オオカミのとおぼえブログ

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ワタシが日本に住む理由「本場から来たパン職人 日本のあるパンに仰天」

BSジャパンで2017.1.23に放送された「ワタシが日本に住む理由▽本場から来たパン職人 日本の◯◯パンに仰天」についての感想になります。


この番組を知ってる方はいらっしゃいますか?私はたまーに見るのですがマニアックな外国人がたくさん出てきて尊敬します。日本に来るまでの行動力やその後のガッツ、そして何より夢を追う姿がカッコイイんですよ。機会があったら是非ご覧ください!

 
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フランス出身のパン職人

今回番組が取材したのはフランス・ヴィリージャティヨン出身のパン職人、メル・パトリックさん(45)。日本在住24年。現在は日本人の奥様と広島県東広島市西条で小さなパン屋を営んでいます。

 

祖父、父と警察官のパトリックさんは小さい頃からお菓子作りが大好きで、やがてフランスでパン職人となります。しかし21歳の時、友人の兄から日本でパン職人をしないかと誘われ来日。以降パトリックさんは日本で生活することになりました。

 

 

「日本人にパンを教えてやる!」

当時日本人はごはんしか食べないと思っていたパトリックさんは「日本人にパンを教えてやる!」と自信満々に来日したそうです。しかし、その考えは日本のパンを見て覆されました。その一つとして、まず日本のパンの種類の多さ。フランスにあるパンは約20種類くらいと言われています。一方、米食のはずの日本には100種類以上ものパンがあるではないですか!!パトリックさんはこれにびっくり仰天します。さらにもう一つ驚いたのは、日本で初めて見た"あんパン"パトリックさんは穴の空いていないパンにどうやってあんこを入れているのだ!!と衝撃を受けたそうです。

 

有名な話ですがフランスのシュークリームのクリームはシューに穴を空けてからクリームを入れますよね。反対に日本のあんパンはあんこを包んで作ります。パトリックさんはこの"包む文化"に魅了されて、もっと日本でパンの勉強をしたくなったのです。

 

 

日本の好きなところ

そんなパトリックさんが思う日本の好きなところは、何と言ってもお住まいの東広島市西条。地元の方たちの温かさや町並みを誇らしげに紹介されていました。また、いかにも外国人らしい視点だなぁと笑ってしまったのは日本のガソリンスタンドのサービスが大好き!というところ。フランスではお金を払わないと窓なんて拭いてもらえないのに、日本では無料でニコニコ拭いてくれるので「自分に気があるのか?!」と初めは思ったそうです…(笑)あとは"こたつ"や"どうも"だけで済む面倒くさくない挨拶も気に入っていると語っておられました。あれ?みんなハグとか好きでやってたんじゃないの(笑)?

 


かわいいパン屋さんラパン

さて、いよいよパトリックさんのお店のお話をしていこうと思います。パトリックさんの営むパン屋さんは東広島市の西条にある"ラパン"という名前の小さくてかわいらしいお店です。ラパンはフランス語でウサギさん。お店の看板や店内の至るところでウサギマークを目にします。実はこのお店にあるウサギマークのアイテムは近所の方々からのプレゼントなんだそうです。皆さんが手作りのシールやメニュー表用の木彫りの枠など提供してくれるおかげで凄くありがたいし、助かっているそうですよ。

 

ちなみに、このラパンという名前も最初はフランス語でパンを意味するル・パンにしたかったけれど日本でルパンと言えば完全にルパン三世のイメージがあるので少し変えてラパンにしたとのことです。(日本ではラパンもルパンもどちらも有名ですよね)

 

お店のオープンはAM6:00から!早いですが、出勤前のお父さんや学生がお弁当がわりに買っていくたあえてそうしてるんですね。イチオシメニューは県外の方まで買いにくると言う、じゃがいものクロワッサン(¥164)さっくさくで、食べるとパンがポロポロ落ちていってとても美味しそうなんです!食べながらポロポロ落ちるクロワッサンは本場の味間違いなしです!

 

 

他にもこんなパンがオススメされていましたよ

・クロワッサン ¥184
(唯一フランスのバターで作っている商品だそうです)

・バゲットパリジェンヌロングサイズ ¥248

・やま食パン ¥184

・牛スジカレー ¥151

 

…などなど、この他にも色々な種類のパンがあり、新商品も次々出てくるらしいです。パンを作るにあたってのこだわりは、その土地の風土にあった食材を使うこと。日本では最近パンにフランス塩を使うのが人気ですが、日本のパンには日本の塩が一番合うとおっしゃっていました。確かに本場の味が美味しいのは、地元産の食材で作っているからこそだと思いますね!

 

 

西条に住んで12年、今後の夢など

来日して24年、西条に住んで12年になるパトリックさん。最後は、そんなパトリックさんの今後の夢を好きな漢字と共に語っていただきました。まず、好きな漢字は挑戦の「挑」です。その理由は、来日した時、言葉・仕事・文化のすべてがチャレンジだったこと。また、お客様に対しても常に新しいパンを楽しんでいただけるようにチャレンジしていかなければいけないという思いから選んだそうです。すると突然パトリックさんは未発売の酒粕を使って作ったバゲットを試食させてくれした。実はパトリックさんの住む西条は酒に適した水と酒米が豊富にとれることで、江戸時代から酒造りが盛んに行われ繁栄した土地で"酒都西条"とも呼ばれているくらいなんです。そこで、こちらに移り住んでからお世話になっている西条の皆さんに恩返しがしたく、地元の酒造「賀茂泉」さんの協力を得ながら酒粕を生かしたパン作りに励んでいらっしゃるんだそうです。これぞまさに地元産の食材で作るパン!いつか名物になって、西条への恩返しになると良いですね。

 

ここで少し「逆に日本にもの申したいことはありますか?」と聞いてみました。それは何かと言うと"結婚式!"日本の結婚式はなぜ手前に家族ではなく会社の上司がいるの?と少しお怒りモードなパトリックさん。わかります。おめでたい日まで他人に全神経を注がなければならない我が日本文化!でも良くも悪くもそれが日本なんですね~。

 

 

フランスの羨ましいと思ったところ

余談ですが、パトリックさんの話の中で私が羨ましいな~と思ったところを紹介します。

 

フランスでは16歳になると仕事現場で働きながら専門学校に通うシステムがあり、そこで2~3年の実技期間を終えるとCAP(セアペ)というフランスの国家資格が授与され、国が給与の値段を保証してくれる制度があるそうです。ちなみにフランスでは2/3が進学し、1/3は職人の道に進むため料理人やパン職人になりたい人はこちらの制度を利用するとのことです。この制度実に羨ましいです。18歳で成人というのもありますが、16歳で人生決断できるフランス人も凄いですよね。日本も伝統工芸品など守らなければならない文化に対して、このくらい大きい援助があれば良いのになぁと思います。"職人さん"はいつの時代も大切にしたい宝ですし、もっと挑戦しやすい世の中だと良いなーと思います。

 


おわりにMs.オオカミによる全体の感想(いらねーよって言わないでね)

日本のパンに衝撃を受けたパトリックさんでしたが、私はフランスで食べたクロワッサンに衝撃を受けました。あんなに美味しいパンは人生で初めてですし、未だにあれ以上のパンには出会えていません。今思うとバターからして違うんです。いくらに日本で同じものを再現しようと思ってもなかなか上手くいかないんじゃないかなぁと素人ながらに感じました。フランス文化と日本文化は古くから影響を受け合っていて、お互いが自分たちにはない魅力に刺激を受け続けていますよね。パトリックさんもその中の一人なのかな、と思います。

 

夫婦で始めた小さなパン屋さんも建てるときにあえて小さくしたのは2、3人のお客様が来てくれただけでも賑やかに見えるからだとおっしゃっていました。今では地元の方々から愛されるアットホームで人気のパン屋さんです。将来は息子に継いでもらいたいか聞かれると、フランスではお店は"譲る"のではなく"売る"と教えてくださいました。それは息子だろうが関係ありません。その理由は自分が苦労して守ってきた物を簡単にあげるのではなく、責任持って受け渡したいというフランス流の考えからきています。日本とは違うけど、でもどこか似ているフランス文化。

 

パトリックさんもこう言います。「日本のお店には必ず開店前には"準備中"と書かれた札がありますよね。私はあれが親切だなぁと思って大好きです。フランスにはありませんから。」

 

やっぱりお互いにない新鮮さに魅了されるのかな?そんな風に思いながら、ここのクロワッサンはホンモノだーと食べたくなりながら番組を見終わったのでした。私は遠すぎて簡単には行けませんが、距離的に可能な方は行ってみてはいかがでしょうか?きっと日本の"包む文化"を利用した色々なパンが楽しめるはずですよ。

 

ラパン

住所 広島県東広島市西条町寺家7136-6

営業時間 

夏季

6:00~18:00

冬季
平日7:00~18:00
土曜日6:00~18:00

定休日月曜日

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。