オオカミのとおぼえブログ

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スケート靴革命なるか?燕産ブレード

 

 

以前こちらの記事でも、ちらっと書いた「もっと安くて、上質なスケート靴があったら・・」という希望について

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 (詳しくは、目次の”①スケート靴”をご覧ください)

 

ここで私は、選手たちが使うスケートの道具の中でも最も消耗が早く、費用も高いスケート靴が、今後よりよい技術や素材で進化を遂げていけるように、どこかの企業や職人さんたちの手でどうにか出来ないものか・・と呟いていました。

 

そんな中、さっそくですが、スケート靴のブレード(刃)に関する某所での取り組みについての動きがありましたので、ここでひとつご紹介したいと思います。

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刃物の町、モノづくりの町で

2018年3月20日に、新潟県にある「新潟アサヒアレックスアイスアリーナ」で、スケート靴のブレード開発・研究に取り込む地元燕市開発研究会が、その試作品を完成させ、元選手たちに試滑走をしてもらい、滑り心地を調査しました。

 

このブレードプロジェクトに携わっているのは、燕市にある9社と県のスケート連盟などの団体。研磨や加工、それぞれで、各企業の専門分野を担当し、4種類の素材から試供品を作りました。

 

燕三条といえば、古くから「職人の町・モノづくりの町」として有名で、最近はメディアにも世界最高の鍛冶技術が取り上げられ、特に包丁やハサミ、爪切りなどは海外からも注目されています。その中でも切れ味抜群で、買ったら一生モノといわれるSUWADAさんの爪切りは、予約待ちしないと手に入らないほど大人気だとか。

 

この素晴らしい金物・ステンレス文化がブレードにどういかされていくのでしょう。良いモノが出来れば、スケート界の発展にも繋がりますが、上質で手が込んだものほど価格はますます上がることから期待半分・不安半分といったところです。

 

滑り心地は?

さて、その職人技の集大成のブレードの履き心地はどうだったのか。今回は試滑走で、あの岡崎真さんに滑ってもらいました。その感想は「市販品よりも確実に滑るものもあり、好感触だ。一方、最初に氷に乗った時に違和感があり、検証が必要だ。」とのこと。まだまだ改善する必要はありますが、悪くもなかったそうですね。ただ、ブレードは滑り過ぎても良いというわけではないと思うので、ここから先は課題が多いかもしれません。現時点では、一般層向けにと開発されているそうですが、ゆくゆくは選手が使用できるように作っていきたいとのことです。今後は、会議・研究を重ね、完成へと試行錯誤していくそうなので、次回の試滑走ではより進化したブレードになることを期待したいです。

詳細&情報元

http://www.niigata-nippo.co.jp/sp/news/local/20180321381925.html

 

険しい道も切り開く道に

今回の試作品は、全くスケート靴のノウハウがない状態で一から研究し、作ったそうです。そのため大手メーカーの作品よりはまだまだ差があり、実際に選手に使用してもらうレベルになるには時間がかかるかもしれませんが、こうして国内で未来のメーカーとなりえる存在が生まれ、競争していくのはスケート界にとっては良いニュースになるのではないかと思います。今はまず、このブレードが選手にとって安心してジャンプが跳べるモノ、選手の安全を確実に守れるモノとして進化していってほしいと思います。

 

ちなみに現在あるブレードの多くが海外製で、品質に対し価格が高いというのがデメリットとも言えます。軽量化こそされてきましたが、刃が折れやすかったり、品質が不安定だったりと、何かと困る点が残されているのが現状です。技術レベルが上がった時代だからこそ、ブレードの向上はますます必須になってくる。より強度が高く、長持ちする国内産ブレードの誕生が待ち遠しいです。

 

良ければこちらの記事も合わせてどうぞ

燕市 バレル研磨、複数の素材をテスト フィギュアスケートブレード開発研究会

 

おわりに

スケート靴とブレードの開発に関しては、あの小塚崇彦さんも力を入れていましたよね!強度+軽量化は難しいのでしょうが、日本で女性スケーターだけでなく、男性スケーターもこれだけ認知されてきている競技になっただけに、多方面からの支援と未来への技術投資があってほしいですね。もうフィギュアスケートも単なるお茶の間人気から歴史を重ね、日本人にとって親しみのある競技になってきたからこそ、今はもう次の段階に進んでいかなければならない時なのかもしれません。今後もし、高品質ブレードが開発され、その波で靴の方でもどこかの企業が開発の手助けをしてくれたら、トップスケーターたちにとっては、どんな支えになるでしょうか。選手たちが、ケガなく、一日も長くスケーターとして過ごせる時間を作っていける、そんなことが実現化されたら嬉しく思います。

 

今まで海外が担ってきた分野を別な形で切り開いていくことこそが、私たち日本のフィギュアブームの将来に試されていることなのかもしれません。