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【羽生結弦】悔しさとパニック?五輪シーズンのスタート

 

日本のプリンス羽生結弦選手の2017/2018シーズン初戦「オータムクラシック」の感想になります。

 

SPは自身が持つ世界記録110.95点を更新し、112.72点のハイスコアで首位発進!大会前に右膝を痛め、練習もままならなかったという中で見事ノーミス演技を披露しました。

 

さっそく演技内容を振り返りながら、今後の課題を見ていきたいと思います!

 

 

 

さまざまな選択の中

SPのジャンプ構成は4S、後半3A、4T-3Tでした。使用曲はショパンの「バラード第1番」。今回で3度目になるプログラムです。

 

ケガの影響で予定していた4Loを回避し、構成を調整したそうですが、サルコウとアクセルのGOEは共に3点、コンビネーションジャンプは2.80点という最高の評価を受けました。

 

個人的にはこれ以上難度を上げなくても、自分がその時、その時で調子が良いジャンプ構成でいくスタイルの方が、今後もベストだと思うのです。羽生選手の場合、現時点でも、これだけのスコアが出ているので、練習で成功率が悪いものやコンディションに不安が残るものより、こうして確実なジャンプを本番で取り入れていってほしいです。

 

 

SPは絶好調の滑り出しの一方、FSの内容は、1Lz、3Lo、3F(!)、後半4Sー3T、2T1Lo2S、2T、転倒3A、4T<<、の合計155.52点という衝撃の結果に。総合では銀メダルになりました。ちなみにプログラムは2015/2016シーズンの再演となるSEIMEIです。

 

SPで張り切りすぎて膝に負担がかかってしまったのか、あまりの崩れ方に心配したファンの方も多かったでしょう。

 

羽生選手いわく「雑念が多くて、いろいろ考えすぎた」ことが原因とのことですが、演技中にいかに最初のミスをリカバリしようかと気をとられたのか、なかなか集中できずにいたように見えました。これは・・普段リカバリ方法をポンと浮かぶ選手ほど、逆にいろいろな選択肢に迷ってしまうという冷静地獄みたいなものでしょうか。今回ばかりはミスを取り戻すより、1ミスに留めるという方向でも(初戦だし)良かったかな~という気もするのですが、現地さん情報だと会場にお偉いさんがたくさん来ていてみたいですし、緊張していたのかな?と思います。

 

 

 

これ以上難度をあげるべきか

それにしても冒頭のルッツがとても気になります。今季中に4回転にするためのシュミレーションなのでしょうか。もしそうだとしたら、今の羽生選手には必要ないのでは?と思いますが・・いかがなものでしょう。

 

今の構成にルッツを新たにプラスしたら計6本の4回転を跳ぶことになりますよね。

さすがにそれはリスキーすぎて、不安だな~。

 

後輩たちが着々と4回転の種類を増やして、試合で成功させる姿を見ると、五輪金メダリストとしてはその上にいかなければ!と責任感のようなものがあるのかもしれませんが、考え方を変えれば先輩スケーターだからこそ出せる魅力というものもあるので、ぜひ、ジャンプの難度を上げることではなく、残りの時間は完成度を上げることと、他の要素をメキメキと磨いていってほしいなと思います。

 

ジャッジの点の出し方からしても、現状維持で優勝できることはわかっているので、後はライバル勢がノーミスできた時にGOEとPCSでいかに離せるか、そこが今季のキーになってきます。

 

 

 

ジャンプより表現が大事になってくる

さて今大会のフリーのTESはミスが重なり67点台にまで下がりましたが、それでもPCSは89点台も出ており、そこが羽生選手の強みでもあります。おそらく、羽生選手にとっては今後、こうしたPCSの評価で差をつけることの方がチャンピオンとしての仕事となってくると思うので、「ジャンプより、表現が大切よ」というのがジャッジからのメッセージだと受け取っておくことにしましょう!

 

ライバル勢の技術が横並びになりつつ今、次に周りが目をつけるのはそこしかないです。(あくまでも次のルール改正適用まではね)

 

欲をいえばショートかフリーのどちらかに新プログラムが欲しかったけど(サプライズで持っていたりしないのかな~)せっかくの滑りなれた安心プログラムで挑むのですからライバルよりも余裕を持って滑り込めるチャンスがありますよね。

 

とにかく膝を悪化させずに、上手く調整をしながら五輪に臨んでほしいです。

 

 

 

 
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おわりに・・今季の採点傾向について

今から言うのは、男女共にありえるお話なのですが・・

 

youtubeが登場してからは、誰でも気軽に大会結果を検証できるようになり、特にエッジエラーや回転不足の判定に対して「不公平」や「厳しい」等の異議を唱えやすくなりました。そのためか(?)、今季のジャッジは従来よりも厳しめにそこら辺を見ているように感じます。

 

よって、今まで順調だった選手たちも激戦の中、よりライバル勢に差をつけようと、無理に構成を上げたり、苦手なことにチャレンジしたりすると、ジャッジは目を光らせ、少しでもミスがあれば容赦なくマイナスされてくるのではないかと思います。(羽生選手の場合3Aを絶対に無駄にしない構成でいってほしい)

 

もちろん、プログラムを完璧にこなせば五輪シーズンですから盛り上げるためにいくらでも世界記録の更新をする準備はできているとは思いますが、その真逆になってしまうと大変リスキーになるなと嫌な予感もします。

 

まだシーズン序盤なので、はっきりとは言えませんが、これだけ男女共にジャンプサバイバル真っ最中でありながらも、今季は、案外無理のない構成でパーフェクトを狙う方が高いスコアを貰える流れになるのかな?と感じています。次のルール改正適用に向け、後半ギリギリの状態で挑む高難度ジャンプの連発よりも、バランスの良い余裕ある構成の演技、技術重視より表現面の充実、それらに少しずつ評価がシフトチェンジしていきそうな気がします。(そのためにエッジエラーやら回転不足の取り締まりを強化し調整中?)

 

つなぎがてんこ盛りのプログラムでも「曲の流れを無視してただ詰め込んでいるだけ」の慌ただしいものあれば、スカスカでも「卓越した技術でスケート本来の滑らかさを表現する」美しさを極めた滑りもあります。

 

どちらかに偏っている選手は、あまり好まれない・・バランスの良い選手をスターにしていきたい。そんな流れがあると思います。バンクーバーからソチ、ソチから平昌までどんどんとレベルアップしていく中で、逆に失ったものを取り返すための期間に突入していくのではないでしょうか。

 

ルール自体、技術と表現のどちらかに寄り添う必要はありませんが、どちらか片方を急速に発展させるのではなく、両方ゆっくり育てていける環境があるといいなと思います。

 

ですから、もし、ジャッジの動きを見て「そんなに無理をしなくてもいけそうだな」と思ったら、今できる範囲の中でマックスに仕上げていけばいいと感じるのです。

 

あからさまに低難度で挑むのでない限りは、きちんと評価されると思う。

 

何をどうしたら五輪シーズンの波に乗っていけるか、それぞれがベストな対策を柔軟にとっていけることを願います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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