オオカミのとおぼえブログ

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【2018/2019】新ルールは誰が有利?改正内容をチェック!

 

2018/2019シーズンから適用される新ルールが発表されました~!!

 

毎度毎度、ルール改正の度に新ルールを覚えるのが苦手な私は「ルールブックを頭で覚えるより、直接試合を観て覚えよう!」スタンスなのですが、今回はちょっとした自分用の復習も兼ねて、大雑把に知っておいて方が良い部分だけをまとめてメモしたいと思います。

 

※本当に大雑把になります

 

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男子シングルはハードモードっぽい

ええっと、ざっと見る限り新ルールでは「男子シングル」での改正が多く、男性陣はルール対策に忙しくなりそうですね。覚えられそうな範囲で見ると、演技時間・ジャンプの回数・リピートジャンプの回数等で大きな動きがありました。

 

①FSの演技時間

4分30秒⇒4分

②FSのジャンプ回数

8個⇒7個

③リピートジャンプ

4回転ジャンプのリピートは1種類まで(3回転を含めると2回までは同じ)

 

①演技時間の短縮は、ファンにとったら長い方が見応え満載で嬉しいのですが、五輪で一般層が楽しむ分には「演技長ええ~さっさとお目当ての選手の番になれ~」というリアクションが大半だったと感じた私は「ちょっと残念だけど、急展開でせわしなく終わる方が視聴者にとっては観やすいのかな」と判断することにして、よりたくさんの方に楽しんでもらえる方向にいってくれればなと願っています。

②ジャンプ回数の減少については、これだけ4回転を跳びまくる時代になったら1つでも回数が減った方が選手の体への負担(けがも含め)が減るのかなぁ~と思いつつも、時間が短縮された分、ジャンプ自体を跳ぶのも当然忙しくなるので、体力的には過酷かもしれませんね。持久力的にはきつく、やることは多いですが、プログラムはテンポ良く進みそうです。

③リピートジャンプの制限数については、まぁジャンプの回数が減ればおのずとそうなりますわね・・という感じです。ジャンプ数が減るのに、リピートジャンプの回数がそのままであれば、ジャンプ構成にも偏りが出てしまいます。高難度(4回転)をたくさん入れる前に、ジャンプの偏りをなくし、多種類のジャンプを跳ばせるバランス面にも考慮していきたいのでしょう!とはいっても、多種4回転ジャンパーにはジャンプ構成で色んな作戦が描けるメリットがあります!

 

演技時間の短縮は以前から囁かれていましたが、そうなるとフィギュアスケートの要である芸術性が薄まってしまうのではないかと、ファンの間では懸念されていました。時間短縮となれば、当然ジャンプ数も減らすこととなり、ジャンプ数を減らせば、リピートジャンプの方でも変更が必要になってきます。短時間で4回転ジャンプをたくさん跳ぶ選手にとっては、体力面が鍵となるでしょう。また、ミスをした場合も短時間での立て直しが要求されるため、精神面でも試されることとなりそうです。しかしルールをプラスに取れば、全選手にとって時間をムダに使えない分、ひとつひとつの要素に一層力が加えられ、限られた時間の中では自然とプログラムが濃くなっていくのではないでしょうか。そうすることで、プログラムの魅せ方というのも変化し、懸念されている芸術性の方でも、与えられた時間の中でどれだけ個性を残せるかが新たな勝負の基盤となり、より磨かれていくことも考えられそうです。

 

大きな改正はコレ!

そして男女通して最も大きな改正は、GOEについてでししょう。今まで7段階評価(+3~-3)であったのが、11段階評価(+5~ー5)に変更されました!!また、GOE幅の変更に倣って、各ジャンプの基礎点も変更されました。

 

あまり変更がないジャンプ

3T(4.3⇒4.2)3S(4.4⇒4.3)3Lz(6.0⇒5.9)

こちらはー0.1点差の変化に留まります。

 

ちょっと残念な感じの変更

3Lo(5.1⇒4.9)3A(8.5⇒8.0)

ループは扱いの割には難しいジャンプな気がしますがー0.2点に変更!アクセルに至っては0.5点も引かれちゃいました~。しかしGOEで満点とれば、11段階評価の魔力で12点も取れることになったので、アクセルが得意な日本男子にとっては武器になるルール!!逆に女子はやめておいた方がいいかも?!

 

4回転はもっと変わるよ

4T(10.3⇒9.5)4S(10.5⇒9.7)4Lo(12.0⇒10.5)4F(12.3⇒11.0)4Lz(13.6⇒11.5)

これが一番大きいですね。大きく変わっちゃいます。ルッツはー2.1点もの変更です!こんなのもう覚えられないやぁ~。ちなみにアクセルに関してはリスクの割にメリットがなさそうなので省略しました。はっきり言って勝負の場では必要のないジャンプだと思ったので。やるとしたら既に数々のタイトルを手にしている選手が、点数以外のものを求めた時って感じかな。フィギュアの限界に挑むぜ!的な。そういう場面でしかやってもジャッジは歓迎してくれなそうです。涙

 

もはや11段階評価なんて想像がつかない私。ひとつのジャンプから瞬時に色々な要件を見抜かなければならない鋭い観察力が必要になってきます!!!もうすべてのジャンプをリプレイしなければ分からんよ~!というのは冗談で、実際は皆どんなジャンプを跳んでくるのかが楽しみです!だってタノジャンプがGOE要件から脱落しちゃったのですからね!!

 

新ジャンプGOE要件

1. 高さおよび距離が非常に良い(ジャンプ・コンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)
2. 踏切および着氷が良い
3. 開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプ・コンボではリズムを含む)
4. ジャンプの前にステップ,予想外または創造的な入り方
5. 踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い
6. 要素が音楽に合っている

 

ま、まさか“空中での姿勢変形、ディレイド回転“の項目が消しになるとは思いませんでした~。タノだけに偏らないように回数制限は必要かな~、選手によって姿勢がバラバラなので完成度には厳しい条件が必要かな~とは思っていましたが、項目の除外だなんて!!

どうやら新ルールの”踏切から着氷までの良い姿勢”という項目に旧項目(変形姿勢・ディレイド回転)はまとめられたようです。

それでも演技のスパイスとして諦めずに入れて来る選手もいそうですが、ジャッジはそれよりも独創的で、音楽にマッチしたジャンプを頼むよ!ということでしょうか。新ルールだと、音楽に合った状態で美しいフォームのタノでないとメリットがないのかもしれません。

 

だって単なる変形姿勢オンリーではNOということですよね?その他の必須条件+タノで加点ありってことなんですよね?

 

タノ以外でもどんな戦い方をするのか楽しみです。※ちなみにSPのステップから直ちに跳ぶ~という項目もなくなりました。もうステップから跳ぶのは基本!ということだと聞こえてきます・・。

 

女子シングルの注意点

続いては女子シングルにおいての注目ポイント。女子はズバリ後半ジャンプのボーナスポイントの改正とコレオシークエンスの基礎点の変更への対応が大切になってきそうです。

 

①後半ジャンプ1.1倍のボーナスポイント

SP⇒最後のジャンプ1本のみ

FS⇒最後のジャンプ3本

 

②コレオシークエンス基礎点

2.0⇒3.0

 

①今までは後半ジャンプの全てに1.1倍のポイントを与えていましたが、新ルールではSPは最後のジャンプ1本のみに、FSは最後のジャンプ3本までと制限を設け、ボーナスポイントを与えることになりました。ただし、コンビネーションジャンプも1本としてカウントされるため、後半に入れるジャンプはすべてコンビネーションで揃えるというやり方も可能です。

②コレオは基礎点が上がり、最大で5.50点も稼げるようになりました。ここは出来るだけ狙って取っていきたいところですね!この点に関しては昨シーズン宮原選手とザギトワ選手がとてもよく出来ているなぁと感じていたのでこのふたりを参考にするといいかも?!コレオもプログラムの中で効果的に使っているなぁと、とても好印象でした!

 

いかに点を稼ぐかを考えれば、コンビネーションジャンプを最後に持ってくることとなりますが、これにはリスクが半端ないでしょうね。最悪コンボが抜けたら点がごっそり持っていかれてしまいます。SPでそんなことになったら大変!これはいくら安定感のある選手でも分かりませんね。リカバリしようのない事態は避けた方が無難なのか、勝つためにチャレンジする流れになるのか・・。さあどっちだ!!

 

PCSについて

これは朗報です。今までミスを重ねてしまった選手でもPCSで救われる場面が存在したこの競技。実は昨シーズンも私は、コストナー選手の演技は大好きだけど、ミスをした時も高く出てしまうPCSに「これはどうなのかな」と悩んでいた時がありました。少しくらいのミスや難度を落としたジャンプ構成でもコストナークラスの天才なら高いPCSが出ても当然ではありますが、安全構成でミスが相次いだ+他の選手がそこそこの演技でまとめた場合には、PCSで勝ち逃げてしまうというのは非常に判定として分かりづらくなってしまうのではないかと思ったのです。※誤解がないように言いますと、コストナー選手のPCSが高いのは妥当です。むしろ美しさでは1番。あくまでもマックス構成から下げた場面でミスを重ねた時を例にしています。

 

つまりは完璧ではないものに、大きいスコアは与えてはいけませんよ~というルールが必要になるのではないかと考えた次第に、それっぽい改正が入りました。

 

私もまだ良く理解しきれていないのですが、転倒やエラーがある場合は満点付けちゃいけませんよー、もしくは、ミスを重ねた場合は項目ごとに何点以上与えないという制限を設けますよ~というものです。このルールはトップスケーターにとっては少々痛い改正かもしれませんが、競技のためには良いのでは?と感じます。

 

五輪予選方式にも変更か

これが1番分かりづらいのですが、世界選手権で複数の出場枠を確保する条件として、獲得枠とFSに進出する数が同じであること、また、3枠でも1人しかFSに進めなかった場合は、枠はひとつとなるという新たな条件が加わりました。

 

うーんっと、例えばAさんというエーススケーターが世界選手権で優勝しても、BさんとCさんがFSに進めないほど自爆もしくは実力がなかった場合、その国の五輪枠はひとつになるということですよね。

 

尚、FSに進めず失ってしまった分の枠(逃してしまった人)を取り返すには、五輪最終予選に回り、自分で自分の枠をもぎ取って来なさいということだそうです。ちょっと枠取りがややこしくなっただけで、マックスで3枠というのは変わらないのですね。しかしこれ、2枠欲しいなら2人、3枠欲しいなら3人が五輪年前の世界選手権に出場していないとならないってことなのかな?そうとなると、さらにその前年から希望枠を獲得していないといけないとなるのでしょうか。よく分かりません。

 

ちなみにISU技術委員会は、より多くの国の参加を求め、五輪にベストなスケーターが出場できるようにと、この変更を決めたようなので、それなら五輪最終予選の成績を元に出場枠が決められないかしら~なんて願ったりもします。日本女子は3枠じゃ足りないのですよ!

 

有利に戦うには

全体をふまえて、「では誰が有利になってくるのか」というと・・・まず、ミスをしない選手。特に枠取りのかかる世界選手権のSPでコンビネーションジャンプのミスだけはしないことが大切かもしれません。そう考えると女子のSPで3Aも博打になりそうです。

 

GOEの11段階評価はスピンやステップ等でも適用されるので、得意な選手はどんどん長所にしてほしいですね!男子の4回転は基礎点こそ下がってしまいましたが、最大点ではものすごいスコアを狙えるというチャンスあり!(逆にミスをしたら悲しい結果に・・)4回転のリピートは1回までとして、複数跳べる選手は高難度は単独にして、4Tを2回跳ぶという作戦がトレンドになるのかな?ルッツ、フリップ、ループ、サルコウがコンスタントに跳べる選手は強いですね~。ネイサン、ショウマ、ボーヤントリオはルールが変わってもそのまま突っ走ることが出来そうです。

 

一方、羽生選手は4回転は4Tと4Sのみでも3Aで満点を狙い、スピンやステップでもGOE狙いでいけば新ルールを上手く活用できそうですし、既にその兆しが平昌で見られました。何より多少難度を下げた安定した演技で高いPCSを約束するのが得策かもしれません。

 

とにかく、質を上げていくことが大事!後半ボーナスにも制限、リピートジャンプにも制限が出来た今、差をつけられるのはGOEだというのが以前より色濃くなっています!ミスによってPCSにも変化が出ることから、どんな選手にもチャンスが生まれそうです。エラーなし、回転不足なし、助走少なしのジャンプをベースに、音楽に合わせて、工夫したプログラムを引き連れ、日本男女合わせて北京五輪で3枠をゲットしてやろうじゃありませんかー!!

 

この新ルールに最も適応しそうなオズモンド選手が今シーズンは休養ということで、どうなるのか分かりませんよ!皆にリセットチャンスあり!

 

最後に、ルール改正されてから不満をいっても仕方ないので、いち早く受け入れて波に乗っていった方が楽しめますよ!と、おせっかい。私は改正前には期待を込め、ワンワン願望をめちゃくちゃ吠えるタイプですが、(いくつか実現されてスッキリ気分も半分)終わってからは次の機会まで待つこととしています。今はただ、新ルールの行く末を見届けるのみ!どんな風に運用されるか分かりませんのでね!全員が納得するルールなどありませんから、少しずつ少しずつの時を経て、この競技にとってベストな改正がされていくことを未来に託しましょう。

 

おわり

間違いもある(私なら)と思うので、大雑把に受け止めてくださ~い。

 

(アイスダンスやペアのルールまで読むには、理解力・忍耐力が足りなかったので、詳しくはちゃんとしたファンの方のサイトからご覧ください。分かりやすく・見やすいブログがたくさんあるので、ぜひお探しください。)