オオカミのとおぼえブログ

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坂本三原の同門対決?クープ・ド・プランタン

クープドプランタン2018

 

3月16日~18日かけてルクセンブルクで開催されたクープ・ド・プランタン(プランタン杯)。日本女子シングルからは坂本花織選手・三原舞依選手・白岩優奈選手が出場しました。

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主な成績

1位 三原舞依 215.49点 

SP72.98点(ノーミス!!)2位発進 FS142.51点(ノーミス)

2位 坂本花織 202.56点 

SP73.27点 首位発進 FS129.29点(2A3T転倒、3Loがダブルに)

3位 白岩優奈 181.79点 

SP65.67点(ノーミス)3位発進 FS116.12点(細かなミスあり)

 

結果は日本勢のワンツーフィニッシュ!!三原選手はショートのジャンプがついに完成しました~!!やったね!!優勝おめでとう!!

 

オリンピックを終え、貫禄が出てきた坂本選手はショートで好調な出だしも、フリーではややお疲れ?で総合順位は2位。しかし、エネルギーが満タンになったら、またやってくれるでしょう!そして3位は爽やかオーラ満載の白岩選手!100パーセントの出来ではありませんでしたが、セカンドループに笑顔で挑む姿はかっこよかったです!!今後に期待大!

 

フリーを語る

ということで、ここからは、日本3人娘たちのフリーの演技について細かく見ていこうと思います!

 

三原舞依 142.51 76.12 66.39

全ての要素に加点がついたのが素晴らしいです!最も高いGOEの評価を得たのは、冒頭の3Lz3Tとステップのふたつで+1.40点。フリーはもともとミスが少ないorないことが三原選手の強みですが、今回の滑りには何かふっきれたような伸びやかさがありました。TESは76.12点のハイスコア!PCSは66.39点でした。欲を言えば、ショートの演技も含め、PCSでもっと稼げるようになると最強の選手。そこに関しては今季の苦労が来季どんな形で生きてくるかが注目です。また、今大会でのショートの記録はパーソナルベスト!!・・と言いたいところですが、クープドプランタンはISUの主要大会ではないため、記録は非公式のものとなります。ぜひ、次は公式大会でパワーアップした三原舞依として記録を更新してほしいです。

坂本花織 129.29 64.29 66.00

オリンピック後は体調を崩した選手が多い中、坂本選手も何かと大変だったとお察しします。ショートまではかなりキレがあるように見えましたが、フリーでは冒頭のコンビネーションジャンプで1.63点もの加点を叩き出すものの、後半ジャンプでは転倒やループでのミスなどが重なり大きくスコアを下げてしまいました。特に2A3Tでの転倒は、ちょうど曲調がクライマックスへと盛り上がっていくところでの出来事だったので、プログラム全体のバランスとしても惜しい部分があり、残念でしたね。また、途中で息が上がったのかよろける仕草もあり、表情からもしんどさが隠しきれていませんでした。今季はシニアデビューから多くの試合数を重ね、そこから突然のオリンピック、心身ともにハードな日々だったことでしょう。しばらくゆっくり休んで、身体を壊さずリフレッシュしてほしいです。

白岩優奈 116.12 59.86 56.26

3Lz3Loを見せてくれた白岩選手。結果は回転不足(DG判定)となってしまいましたが、彼女ならコンディションさえハマれば認定レベルのセカンドループが跳べるはずなので、今後も期待しています。全体を通しては、やはりスピンやステップでレベルを確実に取れればもっと良くなるのでもったいないところ。スピード感はあるし、その勢いが最後までまったく落ちないのは彼女の一番の魅力だと思うので、頑張ってほしいな。シニアに上がってから、音の取り方も、腕の使い方も、強弱への意識も感じられ、ぐ~んとシニアらしくなったと思います。技術も表現も磨けば磨くほど、もっともっと伸びるんじゃないかという要素が盛りだくさん!今後良い練習が重ねられればいいな。私が彼女の何よりも好きなところは、演技が終わってから数秒ほど姿勢をキープしてから体をほどくその優雅さ。プログラムをとても大事に扱っているんだなぁと、ほっこりしちゃいます。そんなことを思うと、白岩優奈はあと3,4年したら、とても情感溢れるしなやかで美しいスケーターになっているかもしれませんね。

 

坂本VS三原

さて、今大会の結果を見て、坂本・三原、このふたりの今後はどうなのよ?!、という考えが浮かんできました。以前も他記事で書いた気がしますが、このふたり、同じコーチのもとで練習している同士だけあって、性格は違えどスケートスタイルは似ているなぁと思うんですよね。だから長所も短所も一緒というか、完成形の演技のマックススコアも同じくらい。それは今大会を見て確信しましたね。お互い良い時と悪い時の波は違っても、実力的には五分五分。彼女たちの強みはジャンプだけど、エラーがつくかもしれない確率も同じくらい。スピンやステップできちんと加点付きでレベルを落とさなくても、PCSがそんなに出せるタイプではない。スケートもぐいぐい伸びるし、迫力もあるけれど、トップ勢と比較すると、複雑な軌道や緩急、安定した姿勢などといった面ではまだまだ伸びしろたっぷりといったところまでリンクしています。

 

そう、色々見ていて面白いのは、結局このふたりが互いに差をつけるに必要なのはPCSだということ。ジャンプやその他の要素はコンディションだったり、ルール改正次第でいくらでも不利にも有利にもなりますが、この表現の部分では、早くに殻を破った方が抜けてくるのではないかという印象です。

 

双子スケーターの壁

別にこのふたりを対決させる必要はないのですが、今回のフリー66点台というPCSを見ると、今後にあたって本人たちの高い技術力と比べ、「このままここで止まってしまっては惜しいよなぁ」と思うので、どうしても、どうしたらいいのかなぁ~と、コーチでもないのに考えてしまうんです。おそらくこのふたりは、ノーミスしてもPCS70点台は大きな壁になってくるだろうし、今のところその手前の69点でもどうなのかな??という感じですよね。こんなことを言って、来季あっさり70点オーバーしてくれたら願ったり叶ったりですが、実際どうしたら表現面でも評価されるスケーターになるのかなぁという気持ちがあります。これは個人的な目線でですが、ショートに至っては坂本>三原、フリーは坂本<三原という風にプログラムを滑れているように感じます。これも個人的にですが、坂本選手はフリーがショート並みにハマったプログラムであれば、ショートと同じレベルに曲をスケートで表現できる力を持っていると思います。一方、三原選手の場合はどんなプログラムや動きがハマるのか?どの振付師なら合いそうか?が、まだ見えてこなく、いい意味で言えば未知数なところを残します。

 

来季を予測してみよう

三原選手は今季、シニア用・オリンピック用にと挑戦したプログラムで苦戦しました。しかしこれは、彼女の今後にとって必要不可欠な挑戦でもあり、ここを乗り越えなければ激動のシニアで戦っていくのは難しいという状況でした。結果、彼女は最後にショートで70点台、総合で215点台という成績を残すことができました。あとはPCSでトップと渡り合っていく結果を出すことが課題です。

 

ホント、国別対抗戦やジャパンオープンでのお祭り採点は選手にとって罪だったよな・・。あそこでPCS70点とか出さなければ、また違っていただろうな。

 

坂本選手は来季シニア2年目。おそらく彼女も今季の三原選手と同様に、よりシニア用にと進化を遂げた難しいプログラムに挑戦してくるでしょう。そして、そのプログラムをいかにして完璧に滑りこなすか、素早く自分のものにできるが、来季の課題になってくるかと推測します。しかし、彼女の場合、三原選手というお手本を見て、この短期間で伸びてきた選手ですから、もしかすると難なく来季をクリアしてくるなんてこともあるかもしれません。

 

明るい先が待っているといいね

さいごにふたりの明るい未来を願って、私なりの「こうだったらいいな」を語っておわりにします。

 

三原選手には、やわらかなイメージがあります。そのやわらかさが選曲や振付で生かせるといいなと思っています。今季のフリーはまさにそんなイメージにぴったりでしたが、なかなか一部のファンにハマらなかったのは、そのやわらかさが別な方へと作用し、失われていたからなんでしょうね。そのせいで、「こういうのが似合うと思ったけど違うのかぁ。どんなのが似合うんだろう。」となった気がします。せっかくジャンプに流れのある選手なので、演技全体を通しても、ひとつのストーリーのような・・例えば足を止める振付の部分でも「動作」は止まっても「世界観」は止まらないように前後に持ち味の滑らかなスケーティングで工夫があると素敵だなと思います。あとは肩から腕を大きく使うだけでも色んな表現の幅が出来ると思いますし、細かなリズムに合わせて体全体を乗せていけたら、絶対に綺麗なスケートが期待できそうです!今季動作や足元の技術が上手く表現に伝わらなかったのは、プログラムの難度が上がって、無意識に腕や足でバランスを取るポーズになったせいで、腕がふわっと浮いたり下がったり、体の軸がふにゃっと見えてしてしまったのかな~?と思いました。とにかく来季は片足滑走多めの難プロを操る三原選手に期待しています!頑張れ!

 

坂本選手は、今回のショートがオリンピックよりも良くて、月光を見ていると、スピンでも細かい部分の音を意識しているし、最初のポージングの腕の伸ばし方もどんどん綺麗になってきて凄い。そこがフリーだと別人になっちゃうけど、そこはそこで若さ溢れててかわいいな、と最終的に感じました。しかし、坂本選手は意外と?ダンサーになるのかもしれんと思った瞬間でもありました。う~ん、今のところ彼女の方に表現の可能性を感じるんだけど、この芽を育てるには夏の間海外でレッスンとかどうかな?ジャンプの坂本からジャンプとパフォーマーの坂本に変えたい!!

 

以上がクープ・ド・プランタンの感想です!好き勝手なことばかり言って申し訳ないけど、日本女子を応援している気持ちには間違いはありません!ここからの四年が、さらなる楽しみと、感動を届けてくれる時間になると信じて、選手ひとりひとりに悔いのない素晴らしい競技生活が待っていると願って、来季もフィギュアスケートを熱く見守っていきます。

 

おまけ*世界ジュニアの感想

ちょっとここで世界ジュニアの一言感想も合わせて・・。

 

トゥルソワ選手がフリーをTES92.35点で終えられた・・。凄すぎる。4Sと4Tを跳んじゃいましたよ・・。これを4年後も維持出来たら本当の天才だ。優勝おめでとう!

 

また、トゥルソワ選手のジャンプも凄いけど、私はコストルナヤ選手のスケートが好き。ジュニアとは思えない。こんな選手がシニアにきたら一体どんな演技をするんだろうという期待がある。あの洗練された動きと、表現は天性のものなんだろうな。銀メダルおめでとう!

 

さらに私は、山下真瑚ちゃんのスケートも好き。大きいジャンプとスピードに乗ったスケートは坂本選手を思い出させるけど、真瑚ちゃんの場合そこに村上佳菜子ちゃんっぽい女性らしい腕の使い方や表情があって、演技が既にシニアっぽい仕上がり!技術と表現のどちらも期待できそうです!銅メダルおめでとう!

 

紀平選手は緊張しちゃたのかな?紀平アクセルは、前後の流れもクオリティも素晴らしいし、そこに加え、他のジャンプ技術もきちんとしているのが強み。トゥルソワ選手もそうだけど、若いうちから3‐3も3Aも4Sもといった高難度ジャンプを持つということは、それだけ他のジャンプの基礎が完成していたからこそコーチも挑戦させたのだろうし、誰にでも真似できることではないから尊敬しちゃうな。あとはケガに気を付け、プレッシャーを感じずに成長してほしい!

 

短いけど以上です。