オオカミのとおぼえブログ

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メドベージェワがブライアン・オーサーの新弟子に!凄い決意だ!

 

日本時間5月7日(月)に、メドベージェワ選手から2018/2019シーズンの拠点をカナダの名門クリケットへ移すことが発表されました。

 

新たなコーチは、オリンピック・世界選手権等で数々の金メダリストを育てているブライアン・オーサー氏。

 

現在分かっている情報によるとメドベージェワ選手は、ロシア国籍のままロシア代表として今後も活動していくこと、ホームリンクをロシアのサンボ70に籍を残したまま練習を積んでいくのだそう・・。この表現だと「サンボ70に所属したままオーサーコーチにどうやって指導してもらうの?!」となりますが、おそらくサンボ70は所属先(学校みたいなもの)のような形で、練習はカナダで!ということではないでしょうか。実際にカナダに住み、練習をするとなっているので、そういうことなのでしょう!

 

何はともあれこの人生がガラリと変わるような重大な出来事を、まだ10代の若いアスリートが悩みながらも決心したことを素直に応援したいです!オリンピック後は多くの選手の移籍を予想こそしていましたが、この移籍が一番驚いたニュースだったことは私の中で間違いではありません。そんなわけで、今回はメドベージェワ選手の来シーズン以降の活躍を願って、世界女王エフゲニア・メドベージェワ選手がエテリコーチと別れ、カナダに渡るまでの経緯や今後について考えてみたいと思います!

 

 

息の長い選手であれ!

ロシアといえば、毎年毎年シニアにジュニア上がりの軽々ジャンプを跳んでくる若い選手が現れ、タイトルを総なめしていくと思ったら、翌シーズンには成長期を迎え不調となり、それと共にまた新たにやって来た他の若い選手と交代したかのように消えていく・・というスタイルが専らのお約束となっています。私の記憶の限りでは・・ロシアで20代でもトップスケーター(代表選手・表彰台等)として君臨していたのはトリノオリンピック銅メダリストのイリーナ・スルツカヤ選手が最後ではないでしょうか。それくらいロシアでは選手の入れ替わりが激しい環境がスタンダード化していると思います。

 

そんな中、メドベージェワ選手はとても息の長い選手だと言えます。シニアデビューしてから少なくともピョンチャンオリンピックまで一度もロシア代表から漏れることなく常に1位か2位をキープし続けてリンクに立っています。また、悲願だったオリンピック金メダルを逃しながらも、そこで引退を考えるどころか「まだまだやってやる」という気持ちがあったからこそ、もっと向上するためにカナダへ渡ることを決めたのでしょうし、その強い意志からも「自分はいくら”使い捨ての選手””世代交代”、”もう若手ではない”と言われようが、1日でも長くトップ選手として活躍していくんだ」という思いが伝わってきます。

 

実は私、メドベージェワ選手のココを一番応援しています!ロシアの選手でも息の長い選手はいるんだということ、そしてやがて、成長期を迎え、スランプを迎える後輩たちにとっても希望となるような、シニアの熟練者として戦うメドベージェワ選手の完成形を心待ちにしています。だからこそ、どうか、どうか、このクリケットへの移籍が実りあるものであることを願います。

 

エテリ式とオーサー式の違い

さて、実際にコーチが変わるとなると、メドベージェワ選手は一体どんな風に変わるのか?なぜオーサーコーチなのか?というところですが、私なりにこんな感じになるのではないかな?という予想を立ててみました!まず、クリケットが目指すのはトータルパッケージな選手。ジャンプ、スピン、ステップ、スケーティング、表現力・・すべての要素を不得意なく磨いていこう!というのが特長であり、そこが現ルールにピタリとハマり、オーサーの弟子は強い!という流れに繋がっていると思います。しかし、この点においては、エテリコーチも同じで、とにかく隙のない演技をミスなく行うという意味でも一致しています。ただ、エテリコーチとオーサーコーチの違う点は、その中でもどこまで難度の高いことを要求するかです。どちらかと言うと、オーサーコーチは今できる範囲の中で質を上げていこうとしますが、エテリコーチの方はトータルパッケージで質を上げるのはもちろん、そこからさらに難度を上げることを目標としています。まさに、こここそが、シニアで数年経った選手が体力・技術・体型的にも難しくなっていくポイントなんですよね。だからこそ、と言っては何ですが、もうシニアでも上級生になったメドベージェワ選手のようなスケーターにとっては、こうしたロシア式のやり方よりも、今後はカナダ式の質を上げる取り組みに切り替えた方が正解なのではないかということです。

 

今までは詰め込み型でとにかく動く動く!というパフォーマンスが目立ちましたが、来シーズンからはそこに洗練された動きが加わるのでは・・?と期待しています。

 

ロシアとカナダ

フィギュアスケート界において、ロシアとカナダというと、何だかあまり仲良くないイメージというか、良いとするスタイルも真逆で、そんなところにメドベージェワ行っちゃって大丈夫??と心配するファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうですよね。少なくとも今までのメドベージェワ選手の演技の特徴でもあった劇場型パフォーマンスプログラムは、カナダでは変化を遂げ、まったく新しい表現方法を手に入れるかもしれません。ただ、メドベージェワ選手の持ち味としては、非常にプログラムを読み解き、その世界観を大切にすること(最近そうなってきた)なので、そこはカナダに行っても失わないでほしいなと思います。また、メドベージェワ選手がカナダとのパイプを結んだことで、他のロシア選手もオーサーコーチと契約を結べる未来が出来れば、ロシアの選手たちにとっても、練習拠点の幅が広がり、助けにもなると思います。

 

メドベージェワ選手もカナダ行きについて「新しい可能性や異なる指導法を活用するため、最高レベルのロシア代表であり続けるため」と語っており、両国に敬意を持っていることが伝わりますし、夢を自由に追いかけてほしいですね。

 

ザギトワとの確執?

エテリコーチといえば、毎度毎度教え子たちが自身から去る度に、選手に毒を吐くのが恒例行事化していますが、まあ厳しい方なんだろうな・・というのは、あれだけメダリストを送り出していれば察しますし、とにかく自分にも他人にも厳しい方ということで、悪い人ではないとは思います。愛情の裏返しみたいなものですよね、多分。本当に嫌いだったらそれこそスルーでしょうし。それにしても、今回もやってくれちゃった。言ってくれちゃったな、という感じで憶測をよんでいます。それは・・エテリコーチがメディアにメドベージェワ選手がザギトワ選手をもう1年ジュニアに留まらせることは出来なかったのかと言ったことを公表した件です。ん~、これ言葉だけだと、その時のニュアンスまで伝わらないので、この発言が「ホント、アリーナ強すぎ!もう1年シニアに遅れて来てくれればよかったのに~」と冗談で言ったのか、殺気立って「あの子をなんでシニアにしたのよ!」と憤慨したのかは詳細分からずなので、何とも言えませんが、オリンピック後のメドベージェワ選手とザギトワ選手の対応を見た分には、二人とも立派だなぁと思いましたし、そんな少女漫画のような確執もないようには見えますが・・。そりゃ、ライバルを目の前に敗北して、何もダメージを受けない選手なんていないでしょうし、そこの気持ちは多少組み取ってあげないとね・・と思うのですが、こんな余計な暴露をされちゃうと、ザギトワ選手が一番可哀そうですよね。金メダルをとってもややこしくなるなら喜べないじゃない!そう考えると、この騒動の一番の被害者はザギトワ選手かもしれません。自分のせいでこんな大事になっちゃったのかな?!とか周りを見ていると不安になっちゃうよね。そんな時はMASARUに癒されて元気にシーズンを迎えてほしいです。

 

コーチ変更なんて普通

オーサーコーチがオリンピック後に新たな生徒を1~2人受け入れるかもしれないと言っていたのが、まさかエフゲニア・メドベージェワとボーヤン・ジンだったなんて誰が予測していたことでしょう。個人的には樋口選手か坂本選手か紀平選手か・・日本人選手の移籍を密かに希望していましたが、これは将来的にも難しくなってきましたね。やはりひとりのコーチにトップ選手ふたりというのは、分かり切ってはいても難しいですよね。オーサーコーチの元にも羽生選手とフェルナンデス選手というライバルが共存していますが、あれは協調性のある日本人と陽気なスペイン人コンビだったからこそ成り立っていたんだろうなと、希少ケースだなと、思っています。まあ、一番怖いのは互いに意識し合って共倒れしてしまうことですが、オーサーコーチとエテリコーチが凄いのは、どちらにも結果を出すということですね。そして、実はどちらも去る生徒には皮肉を乗せるのも共通点。それでも自分の生徒でいる期間は精一杯導いてくれるコーチなのは確かです。

 

色々ありましたが、シンプルに考えれば、コーチ変更なんて普通のことなんですよね。自分がこのままではダメだと感じたら移籍すればいいだけのこと。そこに憶測など乗せる必要はなく、よくあること、心機一転だと思えばいいだけのこと。やってることは、どこも一緒だし、選手はただ、自分に必用なものを求めに行っているだけ。このように2018/2019シーズンも新境地で出発するスケーターがたくさんいますが、そのすべてのスケーターたちが、そこで才能を育てられ、力を発揮できるように応援しています!

 

別れの言葉

最後に、エテリコーチの怒りの暴露事件などもありましたが、メドベージェワ選手がチームエテリを去るにあたって出した別れの挨拶が公表されましたので、紹介して終わりになります。↓こちら

www.fsrussia.ru

全文ロシア語ですが、翻訳機をかければ読めるので、ぜひリンクから直接目を通してください!(ネットで探せば翻訳記事もありますが、まずは情報元からどうぞ~)

 

大雑把に言うと、エテリコーチと過ごした11年間に対しての感謝と、チームの今後の発展と繁栄への願いや、今までどんな貢献をしてくれたか、みたいな感じです。

 

タラソワ氏もエテリコーチとメドベージェワ選手の関係は親子のようだったと言うくらいですから、この挨拶と共に綺麗に終わってほしいですね。噂によれば、オーサーコーチも「メドベージェワは前コーチのことを悪くはいいたくはないと言っていた」らしいので、エテリコーチとの時間はそのまま美しい日々として記録される方向でいってほしいです。

 

それでは、途中書きかけで誤アップしてしまいましたが、また詳細や新たな情報が見つかり次第、再編集します!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

    \北京まで頑張るぞ~~!!/

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出典  jp.rbth.com

【SWI】swissinfo.chが好きな理由

 

私はフィギュアスケートが好きで、中でもスイスの貴公子と呼ばれるステファン・ランビエールさんのファンなのですが・・

 

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出典 www.swissinfo.ch

 

ランビエールさんに興味を持ってから、知らぬ間に彼の母国「スイス」についても好奇心をそそられた私は、いつしかスイスに関する情報を集めるようになってしまいました。

 

そして、情報収集のひとつとしてツイッターでもフォローさせてもらっているこのサイト、swissinfo.chの存在を知ってから現在まで、スイスのニュースといったらココ!というほどお気に入りの場所となっています!!

 

(先ほどの画像もこちらからお借り致しました)

 

単なる海外のニュースというよりは、文化、教育、政治、日本との関わりなどが異文化目線として発信されており、とても刺激を受けることが多いです(真面目)

 

例えば最近の記事だと・・

・ハイジの「育ての親」高畑勲監督死去

・スイスの離婚 父親は未だ「金づる」

・スイスが(まだ)核兵器禁止条約に署名しない理由

・言語地図、過去40年間で大きく変化

などなど・・・

 

思わず読みたくなるネーミングセンスのタイトルが多いのも特徴。そして日本で報道される「欧米」と「欧米人」が実際のものとは違うということも良く分かります。

 

そこで、ここからは私が読んだ記事の中でも特に、面白かった&興味深かったテーマを紹介したいと思います!それでは~

 

レッツスタート!!

 

まずはこちら↓

聖域を侵したアニメ「アルプスの少女ハイジ」 - SWI swissinfo.ch

改めてタイトルが凄いです。先ほど最近の記事でも紹介した高畑勲さんに関する話題でもありますが、ざっとまとめるとこんな感じです。

 

 ・スイスの知識人は「日本のハイジ」に拒否反応を起こしている!

・今までもこれからもアニメを放送することはない!

・なぜならアニメは原作を軽視し、あくまでも日本人から見たスイスでしかないからだ

・しかし、日本の制作チームの努力とハイジへのリスペクトを知り、誤解が解けた

・スイスのハイジと日本のハイジ、今ではどちらもスイスの誇り

 ※なぜ拒否されたのか、その具体的な理由については、日本人が他の国に対して感じていることと全く同じでした。詳しくはリンクからご覧ください。

 

これは、日本人の中でも原作を知る方からすれば違和感があり、受け入れられないという方もいらっしゃると思いますが、こどもが観るアニメとして考えると、明るくて、ちょっぴり泣けて、ストーリーも分かりやすくて、国境を越えて人気が出てしまうのはごくごく自然だったのではないでしょうか。私がこの作品から得たイメージは、問題視されている文化的・宗教的な面よりも、スイスの豊かな大自然の風景です。美しい山脈と画面から良い香りが伝わってくるような草原、花、かわいい動物たち・・かわいい小屋・・澄んだ空・・。当時から「なんて綺麗な景色なんだろう!」と、スイスに対する憧れと期待がありました。そして、大人になってから見たスイスの自然は、こどもの頃に見たハイジの世界そのものというより、それ以上に美しくて驚いたのも事実。あの山の美しさは日本とはまた違った魅力があります!

 

実はアニメからはポジティブなイメージしか持っていない、覚えていないというのが、ほとんどの人間の感想だと思います。私は同じく「母をたずねて三千里」というアニメも見ていたのですが、やはりこどもの頃の思い出はいつまで経っても素晴らしいものだと感じます。今ではスイスのハイジ村も人気観光地ですし、世界中のファンから作品自体が愛されています。このアニメをきっかけに、私たちが知らなかった・誤解していたスイスの文化や歴史について真剣に学んでみるのも良いかもしれませんね。

 

つづいてはこちら↓

否決されたベーシック・インカム、読者の声を基に 再考 - SWI swissinfo.ch

少し昔の話題になりますが、スイスで行われたベーシックインカム導入案否決の記事について。

 

日本でも注目を浴びた「スイスのベーシックインカム導入案」でしたが、投票の結果は皆さんもご存じのように否決。しかし賛成も23%あり、予定していた15%より高いものとなりました。

 

実は私も以前からどこかの国でやってみてくれないかなあ~と超他力本願な日本人的性質で思っていたのですが「では、社会の声はどんなものなんでしょう?!」と、いうのがここでは書かれています。自分がおばあさんになる頃を考えると、正直どうやって生きているんだろうか・・と不安でいっぱいな私みたいな人間が世界中にいると思うので、かなり真剣に考えたい話題です。昔取った事務系の資格も今じゃ機械で用事は足りて、勉強したことなんてAIが一瞬でやってくれる時代です。同じく語学関係の資格もそのうち必要なくなりそうで、いつまで有効なのやら・・。唯一使えそうなのは、人に直接携わる資格のみといったところ・・。しかし、それは若くても体力を消耗するので年をとったら厳しいです。

 

AIが仕事を奪ったら私たちの仕事がなくなるという不安。それが社会にはあるんでしょうね。ただ、私みたいな”仕事=お金=生きていくためにしかたなくするもの”という人間にとっては、科学の進歩のためにAIをどんどん導入して、いらない仕事は削って、週4日くらいの勤務でも給料とBIを合わせて生活の質が保てればラッキーじゃんと思ってしまいます。特にこどもが小さい頃なんかは、親の手がどうしても必要ですし、少しでも時間に余裕がある方が嬉しいですよね。田舎のブラック企業で無理する必要もなし!ただ、導入するといっても、社会保障や財源確保の面では安心できません。誰もやったことのない取り組みに見通しはないので・・。また、低所得層と高所得層との間でメリット、デメリットが分かれる危険や企業からの反発も大きい壁となりそうです。

 

それでも日本は年金問題や職種による人手不足、少子高齢化などなどで、現状維持のままでは将来リスクが残るでしょうね。この課題で世界から取り残されないためにも、AIやBIについては試験的実施でもいいので、全体で考えていってほしいなと思います。

 

最後にこちら↓

憲法改正に伴う国民投票、日本とスイスの違いは? - SWI swissinfo.ch

直接民主制に向かう」カテゴリーの中で、どれを選ぼうか悩みましたが一番シンプルな記事にしました。

 

スイスと言えば、国民投票の国!教育や年金、政治など様々な分野において国民投票が行われてきました。先ほど紹介したベーシックインカムの導入もこの中の一例ですね。

 

具体的に日本との違いはなにか?というのを図にすると・・

 

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こんなにも違います。ちょっと羨ましいかな、私は。

 

swissinfoを読んでいると、こういう類の記事がたくさん上がって来ます。その度にメリット・デメリットも感じるのですが、間違いないのは、世界はどんなに衰退していようが自らの手で行動しようとする「未来志向」の活気を失っていないところです。たとえ時代遅れやわがままに見えそうなことでも、世の中の不満や疑問に関心を持っているという部分に刺激を受けます。誰かが提示したことに意見を張り巡らすのではなく、自分の意見を考えて主張する、この議論を自由に楽しむ感じが少し羨ましいのです。日本は記者会見ごっこをいつまでもブームにしている場合じゃないぞ!

 

 

こんな感じで、ステファン・ランビエール経由で始まった私のスイス情報巡りは、今もタイムリーでツイッターに上がって来る記事を読みつつ、勉強させてもらっています。

 

あ、そうそうスイスと言えば多言語国家としても有名ですが、イラストレーターであるマリーナ・ルッツさんが書いた風刺画がシュールだったのでこちらもご覧ください!

 

スイスを風刺画で描く - SWI swissinfo.ch

 

ドイツ語にフランス語にイタリア語にロマンシュ語・・凄いですよね。どうやって生活しているんだ?!と本気で不思議ですよ。しかもスイス人は公用語以外にも英語をみっちり学ぶので、英語が上手い方が多い・・!!というか、話せて当然に思っていますね。一体、頭の中はどうなっているの?!

 

人間の脳って母国語以外に後からインプットした言語は、認知症になるとすべて忘れてしまって話せなくなると以前イギリスのニュースでやっていた気がするんですが・・(言葉を忘れた日系人高齢者が問題になっているらしい)

 

スイス人には心配なさそうですね、多分。どれが母国語よ?って感じかな。

 

以上、まとまりがないですが、簡単によく利用するサイトの紹介でした。

 

おまけに、スイスとスイス人を完結に表現した個人的ツボなポエムをどうぞ↓

 

You are such a sweet person as Swiss chocolate, trustworthy as Swiss Bank and accurate/professional as Swiss Watch!!!

 

 これは、ロシアの伝説のスケーター、アレクセイ・ヤグディンさんがランビエールに贈ったバースデーメッセージなんですが、よくこんなおしゃれな表現を思いつくな~と、印象的だったので載せました。

 

君はスイスチョコレートのようにスイートで、スイス銀行のように信頼に値し、スイス時計のように精確でプロフェッショナルな人間だ!

 

私から合わせて・・ハイジのように明るく人気者で、賢くて、国民投票したらトップ当選ですね!(なんの?)

 

おわり

マリン+アルトゥニアン=北京五輪?転校に渡米の決断はいかに?!

※2018.7.11追記あり

 

2018年3月31日、それはスケート界のビックイベント「スターズ・オン・アイス」が大阪にて初日公演を迎え、胸が高鳴る頃でした。

 

2016年、2017年の世界ジュニアでそれぞれ金・銀メダルを獲得後、翌シーズンにはシニアに転向し、一躍脚光を浴びた本田真凜選手から、練習拠点を日本からアメリカに移すことが発表されました。

 

長らく喜怒哀楽を共にしてきた濱田美栄コーチから離れる突然の決断に、驚かれたファンの方も多かったのではないでしょうか。

 

さらに、拠点の変更と合わせて明らかになった関西大学高等部から青森山田高校への転校について「そんなに環境をガラリと変えてしまって大丈夫なのか」と心配する方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

そこで今回は、本田選手がこれらの決断に至った経緯や、噂されていることなどを現在メディアで流されている情報を考察しながら紐解いていきたいと思います。

 

 

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兄の太一選手と渡米するとのこと。いってらっしゃい。

 

新コーチはラファエル・アルトゥニアン

本田選手が新たに指導を受けるのは、あの浅田真央さんも一時期指導を受けていたラファエル・アルトゥニアンコーチです。アルトゥニアンコーチといえば、現在はアメリカの4回転ジャンパーで2018年世界選手権金メダリストのネイサン・チェン選手や、本田選手憧れのアシュリー・ワグナー選手を指導していることでも有名な敏腕コーチ。このアルトゥニアンコーチの元で練習するために、これまで練習していた関大リンクからアメリカのリンクへと拠点を移すこととなりました。拠点変更の理由について本田選手は「環境を変えることで新しくスタートできたら・・」と語っています。

 

五輪落選・・シニアデビューは苦しい結果に

「去年の悔しさを今年は晴らすようなシーズンにしたい」

夢の舞台だった平昌五輪から落選後、いかにして気持ちを切り替えるかを悩んでいた際に出した結果が、全体的なレベルアップとトップ選手についていくために、自分を追い込める場に拠点を置くという決断でした。華やかなジュニア時代の経歴と比べ、シニアデビュー後は成績が思うように伸ばせず、濱田コーチから厳しい言葉を受けることもあった本田選手。外野からは、そんなふたりの様子を見て不仲説や破門説が飛び交い、それが移籍の真実だ!という意見もありますが、個人的にはこの決断には、マスコミや世間の注目から離れ、しっかりとスケートだけに集中できる環境を求めたことが大きいのではないかと思っています。

 

天才に忍び寄る罠

シニアデビュー後、私たちはネットニュースやテレビで”本田真凜”の名前を見ない日はありませんでした。来る日も来る日も真凜ちゃん、真凜ちゃん。まだ高校生になったばかりの子に、まるで自分がアイドルであるかと錯覚させるようなスポットライトの当て方に「このままでは業界の餌食になってしまう」と危険視し、メディアに不快感を持つファンが増えたことは否めませんでした。しかし10代の女の子に、完璧なメディア対応など求めても、修行増のような人間でない限り、その罠に嵌らないことは難しかったと思います。また、本田選手の場合は芸能界で活躍する妹たちが同じ環境にいることで、完全にスケートとメディアの世界との間にスパッと線を引くことが、環境を変えない限り手段がなかったとも見れます。

 

アスリートとアイドルの線引き

近年、試合では競技としての観戦ではなく、本田姉妹の追っかけとして試合に足を運ぼうとする気味の悪い大人がいたのも事実です。某掲示板には未成年に対する不適切な書き込みや、明らかにおかしな目で彼女たちを見ていながら試合やショーで近づこうとする通報モノの書き込みも見られました。このような怖いファンが生まれてしまったからには、日本でこれ以上「本田姉妹」として注目を浴びつつ、練習していくには危険を伴いますし、集中するためにもタレントなのかアスリートなのかをはっきりと、その方たちにも理解してもらう必要があると思っていたので、ファンとしては渡米という選択はとても良い機会だったと思います。

 

ポスト”真央”の呪い

大切な五輪シーズンに「メディアの罠」に陥った本田選手でしたが、最後の最後で本人を最も苦しめたのは、全日本選手権で五輪代表を逃した直後でした。メディアは手のひらを返したように「実力のない選手なのにポスト真央だから五輪に行けると騙された」と言わんばかりに、本田選手のイメージを下げるような方向に変わっていきました。勝手にポスト真央と名付けて、世間に期待をさせたのはメディア本人なのに・・です。そもそもポスト”真央”の定義が分かりません。トリプルアクセル?人気?スポンサーの数?戦歴?メディアにとってのポスト真央とは一体どういう意味だったのでしょう?個人的にはいちいち歴代選手の個性に他の誰かを当てはめる必要は一切なく、浅田真央浅田真央本田真凜本田真凜で唯一無二だと思います。こういう表現は双方のファンや世間からも誤解を生みやすいのに、なぜあえて使うかな・・と言った感じでもどかしいす。

 

わからない涙の理由

それでも心機一転で環境を変えて、スケートを頑張ろうとしている現在の本田選手の姿には、正直「めちゃくちゃ根性あるじゃん!」と、その覚悟が嬉しくてしかたありません。なぜなら五輪落選後には「五輪に出られなかったから悔しいのではなくて、自分の気持ちが全然分からないのが苦しい」と泣いていたんですよ?涙を流しながら五輪を観て、チャレンジカップでもボロボロだったんですよ?本人は「自分の気持ちが分からない」と言うけれど、実はその涙がすべての理由を代弁しているんですよね。”取り返しのつかない過ちを犯してしまったという意識”が涙になって知らせてくれたのです。そうでなければ後悔なんて出来ませんからね。後悔できる選手だからこそ今度は正しい道を歩んでいけるのでしょう。

 

関大ともお別れ

今回コーチ変更より何より驚いたのは、青森山田高校への転校です。正確に言うと、普通科のスポーツコースに在籍中とのこと。青森山田と言えば、卓球の福原愛選手が在籍していたことでも有名ですよね。卒業生の中に五輪メダリストがいるという環境は、海外拠点になる本田選手にとっても心強いのかもしれませんね。しかし、今まで関大(しかも初等科から)というリンクつきの環境から、雰囲気もガラリと変わるであろう青森山田に転校するというのは、これもまた今まで周囲にいた人間とは違う出会いもあるわけで、結構大変そうではありますが、アスリートにとって理解のあるカリキュラムでないと高校卒業自体が難しくなってしまうので、かなり思い切った決断だったのではないかと思います。それくらい4年後に賭けているのでしょう・・。頑張ってほしいですね。

 

半年で結果を求めては酷

アメリカでの生活は食事面でもコミュニケーションの面でも苦労が多く、今まで通りにはいかない部分もあるかと思います。変えたいこと、変わらなくていいことのバランスが上手く取れないなんて壁もあるかもしれません。しかし、ここで海外生活が合わないからといって日本に帰国しても、もう関大には戻れないという覚悟を背負って旅立ったわけですから、相当な強い意志で北京へと前進しているはずです。アルトゥニアンコーチについたからといってすぐに結果に繋がることは、まだ時間的に難しいとして、しばらく練習の成果が出てくる時が来るまでは、メディアにはそっと見守ってあげてほしいですね。本田選手の描く理想のスケーターがどんなものなのか演技を通して観られる日を楽しみにしています!(個人的には女版ジェフリー・バトルみたいな正統派な演技を希望)

 

おわりに

本田選手は身長が伸びたことからジャンプが跳びにくそうになっているのがやや気になるところですが、そこを上手い具合に調整できれば、再びリズムに乗った流れのある良いジャンプが戻って来ると思うので応援しています。あとは苦手・・というか嫌い?!なスピンが磨かれ、ステップでもレベルアップして、新ルールに対応したスケーターにいち早くなってくれたら嬉しいです。表現面では、小さい頃は頭ひとつふたつ抜けていたのが、シニアに来て個々の能力が年齢と共に横並びになったら、その長所が特別ではなくなってしまったというのが、平昌シーズンの最大の盲点だったと思います。周りがトップ選手の演技を研究して着々と力をつけてきた中で、本田選手もPCSを伸ばすためにはどこをどうしないとならないのか、考えた結果、必要な技術を手に入れるためにアルトゥニアンコーチの元へいったのでしょう。しかし、私は表現面を支えるのはコーチよりも振付師であると思っています。コーチは技術的な支持を与え、振付師と選手がそのプログラムをどう調理するのかを考えて表現していくのだと、それが上手く融合していたチームこそが平昌でも世界選手権でもメダルを手にしていたと確信しています。どうか本田選手にも素晴らしい振付師との、信頼できる関係を築き、1シーズン大切に大切に思えるプログラムを作り上げていってほしいです。

 

 本田選手は、国内がサバイバル状態の中で、それも同じリンクに宮原・紀平というトップ選手がいる状況では、このまま濱田コーチの元で練習していてもライバルをかき分けるのは苦しいと判断したのかもしれません。環境を変えることで良い方向に向かうことを願って、来シーズンを待ちたいと思います。

 

自分と同じように五輪に行けなかった樋口選手の世界選手権での活躍を観て、私も諦めない!と奮起してくれていたら楽しみですね!コーチ変更については、様々な憶測が飛びますが、あまり周囲の声(特に大人)に惑わされずに突き進んでほしいです!

 

おわり

 

追記

本田選手の新たな所属先がJALに決定しました!JALとは昨年から既にスポンサー契約を結んでいますが、この度本田選手のためにアイススケート部を設置してくれることになったそうです。良かったねーめでたい!また、それに合わせて東京都連盟に在籍することも発表されました。がんばれー!

スケートを続けられる喜びとスペシャルオリンピックスの道【ハートネットTV】

 

2018年3月29日にEテレで放送された「ハートネットTV 」よりフィギュアスケートを続けられる喜び スペシャルオリンピックス女性アスリートの挑戦”のまとめと感想になります。

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今年2月、札幌で開催されたあるフィギュアスケートの大会で新たな試みがありました。それは、日本スケート連盟とその関連団体の大会として、全国で初めて知的障がい者の参加枠が設けられたという、とても画期的な出来事でした。その背景には2017年3月にスペシャルオリンピックス(知的障がいを持つ選手が参加するスポーツ世界大会)で銅メダルを取った、ひとりの女性フィギュアスケーターの活躍がありました。彼女の名は伊藤友里さん(17)、札幌市内にある特別支援学校の高等部に通う2年生、週2回のペースで地元のリンクで練習に励む日々を送っています。そんな友里さんにとって「試合に出場できる」「フィギュアスケートを続けられる」ことは当たり前にできることではありませんでした。

 

中学前の壁

友里さんがフィギュアスケートを始めたのは3歳の時。テレビで観た選手たちの演技に憧れ、自ら「やりたい!」と、お母さんに頼んだのがきっかけでした。上達スピードこそゆっくりではありましたが、地道な練習と努力を重ね、友里さんは、着実にレベルアップしていき、小学校4年生の時には、若手選手の登竜門と呼ばれる北海道のフリースケーティング大会に出場、さらに小学校6年生の時には上位25人に入るまでに成長しました。しかし、友里さんにとって、そんな輝かしく楽しい日々は中学生を前に、ある壁によって塞がれてしまうこととなりました。

 

どうして皆と同じじゃないの?

フィギュアスケートには9段階に分かれた技能試験があり、北海道スケート連盟のルールでは、中学生以上の選手には2級合格が必須条件となっていました。しかし、友里さんは、この時点では、2級に必要な課題をクリアすることができませんでした。フィギュアスケートはその名の通り「図形」を描く競技でありますが、生後まもなく低血糖脳症で小脳の機能が低下した影響により、図形認識が苦手な友里さんにとって、8の字サークルや難度の高いジャンプの壁は、とても大きなものとなりました。「大会に出れないなんて何を目標に滑ればいいの?」「どうして皆と同じじゃないの?」小学校最後の大会が終わると、友里さんは、練習にはいかなくなり、放課後は部屋に閉じこもってしまいました。

 

スペシャルオリンピックス

そんな友里さんのもとに、ひとつの明るいニュースが届きました。スペシャルオリンピックスの存在です。スペシャルオリンピックスとは1968年にアメリカで誕生した知的障がい者向けの世界大会で、夏冬合わせて26種類の競技と、170万人の選手、50万人のボランティア、そして150を超える国と地域が参加する4年に1度のビックイベントです。オリンピックスと複数形なのは、「いつもどこかで活躍している」という意味から来ています。また、スペシャルオリンピックスの理念には以下のような誓いが掲げられています。

 

"Let me win, But if I cannot win, let me be brave in the attempt."

~わたくしたちは精一杯力を出して勝利を目指します。たとえ、勝てなくても、頑張る勇気を与えてください

 

今まで大会に出られなかった気持ちに、挑戦する機会が与えられたことで、友里さんにも頑張る勇気が再びよみがえってきました。

 

挑戦

2015年の夏、友里さんのオリンピックへの挑戦が始まりました。札幌市では障がい者に無料でリンクを貸し出すしくみが整っており、友里さんは、いつもここでコーチとお母さんの3人で、貸し切りで練習をしています。実は友里さんは以前、一般開放のリンクで他の滑走者と衝突した経験があるため、普段はこのような形で練習をすることにしています。練習では苦手な8の字サークルや新しいジャンプの修得に挑戦、ノートに図を描いて復習したり、コーチが身振り手振りで指導してくれる中、どうしても「足替えをどこでしたらいいんだろう・・」「最初に右クロスから始まって・・あれ?」と、苦戦する日々が続きます。そこで、コーチは友里さんとより近い距離で直接、体に触れながら指導してみることにしました。すると、触れた部分から体が動くようになり、めきめきと上達、2種類のジャンプの他にループジャンプ、そして8の字サークルも出来るようになりました。

 

大きな目標

こうした努力の結果、友里さんは見事、スペシャルオリンピックスの銅メダリストとなりました。さらに、ここでの挑戦が友里さんに、新たな大きな目標を抱かせ、「また滑れるんだ」という喜びと幸せを運んでくれました。その目標とは・・・、なんとフリップジャンプの修得です。フリップはジャンプの中でもアクセル、ルッツの次に難しく、友里さんが苦手とする足の踏みきりも複雑になってきます。しかし、この挑戦にはオリンピックに出場したからこそ達成したいという熱い思いがつまっていました。スペシャルオリンピックスでは全部で6つのカテゴリー難度に分けられており、今回友里さんはその中で4レベルのカテゴリーでメダルを獲得しました。つまり、フリップが跳べれば、より上のカテゴリーに参加できるというわけです。実は2020年に次のスペシャルオリンピックス代表選抜を決める大会が、北海道であることからも、友里さんはなんとしてでも次の代表選抜までにフリップを手に入れたい考えがありました。

 

すみません、通ります

そのためにもまず、地元札幌で近くに開催される大会で、新技フリップを成功させたいと意気込む友里さんでしたが、それは簡単ではありませんでした。何度練習しても思うように動かない体と、失敗するたびに混乱してしまう心。焦れば焦るほど身も心もコントロールが効かなくなってしまいます。

 

そのまま大会5日前を迎えたある一般開放のリンクに、衝突のトラウマを抱えながらも必死で慣れないリンクで練習する友里さんの姿がありました。「すみません、通ります」と声をかけながら、何度も転倒するジャンプを繰り返し跳ぶ友里さん。「成功のために、少しでもいいからたくさん練習したい・・たとえ一般開放でも・・!!」その熱い闘志からは銅メダルを取ったことによって生まれた、トップアスリートとしての魂のようなものを感じさせてくれました。

 

成功させてみせる!

大会前最後の練習。「気力がない」と疲れた様子で苛立ちを隠さない友里さん。それはまるで限界まで追い込んで練習している、あの羽生選手の表情に似ていました。友里さんの中で何かが変わってきている・・、何かが芽生えてきている・・。コーチやお母さんの叱咤激励でこの日、友里さんはフリップジャンプを成功し、練習を終えました。

 

「明日はどう?」お母さんにそう聞かれた友里さんは、まんざらでもなさそうな表情を浮かべ、自信がありそうに見えました。

 

大会直前。友里さんは「成功させてみせる」という強い言葉を残し、リンクに立ちました。こんなことを言う友里さんを見たのは、お母さんも初めてです。いつの間にか友里さんはとても強いアスリートになっていました。

 

より高みへ

この大会で、友里さんはフリップを成功させました。心が折れかけはしても、決して折れなかった強い信念と、世界大会で残した自信が形となってくれたのでしょう。私にはフィギュアスケートを滑れる場所がある!この喜びが友里さんにとって何よりの原動力となったことは言うまでもありません。大会3日後、次のオリンピックに向けて、より難しいプログラム構成に挑む友里さん。ひとつのきっかけが、ここまで人間を強くさせ、喜びを与え、多くの機会を与えてくれる。きっかけさえあれば、夢を見ることができる。それは誰にでも言えることかもしれません。

 

スペシャルオリンピックスが友里さんに希望を与えてくれたこと、そんな友里さんの生き方から希望をもらう人、そのそれぞれがスポーツを通して心を動かせるのだと思うと、やっぱりスポーツって素晴らしい!にいきつきますね。文字にすると単純な言葉ですが、感じる分にはとても大きな言葉だと、改めて感じました。スペシャルオリンピックス。この活動がより多くの方に知ってもらえたらと思います。

 

おわりに

友里さんは3歳で競技を始め、5歳になるまで、ご家族も障がいがあるということが分かりませんでした。初めは皆と同じように練習をし、大会にも出ていたということですね。しかし、どんどん年齢が上がるに連れ、健常者と同じ大会に出ることが叶わなくなり、やがて競技から取り残されてしまいました。フィギュアスケートでは各年齢に応じて、級やレベルがあり、そのレベルに満たさないと出場できる大会が難しくなってきます。ジュニアの選手ならばジュニアの選手に必要とされる条件を満たしていなければいけません。そんな友里さんにとって、障がい者にも機会が与えられるスペシャルオリンピックスがどんなに嬉しいものだったでしょう。予選を通過し、見事代表に選ばれ、メダルを手にした友里さんの気持ちを思うと、本当に良かったと思います。だって、友里さんスピンがめちゃくちゃ上手いんですよ!

 

私も今回この番組を通して、スペシャルオリンピックスについて調べてみたのですが、この大会では1~3位にメダルを、4位以下にはリボンを贈呈することになっていて、表彰式では最下位の選手(全選手)から順番にコールすることで、最後まで拍手が行き届くように配慮するなどして大会の運営を行っているそうです。また、最近では元フィギュアスケーター安藤美姫さんや小塚崇彦さんもこの活動に加わっていましたね!ぜひ、おふたりの宣伝によるサポートと合わせて、今後障がい者枠の大会が他の大会でも設けられ、ショーでも枠があればいいなと思いました。以前テレビで齋藤舜さんという知的障がいを持つ男性スケーターの特集があったのですが、厳しい練習を乗り越え、大会に出場し、「何度注意を受け、自信がなくなった人でも、明日があるから頑張って!若い僕らには夢がるから」と自身のお気に入りの曲、坂本九の「明日があるさ」を滑った姿を観て、この努力をもっと多くの方に知ってもらえる機会はないだろうかと感じたんですね。世間ではいじめを受け、大好きなフィギュアスケートの大会にも出場資格の制限で居場所がなくなった彼らを導いてくれたのは、この「滑れるチャンス」です。出場枠が夢を与える形として挑戦や自信を取り戻してくれたのです。そして今は彼らが、経験から得た教えを私たちに発信してくれています。私はこれらのことが、もっともっと広まってくれることを願います。

 

と、いう私もスペシャルオリンピックスのことに関しては、まだまだ無知なので、今から調べてみたいと思います!探してみたところ、ネットでもたくさん情報があるんですね~。自分も初めて知った!という方も、ぜひ一緒に調べてみましょう!

 

以上でおわりになります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

ハートネットTV

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2017/2018シーズンを総括!ベストスケーターは誰だ?!

 

今回は激動と感動の2017/2018シーズンの総仕上げ!

 

特に今シーズンはオリンピックシーズンということで、今まで各試合の感想については、他記事で出来るだけアップしてきました。(詳しくは上のフィギュアスケートタグからどうぞ)

 

ですので、各試合の細かな感想については、そこでまとめたということで、ここでは、私の完全なる独断で心に残ったスケーターや演技などを賞&ランキング形式で振り返りたいと思います!(※主にシングル選手向けです)

 

さっそくですが以下からGO↓

 

あなたが大賞!!

まずは、私が勝手に作った賞コレクションの発表から。

 

新人賞(女性の部)
女子シングル アリーナ・ザギトワ ロシア
この方しかいないでしょう!!シニアデビュー戦からオリンピックまで圧倒的な強さで駆け抜けました。誰にも真似できない構成で金・金・金!!また、その話題性は国内だけでなく、ライバル国の日本にまで及び、一躍スター選手となりました。ショートでは歴代最高点を更新。まだ若いながらも落ち着いた、とても努力家な選手です。

 

新人賞(男性の部)

男子シングル 友野一希 日本

初めての世界選手権での強烈なデビュー。ミラノの観客を巻き込んだ演技、そして強いハート。先輩から後輩へと受け継がれた使命をしっかり果たしてくれました。5位入賞でパーソナルベストも大幅更新!素晴らしい!

 

総合成績(女性の部)

女子シングル アリーナ・ザギトワ ロシア

今シーズン出場した試合は世界選手権での5位を抜かせば国内・国際試合すべてで金メダル!もっと凄いのは、昨シーズンから表彰台をキープしているという粘り強さと忍耐力!!この成績を見れば、世界選手権の5位は総合成績受賞にあたって問題なし!ザギトワ選手、堂々の2冠達成です!

 

総合成績(男性の部)

男子シングル 宇野昌磨 日本

今シーズンはどんな不調な時でも1位か2位にしかならなかったのは強い!団体戦の総合結果ではメダルに届きませんでしたが、個人で滑ったショートでは1位という成績を見れば、総合力は宇野昌磨にアリ!!300点超えを3回出したことからも、今シーズンの平均点の高さがよく分かります。あっぱれ!

 

ベストショートプログラム(女性の部)

女子シングル カロリーナ・コストナー イタリア

使用曲 ”NE ME QUITTE PAS” セリーヌ・ディオン

まさにお似合いの曲・・というかコストナー選手にしか滑りこなせない世界観だったと思います。若手の成績も素晴らしかったですが、彼女の熟練者としての演技も大変素晴らしかったです。完成したら80点を超えてもおかしくない技術と表現・・一目惚れするプログラムとはこのことですね。体から音や感情があふれ出すそのパフォーマンスに、カロリーナー・コストナーのすべてを感じました。

 

ベストショートプログラム(男性の部)

男子シングル ネイサン・チェン

使用曲 ”ネメシス” ベンジャミン・クレメンタイン

男子は迷いましたが、やはりチェン選手のネメシスで!男らしくてクールなチェン選手にぴったりな選曲だったと思います。長い手足を生かした振り付けがとても素敵でしたよね。また、大敗したオリンピックの後、世界選手権で滑ったネメシスからは元々は失恋を綴った歌詞ながらも、どこか一度は勝負に敗れた自分を奮い立たせるようなセクシーさと重なり、胸を撃ち抜かれた観客も多かったのではないでしょうか。まさにネイサン・チェンの心を歌ったプログラム!パーフェクトです!

 

ストフリープログラム(女性の部)

女子シングル 樋口新葉 日本

使用曲 映画007より”Skyfall” アデル

男女合わせてもこのプログラムが1番好きです。あの運動量とスピードに躍動感、そして樋口新葉のために書かれたような歌詞、まるで映画のワンシーンのようなひとつ、ひとつに意味を持った表現。今シーズンこれほど号泣し、繰り返し観たいと思うプログラムはありませんでした。This is the end(もう終わりだ)・・から始まる曲に、全日本から世界選手権に来るまでの日々を思い重ね、Put your hand in my hand and we'll stand(手をとって共にこの時を耐えよう)とステップに入るところでは、ここまでよく頑張ってくれたという感謝の気持ちでいっぱいになりました。本来の歌詞の意味とは違いますが、樋口選手のスカイフォールからは「失意のどん底でも諦めることだけはしない!」という思いが伝わりました。女性らしさも男性らしさも演じ切れるその才能に、ベストフリープログラムを贈ります。

 

ストフリープログラム(男性の部)

男子シングル 宇野昌磨 日本

使用曲 歌劇トゥーランドットより”誰も寝てはならぬ” ジャコモ・プッチーニ

日本人選手ばかりで申し訳ありませんが、本当に良いと思うので仕方ありません!初見では、以前のイメージが強烈だったので、そこまで絶賛!というまでには至らなかったのですが、どう見ても後半の盛り上がりが凄すぎて、気づくとこのプログラムの虜になっていました。宇野選手の場合、振付師である樋口コーチが常にそばにいることもあり、他の選手よりも「表現」においての完成度の伸び率がシーズンを通して高くなっていくところも毎回感動的です。ジャンプだけではないバランスのとれたスケートで、カラフ王子を完全に演じ切れたのではないでしょうか。

 

ベストパフォーマンス賞(ペア部門)

隋 文静・韓聰組 中国

NHK杯より「トゥーランドット

今まで様々なトゥーランドットがありましたが、これほどカッコよくて深いパフォーマンスはスイハンだけです!さすが本場の演技という感じ!何度観ても、観る度に、新しい発見があり、その美しさに魅了されてしまいます!まさしく名プロってやつですね!最初から迫力あふれるその技術、さらに重厚感あふれる大人の演技、もう文句なしです!オリンピックでは金メダルに届きませんでしたが、今シーズン1番グッとくるものがありました。

 

ベストパフォーマンス賞(アイスダンス部門)

テッサ・ヴァーチュ/スコット・モイア組 カナダ

ピョンチャンオリンピックより「ムーランルージュ

ふたりとも素晴らしかった。何かに取り憑かれたように滑り切ったその姿からは、彼らの金メダルへのただならぬ情熱を感じました。あのシンクロ率のハンパなさといったらまるで同じ人間が、もうひとり存在しているかのよう!双子でもあそこまでは揃いませんよ。本当にすべてを出し切れた、金メダルしか与えようのない演技だったと思います。まさに選手が「ゾーン」に入った代表的なパフォーマンスの例でした。

 

ベストパフォーマンス賞(女子シングル)

ケイトリン・オズモンド カナダ

ピョンチャンオリンピックより「映画ブラック・スワン

オズモンドの演技は目を惹きます。ダイナミックなジャンプに迫力あるスケーティング、その時の感情がそのままあふれ出したかのような表現力。強さと大きさと美しさが絶妙なバランスでスケートに溶け合い、個性といった面でも光るものを感じます。そんなケイトリン・オズモンドの長所すべてを発揮したのがピョンチャンオリンピックでした。もっといえば、その次の世界選手権でも良いフリーを魅せてくれました。それを考えると成績もパフォーマンスも驚異的だと思ったので、この賞に選びました。

 

ベストパフォーマンス賞(男子シングル)

金 博洋 中国

ピョンチャンオリンピックより「組曲 惑星より火星+スターウォーズ

ネイサンか迷うけど・・ここは個人戦でメダルに届くかどうかの中、立派に滑り切ったボーヤンのこのフリーに賞を贈りたいです!特にボーヤンの最後の涙には、私ももらい泣きしてしまいましたよ。ショートからずっと緊張感に打ち勝ってきたんだよね・・。ボーヤン・ジンのルッツは世界一!それは間違いありません!まだまだトップ選手と比べ未熟なところもあるかもしれませんが、ボーヤンのスケートからは楽しさが伝わってくるところが何よりの魅力です。シニアで苦しい場面が多くとも決して笑顔を絶やさない、その素直な競技人生をこれからも応援したいです。

 

特別賞(女性の部)

女子シングル カロリーナ・コストナー イタリア

30代の功績を称えて・・

孤独な闘いだったかもしれない。誰も踏み入れたことのない境地だったかもしれない。それでも、シーズンを通して、コストナー選手からはたくさんの可能性を教えられた気がします。基礎がしっかりしていれば30代だって戦えるんだ、努力と信念があれば技術も表現も進化できるんだ。そんな夢を見せてくれましたね。本当に偉大なスケーターだと思います。ありがとうカロリーナ!

 

特別賞(男性の部)

男子シングル アレクセイ・ビチェンコ イスラエル

負けない心、諦めない心

コストナー選手と同じく30代のビチェンコ選手(名の表記は色々あり)。今シーズンはNHK杯で3位、ピョンチャンオリンピック、世界選手権ではパーソナルベストを更新するなど、安定した演技で戦い抜きました。正直、この年齢で躍進し続けることは、とても困難だと思います。しかし、ビチェンコ選手には「それが何だ」というばかりの勢いと熱意があります。その気持ちの強さが精神を強くさせ、安定した演技に繋がったのでしょう。ビチェンコ選手からもまた、たくさんの勇気をもらいました。

 

ベストコレオグラファー

シェイ=リーン・ボーン

今シーズン主な振り付け 羽生結弦「SEIMEI」、樋口新葉スカイフォール」、ネイサン・チェン「ネメシス」、本郷理華カルミナ・ブラーナ」など

今シーズン「素敵だな」と思うプログラムは、すべてこの方シェイ=リーン・ボーンさんによる振り付けでした。シェイの作るプログラムはおしゃれで、選手の新たな魅力を前面に押し出してくれる魔法ですね!来シーズンもたくさんの泣けるプログラムを期待しています!!

 

ベストコーチ

エテリ・トゥトベリーゼ

教え子 エフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、アレクサンドラ・トゥルソワなど

教え子の数・・というよりは結果を見てもこの方、エテリ・トゥトベリーゼコーチでしょう。ジュニアからシニアまで素晴らしい結果しか残していません。教え子がオリンピック金・銀メダル。その強さと実力の裏には、完全なるエテリコーチによる鬼のレッスン効果があったからでしょう。これぞ凄腕!それについてこれた選手も凄い!

 

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MVPの発表

お次は、いよいよMVPの発表です。え~ここでのMVPとは、このピョンチャンまでの4年間or数年間、フィギュアスケートのトップとして走り続けてくれた選手への功労賞になります。成績やファンからの支持をトータルして選んでみました。

 

最優秀選手賞(女性の部)

エフゲニア・メドベージェワ ロシア

シニアデビュー後、その圧倒的な強さは誰も寄せ付けませんでした。2度の世界女王、そして世界記録保持者。惜しくも念願のオリンピックでは金メダルにこそ届きませんでしたが、ここまで女子シングルの顔として、この競技を盛り上げてくれたのは、間違いなくメドベージェワ選手でしょう。オリンピックでフリーを滑り終え、結果が出た後のインタビューや態度にも一流のスポーツマンシップがありました。

 

最優秀選手賞(男性の部)

羽生結弦 日本

オリンピック2連覇、そしてこれまでの数々の戦歴を考えれば、この選手以外はいないでしょう。完成度の高いジャンプ、ルールを最大限にまで引き出した技術、ここぞという時の勝負強さ・・圧倒的です。注目とプレッシャーを受け止めながら走り続けたこの4年間は、どれほど辛かったでしょう。私たちには見えない、血の滲むような努力があったはずです。この技術とスター性を兼ね備えた奇跡の才能に、私は最高の賞を贈ります。

 

2017/2018シーズンランキング

最後に、各賞以外に素晴らしかった選手や演技などを部門別ランキングしていきたいと思います!

 

上記にあるもの(プログラム・コーチなど)は省略します。尚、かなり好みによるものとなります!

 

好きなプログラムTOP10

1ジェイソン・ブラウン 「inner Love」

宮原知子 「蝶々夫人

3ケイトリン・オズモンド 「パリの空の下」

宇野昌磨 「四季 冬

5エフゲニア・メドベージェワ 「アンナ・カレーニナ

パトリック・チャン 「ハレルヤ」

樋口新葉 「ジプシー・ダンス

8坂本花織 「月光」

9デニス・ヴァシリエフス 「トスカ」

10三原舞依 「ガブリエルのオーボエ

※どの位置に置いたらいいか分からなかったプログラムたち↓

ミーシャ・ジー 「アヴェ・マリア

ハビエル・フェルナンデス 「チャップリン・メドレー」

ミハイル・コリヤダ 「エルヴィスプレスリー・メドレー」

 

優秀コーチTOP3

ブライアン・オーサー

2濱田美栄

3中野園子

 

飛躍した選手TOP3

1坂本花織

2ブラディー・テネル

3ヴィンセント・ジョウ

 

などなど・・。

 

衣装部門ではアダム・リッポン選手が眩しく、ヘアースタイル部門ではネイサン・チェン選手が独走・・残念ながら日本は完敗!アメリカのひとり勝ちでしたね。

 

総括!

と、いうわけで、勝手に評価コーナーはここで終わりになります。今シーズンも様々なドラマがありましたね。ここには、その感動のすべてを書き切ることはできませんでしたが、後でランキング部門は細かく付け足すかもしれません。ひとまず時間がないのでここまでで!

 

「え~ここはこうだよ!」「この人だよ~!」と、色々な意見があるとは思いますが、そこを含めて今シーズンを振り返るのが1番面白いかな、と思います。

 

こんなことを書いておいてなんですが、今シーズン泣いた選手・笑った選手の演技すべてがファンにとっては、とても大切でかけがえのないものでした。

 

よって2017/2018シーズンのベストスケーターは全員です!!!

 

おめでとうございます!!

 

大変無理やりな賞になりますが、これが感謝の気持ちということで、ここらへんで終わります。スマホからだと見にくくなっているかもしれませんが(すみません!)、最後まで読んでいただきありがとうございました。

ウノ、トモノ、ミラノを魅了!君たちは侍だ!

世界フィギュアスケート選手権2018

 

 

激動の2017/2018シーズンの締めくくりは、やはりこの方、宇野昌磨選手でした。

 

決して最高の出来とは言えない滑りだったかもしれない・・

 

決して満足のいく結果ではなかったかもしれない・・

 

それでもあの魂のトゥーランドットからは、何度転倒しようと、何度崩れそうになろうとも、必ずやりきって見せるという諦めない心、そして最後まで美しく華麗に演じようとする宇野昌磨の男らしく熱いスケート精神を感じました。

 

銀メダルブラボー。それ以上にあなたの生き方にブラボー。

 

たとえミスが重なっても世界観は壊さない、観客を置いてけぼりにはしなかった、その表現力にブラボーです!

 

かけがえのない戦いをありがとう。あの諦めない気持ちと情熱は、全選手にとってお手本になるようなスケートでした。本当にありがとう。そしてお疲れ様です。

 

宇野選手、あなたはまるで戦士のようで、アーティストのようで、なんて魅力的なスケーターなんでしょう。そうミラノの観客には伝わったはず。ずっとずっと立ちたかった頂点に、今回も立てなく悔しい思いかもしれませんが、北京までまだ四年あります。この四年間の中で宇野昌磨の時代は必ず来ます。そのウノ時代であなたがもっともっと強くて魅力的なスケーターになる未来を、私はこれからも応援します!!

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それでは以下に、全体的な感想を載せておきます↓

汗か涙か

今回は足に痛みを抱えながら出場した宇野選手。何より体が一番大切なので無理だったら出なくていいんだよ~(涙)と心配でしたが、当の本人は「大丈夫です。出ます。」ということだったので、ここは選手がそう言っているのだから全力で応援しなきゃな!と、私も覚悟しつつ見守りました。結果はショートもフリーも辛そう・・痛そうに演技を終え、シーズンベストからは、かけ離れるスコアでの銀メダルとなりました。特にフリーのジャンプでの転倒は見ている方にも、その状況の過酷さが伝わってきて、一瞬目を背けそうにもなりましたが、精一杯に戦うその姿からは「何があっても一番になるために出場したかったんだ!」という宇野選手の叫びのようなものが聞こえてくる気がして、いつの間にか心も目も奪われた時間になっていました。演技終了後、珍しく苦しそうな表情を浮かべた宇野選手からは汗なのか、涙なのか分からない感情があふれ出ていました。本来ならこんなにもミスが続いたら、同情の涙は出ても、感動の涙は出ないはずなのに、どうして私は今、こんなにも心がふるえているのだろう。どうしてこんなにも胸がいっぱいなのだろう。あぁ、それは宇野昌磨のスケートだったからだ。そう感じました。

 

人間力

以前、某テレビ番組で「表現力とは何か?」について元スケーターや審判たちが話合ったとき、それはスケーター自身の「人生」であったり、「人間力」、または「心に響くもの」「音楽に動きを置くもの」という結論に至っていました。もちろんこれらは、採点的に見る表現力の”すべて”ではありませんし、色んなことを考えて最終的にまとめると、こうだよね!という極論にしか過ぎないかもしれません。しかし、今回の宇野選手のトゥーランドットでは、その人間力なるものが演技の100%を占めたからこそ銀メダルという結果に繋がったのだと信じたいです。

 

世界選手権プレカンにてネイサンについて質問された時

「ネイサン選手とコリヤダ選手のことを選手としても人としても好きなので、つい応援したくなってしまう。」

 

 ネイサン選手について聞かれても、合わせてコリヤダ選手にも触れるこの配慮。いや、宇野選手の場合は配慮なんかではなく、本当にこう思っているからの発言なんでしょうね。

 

また友野選手に対しては

「友野選手があれだけの演技、順位でいてくれて三枠を死守することができた」

 

と、自分の力でなく、友野選手のおかげで枠が取れたのだと感謝の言葉まで忘れない男っぷり。これ、なかなか言えそうで言えないセリフですよね。でも、三枠確保はどんな状況でも二位を取ったあなたの力でもありますわよ!ふたりとも凄い!!

 

こんな素晴らしい人間性を持つ選手が良い演技をしないわけがありませんよね。今季最後に言えることはコレにつきます!!

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 

今季の成績を力に

厳しい意見も耳に入ったかもしれない世界選手権でしたが、宇野選手の今季の総合成績に敵う選手はいなかった!!これが一番凄いし、誇りに思ってほしいです。すべての試合で成績を残せるなんて、それだけ練習を頑張っている証拠ですよ。ショウマ・ウノは2017/2018シーズンの隠れ王者だ~!!あとは、足をしっかり休めて、(ショーとか無理して出なくていいから)来季は元気な姿でスタートしてほしいです!

 

それにしても、今回は宇野選手といい、田中選手といい、靴に悩まされる選手が多かったのが気になりますね。

goldenretrievers.hatenablog.com

 ますます「靴」の方でも足に負担のかからないものを、どなたかに開発していただきたいところです・・。

 

まぁ、何はともあれ宇野選手!最高のシーズンをありがとうございました!!!

 

チャンスを生かした五位

そしてそして友野選手!!!!凄すぎるよーーーーー!!!普通はあんな演技出来ませんよ?!初めての世界選手権ですよ?!それも補欠だったわけですよ?!チャンスなんて簡単に生かせるものではないのに生かしきっちゃいましたよ。まだまだ日本にファンタスティックな選手がいることがバレてしまいました。もう次の四年が楽しみ過ぎます!!とてつもないデビューだ。観客と一緒にウエスト・サイドしてしまうなんて!近年、良い演技をする選手はたくさんいても、なかなか観客と一緒にプログラムを滑ってしまう選手はいなかったのに、新人さんがやってのけてしまったこの感じ。ミラノを沸かせた友野選手もメダリストと同じくらいブラボーです。もう今回で世界にも名前を覚えてもらったでしょうから(五位って本当に凄いよ)来季はそれを存分に利用して魅了してほしいです!!友野選手からは「こんな曲も似合うんじゃない?」というイメージがたくさん伝わってくるので、これからも良い振付師やプログラムに出会うチャンスが多いのではないでしょうか。そのひとつひとつのチャンスを生かしきって、伸ばしきってくださいね。

 

パーソナルベスト更新本当におめでとう!!

 

以上で、終わりになります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

ワカバボンドと知子夫人が銀・銅メダル獲得!

世界フィギュアスケート選手権2018

 

樋口新葉選手、世界選手権での初メダル!それも銀メダル!本当に本当に本~当におめでとうございます!!

 

私は今、嬉しすぎて言葉になりません。かなり興奮しています!!!

 

だから今回は思いのまま語ります。

 

この結果がどんなにハッピーだったか、そして何より待ち望んでいたことかを・・!!

 

有言実行

本音を言うと私はずっと不安でした。オリンピアンしかいないトップグループの中で、代表から落選した選手が戦う”という孤独さに樋口選手は耐えられるのか、萎縮してしまわないだろうかと。オリンピックに選出されなかったのにも関わらず、世界選手権へと「枠取り」の期待をかけられるプレッシャー、それも悲しみの中、短期間で大舞台へと気持ちを切り替えなければならないという酷な条件。17歳の少女がそれらすべてをどう受け止め、どう向き合っていくのか。とにかく心配でなりませんでした。

 

しかし、樋口新葉はやり切りました。見せてくれました。「まだこれで終わりじゃない。次があるんだ。やってやろう。」その言葉通りに「銀メダル」と「3枠確保」という結果を残してくれました。これこそ有言実行です。決してビックマウスなんかじゃありません。この宣言をしてから今日まで来るのに、どれほどの緊張と重圧と努力があったか。そして、どれほどの強さが必要だったのか。そこには、本人と、コーチと、ご家族にしか分からない、私たちには想像もつかない日々があったと思います。

 

奇跡なんかじゃない努力

それでもこの結果に対し「周りのミスに助けられた棚ぼたのメダル」と言う人もいるかもしれません。確かに他の選手はオリンピックで全力を出し切った後ですし、特にメダリストたちはメディア対応で練習時間の確保さえままならなかったでしょう。しかし、私はこのメダルは奇跡などではなく、完全に実力で手にした結果で間違いないと声を大にして言いたいです。なぜなら、それほど全てのジャンプにケチのつけようのない回転とパワーがあり、演技構成点でも出し惜しみ不可能なほど現地イタリアの観客も熱狂していたからです。

 

きっと伝わったのだと思います。あのただならぬ気迫と完全にゾーンに入った樋口選手のスケートが。その証拠に樋口選手の演技中は拍手と歓声が鳴りやみませんでした。これがフィギュアスケートのすべて。これが結果のすべて。ショート8位から人一倍の覚悟で挑んだその姿には、格上とされる選手でさえ、ミスを救ってもらえないほどの空気がありました。

 

自信は自身でつかみ取るもの

今回金メダルに輝いたケイトリン・オズモンド選手からも、私は樋口選手同様のパワーを感じました。オズモンド選手はケガや不安から、なかなか思うような結果を出せないその競技人生を周囲からは「大事なところで必ずミスをする」「メンタルが弱い選手」と見くびられ、もがきながらここまで来ました。しかし、そんな厳しい声にも、課題と正面から向き合い、努力をした結果、オリンピック銅メダルと世界選手権金メダルという大きな目標を達成できる選手にまで成長しました。かつてはチャンスに手が届かないと言われてきた選手でも、もう無理だねと言われてきた選手でも、諦めずに、自分に負けずに来た結果、世界チャンピオンになれたこの功績は多くの選手にとって励みになることでしょう。

 

樋口選手もシビアなファンからは「4年後は年齢的にもう無理」「世界タイトルは厳しい」と言われていますが、それはまだ分かりません。オズモンド選手は20代にしてこの結果を手にしました。コストナー選手だって同じです。若い頃の苦労が時を重ねて花開く選手だっています。だから散々の重圧と批判を浴びながらも、銀メダルを勝ち取った樋口選手のこの苦労と経験はきっといつか役立つはずです。樋口選手が自身を信じたからこそ今がある。次はファンが樋口選手を信じて、試合に送り出してあげなければなりませんね。

 

PVのような演技を宝に

それではここで、ようやくフリーの感想を。今季、樋口選手が手にした武器は「まるでPVのようなスケート」と「ノーミスしたらどこまでいくか分からない恐ろしさ」だと思います。あとは、かなりの海外ファンを増やしたのではないでしょうか。樋口選手にはこのままカワイイ系ではなく、カッコイイ路線を貫いてほしいですね。本当にスケートがドラマティックで映画や音楽のPVみたいです。(特にカメラのアングルがハマった時はめちゃくちゃカッコイイのですが、今回はちょっとカメラマンさんがフィギュアに慣れていないのか残念でした)女性なのに男性ボーカル曲も似合いそうだし、大人っぽくオペラでも魅了できそうだし、リズミカルな明るい曲でも身体能力を発揮できそうだし、タンゴやジャズでも個性が出せそう!あ、何かを演じるプログラムでも上手にパフォーマンスができそうです!もうミスしてもプログラムがジャンプだけになる選手ではありません!ジャンプに集中していても、きちんと振付にも意識を向けています。それがPCS70.29点に繋がってきたと確信しています。また、このPCS70点台のステージこそがエース宮原知子と戦える、上に立てる要素だと言えます。私は宮原選手が大大大好きですが、正直、その宮原選手にTESとPCSで上に立てる唯一の日本人選手が樋口選手だと思っています。もちろんショートフリーのノーミス対決では宮原選手が有利ですが、宮原選手にミスがあった場合、そこに食い込めるのは樋口選手だけだと現時点では思っています。今回一番凄いのは、樋口選手もショートでミスがありながらも2位まで上りつめたことですよね。さらに、完璧だったフリーでもステップではレベルを落としていますので、まだまだ点が伸ばせるという事実と、ショートも合わせ完全完璧ノーミスなら220点台も目指せるという希望を残した点は来季の力になりそうです。

 

PCSでは9点台でもいい項目が出てきたと実感!とにかく世界選手権で、きちんと70点台を出してもらえたのが嬉しいニュースです!!ここで自信をつけて一気に飛躍していってほしい!新葉ちゃん、お疲れ様!!今後は自分で取った3枠、自分で使うんだよ~!!

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確実な評価を得たサトコワールド

続いては宮原選手!!ハードなスケジュールの中でもさっとんなら大丈夫!!が、私も含め、皆さんの予想だったのかなぁと思います。しかし、そのさっとんもやはり人間でした。(当たり前)今回の不調はしょうがないな、と。それでも3位に入ってくれたのは立派です!!PCSもかなり評価されていますね!!宮原選手の場合オリンピックを通して、私にだって世界と渡り合える表現力があるという売りを証明できたのではないでしょうか。

 

名古屋ファイナルの時も思いましたが、トップ選手というのは、何だかんだで疲れていようが、プレッシャーがあろうが結果はきちんと出すんですよね。今回ミスがあってもメダルに届いたのは、宮原選手にそれだけの底力と評価がついたからです。これもまた、棚ぼたなどではありません。もし、宮原選手がジャンプだけの選手ならばミスした時点でメダリストになることは叶わなかったでしょう。例えミスがあっても銅メダリストになれたのは、ケガをしてジャンプが跳べなかった時期に、ジャンプ以外の要素を誰よりも磨いたこと、スケーティングを疎かにしなかったこと、表現力を大切にしたからこそです。その成果がここに来てプログラム全体を殺すことなく仕上げる技術として発揮してくれたのですね。こういった細かな気配りはジャッジからも好印象でしょうし、今後も伸ばしていってほしいです。

 

銀→銅の次は・・

次に宮原選手に期待することは、やはり・・もう金メダルしかありませんね。まずはグランプリファイナルから頂点に立つところが見たいです。日本女子、ここまで無理だ無理だと言われてきたことをたくさん達成してきてくれました。そのほとんどの功労者が宮原選手です。だから私も期待します。信じます。誰が何といおうと応援しますよ!今季相性が悪かったジャンプもここぞ!という時はきちんと克服してきましたし、サルコウなんかでは入りがかなり難しかったりと、来季のGOE対策への貪欲さも感じられ、さすがだな~と思いました。今季は本当に色々なことがあったシーズンでした。それでも、どんな困難にも打ち勝っていくその強さ、ひたむきな姿、たまに見せる堪えきれない涙からは、私も多くの感動と力をいただきました。さっとん、ありがとう。宮原選手は世界選手権をパーフェクトに終えることが出来ず、悔しさはあると思いますが、私の中では今季を総合して、その銅メダルには金メダル級の価値があります。本当におめでとう!そして、お疲れさまでした。四年後もまた、どんな苦労の中でも、「スケートが大好き」というオーラ溢れる宮原知子でいてくださいね。

 

懺悔タイム

コストナーは地元で力を出し切って金、ザギトワは疲れを見せつつも銀、銅は願望で知子ちゃん!!・・とか思ってた私は懺悔タイムです。心の中では知子&新葉のメダルを期待していたのに、どうしてそれを信じ切れなかったのかファンとして失格!失態!ですよ、もう!しかもスケート連盟にも懺悔ですね。どうしてオリンピックと世界選手権で選手を分けるようなことをするの~~??仮にオリンピックで坂本ちゃんがミス→やっぱ新葉にすれば良かったor世界選手権で新葉がミス→だから坂本ちゃんにすれば良かったと荒れる原因になりかねないのに!!!と、最後までドキドキしていたのに、結果を見たら安心して、世界選手権に新葉ちゃんを選んでくれてありがとうと100回くらい思いました。実際問題、連盟が何を考えてこういう振り分けにしたかは分かりませんが、個人的には、坂本ちゃんのオリンピック明けの体調に考慮し、新葉INというよりは、完全に枠取りのために新葉導入&代表選考で最後まで新葉オシがあっての配慮だと思っています!!ただ、理由が何であれ最高の結果が残せたのだから、連盟の判断は素晴らしかったということです!だから超懺悔。ごめんなさ~い。オリンピックにしろ世界選手権にしろ、どちらも、坂本花織でなければ、樋口新葉でなければ成せなかった結果でした。これで良かった。最後にそう思えるシーズンで幸せです。

 

アシュリーの真意

と、いうわけで、日本人選手のみの感想ですが、今のところはLIVEで観た眠気があるのでここまでにして終わりにします。

 

いやぁ~今、改めて振り返ると、オリンピック明けにも関わらずメダルをとってた歴代の選手たちって凄いことだったんだよなああと思います。ザギトワ選手には残念な出来事となってしまいましたが、よく頑張ってここまで走り抜けてきましたよね。自分を誇ってほしいです。だってオリンピックチャンピオンには変わりありませんからね!

 

しかし、ここにきてアシュリーの言葉が胸に響きます・・。ザギトワ選手への後半ジャンプ批判。(正確には現ルール批判)あの時、「アシュリー・・このタイミングでそんなこと言っちゃフェアじゃないよ~」と思いましたが「出来ないからってひがむな!」「ルールなんだから活用して何が悪い!」「技術あっての芸術じゃ!」という意見にも100%は共感できなかった私。

 

世界選手権では練習不足と体の成長も重なり、後半ジャンプ構成にリスクがあった。結果、ザギトワが売りにしていたものに、ザギトワが潰されてしまった。

 

このようなことが今回だけならいいかもしれません。ただ、これが体型変化によって叶わないものになり、後半ジャンプやセカンドループがなければ勝てない選手になってしまうのなら、現ルールはザギトワ選手にとって全然助けになるものではなくなると思います。果たしてジャンプがなくなったら今評価されているほどのPCSは約束されるのでしょうか。それはNOですよね。また次の若い選手が出てきて選手交代するだけです。

 

コストナー選手のように長く活躍するには、せめてオズモンド選手のように10代を過ぎても活躍するには、やはり若い頃からスケーティング技術、表現力などにも力を入れていくことが大切です。近年はジャンプの入りや出の工夫がPCSに大きく反映されているため、GOEが稼げれば多少動きが粗くても全体的に点数は出ます。また、とにかくプログラムにターンやステップを多く組み込めば、それがぎこちなくても高いSSやTRも出ます。しかし、PCSにおいて詰め込み型の若手と質を保つ熟練者、同じくらいのジャンプミスがあるとして、どちらにPCSが出るかと言えば、それは熟練者です。

 

ザギトワ選手も近いうちに若手ではなくなります。ロシアは特にそう。長いスケート人生を考えるなら熟練者として歩む道のりの方が長いです。そうなった時、未来のためには真の意味での表現を若いうちから積み上げていく方が、選手にとっての宝となるのではないでしょうか。アシュリーの伝え方はあまりにも直球で、少々暴力的ではありましたが、その言葉の真意には、無理なダイエットをして、かわいそうな姿になってまで競技に身を捧げたのに、あっさりと消えてしまう選手たちの現状に釘をさしたのではないかと思えてなりません。もちろん私たちが勝てないじゃないの!USA!という気持ちも含まれてはいるかもしれませんがね・・。

 

シニアなのに15歳の子までしか通用しないなんて状況になるのは、私も寂しいかな。こども体型を維持するために過酷なダイエットによる摂食障害が問題化するのも時代に反しているとも思います。

 

ザギトワ選手は本当に凄いこと成し遂げてチャンピオンになりました。あれだけの技術を見せつけられたら、歴代で見ても文句なしの成績です。しかし、この先もザギトワ選手に笑顔でいてもらうには、かつてエテリコーチの元を離れて行ってしまった生徒たちと同じにならないためには、ジュニアを育てるのが天才的なエテリコーチに、コストナーのようなシニアを育てる導きもしてほしい!!いや、エテリコーチがひとりで抱えるのは大変だから、やはりルール。ルールが導いていくしかないのだと思います。

 

「これからも挑める選手はどんどん高難度ジャンプを見せてほしいし、技術も上げていってほしい。でも、それだけじゃなくて、そこが通用しなくなっても戦える場としてPCSの出方が存在してほしい」

 

それが言いたかったと思いたいよ、アシュリー。

 

ザギトワ選手の涙はちょっと堪えちゃったな。オリンピック後は、賛否両論が耳に入ったと思うし、だからこそ、ここで金を取って己の力を証明したかったでしょうし。オリンピックも世界選手権もと、すべてで制覇する難しさはもちろん、そのすべてでメダリストになるという難しさをこうして思い知らされると、なんて励ましていいのか分かりません・・。今季しか世界選手権でチャンスがないと思っていれば、なおさらそれを生かせなかった自分を悔やんでいることでしょう。しかし、今大会が教えてくれたことは、「そんなチャンスを逃して来た選手たちが、諦めなかった上での勝利である」ということ。来季は何があっても、色々な戦略があるということを、またザギトワ選手自身が、かつてそのような選手であったからこそ現在の栄光があることを、忘れずに前進していってほしいです。だから泣かないで!

 

長くなりましたが、以上です。

 

日本勢W表彰台に大満足!!

 

本当に本当におめでとうございます!!