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フィギュアスケート前半戦!それぞれのルール対策とは?

ロンバルディア杯&USインターナショナルクラシック2018

 

新ルールの下で切磋琢磨するスケーターの皆さんにとって、今季は苦戦を用いられる場面もあるかと思います。男子には演技時間短縮の壁が立ちはだかり、女子にはジャンプの精度を求められる時代。各大会を通し、試行錯誤を重ねながら得点に繋げていくであろうスケーターの姿を、今季も一ファンとしてそっと見守らせていただきます。

 

さて、早くも2018年のロンバルディア杯とUSインターナショナルクラシックが幕を閉じたわけですが、今回はそこから見えてきた「日本人スケーターたちによる新ルール対策に励む様子」について書いていきたいと思います。

 

目次

 

ロンバルディア杯女子

まずは、ロンバルディア杯より女子の様子から。日本からは坂本花織選手山下真瑚選手が出場しました。結果は山下選手が182.22点で3位、坂本選手は180.85点で4位となりました。

坂本花織の対策

「全く緊張はなかった」という本人のコメントとは裏腹に、ショート時の顔はとても緊張していたように見えました。また、今季はシニア2年目というのもあり、「昨季より良いものにしなきゃ」「曲に負けないように大人っぽくしなければ」という思いが演技からひしひしと伝わってきます。少々プレッシャーを感じながらスタートしたようなロンバルディア杯。坂本選手が成長していく過程をゆっくり応援していきたいところです。

 

以下にロンバルディア杯ショート・フリーの内容と対策の様子について

 

ショートのミス

3F fall

2Lo

スピンでバランスを崩す

 

ショートではコンビネーションジャンプがなしになってしまい、本領発揮できないまま終わってしまいました。

 

対策しているところ

曲に合わせた衣装や髪型

大人っぽい演技への意識

 

今季はボーカル入りのしっとりとした選曲からして、新しいイメージの坂本花織へと変化しようとしていることが分かります。今までとはガラリと違うプログラムなので、身のこなしや音の取り方に注意しながら滑っていましたね。逆にそれらに意識がいくと、本来の元気なスケートが控えめになってしまい、そこにミスが出てしまうと、表現にも焦りが見え、途中から荒さが出てしまいました。(でもそれは頑張っている証拠だよ!)

 

フリーのミス

3Lo<

3Fso2T

コンボを1つ余らせてしまった

 

フリーでは少し調子を上げてきました。ルッツはノーマークでしたが、もしかすると他の試合ではエラーがついてしまうかもしれません。

 

対策しているところ

編曲が変わり、より高みを目指していた

メンタルの切り替えが素早い

 

フリーではショートよりも落ち着いて滑っていました。ショート後はひどくショックを受けていたにも関わらず、強いメンタルの持ち主です。坂本選手の強みはこうしたガッツですね。このたくましさは、昨季同様に坂本選手の武器になりそうです。プログラムの方でもポツポツと変更している部分があり、シーズンを通し、より良い作品にしようと分析しているのが分かりますね。

 

このままでファイト!

今回はミスこそありましたが、坂本選手は大事なところにピークを合わせて挑んでくると思うので心配はありません。シニア2年目仕様のプログラムも、技術の調整がベストな状態になれば、ロンバルディア杯よりも洗練された動きで対応できるはずです。スピン、ステップもこれからマックスに持ってくるでしょうし、坂本選手の場合はピーク策士ということで、これからが本番です!

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山下真瑚の対策

終始笑顔で余裕あふれる山下選手は、調整試合として上手くロンバルディア杯を活用できたと思います。ピークはまだ合わせないけれど、そこそこのレベルには持っていく。その作戦が功をなしてか堂々の総合3位に輝きました。

 

ショートのミス

3Lz2T

3F!<fall

 

ショートではコンボにトリプルが付けられず、フリップでは大幅に得点を失い悔しいスタートに!

 

対策しているところ

全然へこたれない!

短期間で本気モードの体づくり

 

山下選手は演技中にミスがあろうがなかろうが、その心理状態を演技中にちっとも見せないスケーター。どんな時も心の底から楽しそうに滑る姿には芸術性すら感じます。そういったプログラムの世界観を最後まで大切にする意識の高さは、同門の宇野選手も同じですよね。また、1ヶ月前と比べてかなり体が絞れているのも驚き!「あ、これは徐々に戦いへとエンジンをかけてくるな」と、察しました。

 

フリーのミス

3F!

3Lo<

3S<2T

2Aso

 

見た目はほぼノーミス!しかし、フリーは回転不足が多めになってしまい、厳しい結果に。これには疲れも関係していたかな?と思うことにして、次に期待します。

 

対策しているところ

ジャンプだけじゃない演技作り

ボーカルに負けない滑り

 

山下選手はシニア1年目ながらも、得意のビックジャンプと快速スケーティングだけでなく、表現力にも力を入れて飛ばしていこう!というチームの姿勢が伝わってきます。そのため、ショート・フリー合わせてとても個性的なプログラムが用意され、終始ボーカルが目立つ中、それらに負けない滑りが試されています。一見「こんな編曲でどうやって滑ればいいのだろう」というプログラムでも、違和感なく魅せるのが樋口美穂子流のスケートなので、山下選手がどんな風にふたつのプログラムを仕上げてくれるのかが待ち遠しいです。

 

先輩の間に入り込む強さ

山下選手はいわゆる「持ってる選手」だと思います。ライバルや先輩スケーターがショートで出遅れた時にすっとメダル圏内に入り込んでくる強さがあります。これは、運だよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は何気に難しいことです。手が届きそうで届かない場面の方が多い中、チャンスをものにできる人間は一握り。それでも、そのチャンスをしっかりと掴むことができるのは、山下選手の冷静な試合運びがあるからだと見ています。

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USインターナショナルクラシック女子

続いては、宮原知子選手、白岩優奈選手出場のUSインターナショナルクラシックから見えた宮原選手の演技をピックアップ!昨季は輝かしい成績でシーズンを終え、すっかり世界のサトコとして不動の位置を確保した宮原選手ですが、さっそく今季初戦も優勝から幕を開けました。(白岩選手についてはもう少し様子を見てから書きたいと思います)

 

ショートのミス

<<3回転がすべて回転不足>>

 

ショートは安定のノーミス・・!!ながらも全トリプルジャンプで回転不足をくらってしまいました。ただ演技中、「むむ、これは全部とられちゃうかな」という危機感は抱いていたので、結果が出るまでの間に心の準備は出来ていました(フィギュアは心臓に悪い)

 

対策しているところ

ジャンプが高くなっていた

表現力うなぎのぼりすぎ

3Lo⇒3F

 

やはりルール改正が影響してか、ジャンプの跳び方を変えてきましたね。以前より高さが出てきました。そのせいか?回転が・・・。しかし表現力は飛びぬけて、ひとり宇宙の彼方までレッツゴー状態です。宮原選手の場合、ジャンプで試練を迎えても、必ず克服してくるので、私は信じて待ちます!

 

フリーのミス

2S

3Lz fall

 

フリーの出だしは回転不足を気にしてのミスが続いたのだと思います。ルッツに関してはリピートあり。しかし、フリーでは回転不足はなく、細かなマイナスで済みました。とっさの判断だとは推測しますが、今回は2A3T2本コースを選択したこともジャッジにとってはクレバーな戦略とし、評価されたと思います。やはり経験って大きいですよね。

 

対策しているところ

トップクラスのプログラムを攻略

分析・改善力

スピン・ステップは最高レベルを維持

 

頭一つ抜けたプログラムをさらりと滑る能力には流石としか言いようがありません。フリーではショートのダメージを一度は引きづったものの、後半からは修正力を見せ、意志の強さを感じました。また、スピン・ステップでレベルを落とす気配すらしないのも一流ですね。ここからさらに仕上げるとなると、GOEの方でもかなり稼いでいくことになりそうです。

 

経験の差が出てきている

シニアデビュー後、多くの辛い場面を乗り越えてきた宮原選手。もうどんなパターンの試練も一通り経験したと言っていいかもしれませんね。だからこそ、宮原選手は様々な対処法を熟知しているので、今季もそんな経験の差から素晴らしい演技を見せてくれるでしょう。今こそ深みのあるスケートが羽ばたく時!世界中のファンを唸らるんだー。

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ロンバルディア杯男子

ロンバルディア杯には、さっそく日本のエース宇野昌磨選手が登場しましたが、ショート(安定の調整)、フリーを観た感想は、

「フリーがしんどそう」

いや、想像以上に大変そうです。こりゃ男子にとって前半戦は辛いだろうなぁと思いました。

 

しかしながら、宇野選手は安全・安定・安心の3拍子ですね。今までと同様ショーマペースでコツコツやっていけば結果オーライではないでしょうか。ルール改正の影響で大変なのは、他の4回転ジャンパーにも言えることですが、今季は体力が危うくなった時の臨機応変さが求められるシーズンとなりそうです。

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一緒に試合に出た友野選手も伸びしろしか見えてこないスーパースケーターなので、体力モリモリマックスでフリーを攻略していってほしいです。

 

【男子はまず、フリーになれてからでないと何とも言えませんね。それでも宇野友野コンビは天国の階段も月光もニューシネマパラダイスもリバーダンスも最高よ】

<新葉情報>

あと、ついでにルール対策のひとつとして、樋口選手のプログラム変更についてもひとこと。フリーに予定していた「愛の賛歌」を「四季」に変更することが決定しましたが、こうして早い時期から決断を下す動きには樋口選手のただならぬ今季への覚悟が感じられます。

 

ファンの間でも「愛の賛歌」はまだ早いのではないか、と言われていたようですが、個人的には樋口選手なら滑りこなせると、当たり前のように思っていたので、マル秘プロになってしまったのは残念。しかし、薄々インタビューからも滑りにくさを感じているようには見えたので、本人がしっくり来るまで待つのが1番ですね。(それでもいつか滑ってほしいよー)(愛には色々な形があるから早いも遅いもないのよー)

 

ここだけの話、ショートの方もかなり難しそうに見えるので、フリーは少し余裕を持ちたいと思ったのかもしれませんね。それにしても「四季」はどんなプログラムになるのでしょう。宮原選手もフリーでちょこっとだけ入れてますが、今季はまさかの四季対決?!になってしまいます。ちなみに数ある四季の中で、私の中のベスト四季はパトリックなんですが、どなたか賛同いただけるでしょうか。樋口選手にもぜひ、女版ベスト四季を滑ってほしいです。

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まとめ

まぁ今のところ、海外組を見ていても「まだまだ本気出してないよーん」的な感じで皆さんケロッとしているので、日本勢も彼らのピークに合わせて戦っていければ良いと思います。女子の場合は、国内壮絶サバイバルがあるので、どうしてもシーズン前半から飛ばさなければ!と、プレッシャーがかかってしまいますが、良い感じでライバルとの距離(差)を保ちつつ、全日本でしっかりピークを作れればベストですね。

 

オズモンド選手がいない今季は、日本女子勢にとってチャンスがあるかな~なんて甘い考えを持っていた私は反省中です。全然イージーじゃない!それぞれがプレッシャーを感じて必死です!五輪代表に選ばれた選手は、恥じない演技を・・と自身に課題を与えて頑張っているし、逃した選手たちは、チャンスを得るにはどうしたらいいかと精一杯に動き回り・・「本当に大変よね」という思いでいっぱいです。

 

それでも、ファンとしては、どの選手にとってもあまりプレッシャーを感じずにやっていけたら・・と願っているので「このプログラム自信ないかも・・」なんて萎縮せずに、自分の長所を出していってほしいな。ロシアの選手なんてどんな編曲でもドヤ!って自信たっぷりですし。その点、新プログラムに苦手意識を持ちつつある坂本選手も樋口選手も三原選手も、とにかくスーパーナルシストタイムで外野の声を吹き飛ばしちゃって文句なしの宝を完成させてほしいです。

 

みんな若いのにコメントから、自分を厳しく分析していて辛くなっちゃうのよね。自分のダメな部分を振り返るってキツイ作業だから。ついつい涙も出るよね・・偉すぎる!

 

最後に過去記事を紹介します。まぁハラハラしながら見るのも楽しいよねってことで、世界選手権までジェットコースターに乗った気分で観戦しましょう~。

goldenretrievers.hatenablog.com

 案外GOE+4とか5が普通に出ていて拍子抜け中。ちなみに私にはまだ判断基準がよく分かりませんw

goldenretrievers.hatenablog.com

 と、いうわけで以上「それぞれのルール対策について」でした。