほしいですね。この結果とは単に学力だけに限らず、色々な視野や選択肢を広げたことでの充実感や達成感、向上心含め、様々な面でいかに可能性を見いだせることができたかを言います。

一律化…といっても、そもそも教育も望まない、何の不自由もない層の人たちのために犠牲になるほど若者は余裕なんてありません。無償化するのなら、単なる金銭的なサポートではなく、より高度な教育を受けた結果、こどもたちの未来にどんな経験や学びが得られるか、社会を生きる上でいかに意欲や希望を持たせてあげられるかを後押しするという考えのもとでなければならないでしょう。

何をするにも世の中お金が必要ですからね。何だかふと、いつしか誰かに言われた「何をしたいかわからないときは、とりあえずお金を稼いで貯金に励め。そうすれば何かやりたいことが見つかったときにすぐにスタートできる。」という話を思い出しました。おそらくこんな世の中、やりたいことがわからない若者もたくさんいるでしょう。それでも生涯で通じた学びの中から突然「夢」と出会う可能性だってあります。ですから学びは無駄ではありません。学びの中から生まれる夢だってあるし、夢を果たすために必要な学びだってあるのです。教育は必要ないと言ったお母さんは教育の大切さをぜひもう一度考えてみてほしいです。無償化するとは単に保育園代無料でラッキーではないのです。

誰しもが夢を当たり前に持て、そういったことの大切さを何にも配慮せずに伝えられる社会になったら理想的ですね。

まぁここまで書いて賛成派というわけでもないのですが、自分たちの世代で苦労させたことは次世代にはさせたくないよなという気持ちも少なからずあるんですよね。「俺たちが苦労したからお前たちもそうしろ」とか「俺たちが若い頃はそうだった」とか何でも「今の若者」のせいと片付けたりするのは古い考えだと思うのです。過去と現在の時代の流れは違いますから、変わらずにいなければならないものもあれば、変えていかなければならないものあるはずです。これからの日本人はもっと柔軟になれると良いですね。

それでも保育園~大学まで無償化する案については個人的に反対意見の方がまだ強いので(保育園からはちょっと…そこ払えないというのは別な問題じゃないか?)今後私も頭をやわらか~くしてよーく考えてみようと思います。もちろん、世の中の問題全てをお金が解決してくれるわけではないし、それだけが手段ではないこともあります。何でもかんでも保証されればヨシというわけでもありませんし…私もまだ勉強不足なので否定ばかりする人間にならず、色々な意見から知識を得ないとなぁと感じました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

(現在コメントは受け付けていません。コメントを頂いてもブログ更新が精一杯で全く返せていないので申し訳なくて…承認しておきながらノーコメントだと心苦しいので、あえて承認待ちのままにしていたのですがそれはそれで申し訳ないので一度閉じます。)

 

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