オオカミのとおぼえブログ

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マリン+アルトゥニアン=北京五輪?転校に渡米の決断はいかに?!

※2018.7.11追記あり

 

2018年3月31日、それはスケート界のビックイベント「スターズ・オン・アイス」が大阪にて初日公演を迎え、胸が高鳴る頃でした。

 

2016年、2017年の世界ジュニアでそれぞれ金・銀メダルを獲得後、翌シーズンにはシニアに転向し、一躍脚光を浴びた本田真凜選手から、練習拠点を日本からアメリカに移すことが発表されました。

 

長らく喜怒哀楽を共にしてきた濱田美栄コーチから離れる突然の決断に、驚かれたファンの方も多かったのではないでしょうか。

 

さらに、拠点の変更と合わせて明らかになった関西大学高等部から青森山田高校への転校について「そんなに環境をガラリと変えてしまって大丈夫なのか」と心配する方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

そこで今回は、本田選手がこれらの決断に至った経緯や、噂されていることなどを現在メディアで流されている情報を考察しながら紐解いていきたいと思います。

 

 

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兄の太一選手と渡米するとのこと。いってらっしゃい。

 

新コーチはラファエル・アルトゥニアン

本田選手が新たに指導を受けるのは、あの浅田真央さんも一時期指導を受けていたラファエル・アルトゥニアンコーチです。アルトゥニアンコーチといえば、現在はアメリカの4回転ジャンパーで2018年世界選手権金メダリストのネイサン・チェン選手や、本田選手憧れのアシュリー・ワグナー選手を指導していることでも有名な敏腕コーチ。このアルトゥニアンコーチの元で練習するために、これまで練習していた関大リンクからアメリカのリンクへと拠点を移すこととなりました。拠点変更の理由について本田選手は「環境を変えることで新しくスタートできたら・・」と語っています。

 

五輪落選・・シニアデビューは苦しい結果に

「去年の悔しさを今年は晴らすようなシーズンにしたい」

夢の舞台だった平昌五輪から落選後、いかにして気持ちを切り替えるかを悩んでいた際に出した結果が、全体的なレベルアップとトップ選手についていくために、自分を追い込める場に拠点を置くという決断でした。華やかなジュニア時代の経歴と比べ、シニアデビュー後は成績が思うように伸ばせず、濱田コーチから厳しい言葉を受けることもあった本田選手。外野からは、そんなふたりの様子を見て不仲説や破門説が飛び交い、それが移籍の真実だ!という意見もありますが、個人的にはこの決断には、マスコミや世間の注目から離れ、しっかりとスケートだけに集中できる環境を求めたことが大きいのではないかと思っています。

 

天才に忍び寄る罠

シニアデビュー後、私たちはネットニュースやテレビで”本田真凜”の名前を見ない日はありませんでした。来る日も来る日も真凜ちゃん、真凜ちゃん。まだ高校生になったばかりの子に、まるで自分がアイドルであるかと錯覚させるようなスポットライトの当て方に「このままでは業界の餌食になってしまう」と危険視し、メディアに不快感を持つファンが増えたことは否めませんでした。しかし10代の女の子に、完璧なメディア対応など求めても、修行増のような人間でない限り、その罠に嵌らないことは難しかったと思います。また、本田選手の場合は芸能界で活躍する妹たちが同じ環境にいることで、完全にスケートとメディアの世界との間にスパッと線を引くことが、環境を変えない限り手段がなかったとも見れます。

 

アスリートとアイドルの線引き

近年、試合では競技としての観戦ではなく、本田姉妹の追っかけとして試合に足を運ぼうとする気味の悪い大人がいたのも事実です。某掲示板には未成年に対する不適切な書き込みや、明らかにおかしな目で彼女たちを見ていながら試合やショーで近づこうとする通報モノの書き込みも見られました。このような怖いファンが生まれてしまったからには、日本でこれ以上「本田姉妹」として注目を浴びつつ、練習していくには危険を伴いますし、集中するためにもタレントなのかアスリートなのかをはっきりと、その方たちにも理解してもらう必要があると思っていたので、ファンとしては渡米という選択はとても良い機会だったと思います。

 

ポスト”真央”の呪い

大切な五輪シーズンに「メディアの罠」に陥った本田選手でしたが、最後の最後で本人を最も苦しめたのは、全日本選手権で五輪代表を逃した直後でした。メディアは手のひらを返したように「実力のない選手なのにポスト真央だから五輪に行けると騙された」と言わんばかりに、本田選手のイメージを下げるような方向に変わっていきました。勝手にポスト真央と名付けて、世間に期待をさせたのはメディア本人なのに・・です。そもそもポスト”真央”の定義が分かりません。トリプルアクセル?人気?スポンサーの数?戦歴?メディアにとってのポスト真央とは一体どういう意味だったのでしょう?個人的にはいちいち歴代選手の個性に他の誰かを当てはめる必要は一切なく、浅田真央浅田真央本田真凜本田真凜で唯一無二だと思います。こういう表現は双方のファンや世間からも誤解を生みやすいのに、なぜあえて使うかな・・と言った感じでもどかしいす。

 

わからない涙の理由

それでも心機一転で環境を変えて、スケートを頑張ろうとしている現在の本田選手の姿には、正直「めちゃくちゃ根性あるじゃん!」と、その覚悟が嬉しくてしかたありません。なぜなら五輪落選後には「五輪に出られなかったから悔しいのではなくて、自分の気持ちが全然分からないのが苦しい」と泣いていたんですよ?涙を流しながら五輪を観て、チャレンジカップでもボロボロだったんですよ?本人は「自分の気持ちが分からない」と言うけれど、実はその涙がすべての理由を代弁しているんですよね。”取り返しのつかない過ちを犯してしまったという意識”が涙になって知らせてくれたのです。そうでなければ後悔なんて出来ませんからね。後悔できる選手だからこそ今度は正しい道を歩んでいけるのでしょう。

 

関大ともお別れ

今回コーチ変更より何より驚いたのは、青森山田高校への転校です。正確に言うと、普通科のスポーツコースに在籍中とのこと。青森山田と言えば、卓球の福原愛選手が在籍していたことでも有名ですよね。卒業生の中に五輪メダリストがいるという環境は、海外拠点になる本田選手にとっても心強いのかもしれませんね。しかし、今まで関大(しかも初等科から)というリンクつきの環境から、雰囲気もガラリと変わるであろう青森山田に転校するというのは、これもまた今まで周囲にいた人間とは違う出会いもあるわけで、結構大変そうではありますが、アスリートにとって理解のあるカリキュラムでないと高校卒業自体が難しくなってしまうので、かなり思い切った決断だったのではないかと思います。それくらい4年後に賭けているのでしょう・・。頑張ってほしいですね。

 

半年で結果を求めては酷

アメリカでの生活は食事面でもコミュニケーションの面でも苦労が多く、今まで通りにはいかない部分もあるかと思います。変えたいこと、変わらなくていいことのバランスが上手く取れないなんて壁もあるかもしれません。しかし、ここで海外生活が合わないからといって日本に帰国しても、もう関大には戻れないという覚悟を背負って旅立ったわけですから、相当な強い意志で北京へと前進しているはずです。アルトゥニアンコーチについたからといってすぐに結果に繋がることは、まだ時間的に難しいとして、しばらく練習の成果が出てくる時が来るまでは、メディアにはそっと見守ってあげてほしいですね。本田選手の描く理想のスケーターがどんなものなのか演技を通して観られる日を楽しみにしています!(個人的には女版ジェフリー・バトルみたいな正統派な演技を希望)

 

おわりに

本田選手は身長が伸びたことからジャンプが跳びにくそうになっているのがやや気になるところですが、そこを上手い具合に調整できれば、再びリズムに乗った流れのある良いジャンプが戻って来ると思うので応援しています。あとは苦手・・というか嫌い?!なスピンが磨かれ、ステップでもレベルアップして、新ルールに対応したスケーターにいち早くなってくれたら嬉しいです。表現面では、小さい頃は頭ひとつふたつ抜けていたのが、シニアに来て個々の能力が年齢と共に横並びになったら、その長所が特別ではなくなってしまったというのが、平昌シーズンの最大の盲点だったと思います。周りがトップ選手の演技を研究して着々と力をつけてきた中で、本田選手もPCSを伸ばすためにはどこをどうしないとならないのか、考えた結果、必要な技術を手に入れるためにアルトゥニアンコーチの元へいったのでしょう。しかし、私は表現面を支えるのはコーチよりも振付師であると思っています。コーチは技術的な支持を与え、振付師と選手がそのプログラムをどう調理するのかを考えて表現していくのだと、それが上手く融合していたチームこそが平昌でも世界選手権でもメダルを手にしていたと確信しています。どうか本田選手にも素晴らしい振付師との、信頼できる関係を築き、1シーズン大切に大切に思えるプログラムを作り上げていってほしいです。

 

 本田選手は、国内がサバイバル状態の中で、それも同じリンクに宮原・紀平というトップ選手がいる状況では、このまま濱田コーチの元で練習していてもライバルをかき分けるのは苦しいと判断したのかもしれません。環境を変えることで良い方向に向かうことを願って、来シーズンを待ちたいと思います。

 

自分と同じように五輪に行けなかった樋口選手の世界選手権での活躍を観て、私も諦めない!と奮起してくれていたら楽しみですね!コーチ変更については、様々な憶測が飛びますが、あまり周囲の声(特に大人)に惑わされずに突き進んでほしいです!

 

おわり

 

追記

本田選手の新たな所属先がJALに決定しました!JALとは昨年から既にスポンサー契約を結んでいますが、この度本田選手のためにアイススケート部を設置してくれることになったそうです。良かったねーめでたい!また、それに合わせて東京都連盟に在籍することも発表されました。がんばれー!