オオカミのとおぼえブログ

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【四大陸】ミスパーフェクト宮原にストップか

四大陸フィギュアスケート選手権2018

 

日本女子シングル表彰台独占必須の四大陸フィギュアの結果が出ましたので、さっそく感想を書いていきます。

 

総合結果

1位 坂本花織  214.21点
2位 三原舞依  210.57点
3位 宮原知子  207.02点

 

予定通り日本勢は金銀銅を獲得。ロシアもいなく、コストナーもいなく、北米の有力選手は五輪まで温存中という環境で、当然と言えば当然の結果ですが、当たり前の結果を当たり前に残すことは、簡単なようで、難しく、とても大切なことですよね。だからこそ、

 

日本女子おめでとう!!

 

・・と素直に喜びたいところですが、あれれれれれ???まさかの宮原選手が3位ですよぉぉー!!全日本女王が五輪直前に黄色信号なんです!!この試合は出ない方が良かったんじゃないか・・とまで思える展開に、正直ショックを隠し切れません。

 

ここに来て宮原知子に何があったのか。

 

あと数週間で立て直せるのか。

 

色々と不安はありますが、今回はそこを含めて、女子フリーに焦点を当て、五輪までの対策を勝手に考えていきたいと思います。

 

目次

 

涙が意味するもの

宮原選手のフリーの得点は、135.28点。3Lz3TのセカンドでUR、3Lz2T2LoのルッツでもUR、そして3Sでは転倒してしまい、 TESは66.52点となってしまいました。また、ミスの影響でPCSでも69.76点と、 やや低めの評価になってしまいました。ずっと日本女子のトップとして走り続けてきた宮原選手ですが、ここにきて気持ちのコントロールに難しさが出てきのか、珍しく会見で涙してしまう場面も・・。初めての五輪、下から追い上げて来る重圧、復帰からのハードな日程、コンディションへの不安・・。あの冷静沈着な宮原選手が人前で感情を抑えきれなかったくらいですから、相当な心理的負担があるのでしょう。一体今、宮原選手に何が起きているのか?なぜ急に「自信をなくしてしまった」のか。あくまでも想像ですが、いくつか思い当たる点を挙げてみました。

スぺ体質

スポーツ選手が故障を繰り返すことをスペランカー体質こと略してスぺ体質といいますが、宮原選手も昨シーズン左股関節を疲労骨折し、今シーズンのNHK杯で復帰してからも、ケガが再発しないよう練習量に制限をかけ、調整に気をつけてきました。しかし、今回入ってきた情報によると、現在宮原選手は、左足の甲に炎症を抱えていることと、全日本後に左股関節に違和感を持っていたことが分かりました。甲の炎症については濱田コーチも「軽度であり、スケーターなら良くあること」とおっしゃっていますが、股関節については「四大陸の出場を見送ろうと説得したが、本人の強い希望でリンクに立った」ということなので、少し心配ではあります。実際にPCSが伸びなかった理由としてパッと思い浮かぶのが、足の動きがいつもよりスムーズではないというか、明らかに足をかばった動きに見えたところです。あそこまで涙してしまうのは、ケガへの恐怖や不安ではないかと私は思ってしまうのですが、出来れば違ってほしいというのが切実な願い。五輪が目の前にあれば無理したくなくても無理したくなるでしょうし、焦りが出てきても不思議ではありません。

回転不足

復帰後といえばルッツの調子がずっと完璧とは言えず、ループやセカンドジャンプでも回転が足りているかヒヤヒヤする場面が多かったのも事実です。本人もそれを気にしてか、「つま先からジャンプを降りると回転不足っぽく見えるから、エッジで降りれるようにしたい」と、着氷を全日本後から変えて練習しているそうですが、何だかその方法がジャンプの乱れを招いているようでなりません。この短期間でジャンプをいじってしまうのはリスキーというか、変に負担がかかってケガをしてしまうのではないかと、これもまた心配です。宮原選手は着氷の仕方がうんぬんではなく、幅のある流れに乗ったジャンプを跳べば普通にクリーンなので、どちらかと言えばそっちの方向に持っていってほしいですね。だって、ループと2A3Tは、まさにそういうジャンプでGOEだって高いですもん。あの質で他のジャンプも決まれば、宮原選手はぐ~んと五輪メダル争いに食い込むのになぁぁあ。ルッツよ、もっっとさっとんのために跳び上がれ!

坂本の存在

これは何気に大きいはず。全日本前までは、宮原選手も五輪の2枠争いは、樋口選手さえ阻止できれば・・!という気持ちが少なからずあったのではないでしょうか。しかし、ここにきて自分とは真逆のスケーター坂本が猛烈な勢いで成長してきているのと、そんな坂本選手に期待をかける周りの流れに焦りや不安が出てきてもおかしくありません。宮原選手からしてみると、坂本選手との間にどんどん縮まる得点を見て、「私がシニアで積み上げてきたものが、あっという間に詰められていく・・」というショックが当然のようにあるとは思います。しかし、本番はまだです。先日のユーロでもそうなんですが、今は若手(新人さん)たちが五輪前に必死にアピールしておきたい時で、お姉さんたちは息を潜めるのというのが五輪の鉄則です!(違う??)名付けて「死んだふり作戦」。オズモンドもメドベージェワも「どうせダメでしょ」と見せかけて、マックス状態で来るのが五輪ですよ。もう騙されないぜ←

 

大切なのは蘇った本気モードのトップスケーターたちの中で実力を発揮すること!それが出来るメンタルを持っているのはサトコ!あなたしかいないっ!

自信を持って

以上が私の考える妄想ストーリーです。しかしですね。五輪前にこうして一度ドン底を味わうってのも良いと思うんですよ。前にも試合後、宮原選手が落ち込んでいた時に、濱田コーチがこれでもか!というほど厳しい言葉をかけていて「こ・・こわ~。さっとん大丈夫?ここから這い上がるどころかトドメ刺されてないかい?」とドキドキしたことがありましたが、宮原選手にはそれをきちんとパワーに出来るスイッチがあり(有能)、きちんとやってくれたので、今回の「情けない・・」発言by濱田 にも火をつけてやり遂げてくれると思います!だから自信を持ってさっとん!

 

というわけで、悪いことばかり書くのも心苦しいので、宮原選手に自信を持ってほしいところもいくつか挙げてみました。

安定のレベル4

スピン・ステップでレベルを取りこぼさないのはトップスケーターの証ですよね。特にステップなんかは、ちょっとしたミスでレベルが下がってしまうので、毎回毎回レベル4を揃えるのは難しいところ。また、ただ上手くこなすだけでなく、プログラムのアクセントとして見せることも必要なわけですが、宮原選手はそこら辺がとても長けていますよね。特にフリーの最後(スピン)は曲にぴったりで素敵。今回は色々と調子が悪くてスピンの加点も渋かったけど、ベストな宮原選手ならここでもっと点が狙えるので自信満々に回っちゃってほしいです。(ジャッジめ、逆回転スピンはもっとGOE狙えるはずだったと思うぞ)

演技構成点

今回は坂本・三原とPCSが1点くらいしか差がないのは、いくらなんでも厳しすぎると感じましたが(ファンの方すみません)、宮原選手は冒頭のポーズひとつとってもこのメンバーの中では圧倒的に美しいです。指先まで伝わる表現、ポーズのぐらつきのなさ、曲のない中での間の取り方・・。スケーティングにも緩急があり、伸びやかです。フィギュアスケートではスピードだけでなく、滑りを自由自在に操る技術が大切にされますし、そこが出来ていないとジュニアっぽい演技に見えてしまいます。そういった面で宮原選手はここ数年で本当に成長したと思います。また、ジャンプの前後にもきちんとストーリーがあるのも好印象ですね。あれだけミスをしても、これだけPCSが下がっても、135点出るのは、レベルの高いプログラムをやっている証拠です。もしこれがジャンプだけのプログラムだったら、加点もつかないし、8点台もつきませんからね。本来はPCS70点台を出しても良い選手なので、今回の点数は忘れて、前向きに五輪へ挑んでほしいです。

メンタル

今回のミスは、モチベーション的なものもあると思うので、本番では持ち前の強い精神力でどうにかしてくれるはずでしょう!私は思うのです。最近の選手たちは世間の声を良く耳にしているんだなと。曲を変えろ!とか発言に気を付けろ!とか衣裳へのダメ出しなど色々と見ちゃうんだろうなと。宮原・樋口・本田選手辺りは名前を検索しただけでも誹謗中傷で並んじゃうというか、遭遇してしまうので、本人たちにも届いているだろうなと思います。普通の人間だったらたえられない批判にも、リンクでは笑顔で立ってくれている姿を見ると強いなぁ、偉いなぁ、どうか潰れないでほしいと応援してしまいますよ。これからますます報道などでも雑音は大きくなると思いますが、出来るだけ身を隠し(?)本番まで宮原選手と限らずすべての選手を外野から守って、全員が平常心で五輪に挑めるようにしてあげてほしいです。

 

・・と、宮原選手だけでこんなに語ってしまった。(約3670字)

いや、あんな落ち込んだ姿見たら居ても立っても居られなくて・・。

乗り越えてほしい。

 

はい!テンションを変えて、ここからは坂本・三原コンビの感想を明るく、まとめます。

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宮原・坂本が胃もたれしちゃうらしい台湾料理。今回は対策もバッチリだったみたいですね。

坂本大暴走の巻

ショートから大暴走の坂本選手。全日本ほどの得点は出ませんでしたが(そりゃそうね)、PB71.34点をマーク。ショートは荒っぽさも逆に激しさを表現してる風に見えてお得感があります!リショーさんGJ!続くフリーでもPBを楽々更新の142.87点!試合前は魚の目を気にして泣いていましたが、まぁ坂本選手は陽気でおしゃべり好きみたいなので、どんな小さな情報もマスコミに伝わって記事になりやすいんだろうな~、と、いうことにして、あまり心配しないでおきます!ただ、悪化する前に治療はしに行くんだよ~。

 

さてさて、肝心のフリー「アメリ」ですが、マイナス評価なしの凄いことになっています。恐ろしいのがスピンでレベルを落としているので、まだ点数を伸ばせるというところ。ここでパーフェクトな演技でなく、課題を残して終えるあたりが、次へのモチベーションとして最高の展開です。PCSもどんどん上がっていますね(68.09点)。フリーはどうしても振付の雑さが気になりますが、それを「ま、いっか」とさせるジャンプの破壊力があるので、ザギトワと同じような「点数を出さないといかん!」空気が凄いです。このまま「もっと点出さんとアカンで~」なノリで、緊張とか考えずに突っ走ってください。(最近マスコミが坂本選手にロックオンしているのがやや不安ではある)

三原と坂本のリンク率

やっとノーミスショートが降臨した三原選手!69.84点おめでとう!本人は70点超えを目指していたとは思いますが、PCS的にも今はこれが限界かな?という気がしました。それでもプログラム変更をせずに、ここまで結果を上げたことは素晴らしいです!むしろ昨シーズンのようなプログラムでは、もっと評価はされなかっただろうし、今これを乗り越えなければシニアでは厳しい道まっしぐらになるところでした。今シーズンはスピードに乗ったジャンプ集中型プログラムを封印したことで、苦戦しましたが、これは来シーズンの坂本選手にも起こり得ることかもしれません。このふたりは、まったく同タイプとは言えませんが、長所と短所が似ているスケーターだと感じています。リンクにいるだけにリンクしている。だからこそお互いを鏡だと思って、特に苦手とする表現面においては切磋琢磨してくれるといいなと思います。三原選手の課題が克服できたかといえば、まだ厳しいところですが、今回のショートは滑りにパワーが戻っていて良かったです!フリーの方ではエラーや回転不足がついてしまいましたが、まだ点数が伸ばせるのはプラス要素になりますね。

 

三原選手!前髪を切ったらアジア系ハリウッド女優風のセクシーな雰囲気が出て、タンゴに似合っていましたよ!そして前髪ありはスプレーで固めるともっといいよ!フリーは斜めわけか、アップの方が天使の爽やか感が出ると思うよ。

 

以上。

最後のまとめに入ります↓

ノーミス+αに飢えている

 ユーロの後に四大陸を観ると、点数的にも苦しくなる結果でしたが、坂本選手が四大陸女王というタイトルを引っさげて五輪に行ってくれるのは心強いですね。(だからワールド出さなくて大丈夫なんかい、揉めるの勘弁それでも正直いうと、坂本選手のPCSは高いなぁと思いますが、今後のことを考えると、ジャンプの加点がモリモリもらえる坂本選手のようなスケーターを育てていきたいという気持ちは凄く理解できます。これは完全な好みの問題ですが、個人的には、宝のような技術を持った坂本・三原にはもっと魅せるスケートをして、エモーショナルなスケーターになってほしいです。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 今のフィギュア人気の低迷には、少なからず「前ほど感動しなくなった」「思わず目を引くような美しさがない」という心理があるのではないでしょうか。ライバル対決が盛り上がらないのも、「いや、だからどっちが勝つのか、誰が強いのか点が出るまで分からん」というくらい世間からは全部同じに見えちゃっているということ。

もっと酔いしれるようなフィギュアらしいスケートが観たいんだけどなぁ。

そう、もしかしたら私はノーミス+αに飢えているのかもしれません!というか、プログラムが破壊しない程度なミスくらいなら、本来いくらでも魅せれるはずなんですよね。例えばバンクーバーの高橋(元)選手の「道」なんてプラスアルファの王道ですよ!フィギュアを普段観ない層からも「良かった」と言って貰える演技。そういうのに飢えているというか、そういうのが足りないと感じてしまうのです!今シーズンは五輪シーズンということで、かなり各選手のプログラムには期待していたのですが、多くの選手が+αプログラムより、いかに点を稼げるかに特化した既視感の強いプログラムを選んでいて、期待外れなのは否めません。もちろん勝つためには仕方がないのですがね。でも、それがファン離れを加速させていることをISUには知ってほしいな。皆やることが多すぎて、余裕がなくなってしまっているんだよ。本当に観たいのはフィギュアスケートらしい鳥肌が立つ美しい演技だということを。

 

五輪では、そんな数少ない+αな選手にメダルが届いてほしいです。

 

おわり