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【女子フィギュア】2018/2019シーズン本格始動前に結論を出すべきでない

 

2018/2019シーズンの新プログラムお披露目会が各地で続々とされる中、まだシーズン本格始動前でありながらも「〇〇選手はプログラム変更した方がいい」「こんな点数じゃ代表落選だね」と、いう評価が目立つ今日この頃。

 

心配なのは私も同意です!大幅なルール改正に日本はついていけるのか?通用する?大丈夫?、と。

 

しかし皆さん、ちょっと待ちませんか?もう少し待ちましょうよ。なんなら全日本まで待ちましょうよ。新プログラムを滑り込み中で、ジャンプの調整だってこれからの時に結論を出すのは早すぎますって!!長い目で見て、スケーターとプログラムが成長するのを見守りましょう!!!

 

そんなわけで今回は、「ダメもイイも決めるのはまだ早いよ!」をテーマに、新プログラムのポジティブな面~日本女子ver~をピックアップしていきたいと思います!

 

 

 ストーリー

 

宮原知子(THE ICE)

まずは、宮原選手の新プログラムから。宮原選手は、「THE ICE」でショート・フリーを披露し、ファンからも大変好評であると認識しております!観た感じ各エレメンツは、まだまだ調整中といったところですが、プログラム自体の滑り込み完成度は100%といって良し!宮原選手の場合、あまり早くからジャンプ練習に追い込みをかけると、大切な股関節に負担がかかってしまうので、昨シーズンと同様ジャンプのピークは後半に持ってくるのがベスト!従って、今の調整の仕方で良いのではないでしょうか。

SP「小雀に捧げる曲」

そんな宮原選手が選んだショートはローリー・ニコル氏が振付の「小雀に捧げる曲」。宮原史上最高のショートプログラムではないか?という程、サトコ・ミヤハラの良さが凝縮されているプログラムです!まるで氷上を自由自在に舞っているような・・不思議と、さっとんが小雀に見えてくるような・・そんな詩的なパフォーマンスに仕上がっており、ウットリしてしまいますね。昨シーズンは「これでもか!」と魅せた「SAYURI」や「蝶々夫人」は海外勢からすると、「もっと感情を外に出していいのよ」なんて思われたようですが、今シーズンは違いますよ~!もう宮原選手、今までにない自信が漲っていて、ジャッジアピールも整っている感じ!早くも世界に観てほしいプログラムです!衣装もとってもお似合いで星5つ!

FS「ブエノスアイレスの冬」

こちらはトム・ディクソン氏の作品。(四季の冬もコラボしています)もう別格な大人のスケートですよ。ちょっと他のスケーターと差をつけたスケートだな~と、思いました。以前からあった表現の上手さにセンスが出て来て、より魅せ方の幅が広がったように見えます。それだけオリンピックで学んだことが成長させてくれたのでしょうね。演技構成点においては心配どころか自信しかありませんよ、私。あとはGOE対策とノーミス命で、差をつけていくんだ~GOサトコ!!!

樋口新葉(関東サマートロフィー)

樋口選手は既に、アクアカップでショートを、関東サマートロフィーでショート、フリーを披露しています。現時点の感想としては、「飛ばし過ぎていないのが良い感じ」です。昨シーズンは頑張り過ぎて、全日本前に力尽きてしまった樋口選手。今シーズンは、そんな経験を踏まえ、ここぞ!という時に本領発揮してくれればファンとして何も望まない気持ちでいます。だから焦らずマイペースでいっておくれ、新葉ちゃん。

SP「エナージア」

ファンが楽しみにしていたショートの選曲は、ソフィー・タッカーの「エナージア」!振付は相性バッチリのシェイ=リーン・ボーン氏です。おそらく、このふたりのコラボを世界中のファンが期待していると思いますが、そこら辺はあまりプレッシャーを感じずにやっていけるように応援したいです。ちなみに参考までに、アクアカップでは59.68点(2A/1lz 3F2T)、関東サマートロフィーでは52.02点(2A 2lz/3Ffall)でした。樋口選手曰く、「後半のステップがかつて踏んだことのない、体力のいるもの」でレベル取りも難しそうです・・。しかし、これだけミスをしてもPCSは31.60点も出しているのだから、ワカバ・ヒグチの評判が上がっているのは間違いなし!ジャッジに信頼されるスケーターは強くなるぞ~。

FS「愛の賛歌」

フリーはなんと「愛の賛歌」!しかも振付は佐藤有香さん!「愛の賛歌」といえば、あっこちゃんの全日本を思い出してしまう感動の曲ですが、樋口選手verもまた違った魅力で期待大です。この曲はきっとミラクルを起こしてくれると信じてる!今年こそやるんだワカバ!そして、有香さんとのコラボレーションというのが良いですね。絶対に有香さんなら、樋口選手の感性をシェイとは違う感じで引き出せると予想。特にSS・CO・INにおいて高得点を期待して良さそうです。そんなフリー、関東サマートロフィーでは103.90点(2A 3Lz3T< 2A 3S/1Lz 1Lo 3F!<fall)という残念な結果になってしまいましたが、ここでもPCSは62.67点も出ているんですね。しかもスピン、ステップでレベルを落としているにも関わらずですよ!今シーズンは、大きい大会小さい大会問わず、ミスには容赦なく演技構成点にマイナスを与える傾向にありますが(そういうルールになった)、そんな中でこの評価は大したもの。今はブログラムが難しすぎて苦労していますが、段々と完成形に近づいてくると、凄い瞬間を私たちは目にするかもしれません。

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坂本花織(げんさんサマーカップ)

坂本選手はアイスショーに試合にと、とにかく観客の前で滑ることで今シーズンも調整中です。今のところ、まだ本調子とはかけ離れていても、樋口選手と同様これからエンジンをかけていく気しかしない余裕がありますね。ミスがあっても、ひとつひとつの技術がしっかりしているのが、まるわかりなので本当に大事な時にピークを合わせれば良いだけな気がします。

SP「From My First Moment」

ショートは意外な曲でした。振付はデビット・ウィルソン氏。ウィルソン氏のイメージにある東洋の女性美は、外国人に受けが良いように感じるのですが、これもそうなのかな~なんて考えてしまいます。元気な坂本選手のイメージとは合わないよ~という声もありますが、私は新たな一面の開拓という感じで微笑ましいかな。げんさんサマーカップでは3F2T 2A/3Lo<で、62.51点となりましたが、ミスはあっても全体的には問題なさそうな技術です。とにかくジャンプが気持ちいい!!

FS「The Piano」ピアノレッスン

フリーはブノワ・リショー氏のピアノレッスン(セレクト集)。途中でカモメの鳴き声が入っている面白い編曲です。こうした編曲はパフォーマンスの助けにもなってくれそうですね。げんさんサマーカップでは、3F3T 2A 1Lz 3S/2A3Tfall 3Fot 3Loで120.05点でしたが、スピンやステップでは安定のレベル4を獲得し、かなりの強みになってきています。ここは大きいし、後の宝になりますね~。苦手としていた表現への意識や伸び率の速度も高く、昨シーズンよりも良いものを作ろうとしている気合いが伝わってきます。昨シーズンは技術の完成度→今シーズンは音や表情にも気を配った演技→来シーズンは感情をスケートに乗せる滑りになるのではないかと想像。今シーズンはまだ「昨シーズンより動きが良くなった!」で留まるかもしれませんが、もう1年したら宮原・樋口に並ぶアーティストになってくれるかもしれませんね。

Kaori SAKAMOTO - Dreams on Ice 2018 - YouTube

(衣装含めDOIの演技が素敵でした。)

三原舞依(げんさんサマーカップ)

冬になると持病のハンデがあり、思うように演技が出来ない三原選手ですが、寒くなる前の季節の動きには、本来の伸びやかなスケートが生きていますね。三原選手はフリーに昨シーズンの「ガブリエルのオーボエ」を持ち越すことに決めましたが、新ルールでは、いかに評価されるのかが見どころです。衣装の方は昨シーズンと同じ青系統の別バージョンに変更しましたが、今シーズンの方がより氷上では引き立って見えて良いですね。

SP「It's Magic」

ショートの方はデビット・ウィルソン氏の「It's Magic」。シニアデビュー後、一番しっくり来るプログラムだと思います。三原選手の持つ親しみやすい上品さがナチュラルに生かせているのではないでしょうか。個人的には、薄ピンクの衣装よりショッキングピンクの衣装の方が色合いやデザインがシニア仕様で、曲に合っていると思います。げんさんサマーカップでは、滑り出しも順調でノーミス演技の71.82点を獲得。相性も良さそうで、後はいかに点を重ねて行けるかに集中ですね!

Mai Mihara Dreams on Ice 2018 - YouTube

(髪形・衣装含めDOIの方が好きです)

後輩山下がフリーで迫る

しかしこの試合、三原選手はフリーで転倒やミスを重ね優勝を逃してしまいました。逆転したのは山下真瑚選手。実はショートでも点差は僅かだったのですが、フリーでも僅かな差で勝利を逃してしまいました。ノーミス対決なら三原選手が上に立ったとは思いますが、こうした力のある後輩がいると、シニアの先輩たちはPCSで差をつけないと厳しいものがあります。山下選手はショートでもPCS30点台に乗せてきており、フリーでもそんなに差をつけてはいません。これをノーミスしてきたら確実に今よりも点差は近づくでしょう。今シーズンもPCS特化運動は続くことになりそうですが、ここで負けた悔しさは、何らかの形で生きて来ると思うので、さらに進化した三原のオーボエを楽しみに待っています!

本田真凜(THE ICE)

アルトゥニアンコーチの元で修行中の本田選手。新境地でトレーニング&制作したプログラムでは、どんな風に化けてくれるのでしょうか。THE ICEではショートプログラムを公開、フリーはローリー・ニコル氏振付の「ラバーズ」!フリーの全貌はまだ分かりませんが、選曲だけでも似合いそうでワクワクが止まりません!平昌落選から再び立ち直った本田真凜の第2章、ムキムキのアスリート体形になって登場です!

SP「セブンネーション・アーミー」

これもまた意外な選曲!!振付はシェイ=リーン・ボーン氏です!樋口選手のダンス・ダンス・ダンスなカッコイイ路線とはまた違ったドヤドヤ感があります。そして、しなやかな身のこなしを得意としていた本田選手ですが、移籍をしてからの僅かな時間でキレのある動きを修得しつつあるのが嬉しいです!シニアに上がってからは、どうしても得意な動きに限界があり、伸び悩んでしまいましたが、この部分が育っていけばエンターテイナーマリンの復活になる可能性が出てきそうです!やはり本田真凜には魅せてもらわなければ困ります!そこがあなたの持ち味なのよーって。

ジャンプの方はどうなの?

さて、表現面は置いておいて、ジャンプの方はどうなのかが気になるところですが、アルトゥニアンコーチはスパルタらしいので、みっちりしごかれて、特訓の成果が出る頃には良いスケーターになっているんじゃないかな?と、楽観しております。成果が出るのがいつ頃かは分かりませんが、アルトゥニアンコーチはジャンプ構成に関しては色んな構想を考えているコーチだと思うので、信頼していますよ!どうか本田真凜を日本のトップスケーターによろしくお願いします!!本田選手のコメントからも真剣さ、真面目さが伝えわって来て応援しています。

若いパワーが恐るべし

その他にも日本には、紀平、白岩という代表争いに絡んでくる選手が待ち構えています!白岩選手と山下選手の感想は以下に載せたので、省略しましたが、

goldenretrievers.hatenablog.com

 紀平選手は大人っぽいプログラムを引っさげてシニアデビューするので侮れませんよ!!彼女の場合は上質な3Aもあるので、緊張につかまらなければ輝かしい成績が望めそうです!(ただメンタルコントロールは至難な技かも・・)また、高難度ジャンプは新ルールにおいて不必要かも?と、思っていましたが、それでもロシアのちびっ子たちは4回転に~アクセルに~とバンバン完成度上げて挑んでくるので、シニアでも案外セカンドループ辺りが出来る選手は挑めば生きてくるかもしれませんね。4年後はシニアでも3Aは珍しくないのかもしれません。そう思うと、リスクはあっても試しておくのはいいのかも・・とすら考えが変わったり・・。どうなるか分かりませんけどね。

 

あとは、本郷選手もいますし、どんな展開で試合が進んでいくのかは神様しか知りえない!!とにかく、試合ごとに目まぐるしく変化する勢力に、一喜一憂せず、冷静に見てきたいですね。

GOEの感想

あとがきとして・・・。坂本選手と山下選手のGOE対決が密かに楽しみでアツい!と、にらんでおりますー。+3なんて余裕で出しているし、調子良くて4、いや得意なものでは5も取れるレベルにありそうです。まだGOEの付け方もジャッジによって定まっていませんが、新GOE採点に苦手意識なく溶け込んでいけそうなふたりには期待。海外勢ではデールマン選手の3-3が男子より先に満点出しちゃったり?!するかも、しないかも??(最近女子のスコアが男子に迫りすぎておかしな現象が起きていますよねw)

フィギュアスケートの原点

選手たちの演技を観ていて感じたことをもうひとつだけ。それは、今シーズンのフリーでは、しっとり系の曲で攻める選手が多いよなぁ~ということ。そうしたじわじわ感動系でいきますよ~スタイルで被っている中、目立つのが深みや重みのあるスケートです。深みが宮原だとしたら重みは樋口、そのくらいふたりには余韻が残るスケート技術・表現力があります。全員系統が被っているだけに、並んで演技をすると、ちょっとしたエッジづかいや魅せ方の上手さが際立ってしまうので、他のスケーターは、その分クリーンな演技やGOEで上げくることが課題となりそうですね。どちらも今のルールでは大切なことですし、フィギュアスケートの要になってくる部分ですが、年々選手たちにとって「勝つ」ことが難しくなってきているように感じます。

 

 

そんなわけで、「ダメもイイも決めるのはまだ早いよ話」は終わります。

本格始動まであと少し!最後までハラハラしながら楽しみましょう!

 

 

坂もっちゃんは、やはり伸びる!

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