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オオカミのとおぼえブログ

主にフィギュアスケート、BSやNHKの歴史・紀行番組について書いています。オオカミだけど一匹じゃないブログ目指します!

好きか嫌いか言う時間 中卒ママVS高学歴ママを見て

今回は2017年2月27日にTBSで放送された「好きか嫌いか言う時間 中卒ママVS高学歴ママ」を見て私なりの意見を書いていきたいと思います。

 
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極端な考えだけを集めた構成

この番組放送後、ツイッターで目立ったのは「高学歴ママ酷すぎ。高学歴ママと中卒ママを選ぶなら中卒ママの方が良い。学歴なんて必要ない。」という意見。

ここで言われる高学歴ママの酷い部分とは

1 家に監視カメラをつけて娘の勉強を管理する

2 学校でシラミをうつされたので転校させる(それは中卒ママの子どものせい)

3 過度な英才教育

を指しています。

確かにどれも行き過ぎた内容ではあります。特に2のシラミの件は放送上問題のある発言(シラミの原因は中卒家庭によるもの)もありました。そうなると世間の意見は「酷い親だ!学歴なんてあってもこんなんじゃ意味がないじゃないか!」と怒りで溢れることかと思います。

しかし、私はここに出演するママたちにとても違和感を覚えました。どうも「考え」が「極端」すぎるのです。果たして高学歴の人間が皆こんな風に子育てをするのでしょうか?エピソードがあまりにもぶっ飛んでいて、私にはわざと極端な人たちを集めて煽っているようにしか思えません。

 

 

問題は学びが必要ないと勘違いさせること

上記の内容については番組上に面白くさせるための目的に過ぎないかもしれません。ただ問題なのは、「高学歴ママ酷い」イコール「学歴なんて必要ない」というコレまた極端な考えを生んでいることです。高学歴は必要ないとしても学ぶことが本当に必要ないのでしょうか?私は絶対にあり得ないと思います。

若い頃の無知は許されます。それはまだ若いから。大人になってから知らないことを知ろうと努力することも恥ずかしいことではありません。立派なことです。しかしその無知をそのままにしていればどうなりますか?いつまでも若い頃と同じように周りは見てくれますか?違いますよね。年を重ねていけばいくほど社会で苦労するのは自分自身です。生きていくのに高学歴は必要ないかもしれませんが、人として最低限の教養は必要だと思います。

中には「雨風しのげて暮らせるだけで幸せと理解できるようになる」と涙ながらに話していた中卒ママもいました。残念ながら家庭環境が理由で高校に通えなかった人がいるのも現実ですが、このママも本人の努力次第で今からでも学べることはできるはずです。自身の人生が辛かった分、子どもには同じ苦労をさせまいと頑張れるのはその親だけです。学歴がある人でさえ死ぬまで勉強し続ける人は大勢いるのですから、こうして「最低限」を選ぶより目標と向上心を持って生きることの方が少なくとも涙は流さずにいられるし、生きやすいのではないかと思いました。

 

大多数の人間が学ぶことを放棄したら世の中から私たちが「必要」とするものが消えてしまいます。普段何気なく利用しているものの多くが生きていくために必要なものばかり。それを生み出したのも人間の知恵なのです。人は生きるためにも学ぶことは大切です。

 

 

体罰かしつけか

続いては、親から2万円盗んで遊戯王のカードを買って叩かれたという息子の話。これは体罰かしつけかと議論になっていましたが、個人的には「口で言って聞かせればわかるようなまだ小さな子」に手を出す親は少し言葉の能力を改めた方が良いと思います。ただ暴力以外で説明すれば虐待ではないとも思いません。高学歴ママの監視カメラはまさに精神的におかしくなっちゃいそうな行為ですからね。

我が家は父は温厚、母は「暴力反対!文句があるなら口で言え」精神だったため叩くという行為に想像がつきません。しかし反抗期真っ盛りのすっかりデカくなった息子が悪いことをしてカーチャンに「このバカ息子!」「イテッ」という昭和な場面は男の子がいる家庭にはあるものなのかなぁと思ったりもします。

ただ「悪さ」にも個々によって程度がありますよね。

この番組では最後に「2万円盗んで」カードを買ってしまった息子による母親に対しての"きちんとしつけてもらって感謝してる"という感じのメッセージが放送されて感動の涙…!という展開で終わっていました。確かに現実息子さんは良い子に育ってて素晴らしいと思いました。

しかし私はコレにずっと悶々としています。なぜなら「2万円」盗むって普通じゃないと思うからです。「悪さ」の程度が凄すぎるのです。しかもこの息子さん「以前母親が、友達が万引きした時も叱ってくれた」と話していてまた驚き!「万引き」ってちょっと!犯罪ですよ!おそらく「悪さ」の程度がここまでだと思わなくて「叩くのは虐待だよー」と思った人もいるはず。

だからといって叩いてもOKというわけではないけれど、むしろこれは「叱る」前に「盗み」を犯したことがなぜなのか心理的に焦点をあてるべきだと思いました。それくらい盗みって叱って済むことではないし、そこに至るまでの経緯を知ることが重要だと思うからです。

この母親は叩いても抱き締めてあげる覚悟があるから手を上げたそうなのですが、確かに抱き締めることは大切な愛情表現だったと思いますね。だから息子さんも立派に育ったのでしょう。しかしながら、これは親子の信頼関係があってのことで親の力量がなければただの暴力になるのでむやみに真似はしない方が良いと思います。基本的に叩いて抱き締めるとかDVと同じですからね。

親にも子にも色々な人がいるように、人それぞれに合ったしつけがあるのも事実だとは思います。結局はその家庭のやり方があるのだろうけど、互いから学ぶことや、互いを通して見えてくる自分の姿も勉強になるのではないかと思いました。

 
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大切なこと

最終学歴暴走族という中卒ママには笑えましたね。中卒だろうが明るく楽しく生きることができれば全然問題ないと思います。しかし、こうやって笑って暮らせれば良いのですが、そうでない場合もあります。

 

私が昔、仕事で小学生の宿題をサポートしていたとき、いつも勉強することを拒む子たちがいました。その子たちが決まって言うのが「ママが勉強なんてしなくても生きていけるっていってた」とか「ママが高校に行かなくてもいいって言ってたから勉強がんばらなくても良いんだよ」という言葉でした。中には「高校に行かないですぐお嫁さんになるから勉強はしなくていいの」という子までいました。子どもは素直です。親の"勉強しなくてもいい"という教えをそのままところ構わず実践してしまいます。だからといって他の子が勉強している場で遊んでいて良いのか?といったら違います。皆と一緒に勉強しなければいけません。

もちろんこの子たちの母親もそんなつもりで言ったわけではないと思うんですよね。まさか自分の一言を子どもがこんな風に捉えて過ごしているとわかれば叱るんです。「人様に迷惑をかけるな」と。

そして一度ママに注意されると真面目モードに切り替わるのも子どもなんです。いくら親に勉強なんて必要ないと言われてもテストで100点とったり、字がキレイだねと花丸をもらえば誰だってその達成感が自信になるし嬉しいのです。そして努力と成功体験を積み重ねることで「私やっぱり将来~になりたいから勉強する!」と意欲的になります。私はこうした親の声がけ次第で子どもの可能性や生き方には選択肢が広がり全然違ってくると思います。ですから子どもの前では絶対に「学ぶことが必要ない」とは言ってほしくないのです。金銭的な事情で学ぶことが難しくても、生涯を通して学ぶ方法はいくらでもあります。私は親にはそういった方法を子どもに伝えて欲しいと思っています。

 

また、勉強は1日2日で身に付くものではないため地道な努力が必要です。結局学校とは自分自身の力でどこまで考えられるかの訓練みたいなもの。大切なのは知識を埋め込むよりも、この地道な努力を積み重ねる力なんだと思います。私たちは「勉強めんどい」「勉強嫌い」といいながら、知らず知らずのうちにそれらを義務教育の中で身につけているんです。

母親と共に通信制の高校に通い途中で断念してしまった娘さんがいたのですが、彼女はこの小さい頃から身につけるべき力をどこかで「必要ない」と落としちゃったのかなと思います。

何より通信は通学と違いほぼ独学です。独学とは教室の中でいくら勉強した人にだってその力を最大に発揮するには苦労するもの。そりゃー人間誰しも自分に甘い部分を持っているわけで、そんな中、自分でスケジュールを管理するのは至難の技ですからね。彼女には、この落としてしまった力を取り戻す気持ちがあるのかわかりませんが、せっかく家族がやり直すチャンスを与えてくれているのだから「変わるのはいつでも良い」ではなく「やれるうちにやっておきなさい」と言いたいです。

それと彼女が留学したいという意見に私はむしろ賛成ですね。ただ「絶対にすぐ帰って来るなよ」を条件にですが、辛い環境に放り込んでしまうのも一つの道かも?と思います。高学歴ママの中にいたテキサス大卒の方の教育論は私もよく理解できませんが、何だかんだであの英語力は彼女の努力の賜物だということは頭に入れておいた方が良いかもしれません。

 

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さいごに

最後に高学歴ママについて少し触れておわりにしたいと思います。どんなに良い家柄でも、どんなに素晴らしい学歴を手にしても、人を差別したり見下すような人間であったらそれは真の賢さとは言えないと思います。恵まれない家庭環境で育った人にとっては、親の敷いてくれたレールを歩けるというのは、それだけでラッキーなことです。自分の力だけでなく、親の力、家族の力は大きいということ、それらが進学や就職するにあたっていかに助けになってくれているかを忘れてはならないと思います。

私自身は大した学歴がないので教育を与えてくれる両親の存在は羨ましいですけどね。でも今回の出演者は高学歴ママも中卒ママも極端すぎてどちらの気持ちにも賛同できませんでした。もう少し中堅層とのバトルではないと議論にすらならないと思うのですが、それでは番組が面白くないからやらないんでしょうね。

それにしても、あんまりの高学歴ママたちのとんちんかんな発言の寄せ集めのせいで、普通の教養ある人の生き方に対して「勉強なんて何の意味もない。人生経験積んで挫折を乗り越える方法がわかれば大丈夫。」と間違った考えを持つ若い子が増えたらマズイのでは?と心配です。

学歴ある人の「学歴なんて何の意味もない」という言葉は、実際に学歴を持つその人にしか使えない体験談であることは理解した方が良いです。学歴が役に立つかどうかなんて人それぞれだし、それがどんな場面で生きてくるかなんてわかりません。確かに大学出たって意味ないじゃんってことも今の世の中ならたくさんありますが、それと同時に「学生時代もっと勉強してれば良かったな」「もっと上を目指していれば良かったな」というチャレンジ後悔をしている人もいるのではないでしょうか?少なくとも私はそうです。

そう考えると一番大切なのは過去ではなく、今いかに向上心を持って生きるかだと思います。人間死ぬまで勉強といいますが、まさにその通り。吸収することを諦めてはならないと改めて感じました。

 

あとがき

「立派」な母親になることは難しいかもしれませんが、子どもから「お母さん大好き」と言ってもらえるような親子関係を築くことができたら子育てとしては結果、大成功ではないでしょうか。