オオカミのとおぼえブログ

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全日本ジュニア2017 紀平・山下・荒木の凄さ

 

2017年11月24日~26日に行われた「第86回全日本ジュニアフィギュアスケート選手権大会」の感想になります。

 

今回は、女子フリーを振り返って「凄い!」と思った選手の演技について簡単にメモを残したいと思います。

 

まずは、10位までの結果をご覧ください。

 

女子総合結果

1. 紀 平 梨 花 関西大学KFSC 193.46
2. 山 下 真 瑚 グランプリ東海クラブ 190.03
3. 荒 木 菜 那 中京大中京高校  177.07
4. 横 井 ゆは菜 中京大中京高校  172.97
5. 渡 辺 倫 果 青森山田中学校  168.62
6. 川 畑 和 愛 N高東京  167.52
7. 滝 野 莉 子 関西大学KFSC  164.78
8. 吉 田 陽 菜 名東FSC  158.04
9. 鈴 木 沙 弥 中京大中京高校  157.29
10. 長 縄 和 奏 グランプリ東海クラブ  155.47

 

1位はジュニアのホープ紀平梨花選手がショート6位からの大逆転!続く2位は、しっとりとした大人っぽい演技で急成長の山下真瑚選手、そして3位は今季驚異的なジャンプで存在感を出す荒木菜那選手となりました。

 

注目のノービススケーター吉田陽菜選手は大健闘の8位、上位を狙う笠掛梨乃選手は、フリーで順位を落とし、まさかの22位で全日本選手権の出場を逃してしまいました。

 

その他、フィギュアファンが復活を祈る青木祐奈選手は17位、女優&本田真凜選手の妹として有名な本田望結選手は20位でした。

 

大会結果の詳細はこちらからどうぞ 

|Japan Skating Federation Official Results & Data Site|

 

※ちなみに個人的に、13歳(中2)とは思えないほど大人っぽくて好きなスケーター岩野桃亜選手は153.52点で11位でした。

 

さて、ここからは、私がグッときた選手のフリーを語っていきたいと思います。今回はテレビも気合いを入れて、生放送&TESカウンターでも各要素のレベルからGOEまで細かく載せてくれてので、演技を見たり、カウンターを見たりで目が忙しかったです!

 

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Sportsnaviより

 

 

(目次)

 

紀平梨花

SP 57.89 FS 135.57 

ジェフリー・バトル振付「道」

 

「ピュアで少しおかしな道化師の少女のストーリー。喜びと悲しみ。場面場面で様々な喜怒哀楽を描きます。」BSフジにて

 

群を抜いて上手い紀平選手。フリーのTESは脅威の73.97点!PCSでも唯一の60点台である61.60点でした。

 

冒頭でいきなり3A3T2Tを披露、GOE+2.40です。さらに呼吸をする間もなく華麗な3Aをもうひとつ!こちらは何のタメもなくサラッと跳び、流れも美しく、かなりの上質。その後も3F、3Lz2T、2Lo、3Lz2T,3Sと要素をこなし、ループが抜けたこと以外は、アクセルを跳んだ疲れによる回転不足もなく演技を終えました。

 

2Tは全部で3回跳んでしまったため、最後のジャンプはルッツのみのカウントになりましたが、もし今後も調子的にいけそうだったら3A3T2Tの構成に挑戦してきそうですね。その時は、たとえ2Tであってもノーカンはもったいないので、どこかで構成を変えてやってくるとすると、もっとスコアが伸びるので恐ろしいです。もう一度試すなら全日本でしょうか?ここでパーフェクトな演技をしたら、正直、表彰台がどんなメンバーになるのか想像さえつきません。

 緊張?金超?

紀平選手といえば、ちょっぴし緊張屋さんなイメージがあります。今回もフリー直前までは、かなりソワソワしていたように見え、「大丈夫かなぁ」と心配していましたが、本番ではいい意味で期待を裏切る見事な演技で観客を圧倒し、私も度肝を抜かれました。その出来は緊張どころか金超、金を超える演技です!スピナーな予感がする紀平選手比で、今回のスピンはマックス状態よりは、少し控えめかなぁと思ったのですが、ステップではレベルもきちんとGOE+1.40つきでこなし、凄いの一言です。一ファンとしては、紀平選手はアクセルの調子が悪いときでも、他のジャンプや各要素でもトップクラスの得点を重ねられる選手だと思うので、大技好きのマスコミや期待をかける外野の重圧に負けないで、マイペースに頑張ってほしいです。もはやルールを惑わす勢いで、成長していってほしい。楽しみな選手です!

山下真瑚

SP 65.13 FS 124.90

山田満知子・樋口美穂子振付「蝶々夫人

 

「最後に自ら命を絶つ悲劇のヒロイン”蝶々夫人”帰らぬ夫を健気に待ち続ける女性の哀愁を演じます。」BSフジにて

 

紀平選手と並んで、表現面で他と差をつけてきているなぁと感じた演技の山下選手!技術だけではない結果には頼もしいですね!フリーのTESは65.62点、PCSは59.28点。山下選手が何よりも凄かったのは、高難度ジャンパー紀平を相手に最後までどちらが勝つか分からないほどの戦いを見せたこと。素晴らしいです。

 

3Lz3T2T、3F、3S、3Lz3T、2A、と、落ち着いてこなし、2Lo、2A2T・・で演技を終えました。あああループが惜しかったですね~。これが成功していたら優勝できていたのかな?!というと、どうなんだろう??ジャンプは後半なので基礎点の1.1倍・・となると、GOEをなしとして考えても5.61点なので、わずかな差で勝っていたかもしれませんね。また、最後のスピンにVマークがついていますので、山下選手もまだまだスコアを伸ばせる要素が満載なんですね!これは楽しみ。まぁタラレバで語っても仕方がないのですが、ジュニアで紀平選手に負けず劣らずな選手が日本にいるのは心強いですよね。

気持ちのこもった演技

パッと見は目立つタイプではありませんが、曲がかかると観客を惹きつける表現力を持っている。今回のフリーで強く感じた点はそこでした。ジュニアの選手の中でも音を聴きながら滑れる貴重なスケーター。そして憂いのあるしなやかな蝶々夫人。まだ若いのに情緒あふれ、こんなに演技が見やすいのはなぜかと考えたら、それはやはり技術的な癖のなさだと思いました。この強みはこれからシニアに上がっていく過程でも、失わずにいってほしいですね。あとは、衣裳やメイクが華やかなチーム濱田と比べると、他の選手たちはオーラが薄くなって見えてしまうなんて声もありますが、そこら辺は好みの問題ですし、アドバイス等でどうにでもできる部分なので、あまり気にせず、今後に期待します。また、紀平・荒木選手と並んでいた時に背が頭ひとつ分以上大きかったのに驚き!公表されている151cmという身長よりは、現在もう少し高いように見えました。(153cmの紀平選手より大きいし)ジャンパーとしては小柄な方が良いですが、スケーターとしてはせめて150cm台後半くらいはあると見栄えが違ってきますよね。まだ伸びそうなので楽しみです。

荒木菜那

SP 61.51 FS 115.56

宮本賢二振付「善徳女王」

 

「国をまとめる女王の力強さと悲しみがテーマです。気高くも儚い、波乱の人生を力強く表現します。」BSフジにて

 

総合得点では紀平・山下選手から大きく離されてしまいましたが、フリーのTESは63.00点、PCSは52.56点ということを見れば、これから努力で演技構成点を伸ばせれば、いくらでも日本女子の主要メンバーとして戦っていける可能性を秘めているのでしょう。

 

3Lz3T、3Lo、2A、3Fe、3Lz2t2Lo<、2A3T、3Sと、エッジエラーと回転不足があったことで、フリーの順位自体は横井ゆは菜選手に抜かれてしまいましたが、スピードに乗った高いジャンプと、堂々とした滑りには、目標に掲げていた全日本出場への熱い思いが伝わってきました。ステップが強化されると全体的にも、もっともっと勢いがついて表現面でも評価がアップすると思います!

どんなスケーターになるのか

シニアの坂本選手といい、こうしたスカッとするダイナミックなジャンパーは、日本にとって常にひとりはほしい存在です。選手ひとりひとりに個性がありますが、表現が得意な選手、トータルで無難な選手、そしてジャンパー、この神スリー辺りの選手が揃っていれば、どんなルールになろうが、世界と戦っていけそうで安心できる。荒木選手については面白い選手がいるなぁぁと思って以前も記事を書いたので、今回は短めにまとめます。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 

 上位ふたりのPCSと差がつくのは、仕方ないなとは思いますが、今季の飛躍を機に来季は表現面に力を入れ、メキメキと上昇してくれることを期待します。おめでとう!

全日本へGO

全日本ジュニアでは他にも気になる選手がたくさんいました。特にスタイル抜群の川畑選手のセカンドトリプルループには痺れましたよ!今回はミスがあって残念でしたが、クリーンに決めたところを見てみたいな、と思う選手でした。でも、今大会を振り返って、個人的に一番良かったなぁと思ったのは、やはり山下真瑚選手!何回もリピートしたいなと思う演技でした。もちろん紀平選手も良かった。世界ジュニア内定おめでとう!!!

 

そして、もう時間はありませんが、すぐに全日本選手権が始まります!素晴らしい活躍を見せてくれたシニアも驚きのジュニアの演技!いざ夢の舞台への出場が決まった上位6名の皆さんが、良い結果を出せるように応援しています!

 

以上で終わりになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

【フランス杯】ファイナルへ続く運命の一戦!!

GPS2017 フランス大会まとめ

 

グランプリシリーズ第5戦「フランス杯」男女シングルのの感想になります。

 

日本からは宇野昌磨三原舞依・白岩優奈選手が登場!

 

男女共にファイナルへの切符がかかっている重要な試合!

 

日本勢の運命はいかに・・?

 

さっそく女子の結果からご覧ください。

 

 

女子総合結果

1 アリーナ・ザギトワ ロシア 213.80点
2 マリア・ソツコワ ロシア 208.78点
3 ケイトリン・オズモンド カナダ 206.77点
三原舞依 日本 202.12点
エリザベート・トゥルシンバエワ カザフ 200.98点
6 白岩優奈 日本 193.18点


エリザベータ・トゥクタミシェワ ロシア 167.65点

 

女子は中国杯に続いてロシアのザギトワが優勝、2位には同じくロシアのソツコワ、3位にはカナダのオズモンドが入りました。日本の三原はオズモンドとわずか2点差で4位、白岩は6位となりました。従って上位3名のファイナル進出と、三原のファイナル落選が決定しました。既にメドベージェワとコストナーのファイナル進出が決定している現在、ファイナルへの枠は残りひとつです!今回ソツコワ選手が2位になったことで、樋口選手のファイナル出場が危うくなってしまいましたが、ここで次のアメリカ大会で宮原・坂本組に頑張ってツルスカヤとワグナーの金・銀メダルを阻止してもらい、日本女子は不滅じゃ~!簡単に消えへんで~!とアピールしてきていただきたい。日本でのファイナル・・。神様、なんとか樋口新葉の出場をお願いしまーーーす!!!!

 

目次 

 

女子ショートのココが気になる!

それではここから、今大会で気になった演技の感想を語っていきます。まずはショートを観て感じたことからユルくご紹介。

 

ちなみにショートはこんなスタートでした。

 

1 オズモンド

2 ソツコワ

3 白岩

4 三原

5 ザギトワ

6 トゥルシンバエワ

 

1位のオズモンドで69.05点。5位のザギトワが62.46点。強敵たちがミスを重ね、まさかの70点台なしの展開に・・。正直、試合前にファンが騒いでいたほど、そんなにビクビクするほどハイレベルなショートではありませんでした。だからこそチャンスを逃してしまった三原選手は悔しかっただろうな~と思います。

ザギトワは背が伸びた?

62.46 TES 32.27 PCS 31.19

フリーは鬼のように強いけど、ショートはやや苦手意識があるのかジャンプミスを重ねてしまったザギトワ選手。コンビネーションジャンプで転倒し、リカバリーした3F3Loでステップアウト。明らかに身長が高くなっているように見えます。セカンドループはただでさえ難しいのに、リカバリーでさえダブルではなく、トリプルをつけるあたりは天才ですね。それと、今回私、ザギトワ選手はジャンプに自信がないときほど前半部分を丁寧に滑ることに気づきました。調子が良いと最初からぶっ飛ばして、そのせいか荒っぽさも出てきますが、そうでないときは、いつもより動きが繊細になっているように見えるのです。これはジャンプミスを想定して、ジャンプ以外の要素で評価を得ようと無意識に出るパワーなのか、それもエテリコーチの策略なのか。動揺の中でもきちんと考えて滑っているのは凄いです。しかし、セカンドループの回転が不足気味になってきているのが心配。やはり身長が伸びるとジャンプも変わるなぁ。ザギトワ選手には、身長が伸びても、乱れず活躍できるスケーターになってほしいです!美人だし!

オズモンドが頼みの綱

69.05 TES 34.35 PCS 34.70

冒頭のコンビネーションジャンプが3-2になってしまい、3Lzでも手をついてしまいました・・。マジか・・・。私は心の中でそう呟きましたよ。だってザギトワとオズモンドには、このフランス杯をワンツーフィニッシュしてもらわなければ困るんですもん。ソツコワ選手には悪いけど、樋口選手のファイナル行きにはそれしかない。だからオズモンド頑張れ。大変わがままで、失礼なことを承知ですが、そう願って応援していました。ショートが終わった時点で「70点はないな・・68点に届くかどうかくらい?」とドキドキしていたら想像していたより出ていて驚き!でも2位のソツコワ選手とは2点差もない・・。大丈夫かな。そして私は、「そもそも日本人+オズモンドにとってはこのリンクが狭いのではないか」と考えだしました。近年日本人はやたらと滑らかでスピーディーな選手が誕生している。カナダは職人スケーティングが多し。あれ?P・チャンとコストナーがこの大会にエントリーしていたらフェンス越えちゃうじゃん?!そんな風に考えると、スケーティングが良い選手=壁に近づきやすい=スケーティングが良い・・コレもうGOE+だろう・・。ジャッジさんお願いしますよ。

三原の表現力

64.57 TES 31.93 PCS 32.64

のびのびと滑ったら3Lz3Tが壁にぶつかってしまいました。三原選手は「跳ぶ位置を間違えた」と言っていますが、今回はやけに滑りやすい氷だったなぁと思います。それもあってか後半は、本人も力を抑えて滑っていたように見え、ややいつもより迫力が欠けてしまいました。(それでもPCSでは良い評価をもらえたのは良かった)三原選手はショートを終えるたびに「プログラムを変更した方がいい」と騒がれますが、個人的には、どんなに難しくても今のプログラムをモノにするしか方法はないと思います。昨季のプログラムに変えようと、新プログラムにしようと、PCSの評価はそんなに変わらないのではないでしょうか。ショートとフリーは全くタイプの違うプログラムですが、どちらも表現面で苦労しているのは、曲のせいというよりは、プログラムの見せ方や、体の動かし方、細かい音の拾い方といった部分で、他の選手たちと差がついてしまっているからだと思うのです。プログラム自体は凄く計算された良いモノなので、めげずに頑張ってほしいです。

ソツコワがソツ怖になる日

67.69 TES 35.26 PCS 32.53

じわじわと追い上げて来るソツコワ選手。今は日本人選手も勝つことができますが、ソツコワ選手がファイナルに行くとなると、どんどんその評価も変わっていきそうで怖いです。ショートでは、3Fの着氷で乱れてしまったのが惜しかったですが、それ以外は上手くまとめて2位発進。タノは相変わらず折れ曲がっていますが、3Lz3Tの高さが進化していて素晴らしい!173cmもあるからか、ピンクのキラキラ衣裳を着ていても、子どもっぽさがなく、セレブ感溢れて優雅に見えますね。日本勢はこれから先ソツコワに負けられません。ソツコワをソツ怖にしてはならない。小柄な超絶ジャンパーと優雅な長身選手が君臨する流れを許してはならない!日本人選手の居場所がなくなるのが本当に不安になってきました。

白岩スマイル

66.05 TES 36.42 PCS 29.63

ショート3位発進!!ザギトワ、オズモンド、三原、ソツコワがいる中で誰がこの展開を予想できたでしょうか!良かったね、白岩ちゃん。なんとTESはお姉さんたちを抜いてトップです。連戦だったので心配でしたが、やはり全日本が近づくにつれて調子が上がる白岩選手だけに?!ノーミス演技で終えました。フランスの観客にも、白岩選手のスピードに乗った若さ溢れる、心の中がスカッとするようなスケートを知ってもらえて嬉しいな。白岩選手のスケートにはスコアがどうこうとか、表現面でのあざとさがなく、思わず観客が笑顔になっちゃうような不思議な魅力があるんだよなあ。何気にテクニシャン!だと思ったのが、コンビネーションジャンプのセカンドを跳ぶ前に、壁ドンしないようにクイっと位置を変えたところ!凄い・・。白岩選手は緊張から解き放たれると強くなると思っています。調子が良いときのジャンプが本当に上質!

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フリーは今後の目印に

ショートは番狂わせがあったものの、フリーではザギトワ選手がお決まりの巻き返しを披露し、三原選手も安定した滑りを見せてくれました。全体的にショートよりは良い演技が揃った印象です。

 

そんなフリーの結果

 

1 ザギトワ

2 ソツコワ

3 オズモンド

4 三原

5 トゥルシンバエワ

6 白岩

 

ソツコワはショートの順位をキープ。オズモンドは3位まで落ちてしまいました。三原は出来は良かったもののPCSが伸びず4位のまま。うーん、ここでの採点傾向は今後の目印となりそうです。

150点オーバーのドン・キホーテ

151.34 TES 81.80 PCS 69.54

あぁ150点を余裕で超えてきましたよ、ザギトワ選手。ファイナルで出るかと思ったら、ファイナル前に151点かぁ。これはショートも揃えたらメドベージェワもどうなるか分からないな。むしろファイナル前にメドベージェワを倒す用意が出来ているといった感じ?TESが81.80点ですよ。最後の2A以外オールGOE1点超え。PCSもどんどん増えてる・・。フリーは自信満々で滑っていますね~。ザギトワ選手といえばメンタルはそんなに強くはなさそうですが、後がない!という状況になると、当然のように力を発揮してきます。回転不足をとられると気にしちゃったり、ライバルが良い演技をすると萎縮しちゃったりはするけど、五輪枠がかかってくると目の色が変わり、異次元まで行ってしまいます。もうルールを変えない限り勝てる気がしない。ジャンプ以外にステップの得点とGOE幅を変えましょうよ。

減速して挑むブラックスワン

137.72 TES 68.42 PCS 70.30

不本意にも期待したオズモンド選手のフリーは残念な結果になりました。転倒あり、アクセル抜け、その他ちょっとしたミス。最初はショートと比べスピードを調整して挑んだように見えたので、今日は上手くいくか?!とわずかな希望が。そして、いつものようにゴージャスな3-3を成功させたのでよっしゃー!と喜んだのですが、後半に連れ、なんか元気がない・・。あれ?あれれ??と思っているうちに演技終了。「やばい135点くらい??」と思ったら、またもや137.72点と想像以上にスコアは出ましたが、総合は3位・・。がーん。でも仕方ない。表彰台おめでとう。結果は残念でしたが、もし樋口選手がファイナルに行けなかったら、その分頑張ってロシアを倒してちょうだい。タノなしでもカッコイイオズモンドのジャンプ!力強い滑り!GOオズモンド!・・それにしても今回の不調はどこか痛めているんですかね?みんな怪我は無理せず休んでね。宮原選手のこともあったからギリギリまでの無理は心配です。

個性ある天使にしたい

137.55 TES 73.45 PCS 64.10


3Lz+3T 2A 後半 3F  2A 3Lo+2T+2Lo  3Lz+3T 3S

 

ご覧の通り三原選手は、セカンド3Tを後半につけてリカバリーに成功するも、PCSで伸び悩み140点台に届かず。本人もキスクラで「えっ?」と、不安げな顔をしていましたね。三原選手のフリーは一時期変化を遂げ、とても良くなったと思ったのですが、最近はショートに時間をさいているのか?上半身の動きがもとに戻ってしまいました。今回はオズモンド選手と同様スピードも抑えていましたね。もしかすると、それも低評価に関係していたかもしれません。日本人から見てロシアの選手が似たり寄ったりに見える中、日本の選手も他国からは同じに見えていることは察しますが、それでも宮原・本郷・樋口辺りは個性や違いがあるように映っているんだろうなぁ~というのは、海外ファンのコメントや解説で感じます。三原選手は本田選手とやや印象が重なりつつあるので、そこに差をつけるには、持ち味のスケートの滑らかさや、スピードを生かすことと、ジャンプの高さを失わないことですね。実は両選手ともジャンプが低くなっているように見えるので、見栄え的にも質を落とさないようにキープした方が、今後上に立つのではないでしょうか。ジャパンオープンで日本の一番手として少し多めに出ていたPCSも、樋口選手の急成長と宮原選手の復帰戦と比較すると、もう現在は格付けに変更があっても仕方ないかな・・という気がします。後は全日本一発勝負になりますが、そこで三原選手の長所を発揮した演技ができれば・・と思います。頑張れ!

その他の注目点

140.99点を出したソツコワ選手は、回転不足もなくなり、安定しています。何よりタノをつけなくても高いGOEをもらえそうな良いジャンプになってきたのが凄い。もうタノなくても安心できるんじゃないかな?そして、127.13点を出した白岩選手!前半はおっ良い感じ!とノーミス来るか~!と期待しましたが、ループが惜しかったですね!!跳ぶ前にかなり慎重な動きがあったので不安でしたが、的中しちゃいました。でも全体としては調子も良さそうでしたし、130点はあってもいいよなぁと思う演技でした。SSはジャッジも8点台出すかどうかで悩んでいるみたいですが、8点台でOKだと思う。今回みたいな演技を重ねていけば簡単にいけそうですね!

 

 

以上が女子の感想です。

まとめると、どんなに強い選手でも崩れれば他の選手にもチャンスはアリだな。なんだ皆人間じゃん♪という試合でした。最近は私、失敗しないのでスケーターが増えたから、どの試合も五輪級に仕上げなければならない感がありますが、ここにきて少し緩めな風が吹くのも選手にとっては良いのではないかと思いました。休みどころがないとつぶれちゃうよね。

 

日女子のファイナル行きは、ほぼ絶望的(こんなこといいたくないよお)ですが、樋口選手のツイッターには、さっそく応援コメントが並んでいて、これを見て励みになってくれるといいなと思いました。あんなに頑張ったのに全日本一発勝負は気の毒だなああ。まあ、私も気持ちを切り替えて応援していこう!

 

続いては宇野昌磨特集。男子と言っても宇野選手オンリーの感想です(笑)

 

インフル明けの試合

フランス杯がインフル明けと聞いて親近感・・。私もずっと熱で寝込んでいて、熱が下がっても身体はずっとしんどかったので、辛かっただろうなぁと妙に共感してしまいました。インフル明けは無理をすると、いつまで経っても万全な状態にならないから全日本がとても心配です。これからファイナルを挟んでの全日本ですから、休む日がありませんね。他の選手も来月にかけてインフルや風邪、胃腸炎には要注意してください。観戦に行かれる方も感染にはご注意を。(ダジャレではない!)

 

ショート・フリー共にミスがあり、体力的にもキツそうでしたが総合でフェルナンデス選手に続く2位となりました。これで地元ファイナルへの切符は獲得です。

不調の中の好調

さて、不調の中でも2位という位置につけた宇野選手のフリーをおさらいすると、総合179.40点(TES90.20点・PCS91.20点)という高めなスコアだということが分かります。ちなみにこれは、4Fと4Tが回転不足となり、転倒が2回、3Lzでステップアウトしての評価です。(単独4Tも二回跳び、両方クリーンではなかった)しかし、元の構成が凄いので、これだけミスをしても表彰台に乗れるくらいの力を持っているところが恐ろしい。しかもフランスのお客さん、宇野選手が転倒する度にヒャーと残念そうに声を上げて、成功したジャンプには惜しみなく拍手してくれる。どんだけ愛されてるの。ショートの後のショーマコールも凄かったですし、外国人ファンをメキメキと増やしていますね~。芸術の国フランスでは観客も、ただ強いだけの選手には何の関心も示しませんが、アーティスト系のパッションを感じる選手には大きなリアクションをとってくれるので好きです。そのためかPCSもわりと出してもらえた気がします。今回はさすがに得意の後半の体力もお疲れモードでしたね。

人気の秘密

不調の中、冒頭4LoのGOEが+1.86点もあるって凄い武器です。これだけで13.86点もゲットできちゃう。ハビファンには申し訳ないけれど、フェルナンデス選手は上手いし、エンターテイナーなんだけど、TVで見る方が栄えるスケーターだと思うんですよね。視力が悪い私なんかは、生で観るとTVほど細かな部分が見えないので、意外と動きが小さいなぁと期待した分感じちゃうんですが、宇野選手の場合は体は小柄なんですが、動きというか存在が大きくて、逆にその世界観の壮大さに感動してしまう魅力があるんですよね。まさしくギャップの法則。見た目と違ってパワフルで、高度な技を詩的にこなしてしまう、このギャップが外国人を興奮させ、人気なんだろうな~と思います。また、独特の表現があるのも特徴ですよね。ヨーロッパやアジア人が好むちょっと分かりにくいような映画のサントラなんかもサラッと滑れそうな雰囲気があります。

名古屋で待つ

 さてさて、注目のファイナルは宇野選手の地元名古屋で開催されるわけですが、このままだと日本からは宇野選手オンリーになるかもしれないので、TV放送はどうなることやらが気になるところですが・・もしかしたら佳菜子ちゃんが応援しにやってきてくれるかもしれないし、他の選手が勉強にと観戦に来るかもしれないので、ぜひとも放送していただきたい!宇野選手にとっては開催が日本で時差や移動がないのも良いですね!羽生選手がいなくてプレッシャーがかかるかもしれませんが、きっと羽生選手も応援してくれているでしょう。頑張れ!

 

 

以上ですべての感想が終わりです。

ここまでありがとうございました。

おわりに

最近は過去記事含めアクセス数がビヨンビヨン伸びていて、こんな誤字脱字適当&放置のブログをわざわざ検索し、シェアしてくださり何だかお恥ずかしい限りです。どうもありがとうございます。今までは大して気にしていなかったのですが、読まれていると思うと、ちゃんとミスがないかチェックしなきゃ!となり、振り返ってみると出るわ出るわ意味不な日本語、予測変換間違い・・キャー。(例:P・チャンがPちゃん ロシア人の名前タイプミス・・だってキーボードが反応しないんだもん)性格が雑なので、気をつけても気をつけられていない恐れ満載ですが、これからも読みに来てくださる方がいましたら一緒に応援していきましょう!

 

いよいよ次はGPシリーズのラストを飾るアメリカ大会です!

宮原選手の表彰台を期待&無良選手のプチスランプ脱出&坂本選手の評価アップを願ってレッツゴー!!

 

三原選手は落ち込まずに、皆が一発勝負だと思って頑張ってほしい。

GPシリーズはホント運ですよね。 でも大切なのは全員がピークを合わせる試合でガチンコ勝負するときだから、そこに目標を置いて、残りを駆け抜けてくださいね。

 

余談ですが、ゴールド選手の全米辞退を聞いて、すっかり落ち込んでしまいましたが、それだけ人前に出て結果を出していくということは、身心共に大変なことですし、一度崩れると難しいことだよなぁと、アスリート社会の厳しさを実感しました。でも誰がいつこのような状態になるかなんて分かりませんよね。五輪に出場するスケーターたちが、スケートの魅力を最大限に発揮して、ゴールド選手が「戻ろう」と思えるような希望があればいいな。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 

さらにロシア選手の平昌五輪出場停止騒動も本格的になってきて心配です。もしこれが決定したらプーチン大統領は来年の選挙には出馬しないんじゃないかな。色々とピンチです・・。

 

以上で、今度こそ本当に終わりになります。

 

ありがとうございました。

 

【NHK杯】自爆大会?&おかえり!サトコ・ミヤハラ

GPS2017 日本大会まとめ

 

グランプリシリーズ第四戦「NHK杯」男女シングルの感想になります。

 

今大会の注目は、なんといっても日本のエース宮原知子選手の復帰です!

 

涙なしでは見られない?!

 

一体さっとんは、どんな姿で現れるのか?

 

そして強豪ロシアとイタリアのベテランコストナーの演技はいかに・・?

 

そんな日本大会の様子を主観のみでザックリとお伝えします。

 

※全体的にミスの多い試合でした

 

まずは女子の結果から

 

女子シングルの総合結果は以下の通りです。

 

1. エフゲニア・メドベージェワ ロシア  224.39点
2. カロリーナ・コストナー イタリア  212.24点
3. ポリーナ・ツルスカヤ ロシア  210.19点
4. ミライ・ナガス アメリカ 194.46点
5. 宮原知子 日本  191.80点
6. アリョーナ・レオノワ ロシア 190.95点
7. 本郷理華 日本  187.83点
8. 白岩優奈 日本  171.94点

 

優勝はロシアのメドベージェワ、2位にはイタリアのコストナー、3位はロシアのツルスカヤとなりました。日本の宮原は5位、本郷と白岩は7位、8位と続きました。

 

それでは、ここから気になった選手の感想について書いていきたいと思います。

 

宮原知子

SP 65.05点 FS 126.75点

今回が復帰戦となる宮原選手。まずは復帰おめでとう!リンクに帰って来れて本当に良かった・・!ショートで宮原選手がスタート位置についた瞬間こみ上げてくるものを感じたのは私だけではないはず。

はじめの一歩

11ヵ月ぶり最初のジャンプは、言葉にならないほどの緊張があったと思います。そのため、冒頭の3Lz3Tが3Lz<2Tとなってしまいましたが、これは想像の範囲だったことでしょう。ミスの後も慌てることなく、落ち着いて、休養前の宮原知子らしく堂々と滑り切ることができました。まだまだ全体の仕上がりは75パーセントくらいということなので、全日本までに宮原選手のペースで100パーセントに調整していけば、再びジャンプも安定して「ミス・パーフェクト」の完全復帰となるのではないでしょうか。

世界一のスピン

流石だなぁ・・と思わず声が出てしまったのが宮原選手の世界一美しいスピンです。なんでしょうね。宮原選手の演技っていちいち泣けるんですよね。ジャンプの練習には制限があって、なかなか思うようには進められないけれど、それ以外のできることは何でもしようと日々励んでいた姿が、このスピンから伝わってくるんですよ。他にも、振付がしっかりと体に染みついている様子や、ステップの丁寧さ、表現なんかを見ると、ジャンプ以外の要素ひとつひとつに力を入れて、戦いに来たんだなと感動。そして、まさに、こここそが演技全体を見た時の、日本女子の中での別格感に繋がっているのかもしれないと思いました。

チーム濱田の戦略

さて、今季は、ショートもフリーも和をテーマにしたプログラムということで、どんな風に違いを出していくのだろうかと思っていたのですが、感想を一言でいうと「ちょっと似てる・・」でした。宮原選手の表現力で変化は伝わっているのですが、振付のところどころで似ている部分があったのが気になってしまいました。なんとなく外国人から見た日本観というか。アジアの文化がごちゃまぜになっているような振付があるので、そこをもっと和の引き出しでカバーしてもらえたらなぁと思いましたが、ジャッジはそんなことを気にもしないし、分からないからいいのか??う~ん。ケガ明けで新プログラムふたつは負担になりそうだから、フリーは昨季の「惑星」を再利用しても良さげかなぁとも感じたのですが・・。いや、でも、チームの戦略としては今の状態がベストであり、完成形のプログラムは鳥肌ものなんでしょうね。期待してます。

全日本までにできること

もう全日本まで残りわずか。宮原選手にとって、今のジャンプの状態では代表をつかみ取るには厳しいものがあります。しかしジャンプを本格的に練習し始め、スピードに乗り跳ぶ感覚が戻ってくれば、日本一の座につく用意は可能だと思います。ミスがあってもPCSの評価は高く保てている。次戦で少しでもミスをなくし、今回よりもスコアを上げれればいいなと思います。大事なのは、演技全体を通して滑り切る体力配分の感覚と、それに比例するスピード、そして体重管理ですね。宮原選手は試合に入ると痩せてしまうようなので、シーズン中安定した体重でジャンプを跳べれば新しい体型での軸も安定し、良い結果が残せるのではないかと思います。全日本まで何とか間に合ってほしい!がんばれさっとん!

エフゲニア・メドベージェワ

SP 79.99点 FS 144.40点

余裕のスコアで優勝!と言いたいところですが、今回はメドベージェワ選手にとって不安要素を残したまま終わる大会となりました。

女王に何が起きている?

今回両足首の辺りにテーピングを巻いていたメドベージェワ選手。ケガなのか?疲労からくる痛みなのかは分かりませんが、珍しくフリーで転倒してしまいます。その後も着氷に乱れが出たり、ジャンプ前にためが出たりと、どことなくジャンプに対する不安感が見えました。

不安気な表情

調子が悪い中でも大きなミスはひとつに留め、演技を終えましたが、その表情はとっても弱弱しく、いつもの笑顔はありませんでした。表彰式の前もずっとコーチと何かを真剣な顔で話しており、とても深刻そうに見えました。メドベージェワ選手と言えば、ロシア選手の中でもスタイルキープのために、かなり体を無理に絞っている選手として有名です。細いだけでなく、衣装で見えない部分の太ももには男性アスリート並みの筋肉がついていますから、体脂肪の方では相当体に負担がかかっていると思うんですよね。いつ体調を崩してもおかしくない状態ですし、ホルモンバランス的にも、同じ女性として心配なところがあります。

弱点が露呈された

そんな不調な今回、メドベージェワ選手には焦りが出たのか、それとも、ただただ早く試合が終わってほしいと思ったのかは分かりませんが、かなり演技を雑に終えてしまうという結果に陥ってしまいました。今ままで表現に定評があったメドベージェワ選手でしたが、なんと今回は、フリーでミスのあったコストナー選手のPCSを下回ってしまったのです。これはメドベージェワ陣営にとっても痛手ですよね。ミスがあると自信のドラマティックな演技がぶつ切りになり、音楽そのものを表現することができないプログラムだけに、ただただ慌ただしく動いて終わってしまったように見えてしまいます。そして、あんなに難しいプログラムなのにあっという間にベテラン選手のPCSに負けてしまう・・。ここにきて最大の課題にぶつかってしまいました。

休むのも戦術だ

とは言っても、メドベージェワ選手はジャンプさえすべてクリーンにおりれば五輪金メダルは約束されています。あとはミスのない状態をいかに維持できるか。それはもういっその事、ファイナルをスキップしてプチ休養にあてればいいと思います。無理に全試合出る必要はありませんし、痛いところがあれば休んでおくのも手だと思うんですよね。そして五輪が終わったら、今度はドラマ性の強いプログラムから離れて、音を表現するプログラムにも挑戦して、幅を広げていってほしいです。うん。ファイナルで調子を戻しても、その後にボロがでるかもしれないし、今は休めるときは休んだほうがいいよ。(でも出場コースなんだろうなぁ)ロシアは若手がどんどん押してくるし、五輪本番まで何が起こるかわからない不安というのもあるんでしょうね。ちょっと心配。

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カロリーナ・コストナー

SP 74.57点 FS 137.67点

NHK杯でも安定の表彰台のコストナー選手。ミスをしても予想以上にフリーは得点が出ました・・。やばい・・。このままではいけない。日本女子はどうすればいいんだ。

美しさが光るショート

コストナー選手といえば別格の美しさがあることで、PCSの評価も高い選手です。特にショートプログラムの演技は私も本当に大好きです。もう次元が違う感じ。公式練習で他の選手たちと同じリンクで滑っている姿を直接見ると、その美しさの違いがよく分かります。今の女子シングルは低年齢化しているため、持ち前の美しさに加え、大人の表現も際立って、それが演技により効果的になっていると思います。

ミスは演技を助けない

しかし一方のフリーでは、ミスが重なりトリプルジャンプも5本(サルコウ2本ループ1本3-3なし)という低難度構成でした。コストナー選手のフィギュアスケート本来の滑りを大切にしたスタイルは素晴らしいのですが、ミスがあればそれも生きてこないので、PCS75.71点という評価は高すぎる気がします。今回はミスをカバーしてくれるような要素がSS以外はなかったんじゃないかな?それなのにこんなに高いのか。高くてもちろんいいのですが、高すぎるのは疑問だな。そんな風に思えました。あ、でも成功したジャンプの質はかなりいいですよね。

若手とコストナーの差

最近はもっぱらジャンプにしても、スピンにしても、なんにしても技術がものをいう時代だと思っていたので、コストナー選手の今できる内容をクリーンに仕上げるという久しぶりな流れに「あれはまだ健在だったのか・・!」と驚きがあります。ただメドベージェワ選手がタノジャンプをしてつなぎを増やしたり、ザギトワ選手がオール後半ジャンプにしたり、樋口選手が3Lz3T×2にハードなステップにしたりと、体力も気力もいる練習の中、限界状態で努力していることを考えると、コストナー選手の戦い方と若手の戦い方は、同じ競技とはいえないくらいにかけ離れていて、別にした方がいいのか・・とさすがに思ってしまいました。

五輪優勝もあり

30歳という年齢で現役として結果を残しているコストナー選手の努力もまた、若手選手たちの苦労とは違った辛さがあると思います。ただ、今もし、すべての選手が高難度ジャンプをやめ、スケーティングのみに練習を集中させたら、そのうち誰をどう評価していいかわからなくなり、再びジャンプ重視になるんだと思います。そうやってそれらを繰り返す。それなら技術も表現も両立してやっていこう。メドベージェワみたいな選手も上位にいるし、コストナーみたいな選手も上位にいるんだよ。どちらにも五輪金のチャンスがあるよ。それがフィギュアスケートですってことなのかしら?誰にでもチャンスがあるのはいいけれど、肝心の選手が自分がどっち側の選手なのか分からない。ジャッジの点の出し方が選手には分からないから、表現に自信のない若手はタノ祭り・後半ジャンプ固め打ちになるんじゃないのかな。ジャッジはそこに気づかず「なぜこんなことになっているんだ?そんなの必要ないんだよ!」コストナー選手を例に、こうあるべきと伝えているのでしょうね。

 

そう考えると、コストナー選手もルールに振り回されている被害者だなと思いました。なんだかな。

ツル・白岩・本郷

続いてはツルスカヤ・白岩・本郷選手の感想を凝縮します。

ポリーナ・ツルスカヤ

SP 70.04点 FS 140.15点

はい、あっという間にショート70点、フリー140点のラインに乗せてきました!強いいいいいいい。ロシアの3枠目はツルスカヤ選手ですかね。ジャンプは高いし、ジュニアにいたら逆に違和感あるくらい大人っぽいし。用意周到でシニアに上がってくるのがロシアだなあ。こういうところ日本も参考にしてほしいな。若手ほどあえて落ち着いたトーンの衣裳にするところなんかも。日本人選手の衣裳はデザインがお姫様感強くて、アニメっぽい色合いというか・・あの幼稚さはどうにかならんのかい。カワイイから抜け出してほしい。

 

話が脱線しましたがツルスカヤ選手は、次戦がどうなるか楽しみ。もうこれ以上強くならないで!というのが本音でーす。

白岩優奈

SP 57.34点 FS 114.60点

緊張のデビューでしたね。練習ではいいジャンプ出来ていたんだけどなぁ。シニアの空気に慣れてきて、演技中に自分のペースがつかめてきたら、もっと評価もあがるはず!実際フリーは体もよく動いていましたし、パフォーマンスも良かったと思います。まだまだこれからの選手!いい経験になったんじゃないかな。

本郷理華

SP 65.83点 FS 122.00点

ショートは感情と魂がこもっていて良かったですね!鳥肌が立ちました!ショート・フリーで回転不足はどうしてもついてしまいますが、全体の出来は凄くよかったですよね。本郷選手はスピンでもう少しスピードがつけば、あの常に迫力あるプログラムの流れが止まらずに、PCSの評価も上がるのではないかと思います。ジャンプは、やはりタノなしでクリーンに決めた方が絶対に得すると推測。タノりだしてから普通のジャンプでも完全に腕を締めきらずに回転に入ってしまっているように見えるので、そこをギュッと締めれればクリーンにおりれるのではないかな?と思います。どうか回転不足がなくなって、高い評価を得てほしいです!がんばれ!

 

 

続いて、男子の感想をザックリいきます!

 

なんと今回、絶対王者羽生結弦選手が捻挫のため急きょ欠場という悲しいスタートにファンも騒然。全日本までに完治できるケガなのかは分かりませんが、どうぞお大事にしてくださいとしかいえない・・。(五輪に羽生がいないとかありえないでしょ)他の選手も練習中のケガやインフルエンザには気をつけてください。

 

男子の総合結果はこんな感じ

 

さっそく男子の結果からおさらい。


1. セルゲイ・ボロノフ ロシア 271.12点
2. アダム・リッポン アメリカ 261.99点
3. アレクセイ・ビチェンコ イスラエル  252.07点
4. ジェイソン・ブラウン アメリカ  245.95点
5.  キーガン・メッシング カナダ 235.80点
6. ラトデニくん  234.80点
7. 友野一希 日本  231.93点

11. 佐藤洸彬 日本  199.20点

 

優勝はロシアのセルゲイ・ボロノフ、2位にアメリカのアダム・リッポン、3位はイスラエルのアレクセイ・ビチェンコが入りました。日本の友野は7位、佐藤は11位でした。

おめでとう!ボロノフ選手!

私と同じ誕生日で親近感のあるボロノフ選手がやりましたよー!!ショートからかなりキてる気はしましたが、フリーも四回転をきめてノーミス!やりきりました!!!!さんじゅっさい、さんじゅっさいうるさいんじゃ~~!とばかりの気迫に圧倒されましたぜ。素晴らしかった。よかよか。

ビチェンコかジェイソンか

男子は最後までハラハラでした。ビチェンコ選手の「メダルは渡さない(キリッ)」という演技と、「え?ジェイソンまさかの表彰台があああああ」というバトル。ジェイソンはアクセルの2転倒が痛かったな。でもふたりとも懐かしの男子シングルという感じの戦いで面白かったです。この久しぶりな感じにワクワクして見ていましたよ~。NHK杯は羽生選手がいなかったのは残念でしたが、ポッキーの日が誕生日のリッポンやビチェンコの戦いを見ていたら、いつの間にか今までのGPシリーズの中で一番楽しめた試合になっていました。

ファンになりました

あとですね。Pちゃんのかわりに出場してくれたキーガン・メッシング選手の滑りも良かったです!すっかりファンになりました!ジャンプはとびすぎちゃいましたが、本人は気持ちよく滑れたんじゃないかな。細かな足技で楽しませてくれて、ここでもまた、懐かしの男子フィギュアのエンターテイメント感を思い出しました。やっぱこの競技は技術と表現を別個にした方がいいのかな。おじさん(失礼)たちの演技がとっても面白かったです。

 

そ・れ・と

 

ファンと言えば、今年もNHK杯に来てくれた私のランビエール様withデニスくん。日本でシーズンベストを出せて何より。そしてどんどん演技中のランビエール感が出てきているのに胸がトキメキます。アクセルが苦手なところまで似ているのか・・と思っていましたが、リカバリできて安心。いつでも日本の大会・ショーに来てね。

日本男子がんばった

日本男子たち!頑張った!精一杯が伝わった演技でした。なんか軽く全日本感も入った試合だったな。ここでの経験が全日本でも役立つと思うので、何かひとつでも手に入れたものがあればいいなと思います。でも普通にショートのふたりの演技は頼もしかった。観客の愛も素晴らしかった。選手もみんな喜んでいましたね。私も嬉しかった。

 

すみません・・男子は短いですが、病み上がりのためそろそろ疲れたのでここで終わりにします。(前回は結局あれから熱が出たのです泣誤字脱字お許しを

まとめ

NHK杯で男女ともにメダルがないなんて不思議な感じがします。それでも男子はボロノフやリッポン、女子はコストナーレオノワと昔ながらの選手が今もこうして滑りに来てくれて、良い結果を残している姿を見れたのは、ファンとして収穫がありました。今回技術的なことには、あまり触れないように観戦してみました。だって選手のみんなは毎日そこを頑張っているんですもん。上手くいかなかった部分はコーチに散々言われているだろうから、あえてNHK杯では別な目線で見て、純粋な気持ちで楽しみたいなと思ったんです。結果を見ると、どうしてもジャンプの出来や各要素のレベルに目がいってしまいますが、最後に男子の試合から、それを忘れさせてくれる何かを貰った気がしました。

 

この競技の方向性や在り方には色々と疑問や不安もありますが、それは選手の責任ではありません。しかし試合ごとに評価がめちゃくちゃな採点に不満が募るのも事実。おそらく五輪でも誰かが責められ、綺麗には終わらないと思います。そんな中で、少しシビアな空気をクリアにしてくれた男子の試合。海外ファンや他の皆さんもこの試合から私と同じような懐かしさを感じた方はいるのかな?私はあそこに競技本来の「戦い」と「採点」と「本質」があったように感じます。久しぶりのこのワクワク感が五輪でも再現されたら楽しいだろうなと思いました。

 

さてお次はフランス大会です!宇野&三原選手がエントリー!全日本前に良い結果をアピールできますように。がんばれ!

 

 

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さっとん、ショートの衣裳はこんな感じのデザインにしてはいかがだろうか?

ピンクよりダークな色×アクセントに明るい色を入れる方が似合っているよ。

【奄美大島】大島紬を着たフィギュア女王。 | ウェブ電通報

 

 

 

【中国杯】日本女子激突!誰にも負けられない!

GPS2107 中国大会まとめ

 

グランプリシリーズ第三戦「中国杯」女子シングルの感想になります。

 

今回は日本から樋口新葉三原舞依本田真凜といったゴールデンメンバーが集合!

 

五輪枠を争う3人のガチンコバトルの行く末はいかに・・?!

 

さっそくですが、結果のおさらいからご覧ください。

 

(総合順位)

1 アリーナ・ザギトワ ロシア 213.88点
樋口新葉 日本 212.52点
エレーナ・ラジオノワ ロシア 206.82点
三原舞依 日本 206.07点
本田真凜 日本 198.32点
6 ガブリエル・デールマン カナダ 196.83点
エリザベータ・タクタミシェワ ロシア 196.68点

 

優勝はロシアのアリーナ・ザギトワ、2位は日本の樋口新葉、3位はロシアのエレーナ・ラジオノワとなりました。日本の三原舞依は4位、本田真凜は5位で大会を終えました。

 

 

団子7姉妹のショート

ショートから混戦だった中国杯。なんと1位から7位まで団子状態のスコアに!まさかのフリーが終わるまで誰がメダルをとってもおかしくないスタートに、選手もファンも緊張MAX。先日のカナダ大会の厳しいジャッジに比べると、やや甘いジャッジかな?という気がしないでもないですが、ショートは以下の結果になりました。

 

1 デールマン  70.65点

2 樋口 70.53点

3 ラジオノワ 70.48点

4 ザギトワ 69.44点

5 タクタミシェワ 67.10点

6 本田 66.90点

7 三原 66.90点

 

首位発進は手術明けのデールマン。美しい3T3Tに大きな加点がつきました。次いでノーミスの樋口。ステップとスピンでレベルを落としてしまいましたが、70点台をマークでき笑顔。その後ろにはロシア杯で不調だったラジオノワ、GPSデビュー戦で珍しく転倒(びっくり!)のザギトワ、調子が上がりつつあるタクタミシェワ、といったロシア勢が続きます。そして6位・7位には日本の本田と三原がランクイン。なんとふたりは同点になってしまったため、ルールに沿って、技術点が高い本田が6位になり、7位となった三原は最終グループ落ちしてしまうという残念な状況に・・。

 

同点だった場合のルール

ショート=技術点が高い方が上位

フリー=演技構成点が高い方が上位

総合得点=フリーの得点が高い方が上位

 

 

意識が高いフリーの演技

僅差のショートで気合いの入ったTOP7のフリーは、グランプリシリーズとは思えないほどの熱い戦いとなりました。

 

1 ザギトワ 144.44点

2 樋口 141.99点

3 三原 139.17点

4 ラジオノワ 136.34点

5 本田 131.42点

6 タクタミシェワ 129.58点

7 デールマン 126.18点

 

特にフリー上位3名の演技は、この大会が調整ではなく、本気だという気迫が感じられて鳥肌が立ちました(あと涙もうるっと)ショートでは好調に見えたデールマンでしたが、やはりまだ本調子とはいかず(そりゃそうだ)、フリーでは7位まで順位を落としてしまい、表彰台を逃してしまいました。良い出来にも関わらずPCSが伸びなかった三原は、フリーで巻き返したものの、総合でラジオノワにわずか0.75点の差で敗れてしまい、ファイナルへの出場が遠のく結果となりました。

 

・・・三原選手は残念でしたね。今までの頑張りを見ていただけに辛いよおお。そして改めて順位を眺めると、日本とロシアしかいない。カナダもいるけれど、基本ジュニアもシニアも日露によるフィギュアスケートになっちゃってる~!!と、思いました。他の国の選手たちはどんな気持ちなんだろう。

 

 

さて、ここから、いよいよですが、日本勢とロシア勢の感想を自由に書いていきます。おさらいが長い~

【目次】

 

3Dワカバの魅力がわからぬか!

トップバッターはワカバ・ボンドの感想から。あのさぁ~ジャッジさぁ~ちゃんと3Dワカバの魅力をわかってる?って感じなんですけど。今季のプログラムはショートもフリーもそんなPCSじゃあ足りないわよ!って感じなんですよ!日本よりも海外ファンからの方が不満の声が出ていますわよ。いつも点が低すぎる、他の誰よりも素晴らしい、過小評価だ、不公平だとね。

 

フリーのPCS ワカバとザギトワの対比

青がワカバ ピンクがザギトワ

SS 8.64 8.39

TR 8.11 8.36

PE 8.61 8.79

CH 8.50 8.50

IT 8.57 8.68

合計 67.89 68.35

 

スケート技術(SS)の評価はよろしい。つなぎ(TR)もOK。動作(PE)う~ん・・まぁ許容範囲なの?振付(CH)う~ん・・。曲の解釈(IT)ワカバの方が上でしょう!

 

今回は樋口選手比で、振付の部分が少し急いでこなしているかな?少し音楽とずれちゃったかな?とは思ったのですが、それはザギトワも同じだったと思うんですよね~。ザギトワはフリーになると技術点も凄いし、それに連動してPCSも上がっているような気がします。(もしかしたらワカバ・ボンドもステップでレベル落としてなかったらもっと点が出てたかもしれませんがね。)それでも樋口選手の今季プログラムは、上から見ても左右から見ても前後から見ても飽きない・楽しめる構図(3Dワカバ by number)となっていて、やっている方はすっごく大変だし、体力いるだろうな~と思って見ているので、ぜひ目の肥えたジャッジには早いうちにバーンと評価していただきたいです!どうしてもロシア=凄いっていうイメージがあって(実際凄いんだけれど)なかなか他の選手が割って入れない空気があるのですが、バレエ的な表現だけが、フィギュアスケートで評価される動きの全てじゃないんだぜ!技術・表現・気持ちの総合力で滑っとんじゃーというパワーをジャッジには受け取ってほしいです。

 

私はずっと日本人スケーターの魅力ってなんなんだろう?と思っていました。ロシアにはロシアの色が、カナダにはカナダの色があるじゃないですか。日本はロシアほど高度な技術を持つわけではないけれど、カナダのようなパワーがあるわけでもない。一体、日本人スケーターは世界からどんな風に映っているのかな~と考えていたんですよね。でも、最近少しずつココなんじゃないかな、という部分が見えてきた気がします。その武器になる部分が間違っていなければ、日本スケート連盟はあのふたりを五輪に出すのではないかな。(ここについては全日本後に書きます)

賢さが強み

PCSの話はここまでにして、技術面を見てみると、今大会は回転不足のないクリーンな成績になりました!体も少し絞ったように見えて、動きも軽やかになってきましたね。ショートはスピンとステップでレベルを落としたことを考えれば、まだまだスコアを伸ばせることが分かりましたし、評価は確実に上がってきていると思います。このままいけば五輪表彰台のダークホースになるかも??また、なんといっても成長を感じたのはショートで上手くいっても油断せずに、フリーに繋げること!そしてジャンプの抜けがなくなったことです!今季はとにかく演技にムラが出ないように気持ちをコントロールしようと励んでいるようなので、どの試合でも、その結果に一喜一憂せずにしっかりと集中している姿がうかがえますよね。合わせて、ジャンプの抜けもあってはならないと、リカバリを想定した練習もしたり、意識の高さが伝わってきます。

 

試合後のインタビューでもそうですが、樋口選手は、瞬時に足りないものや、周りの選手と比較した自分の立ち位置を的確に答えることができる賢い選手だと思います。おそらく誰よりも自己分析に厳しいのではないでしょうか。高得点にも浮かれず、しっかりと考えて動けています。

チームプレイの時代

number最新号でも語っていたように、樋口選手は現在、チームと共に樋口新葉を作り上げているようです。今までは上手くいかないと、悔しさだけが先行し、反抗的だった自分の感情。それを今はコーチと意見を出し合って、色々な見方を受け止めることで、自分の長所・短所を練習で生かし、改善できているんだそうです。確かに今は選手ひとりで戦う時代ではありませんよね。どこもチームで戦っている時代。そうなると一番重要になってくるのが素直さだと思います。周りの厳しい声を吸収できるか、できないかで、その選手の運命は変わってしまうのではないかというくらい大切なこと。それを実行できていることは、樋口選手にとって、必ず実りあるものをもたらしてくれるポイントとなると思います。

責任を力にして・・

「強さだけでなく、賢さも出したプログラにしたい・・」そう語る樋口選手は、フリーのために映画007シリーズを鑑賞したり、役作りのために技術を磨いたりと大変熱心に練習しています。数々のインタビューの中で、昨季の結果に責任を感じているような心苦しい発言もありますが、そのプレッシャーを力にここまで這い上がってこれた選手ですから、一層応援したくなります!ファイナルまで残れるかは、まだ分かりませんが、たとえ進出できて、強敵TOP6相手に思うような順位につけなかったとしても、そこで戦えていること自体が評価に値していると私は思います。次は、スピンステップオールレベル4で頑張ってほしいですね!フリーの2Aまでの間に何かアクセントがあるともっといいかなぁ~。とにかく応援してます!ファイト!

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三原は大ピンチ?

ショート前の6分間練習でタクタミシェワと衝突してしまうアクシデントがあった三原選手。足を痛めてしまったのか、冒頭のジャンプが乱れてしまい、トップとの得点差は少ないものの、少々苦しいスタートになってしまいました。

儚さが天使に見えた

それでもファイナルにいくために、ここで終わるわけにはいかない三原選手は、フリーで奮闘します。しかし、本来の動きより勢いが感じられず、悪くない演技だったのですが、PCSが64.72点と低い評価になってしまいました。う~ん。やはりどこか痛めてしまったのでしょうか。確かにいつもとは違ったんですよね。それがある意味儚かったのですが、本田選手のPCSと大して変わらないのを見ると、いままで積み上げてきた評価はなんだったのかと、本人もがっかりしていないか心配です。

タンゴの評価

評判の悪いタンゴ。タンゴは人を選ぶので、似合う似合わないはあると思う。だけど、私は、あえて挑戦しつづけた方がいいと思う少数派です。ショートのせいで足を引っ張てしまうかもしれませんが、個人的には元の路線に戻して、本田選手のカラーと被ってしまう方がリスキーだと思います。今回分かったのが、ジャッジは本田・三原コンビを同じイメージで見ているということ。今後はPCSの差からしても、お互いノーミスだった場合、同じような選手なら本田の方が表現できているかなと判断されそうです。今のところタンゴは以前よりもグッと良くなっているので、ここをもっともっと上手く見せれるようにして、モノにしてほしいです。

焦らないで!

色々な声があると思いますが、三原選手には、今回の結果に焦らずに、全日本まで仕上げてきてほしいです。三原選手の技術点は、日本の安心材料でもありますし、滑らかなスケートには本当に癒されます。底力もある選手ですし、身のこなしだって短期間で良くなっているのだから、ガッカリせずに頑張ってほしい。次の試合もまたまた難しそうなメンツですが、困難を経験した選手にしか出せないモノってのもあるから、何でも吸収して上がってきてほしいです。なんで日本は三原・樋口・本田を同じ試合にエントリーさせたのか!と突っ込みたいところですが、まぁ比べたかったというか、見てみたかったんでしょうね、評価を。それを言ったらロシアも同じだけど、三原選手にはもう一試合ありますし、そこで中国杯の結果を挽回できたらいいですね。

天才肌の真凜

ボロボロだったスケートカナダからの連戦にも関わらず、ショートではジャンプのノーミスに加え、スピン、ステップのレベルを取りこぼさずに滑り切ることができたのは、さすがです。構成もルッツを外し、元に戻したのが良かったですね。ショートはこのままの構成でクリーンな演技を重ねていくことを期待します。また、フリーの方も前回よりスケーティングが力強く、スピードも出ていて良かったですね。やはり気持ちの問題なのか?!本気になったらコワイ選手だなと思いました。

助かったショートのジャッジ

実は今回のショートでは、ジャッジによって見落とされた部分があったことで、少しラッキーだった可能性があります。それは冒頭の3F3T<の3Fの回転です。ジャッジはセカンドのみにURをとっているのですが、実際はファーストジャンプの方が回転が足りていませんでした。しかし、前回のジャッジが厳しすぎたせいか?中国杯のジャッジは優しく、おまけしてくれたようです。もしスケートカナダのジャッジだったら、ループとアクセルの回転不足も合わせてとられていたのではないかと思いますね。また、ショートでレベル4だったステップも2か所ほどふらつきがあったように見えました。今回は認定されても、基本的にスピンステップには波があり、不安定さが残るので、油断できませんね。

 

ここにきてジャンプに不安が出てきた本田選手。残り一か月で立て直せるかが、彼女の注目すべき点です。

ザ ギビング>タンゴで正解

新ショートを見た目ノーミスで終え、PCSも31.89点と良い評価を貰えたことは収穫です。できれば全日本までの国際大会で、このプログラムでのノーミス演技を重ね、少しでも評価を上げたかったところでしたが、残念でしたね。マイナス分の得点を考えると、ノーミスでは70点出る計算なので、それを全日本までかたちに出きるかが重要でした。しかし、過ぎたことはしかたありません。本田選手の場合、本気で来た時の演技には、才能を隠しきれないほどの上手さがあるので、そこはもう一発勝負を楽しみにするとします。

優しい真凜と強い真凜

濱田コーチいわく「(本田選手は)誰かを蹴落とそうとか思わない優しい子」らしいです。そのためか、本田選手はいつもガツガツしていないというか、試合ではいつもニコニコして本当に試合中?というような雰囲気を醸し出しています。しかし、前回のコーチからのお怒り宣言と、世間からの厳しい声に、本田選手は覚醒したのか、リカバリのことを考えたり、足が浮かないようにしっかりステップを踏んだりと、非常に試合に集中しているように感じました。

 

濱田コーチは現在、選手のことにアレコレ口を出さずに見守るスタイルでいるそうです。以前は何かが起こる前に!と、先回りして色々と声をかけていたのですが、今は体重管理も、その他もろもろに関しても、選手に委ねているんですね。それゆえに生徒がケガをしたり、結果が出せなかったりすると責任を感じて悩むこともあるのかな、なんて思ったりすると・・前回のお怒り宣言は本田選手を心配してのだったんだろうなぁと思います。もったいないもんね、良い選手なのに。でも、あんな厳しいことを周りから言われても堂々と演技できる強さがあるのは素晴らしいと思う。優しさと強さを両方兼ね備えた本田真凜がどんなスケーターになっていくのか楽しみです。

ザギトワは敵か

ショートでまさかの転倒のザギトワ選手。ジャンプもやや回転に以前ほどの余裕が見られなくなってきました。しかし他の要素のレベルが高く、技術点は圧倒的。そこがザギトワ選手の強さであり、戦略です。

本田との試合がポイント

世界ジュニアでも本田選手と戦ってきたザギトワ選手ですが、ザギトワ選手がミスをすると、PCSの評価が日本>ザギトワになる、またはノーミス対決でもそんなに開きがないように感じました。特に面白いのがショートのPCS。ショート6位の本田選手が31.89点に対し、4位のザギトワ選手は31.43点なんですね。ジュニア時代でもそうなんですが、本田選手と同じ試合に出ると、そこら辺が比較され、本田選手の方が上にくるというのが興味深いです。得意・不得意の部分が真逆なので、比較されやすいのでしょうか。PCSで勝てるチャンスがあるうちは勝っておきたいところ。しかし、フリーでは大差で離されてしまったので、このまま遠くへ行かれてしまうのはさけたい状況ではあります。

越せない相手ではない?

凄い選手だな!というのは一目で分かりますが、メドベージェワ選手より隙がある選手だというのは確かです。まだミスをしてくれるし、曲に遅れたり、スケーティングがまだまだという弱点もある。日本勢はそこを狙って頑張ってほしいです。スピンでは敵わないかもしれませんが、他で補える部分で点を重ねて勝ってほしい。わかりやすい凄いことをしている選手には、ジャッジも評価しやすいのが悔しいところ。9点台を出しているジャッジもいるので、ここで負けられない~~!!

かわいすぎてズルイ

と、こんな風に勝手にライバル視してごめんね、ザギトワちゃん。でもザギトワ選手は、とにかく、かわいくて、かわいくて、かわいくて、辛いよ~。あのビジュアルはスケート界において反則じゃないですか~!健気に高難度プログラムをこなしているところも頑張り屋さんなんだな、と思います。それに機械的なロシアンの中で、時々不安や動揺が見え隠れするところも人間らしくてかわいい~(ロシア人も人間なんですがね)ちょいと回転不足が気になり出したから、あんまり無理せず挑戦してほしいですね。後半にジャンプ詰め込みとか、セカンドループとか、実は自分のことをそこまでしないと勝てないと過小評価しすぎでは・・?と思ったりもする。確かにそうなんだけど、ちょびっとだけ楽にしても大丈夫だと思うんだよなぁ。まぁ、ロシアも激戦だし、五輪に出れるチャンスは今季だけですもんね。何でもしたくなるか。そう思うと応援したくなる!頑張れザギトワちゃん。

ラジオノワ・デールマン・リーザ

最後は3人まとめていきます。見出しは短めにしたいのでリーザ表記(タクタミシェワ)で勘弁を。ここからは、ゆるめの口調でいきま~す。

ラジオノワに甘い大会

ラジオノワ好きなのに、ラジオノワに優遇すぎるジャッジにも~んときちゃう。ロステレからの踏ん張りを考えると、よくやった!ヒャッホ~!とは思いますが、かなり詰まったジャンプが多かったし、回転も微妙だったと思うな。でも本人は喜んでいたし、これで自信がついて、ジャンプが改善していったらいいな。スピンは独創的だし、中国杯に出場していた他の選手と比べると、やはりシニアの空気にこなれた感があって、身のこなしなんかも練習した動きというようりは、からだに染み付いた動きって感じで見る方も疲れないし、いいなとは思うんですよね。ラジオノワは代表に選ばれるかな?食らいついていってほしいな。

3T3Tで戦うデールマン

デールマンって3T3Tだけで基礎点30点あるんじゃない?ってくらいの破壊力がありますよね。正直あれだけに皆負けているって感じ。その他では勝っているスケーターが多いと思います。ノーミスすれば自然とPCSも上がり、ミスをすればガクンと下がるスケーター。ジャッジの中でも「あの子の3T3Tやばくない?+2いっとく?」「でもオズモンドよりは下なんだよね~PCS的には微妙」という会話がありそう。カナダの選手はパワーあります!ってのは分かるんですが、その先がね・・たまにエアロビに見えちゃうんだよな・・。

タクタミシェワの未来は

ショートから他のロシア選手に比べて、やや弾かれ気味のスコアだったタクタミシェワ・・。ちょっとかわいそう。PCSも相変わらず低いまま。一応元世界女王なのにね。仕方ないのかな。ジャンプだけの選手というイメージが強いせいか、低い気がします。もう3Aをとぶしか後がない状況なのか、必死に一軍選手を追いかけているように見えました。タクタミシェワのプログラムって、シーズン前に「これは誰の使用曲でしょう?」とイントロクイズをしても「タクタミシェワ!」と正解できそうなくらい定番なのも、ジャッジからすると印象が良くないんですかね。もっと本人の良さを生かせるやり方があるんじゃないかなと思いました。

いざ、NHK杯

以上で、中国杯の感想は終わりになります。本当は男子も書きたかったのですが、昨夜貧血でぶっ倒れて体調が悪かったのと、今日が忙しかったので無理でした。今も頭が冴えていないので文章がめちゃくちゃかも・・。NHK杯までには何としてでも宮原選手を応援するために、復活せねば!

 

さて、わりと優しめなんだか、よくわからない中国杯でしたが、樋口選手の前進と、三原選手にとっては試練、そして本田選手にとっては燃え上がるような大会になったのではないでしょうか。今回のジャッジは、誰にも驚くような高得点も出さなかった辺りは真面目といえば真面目だったかなと思うので、点が出なかった部分は、改善するにあたって、とても良いヒントになると思うし、必ず次に生きてくると思うので、それぞれ頑張ってほしいです!

 

次回は宮原知子選手登場のNHK杯です!個人的にここでは、試合の感覚を確認するための復帰戦というかたちで、順位やスコアは意識しなくて大丈夫だと思っています。だからどんな結果でも、あまり騒ぎにならないように祈ります・・。NHK杯では、新プログラムのお披露目と、元気な姿を見せてくれて、スケートアメリカでは、復活の兆しが見れるくらいまで仕上げてくれるのが希望ですね。ピークは全日本と五輪に合わせればいい。そんな感じで待ちます!

 

羽生・友野・本郷・白岩も出場のNHK杯もお見逃しなく!

 

 

【生命保険】簡単!自宅で振込先口座登録をしたよ!

かんぽ生命保険

 

つい先日、郵便局から生命保険の「振込先口座」の登録についてのお願い(手紙)が届きました。

 

今の契約が満期を迎えた際に、請求手続きなしで保険金が受け取れるようにするための「指定口座を登録してくださいねー」というもの。

 

お知らせには”後日、詳しい内容については担当の社員から連絡をし、都合の良い日に説明する”とあったので、「あれ~?後日?急だな。もう満期だったっけ。早いなぁ。」と思い、契約を確認してみたら、あれ?まだまだ満期は先のことではないか。

 

「じゃぁ、そんな急ぎでもないのか~。」と、後で電話がかかって来るまで気長に待つことにしようと、休日にあり得ない組み合わせの服装+すっぴんでトイレにこもっていたら

 

ピンポーン!

 

 

まさかの日曜日。それも部屋はハロウィンの準備で散らかっている中、郵便局の方が突然やって来たのです!

 

ええっ?!やばいやばい!どうしようどうしよう!

 

とりあえず「今日は忙しいので、また後日!」とよくある言い訳をする気マンマンで、「は・・は~い」と挙動不審で出ると、玄関にはアンタッチャブルザキヤマに似た山崎という名前の方が満面の笑みで立っていらっしゃいました。(実話)

 

ザキヤマ「あ、わたくし先日口座登録についてのお手紙を送らせてもらいました山崎と申しますウ。かくかくじかじか~。」

 

結論からいうと、「日を改めて登録と説明に伺いたいので、都合の良い日を教えてほしい」ということでした(ホッ)どうやら手紙を出した一軒一軒を回って、スケジュール管理をしていたようです。

 

そして双方の都合を照らし合わせた結果、そこから数日後の今日しか空いていなかったので、さっそくですが、口座登録を秒速でしました。驚くことに、めっちゃ早かったです!

 

 

 

目次

 

必要なもの

まず登録がスムーズに行えるように、予め必要なものを聞いておきました。その際に

  • 保険証書(証券)
  • (振込先の)通帳
  • 免許証

の3つを用意してくださいとあったのですが、実際に使用したのは、ここで言われなかった健康保険証だけでした。

 

登録の流れ

最初に保険証を出して、それを見ながらザキヤマさんが専用の機械でデータ(番号)を打ち込んでいきます。そうすると、私が現在引き落としで使用している銀行口座のデータやらなんやらがバーっと出てくるので、その内容に間違いはないか・この口座で登録するのかを確認し、OKだったらボタンを押します。ぶっちゃけそれだけで完了です。後は持ち運び用のミニ印刷機が控えを作成してくれるので、それを受けとって登録は終わりになります。その時間わずか3分くらい。手書きでなにかする必要はありません。

 説明

しかしその後の説明が少し長いです。今回満期まで、まだ時間がある中、わざわざ登録を急いだのは、契約内容についての見直しもセットで説明したいから。キタよ。キましたよ。そんな予感がしていました。要は、病気する年齢になる前に終身保険に切り替えませんか?という提案です。少しでも年齢が若い頃に契約した方が安くなるから・・ということで、現在アラサーを中心に声をかけているそう。なので20台後半~30台前半の皆さんのところにも同じようなお話がいくかもしれません。

 

ちなみに私は「今はまだ、ここですぐには決められないので、ゆっくり考えて、必要になったときに直接連絡します。」と保留にしました。

 

※強制ではなく説明なので大丈夫ですよ

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保険とかよくわからない

ザキヤマさんも若い客をターゲットに回っていて気づいたこととして、「皆さん実際のところ保険とかよくわからないという方が多いんですよね~。若いと病気もしませんし。保障という風には考えていないのが現状です。」とおっしゃっていましたが、私も元の契約自体は親がしてくれたものだったので、月々お金は払っていたものの、改めて契約について考えたり、見返したりなどはしていませんでした。

 

しかし、これからは、そうはいかないとも思っています。私自身、26歳くらいから年々老いている感は明らかに強くなっていますからね~。それと同時に長生きもしないだろうな・・自分が年寄りになる頃には年金ももらえず、保険にすら入れないほど貧しくなっていたりして・・と、ちょっぴしダークな不安要素もあったりするんですよね。人手不足に人工知能の発展・・。正直、将来はどうやって生きているんだろうという恐怖の方が勝っているので、そこを保障してくれるものがほしいです。私たちが70歳~80歳になる頃には、おばあちゃんになってもバリバリ働いて、自分のことは、なんでも自分でしなければいけなくなるかもしれませんもんね。あぁ・・おばあちゃん保険がほしいよ。

郵便局で手続きを

さて、今回の流れで分かったことをまとめると、別に自宅に呼ばなくても郵便局に直接出向けばいいんじゃない?です。自宅に呼ぶ方が色々と面倒ですよね。(私だけ?)だって、来客用に色々と準備はしないといけないし、めんどくさがりな人間にとっては、お茶を出して雑談とか仕事みたいなものですもん。そういうのが苦手な方は、「〇日に、郵便局の近くに用事があるので、そのついでに寄って手続きします~。」と言えば、用意された必要書類を事務的にこなし、その後の説明もちらっとだけで、淡々と終わりますよ。と、いっても「担当者さんときちんと信頼を築きたいわ」という場合は、自宅でお話された方がいいですけどね。

 

何を話していいかわからない若者へ

コミュ障で知らない人と話せないという大人の皆さん。何気に多いですよね。そう言った方に、どんな話題で時間をもたせるかアドバイス

 

  • ペットの話
  • こどもの話
  • 天気の話

この3つはもはや定番。

  • ニュースの話
  • 仕事の話(を逆に聞く)
  • 病気ネタ(保険の話だけに。健康アピールなど。)

 

まぁ局員さんも、予定がびっしりつまっている中で訪問してくれているので、仕事を終えたら長話している時間なんてないのですが、自宅に呼んだからには多少のおもてなしも必要ですよね。そんなときは「お茶一杯だけでもいかがですか?」と、ほんのちょっとした小話ひとつして、おわりにするといいと思います。相手方がお急ぎのようだったら早めに切り上げてあげるのがいいですし。

おわり

以上が、生命保険の振込先口座登録についてでした!まだ済んでいない方は、あっさりと終わるので、忘れる前にやっておいた方が楽ちんですよ。そうでないと、いざ満期になった時に手続きが大変になるし、ややこしいのが苦手な方や、疎い方にとっては、より面倒になってしまいます。時期によっては窓口も混雑していますし、先延ばしにしていると担当も変わってしまうかもしれないので、早め早めがいいですよ!

 

【スケートカナダ】ジャッジからの厳しい宣告

GPS2017カナダ大会

 

グランプリシリーズ第二戦「スケートカナダ」男女シングルの感想になります。

 

日本からは宇野昌磨無良崇人本郷理華本田真凜選手が出場しました。

 

まず初めに、大会の結果から

 

(女子)

1 オズモンド・・・212.91点
2 ソツコワ・・・192.52 点
3 ワグナー・・・183.94点
4 ヒックス・・・182.57点
本田真凜・・・178.24点
本郷理華・・・176.34
7 カレン・・・170.40 点

9 ポゴリラヤ・・・156.89 点

(男子)


宇野昌磨・・・301.10点
2 ジェイソン・・・261.14点
3 サマリン・・・250.06 点
4 Pチャン・・・245.70点

12 無良崇人・・・186.66点

 

女子の表彰台は、ほぼ予想通り、男子はパトリックが惜しくも4位となってしまいました。(サマリンくんおめでとう)

 

続いて、女子から順に気になった選手の演技をまとめていきます!

 

 

【目次】

 

本田真凜

トップバッターはもちろん、このお方。本田真凜選手です。シニアGPシリーズの記念すべき初戦、大会前のインタビューでは「出発日を間違えていた」など余裕の表情を浮かべ挑んだショートのはずでしたが、冒頭のコンビネーションジャンプでの転倒や、ジャンプの抜けなどで、10位発進と出遅れる、ややほろ苦いスタートとなりました。

通し練習のような演技

本人いわく「練習嫌い」というだけに、今大会はそれがモロにかたちとなって出ていたように思えました。正確にいうと、練習が足りないというよりは、まだ本格的に追い込んでいないという印象。特にショートについては、ジャンプ構成も定まっていない、新プログラムも滑り込めていない、とにかく未完成で練習中です!という演技でした。

スピンやステップを強化

いくら練習嫌いといっても、日本人選手は海外勢と比べると、ハードに練習している方だと思うのです。真凜ちゃんも口では「練習に飽きる」とは言っても、短時間にきちんと集中してマスターできる能力がありますし、故障しないようにバランスを見ながら努力だってしているでしょう。そうです。そう分かっていても、それでも、それにしても、ここ最近のスピンやステップはなかなか安定したものとは言えません。スピンのミスに関しては「ついにか」としか言えない・・。スピンはジャンプと違い練習した分だけ上手くなったり、質を維持できる要素だけにかなりもどかしいです。

厳しい声にもポジティブ

そんな本田選手ですが、さすがに今回は濱田コーチもマスコミの前で、厳しい声を上げていました。「え?コーチが公にここまで言っちゃうんだ」と聞いている方がビクビクするくらいのご立腹。甘い、練習していないからこうなる、私は近所のおばちゃんじゃない、コーチだ!(真面目に話を聞け)、落ち込んでもすぐ忘れる、など、メンタルが鬼弱い普通の女子が言われたら心が折れそうな言葉がズラリ。しかし、本田選手は、この厳しい声に一瞬落ち込むも、すぐに心を入れ替え、フリーではノーミスを果たします。凄い!さすがアスリート!やはり強いではないか~!!普段からコレでいってくれよ~う。

本田+宮原÷2でよろしく

ショートはミス連発で52.60点。フリーはノーミスながらも、ジャンプ2本に回転不足がつき、125.64点という低めのスコアになりました。

ちなみにフリーのジャンプ構成

3Lz 3F3T / 2A3T< 3F< 3S2T2Lo 3Lo 2A

(個人的にはルッツの方が回転大丈夫かな?と思いましたが違いました←)

本田選手は回転不足とは無縁と思いきや刺されちゃいましたね。残念。まぁそれについては、大会にもよるから深く考えないとして、今後はアレコレ構成を変えるよりも、このジャンプ構成のまま練習していくスタンスでいいような気がするなぁ。正直ショートだってルッツを入れなくてもいいと思いますね。メドベちゃんだって入れていないですし。大事なのはジャンプ以外の要素と、スケーティングやつなぎの部分ではないかな。本田選手本人は、かなりのポジティブ思考っぽいので、スケートカナダの思い出は既に浄化されているとは思いますが、勝つためにジャンプの難度を上げて怪我をするなんていう間違った方向へは進んでほしくありません。また逆に、フリーでの挽回が自信になり過ぎて楽勝モードに突入しないことも願いたい・・。本田選手と宮原選手の性格を足して2で割ったくらいの練習になればいいなと思います。

 

とにかく今季は、オリンピックどうこうではなく、シニアとしての本田真凜の完成形を見守ります!

ケイトリン・オズモンド

正直このメンツの中ではレベルが違う選手ですよね。オズモンド選手は。ショートは76.06点、フリーは136.85点。

フリーは自爆

オズモンド選手はここ数試合、自爆癖が落ち着いてきたかな?と思っていたのですが、今大会のフリーでは再発してしまいました。

フリーでの大きなミス

3F3T fall 2A fall 2F

結構激しいミスですが、回転不足がないので他の選手のように致命的なマイナス評価がありません。また、ミスのないジャンプにはすべて1.20~1.70点までの高いGOEがついています。今の世代で、こんな大きいジャンプをとべる選手はオズモンド選手くらい。これだけ良質なジャンプなら、流行りのタノでGOEを稼ぐ必要がありませんし、ロシアを筆頭とするしつこいタノ嵐の中で、正統派ジャンプのオズモンド選手の滑りが好まれるのは何かわかる気がします。(だって今大会はタノる選手ほどジャッジからダメ出しされていたように見えましたもの・・)

ブラックスワンに見えない疑惑

さて、技術の方は置いておいて、演技構成の方を見てみると、どうやらブラックスワンに見えないという世間の声とは違い、高い評価を受けています。

 

Skating Skills 8.96

Transitions 8.82

Performance ating Skills 8.86

Composition  9.11

Interpretation of the Music 9.18

PCS 71.90

 

鳥っぽくはないし、バレエっぽくもない振付が原因だと思うのですが、何よりオズモンド選手自身が放つオーラが「元気・明るい」のため、ブラックスワンにある狂気的な迫力に欠けると思われちゃうんだろうな~と妄想。それでも9点台は出ているし、必ずしもこうでなければならないという表現もないので、どんどん個性を出して頑張ってほしいです。映画のブラックスワンを題材にしているようなので、バレエ感をあえて封印しているのかもしれませんが、もう少し音と動きを合わせてもいいのではないかと思いました。

採点にもやや不満が続出か

ミスも多いし、プログラムも微妙・・そんな風に受け止められつつある中で、ぶっちぎりの優勝を果たし、ファイナルへの切符をつかみかけたオズモンド選手には、スケートファンからも批判的な意見がチラホラと上がっているようです。う~ん、結構なミスでしたしね~。ただ、周りもロシア大会とは違って、単に仕上げてきている選手が少なかったという事実もあるので、全体的にレベルが下がっちゃった分、余計にオズモンド選手のスコアが目立っちゃったのだと思います。他の選手は目視でも分かる回転不足が多かったですもんね。むしろ私は地元採点でありながら、ショートは特別なサービス点もなく、わりと普通だったなぁと思いました。

ノーミスで文句なしの演技を

個人的にはオズモンド選手が好きなので、彼女がジャッジの評価によって叩かれるのはあまり見たくないのですが、どの選手にとっても一試合一試合の評価が大切になっている今、誰もがナーバスかつシビアに結果を見ていくことは当然だし、仕方ないことなんですよね。だからこそ次は文句なしのノーミスで、不満の声を祝福に変えていってほしいな。私はぜひ、ノーミス演技のメドベVSオズモンドが観たい!ほおら、どっちのジャンプが凄いんじゃ~!ってやってほしい。美を争うフィギュアスケートにそれは間違った表現かもしれませんが、このふたりならTHEアスリートな対決が期待できそうなので。

ソツコワ・本郷・ワグナー

この3人は回転不足が課題のトップスリーとなってしまいました。3人とも大好きなのにいつも惜しくて悔しいよー!!

清楚が魅力のソツコワ

タノジャンプで攻めまくりのソツコワ選手ですが、なぜか腕のフォームが Γ になっていて美しさがマイナスになっているような気がして・・タノなしじゃダメなの?と不安になります。ただでさえ回転不足を取られやすい選手は、正常のジャンプに戻した方がいいんじゃないかな~と思うのですがどうでしょう?ソツコワ選手は個性も出きているし、長身なのに動きも繊細で面白いんですよね。このままコツコツと実績を重ねてオリンピックに行ってほしいのですが、回転不足の嵐が怖くて心配です。

調子が悪いわけではない本郷

本郷選手はショートで61.60点で6位、しかしオズモンド選手以外の上位選手の調整具合の悪さや、スコアもほぼ団子状態だったため逆転の可能性もあるか?!という状況でしたが、フリーでは回転不足を5つと、ルッツに!を取られ114.74点という厳しい結果になってしまいました。しかし、ショートもフリーも決して調子が悪かったわけではなく、むしろ調子は上がってきているように思えます。後は回らなくなってきているジャンプを改善するだけ。残念ながらファイナルへの道は断たれてしまいましたが、全日本までの時間に少しでもジャンプがクリーンに決まることを応援しています。今季は、本郷選手の真の魅力が開花されつつある貴重な時だと思っているので、たとえ代表選考がどんな結果になろうとも、開花した本郷選手を見るまではファンのシーズンは終わらないぞ~という思いで応援しています。

元気のないワグナーは見たくない

ワグナー選手も上のふたりと同じでジャンプ狙われまくりです。調子が悪いわけではないのでしょうが、まだ仕上げてはいないという感じ。フリーは回転不足が3つと、エッジエラーがとられ、122.37点でした。笑顔が曇っていくのを見ると切なくなってきます。それにしても北米の選手は皆さん日焼けが凄いですね。休むときは休んで追い込みはこれから!というところかな?全米までに調整していく姿を見守ることにします。

ポゴリラヤ選手について

驚いたのはポゴリラヤ選手。ショートは69.05点と、まずまずなスタートでしたが、フリーは崩れる崩れる。しかもオズモンド選手のブラックスワンの後にブラックスワンを滑るという流れ。黒鳥対決になるはずが、地元から「がんばれ」拍手が鳴るほどのミスを連発し、87.84点で演技を終えました。冒頭のコンビネーションジャンプから「あぁ足りない」という回転でしたが、おそらく本人もそう感じていたのでしょうね。とんでもとんでも詰まってしまう着氷に力みが出たのか、ジャンプが抜けてしまいます。するとそこからは一気に抜けが加速し、スピン前には、お腹から転倒。珍しい転び方に驚きましたが、ポゴリラヤ選手は基本的に危ない転倒が多い選手でもあるので、そこはかなり気になりましたね。いつもお尻からではなく、背中やお腹から飛び込むので、いつか大けがに繋がるのではないかとヒヤヒヤしています。あれは痛いだろうし、演技もやる気ない風に見えちゃうし、キツそう・・。仕方ありませんが、5点台をだしているジャッジもいるし、ロシア人の目も厳しそうで、メンタルがつぶれないか心配です。

 

以上が女子の感想です。全体的にロシア大会と比べると、低レベルな内容になってしまいましたね。ある意味大穴チャンス大会だったんじゃ・・樋口・三原はもったいない、ここまでの2試合を振り返ると、スケートカナダの鬼厳しいジャッジに心折られるよりも、激戦区で思うような順位を残せなくても、ライバルよりハイスコアを保持できた方が本番では役に立ちますよね。今の段階で好調の選手も、この先まで続くか気になるし、その逆も心配です。何気に日本は代表争いで切磋琢磨しているうちに強くなっているのかも?ロシアもザギトワ・メドベージェワのふたりとその他にはただならぬ壁があり、もうそのふたりを狙って戦略立てていけばいいような感じ?(は、楽観的すぎか)まだ、大会に出てきていない選手もいるので安心はできませんが、次の中国大会では神演技連発のハイレベル大会を期待しています!

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男子のまとめ

最後に男子をまとめていきます。短めに。

宇野昌磨

さっそくの300点台きましたよー!ショートは「体が動き過ぎてジャンプが回り過ぎる」なんて言ってましたが、フリーでは調整が進み、制御できたようです。4Loに4Fに4T×2にハイパー3A×2に・・よくあんな構成で滑れるねって感じ。もう納得の滑りです。優勝おめでとう!それにしても、「ピョンチャンってどこですか?オリンピックって韓国でやるんですか?」に続き、「次ってロシア?フランス?かわからないけど頑張ります!」という次戦の開催地すら知らない神っぷりは凄いです!地理が苦手だから時差も苦手なのかな?韓国がどこにあるか分かってるかな?ピョンヤンと間違わないでね。お姉さん心配です。

ジェイソン・ブラウン

私がジャッジだったらキスクラであんなに嬉しそうな顔されたら「評価した甲斐があったーー!!」っとガッツポーズしちゃいますね。ジェイソンは毎年プログラム選びも優れていて、何だろう・・もし高難度ジャンパーたちが総崩れしたら、あっさりオリンピックメダルを獲得してしまうかもしれない怖さがあります。アメリカ的にはネイサンとジェイソンの真逆なスタイル、どっちがいいのでしょう?せめて4回転1種でもクリーンにとべればなぁ。

無良崇人

ちょっと、ちょっと!ここにきて不調な無良選手です!代表枠の3人目に入れるか、めちゃくちゃ心配になってきました。なにが原因なんでしょう。焦り?思いが強すぎてコントロールができない?誰かが言っていました。人間死ぬ気でやると、本当に死んでしまう(精神的・肉体的に疲弊する)から、こ〇す気でやれ!と。見えない敵を打ち破るつもりでやった方が健全なんですって。だからまず、お落ち着いて、しっかりと自信を積んでいってほしいです。頑張れ!

パトリック・チャン

フリーの自爆がなければ3位でしたね。それでも、ここまで続けてくれていることが嬉しい!何がなんでも、この先、ショート・フリーを揃えてオトナな滑りを若者たちに見せつけてやってくれい!私はPチャンストーリーを最後まで見届けるぞ!できれば、もっとショート・フリーで違う感じの振付にしておくれ。

 

男子は短いですがこんな感じで終わりにします。宇野選手の飛ばし具合が怖いよー。どっかでバランスとっておかないと疲労がドバっときそうでドキドキします。でもでも男子はそのシーズンのGPファイナリストがオリンピック金メダリストになる可能性が高い説もあるので、どうなるんでしょうね~。ボーヤンはどんな感じかな。これから出場してくる選手が楽しみです。

 

スケートカナダは辛口ジャッジでしたね。次回は火花散る中国杯!お見逃しなく!

 

職業差別?泥酔客が降車後凍死→タクシーに賠償命令

 

今回は、書こうかどうか迷っていた内容について少し触れたいと思います。

 

最初に以下の記事をご覧ください。

 

 

泥酔学生下車し凍死、タクシーに賠償命令 松山地裁

松山市の山中で07年、愛媛大学医学部の男子学生(当時23)が凍死したのは個人タクシーの運転手(64)が泥酔した学生を現場付近に降車させたためだとして、遺族が慰謝料など5千万円を求めた訴訟の判決が24日、松山地裁であった。武田義徳裁判官は「最寄りの警察署などに降車させるべきだった」として安全配慮義務違反を認め、約4100万円の支払いを命じた。

 判決によると、学生は07年12月21日夜、松山市内で友人らと酒を飲み、22日未明、帰宅するため1人でタクシーに乗った。運転手は松山市玉谷町の国道で降車させ、学生は約200メートル歩いたところで石手川の河原に転落して凍死した。降車場所は学生の自宅から約4キロ離れた山中だった。

 裁判で運転手側は、降車時の状況について「学生が停車を指示し、『間違いないのか』という問いに対して『ここでいいです』と答えた。酔っているようには感じなかった」と主張した。しかし、判決は、学生の飲酒量やタクシー内でのやりとりなどから「学生は泥酔しており、運転手も認識していた」と認定。こうした主張を退けた。

 そのうえで「運転手は現場付近の地理に詳しく、泥酔した学生を降車させれば、転落や凍死の危険性があることは明らかだった」と指摘した。

ソース 朝日新聞デジタル

 

さらにもうひとつ

 

泥酔客がタクシー降車後に凍死…4千万賠償命令の波紋

 泥酔学生を乗せたのが運の尽きだったのか-。2007年12月22日未明、愛媛県松山市内で凍死した愛媛大医学部5回生の男子学生(当時23)の遺族が、学生を現場付近に降車させた個人タクシーの運転手(64)に慰謝料など5000万円を求めた訴訟で、松山地裁は24日、運転手の安全配慮義務違反を認め、約4100万円の支払いを命じた。当然ながら、同業者からは不満と不安の声が噴出している。

 判決によると男子学生は12月21日夜、松山市内で友人らと酒を飲み、22日午前1時ごろ、帰宅のためタクシーに乗車し自宅方面の住所を告げた。男子学生は約20分後、自宅から約4キロ手前の山中、同市玉谷町の国道317号で降車。降りた男子学生は歩いて約200メートル引き返しガードレールの切れ目から石手川の河原に転落。頸椎を損傷し午前5時ごろ凍死した。

 男子学生の遺族は「断崖絶壁が続き、約70センチの低いガードレールしかない危険な場所に泥酔状態の乗客を漫然と降車させた運転手には安全配慮義務違反がある」と主張。

 運転手側は「計8回行き先を聞いたが、すべて『直進』と言われた。降車時も『ここで降ろせ』と指示され、正常に歩き出したのも確認した」と反論したが、判決で裁判長は「運転手は現場付近の地理に詳しく、泥酔した学生を降車させれば転落や凍死の危険性があることは明らかだった」と結論づけた。

 夕刊フジの調べでは、22日の気温は午前3時が10.6度、4時が10度。この気温で運転手は本当に凍死の危険性が認識できただろうか。

 『タクシードライバーの言い分-運転席からの人権宣言』の著書がある重信幸彦・北九州市立大教授(民俗学)は「法律家の正論のみで裁いた今回の判決は、現場に大きな矛盾と混乱をもたらす可能性がある」と懸念する。

 「現在の法律では、客が『降ろせ』と明確に指示して料金も支払えば、現場の運転手の判断で『降ろさせない』のは非常に困難。降ろす場所も、高速道路上など法律で乗降が禁止されている場所や、徒歩が極めて困難な山道などでないかぎり、自力で降車した客を見送った運転手に責任は問えないのではないか

 一方、都内の現役タクシー運転手は「われわれには泥酔者の乗車拒否が法律で認められている。拒否できる泥酔者を、利益優先で乗せたと法的に判断されたら、深夜の国道に降ろしたことが安全配慮義務違反に問われるのは仕方ないかもしれない」と語る。「ただ、今回の裁判のように運転手の証言が一切認められないなら、今後は酔客を警察に即保護してもらい、料金も立て替えてもらわないと割に合わないね」

ソース Rakuten infoseek news

 

この事件は今から10年ほど前のもので、記事はそれぞれ別の情報元から発信されたものになりますが、現在どちらの記事も削除されているため、どこかにこの事件について書かれた情報が残っていないか探したところ、以下のブログに該当する記事がありましたのでお借りいたしました。

愛媛大学医学部5年生が泥酔し凍死したのはタクシー側の責任?

 

 

ふたつの記事をまとめると

 

  • 事件は2007年の冬に起きた
  • 泥酔した医学生を乗せたタクシーが、客に「降ろせ」と指示された場所で降車させた
  • 客はその後、200メートル先の川に落ちて凍死
  • 遺族がタクシー運転手を訴える
  • 松山地裁は、タクシー運転手に対し「安全配慮違反」として4100万円の支払いを命じた

 

 

すべてタクシー運転手のせいなのか

 最近はやたらと「人のせい」にする流れがどこにでもあると感じます。特にサービス業で理不尽なクレームに追われ、ストレスを抱えているという方々は多いのではないでしょうか。この事件、裁判の詳細や証拠については深いところまで書かれていないので、私自身もこの記事に載っている内容でしか語れませんが、パッと見ても10対0の勢いでタクシー側の責任になっているのは、あまりにも酷ではないかと思うのです。

 

確かに大切な家族を亡くしてしまったご遺族の悲しみや無念さは計り知れませんし、そこについては、お悔やみ申し上げます。「こうであれば死は防げたかもしれない・・」と思う気持ちも家族の立場になれば誰でも考えてしまうかもしれません。

 

しかし、このタクシー運転手の意見を全く無視したこの判決には、疑問と同情しかありません。そもそも住所もわからない、お客さんもここで降ろせといっている・・それなのに勝手に交番まで連れていったら、それはそれで訴えられる・・。運転手はどちらにしても守られていない状態であり、「正しくない」と責められる立場なのです。

 

 

どのように対応すればいいのか

この事件はまず、「お客が泥酔していた」というところから始まります。一方、運転手は「酔っているようには感じなかった」と主張。ここでの酔っていなかったというのは、歩けないほど泥酔してはいなかったという意味かお酒を飲んでいたようには見えなかったというのかは分かりませんが、おそらく飲み会の帰りに乗ったタクシーということなので、前者だと仮定すると、付き添いなしにひとりでタクシーに乗ることができ、受け答えも可能で、支払いもしっかりできたことから、運転手は「お酒を飲んでいても危険ではない範囲」と認識した可能性はあるでしょう。実際にお客さんが停車を願い出た時にも「ここで間違いないのか」を確認し、承諾を得て、歩き出したのを見届けてから現場を去っていますし、既に携帯電話が普及していた時代だったこともあり、途中で具合が悪くなっても助けを呼べる状態で、問題のない対応だったと思っていたかもしれません。

 

ただ、10年前の事件ということもあり、これらのやりとりが本当にあったのかというレコーダーやカメラでの証拠がないため、ご遺族からすると「酔っているのに、なぜこんな場所で!」という疑いが、どうしても生まれてしまうのでしょうね。

 

基本的にお客さんから「降ろせ」と言われたら、運転手側の立場としては拒否をするわけにはいきません。それなら、どうするべきだったのか。自宅が分かれば、そこまで安全に送り届けることもできますが、お客さんの中には「夜中に帰宅するのを近所の人に見られたくない」という理由や、プライバシーから他人に自宅を知られたくないという理由から、あえて自宅から離れた場所で降車する方もいるため、強要はできませんよね。さらに金銭的なことが理由で「ここで降りないとマズイ」と途中で停車する場合もあるでしょう。それでも飲酒したお客さんなら、必ず自宅まで帰宅したしたことを確認しなければならないとなると、これはもう法律自体を変えないと難しい問題だと思います。

 

 

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どうしたらお互い傷つかずに済んだのか

「最寄りの警察署に連れていくべきだった」

これが地裁の結論ですが、これもお客さんから「そんなことは頼んでいない」と支払いを拒否され、もしくは「金のためにメーターを稼いだだけではないか」といわれたら、それこそ大事になってしまいます。ただ、これが法的に認められているのなら何の問題もありませんし、皆さんそうするでしょう。警察が料金含め、責任をとってくれるのですからね。

 

たとえ泥酔者の乗車拒否が認められていたとしても、現状多くの飲み屋がタクシーを利用しています。これは当たり前ですが、飲酒運転ができない限り、飲酒をしたらタクシーが必要になる矛盾がある以上、乗車拒否などできない状態です。すべてのタクシー会社がこれをすべて拒否したら、世の中から飲み会がなくなってしまい、飲酒運転による事故も増えるでしょう。もっといえば運転手側だって酔っぱらいを相手にするのは恐怖なんです。中には暴れたり、いちゃもんを付けたり、理由を付けてお金を払わない迷惑な人間だって存在する。そこを刺激しないように、やり過ごしている苦労を考えると、裁判官には、もっと、この仕事に対して色々な目線で見てほしかったなと思ってしまします。

 

この事件も、お客さんを無事安全に自宅まで送り届けられるような「法律」があれば、お互い傷付かずに済んだでしょう。

 

今のままでは、タクシーによる泥酔者の乗車が禁止されていたとしても、お客さんが徒歩で帰宅した際に死亡した場合も、同じように、泥酔するまで酒を提供した居酒屋や、友人が訴えられるという流れに変わるだけになりそうです。(そもそも単なる飲酒と泥酔の判断にも個人差がある)

 

 

もう少しに踏み込めない社会

タクシー運転手と限らず、多くの職業の場面で、なかなかお客さんに踏み込めないラインがあると思います。お客さんの立場からすれば「お金さえ払えば」どんな小さなことを要求できても、会社の立場では「どんな事態であっても」マニュアル通りにしか動けません。お客様は神様で、会社は常にリスキーなのです。この事件でも、もしかしたら、

 

客「ここで降ろしてください」

タクシー「ここでよろしいのですか?」

客「はい」

 

の後に

 

タクシー「失礼ですが、お客様は飲酒されています。時季が時季なので、ここで降車するとお客様の安全が保障されないため、万が一に備えてご自宅までお送りさせていただきます。」

 

仮に「結構です」・・と断られても

 

タクシー「これは義務ですので、ご了承ください。」

 

までが言える世の中だったら、最悪の事態は回避できたかもしれません。これを拒否するには、「拒否」をした証拠を残し、その後については「自己責任」というかたちにしてもらわなければなりません。そもそも泥酔しているお客さんに、きちんとした判断力があるとは思えませんが、会社としては、どこまでお客さんの面倒をみるのかについて区切りがないと、何も成り立たなくなってしまいます。

 

上の会話でさえ、お客さんが、「この運転手は自分の言う通りにしない」と激怒したら、それがどんなに正論であろうが、間違いになるのが日本の社会。しかし、死人に口なしなので、なぜこのお客さんが途中で降車したかは分かりません。本当は降りたくなかったけれど、吐き気がしたので迷惑になる前に、やむを得ず降りたことも考えられるため、もしそうだとしたら、遠慮なしにそれを告げれたら良かったのかもしれません。これもまた、迷惑や遠慮という日本社会が生んだプラスにもマイナスにも作用する闇。なんでも社会のせいにするのもいけませんが、察することに慣れ過ぎた私たちは、時にそれに甘え、正しい主張から遠のいてしまっているのも事実です。

 

今後このような事件をなくすためにも「あともう少し」が主張できる世の中に変わってくれたら・・と思いました。

 

 

弱者と差別

今回は、あまりにもタクシー運転手に対して不利な判決だったのと、亡くなった方に対しては悪く言いたくないという思いから、この事件に対しての直接的な意見というよりは、「どの業種にも起こりうる流れ」として書かせてもらいました。そのため、やたらと仮定や想像文が多く、具体性や説得力には欠けますが、「言いたいことは分かる」と少しでも共感していただければ幸いです。

 

なぜ今になって、このような過去記事を取り上げたのかというと、私にとっても、とても身近なニュースだったため、やはりここで一度、声にしたいと思ったからです。何を身近に感じたか、というと、それは「タクシー運転手に対する職業差別」についてです。私はこの判決の根底には「職業差別」があると思いました。

 

「どうせタクシー運転手の言い分なんか・・」「タクシー運転手なんてしている奴は・・」という見下した態度。さすがに裁判官がここまで下げているとは思っていませんが、世間的にはこういう見方で差別している方もいらっしゃいますよね。テレビでも芸能人がタクシー運転手の悪口を語る場面は珍しくありません。あれってなんなのでしょう。特定の職業を、有名人が全国ネットで名指しで否定する行為。逆にその時の、あなたたちの態度も100パーセントクリーンだったと言い切れるのでしょうか。一般人を前にして「芸能人だから」と勘違いしている方だってたくさんいますよ。本人にはそのつもりはないのかもしれませんが。しかし、こうした芸能人の「声」による影響力というものは、私たちの中に、知らず知らずに浸透しています。

 

身近な職業差別の例:私の周りにも、定年まであと数年という時に、会社が倒産し、その後タクシー業に就いた人がいます。正直、田舎で60近い人間を雇ってくれる職場といったらタクシーくらいしかありません。年齢が上がるほど、深夜まで及ぶ勤務は過酷ですし、体力もついていかない・・。勤務がハードで人の入れ替わりが激しいのも事実だそうです。近年はタクシーを狙った詐欺や強盗事件があることから不安も大きい業務。それでも、再就職先に困っている人にとって、働ける場所があることは、ありがたいのです。また、定年退職後に、少しでもお金を稼ぐためにとタクシーにやってくる高齢者もいます。ご主人が亡くなられて、食べていくためにタクシー運転手になった女性もいます。「こんな年でも正社員で雇ってくれるのはココだけだから」そんな思いで、働いている人は多いです。(もちろん個人タクシーで御殿を建てている方や、好きでこの仕事をしている若者もいます)

 

そして、人それぞれに背景があって、現在がある中で、タクシー運転手になってからやたらと世間からの扱いに差を感じている人もいます。「タクシー運転手」というだけで威張られたり、馬鹿にされたり・・。元有名企業勤めや社会的地位を持っている人間だとしても、タクシー運転手になればそれは同じ。世間が「肩書」で態度を使い分けていることを知り、心が病んでしまいます。

 

「自分にとって道を覚えることは、前職でしていた仕事よりも難しい」

 

これを言った方は、高学歴で、前職が結構すごい職業。そういう方はごまんといたので、具体的になんの職だったか忘れてしまったのですが、仕事内容のイージーさ、ハードさは見た目や言葉だけじゃ伝わりませんよね。実際に経験してみて、その大変さが分かると思います。

 

だからこそ、職業に差別はあってはならないし、その立場になって物事を考える必要があるのではないでしょうか。

 

64歳に4100万円の支払いは不可能に近いですよね。医者が風邪気味の患者を診察後、そのまま帰宅させて、途中で熱が上がった患者がふら付いて川に転落したら、果たして医者に安全責任が本当に問われるのか気になります。

 

この事件の、この判決は、明らかに弱者として受けてしまった要素が高いと思います。

 

 

真実は闇の中に・・

この事件のその後については続報もなく、結局どうなったのかは分かりません。そもそも、こういった判決になった詳しい経緯すら分かりません。つい最近も泥酔者が友人と別れた後、線路上で眠ってしまい、亡くなった事件がありましたが、あの場合は電車を止めた罪の方が大きくなり、残された遺族が大変な思いをすることになりました。しかし、「これも訴え方によっては、あの事件ような判決になるのか?」と少々疑問を抱きましたが、おそらくそれは無理ですよね。泥酔者を玄関に入るまで見届ける義務がない限り、そこまで介抱することを誰にも求めることはできません。それが意図的な犯罪だったら別ですが、多くが「大丈夫そうだな」と思ったら、そこで役目を終えるのが普通だと思うのです。

 

意外と泥酔者が堀に落ちて亡くなったり、路上で眠って轢かれたり、凍死する事故は、身近にあります。いや、かなり多いですし、これから忘年会シーズンや新年を迎えるにあたって、飲み会は頻繁に開催されるため、このような事故はどこにでも起こりうることです。タクシーの利用率も増え、忙しくなってくるでしょう。同じような被害に合わない・合わせないためには、ひとりひとりの行いが重要になってきます。自身のお酒の飲み方、一緒にお酒を飲む相手、そして家族が第一に気をつけ、それに関わるすべての人も、いつ、どのようなかたちで事件が発生するのかを考慮し、付き合っていかなければならないと感じました。

 

最後にこの事件とは関係ありませんが、酔うと毎回タクシー内で嘔吐したり、トイレを我慢できなかったりして、乗車拒否され逆切れなんてする人も、世の中には存在するようですが、人様の迷惑にならないような飲み方を心がけてほしいですね。

 

おわり