暗雲立ちこむオータムクラシック&ネペラ杯の女子結果
【2017/2018シーズンの大会】
9月21日~24日までカナダのモントリオールで行われた「オータムクラシックインターナショナル」、スロバキアのブラチスラバで行われた「オンドレイ・ネペラ・トロフィー」のフィギュアスケート女子シングルの結果と感想になります。
主な出場選手
各大会の出場者全員の感想は、一昨日からドライアイが激しく涙・涙でPC画面を見るのがツライので注目選手のみ絞って書いていきます。目がショボショボのため数字のミス・誤字脱字があったらすみません。
◎のついた選手のみピックアップします♪(○は主な選手)
オータムクラシッ~ク
◎三原舞依(日本)
◎ケイトリン・オズモンド(カナダ)
○コートニー・ヒックス(アメリカ)
○アレイン・シャルトラン(カナダ)
○新田谷凛(日本)
○マエ=ベレニス・メイテ(フランス)
ネペラぺらん
◎エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)
◎本郷理華(日本)
○エレーナ・ラジオノワ(ロシア)
○キャロライン・ジャン(アメリカ)
○チェ・ダビン(韓国)
○アリョーナ・レオノワ(ロシア)
まずは三原選手出場のオータムクラシックの感想からいきます。
ピンチをチャンスに変えれるかが勝負
オータムクラシックの結果は1位がオズモンド、2位が三原、3位がトゥルシンバエワとなりました。
オズモンドはSPが75.21点、FSが142.34点の計217.55点のハイスコア!
三原はSPが66.18点、FSが132.84点の計199.02点という少々苦しい状況になりました。
やはり今季はオズモンドがグイグイくるのか
昨シーズンからメキメキと復活を遂げてきているオズモンドはショートから75点台をマークし、フリーでも(オズモンド比で)大きなミスなく終え、総合217点台という好調な滑り出しになりました。
やはりショートがホント似合ってます。欧米の選手と日本の選手が並ぶと大人と子どもくらい見た目の差があって切ない・・と改めて感じさせられました。(技術的にはそうでないのに悔しい)オズモンドはいつも楽しそうに滑っているところが好き。最近は難しいプログラムを難し~い顔をして滑るトップ選手が多い中で、ひとり陽オーラが出ているから気持ちが良いですね!
フリーは、あまりスワンっぽさはありませんでしたが、何とかまとめることができました。途中で急に転倒したのは驚きましたが、あれは不運としか言いようがない・・。五輪であれが来なくて良かったと思います。コンディションばっちりで挑んでも、誰にでもああいった事故的なものはありえるんだよな~と考えると少し怖いな。五輪本番で運命のいたずらだけはやめて~!
しかしミスがちらほらあっても、かなりのスコア。これが日本勢にはない部分なので悩めます。オズモンドはミスが多い選手ですが、どんな選手でも五輪では必ずノーミスで来るので油断できません。すべての選手がノーミスなのを想定して、いくつくらいスコアが出るのかを目安に戦っていかないといけませんよね。このスコアの出方からするとオズモンドはフリーで145後半は必ず約束されていると見た。パーフェクトなら150近くは用意してるんじゃないかな。ただフリーはもっと優雅に滑る必要はあると思います。
今から217点なら、グランプリシリーズで220点台、そこからノーミスに近い演技を重ねられれば、どんどん伸ばしてメドベージェワの自己ベストにグイグイ寄せていくというコースも考えられるので要注意です。まずは、この二人が同じ大会に出た時に、どのくらいの差になるかがポイントですね。今回はややオズモンドびいきなジャッジではあったので、他の大会でのスコアが早々に気になります!オズモンドはメンタルを少しずつ克服しつつあるので、このまま波にのられると五輪表彰台の席がまたひとつなくなってしまうかもしれません。
注目の三原はやや低迷
三原選手はショートで70点台に届かず、やや厳しい出だしに。昨シーズン不安視されていたように、3Fにエラーがついてしまいました。ショートで出遅れてしまうのは、この先危険なので、一度狙われてしまったらループに変更するのもありだと思うな。意外とループでもスコアは出るはずですし。次の大会で再びeがついたら考えてみてもいいかもしれません。
タンゴの振付は良いと思いましたが、やはりそれを表現するには、まだまだ踊りこなせていないと感じました。DOIで披露した時のものより、抑え目な振付になっていたので本人も難しいのでしょうね。トップ選手のショートが軒並みハマっているだけに何とかモノにしてほしいです。ただ、メイクや衣装は改善されていて良かったです。あとはヘアスタイルですね。おそらく三原選手は私と同じでお団子が苦手なんじゃないかな~と思う今日この頃。だからジュニアっぽくてもポニーテールが多いとエスパーします。前にお団子にしていた時、お団子が結構大きいな、位置が微妙だな~と思ってて、お団子苦手な人あるあるだ~!!と思って見ていたんですよ・・。確か三原家は美容師一家ですよね?簡単で崩れにくいヘアアレンジの伝授&習得に期待します!
フリーは評判があまりよろしくないみたいですが、私は悪くないと思いました。あっさりしているのが、印象に欠けるという見方もあるかもしれませんが、同じようなシンプルなプログラムでも優れた技術のもと、しっかりと要素をこなして、音楽に乗って滑ればそれなりに評価される選手は多かったはず。よって変更の必要なし!何より本人がリカバリしやすそうなのが1番安心。後半で盛り上がった感を出すようにじわじわインパクトを足して育てればいいさ。
後は上半身や腕の使い方ですよね。こればかりは本人のセンスだよな~と何とも言えない気持ちです。何気に腕を上下する振付が多いだけに、だらっとする部分が目立ってしまいます。かといって、ヒラヒラふんわり系の動きが持ち味なわけではないので、やはりここが正念場なんでしょう。足元は別次元に綺麗・丁寧・正確で、単なるスピードだけの選手より豊かな技術を持っていますよね。うーん、足元が職人だと、上までバランスとって気をつかうのは難度が高いのかもしれないなぁ。でもそこをマスターしたら表現面が確実にレベルアップすると思うんです。もうそこだけ!後はオズモンドにも負けてないから頑張ってほしいな。
ジャンプの方はサルコウと、またも3Fのエラー分が残念でしたが、上手い具合にルールに対応しながら調整していってほしいです。(少しジャンプが低くなっていて、まだ本調子ではなかったかもしれませんね)
今後エッジエラーに振り回されてしまうかどうかで、明暗が分かれる気がするのでピンチをチャンスにできるかがキーとなってきそうです!頑張れ舞依ちゃん!
メドベージェワの背後に潜むもの
続いてはネペラの結果です。1位は安定のメドベージェワ、2位は復活気味の本郷、3位は根性のラジオノワとなりました。本郷選手が2位!嬉しい!回転不足をとられたりして、精度はまだまだですが昨シーズンよりは調子が良さそうで安心しました。プログラムも似合っていて、動きも大きく、長所が生きてきている!正直なところ189.98点という現時点のスコアとジャンプの状態では、代表争いは厳しいかもしれませんが、行けるところまで行って、悔いなくやり切ってほしいな。身のこなしなんか凄く改善されていて別人のよう。表現もグッと艶っぽくなっていてブラボー。今の日本人選手になかなか出せない魅力に乾杯!今後評価が上がっていくといいな。三原選手もいつかこんな風にオリジナルな表現を持てると願ってる!
さて、注目のメドベージェワ選手は、ショートで80点という圧倒的なスコアを出してスタートしましたが、なんと!ついに?!フリーではルッツにエラーがついてしまいました。そのためフリーのスコアは146.72点まで下がり、計226.72点で大会を終えました。
全体的には昨シーズンより洗練されたように見えましたが、ジャンプの方ではやや乱れが見え始めたな・・という印象でした。個人的には回転不足っぽいジャンプもあったように思えました。しかし、今はまだあえてピークを遅らせた調整をしているだけかもしれないのでそこは保留。
それにしても今季になってエラーを付けちゃうあたりISUも通常運転ですね。ここまで持ち上げてドーンと落とすいつもの手法。お約束です。エラーには変わりないので仕方ありませんが、チーム・エテリはこのままエラーなしで五輪シーズンを乗り切れると思っていたに違いないので、困りましたね。結構なマイナスになってしまいます。オズモンドのイケイケ状態を考えると、ショートで思いっきりぶっ離して逃げ切るしかないなんてなったら、プレッシャーかかってしまいそう。
そして、なぜ衣裳は毎年同じようなデザインのものを選ぶのかがわからない。
さらに、なぜ奇妙な編曲やアレンジを付け加えてしまうんだい?
ロシアが謎な編曲を好むのは承知していますが、少し我が道を行きすぎてついていけないかな。メドベージェワ選手は基本的に音楽を表現するというよりはストーリーを演じるタイプですが、今回の振付は何を演じているのか説明されないとわからない・・。
ここまで書くと可哀そうになって来たのでもう控えますが、あまり背伸びせずに余裕を持って滑っていってほしいですね。これから仕上げてくるだろうとは思いますが、見方によっては、下げようと思えば下げれるところもある選手だと思うので心配です。
言葉には出さなくても、下から押し上げてくるライバルたちに負けないようにと、これでもかというくらい難度を上げているんだろうと思います。「私に勝てる人はいない」とうぬぼれずに向上心を持って挑戦する姿は素晴らしいですが、どこまで気持ちをキープできるか、自分に勝てるかに全てがかかっているでしょう。
まとめ
ふたつの大会を振り返ってみると、今シーズンはいかにエラーや回転不足を取り締まるかに重点を置いているのかなと感じました。
おそらく考えられることとして、ISUは完璧なチャンピオンを作りたいのでしょうね。完璧なチャンピオンとは、優勝した後に「あの選手はエッジエラーがあるのに見逃された!」とか「あのジャンプは明らかに回転不足だった!」等の不満がでない選手のこと。そういうチャンピオンやメダリストが出るたびに「なんだ、フィギュアって八百長出来レースじゃん。」と噂されてしまいますから、競技としての信用を失いかねませんもんね。(もうないかもしれないけど)
ですから五輪では誰が見てもわかりやすい「凄そうな選手」を評価してくるのでは?なんて思います。今シーズンは小難しい曲や、挑戦的なプログラムで新しいイメージを滑る選手よりも、ドストライクにハマった曲で攻める選手の方が好まれているようです。その方が一般受けが良いみたいな。誰かリプニツカヤのシンドラーみたいな衝撃やれよくらいな勢い?
「スピードにのって滑らかに美しく正確に滑ってね!できれば観客が入り込みやすい曲でお願いね!ジャッジアピールもよろしく~。」
というところですかね。後は人気でそうなアイドルスケーターもほしいのかも。
三原選手もメドベージェワ選手もエラーは残念だったと思いますが、今後、他の大会でも同じようにエッジを狙われる選手もいると思うので焦らず、対策していってほしいです。要は勝てればいいのだから、どうしたらスコアが伸ばせるのかを考えればいい。自分の得意とする部分で加点を大量生産するという方法で弱点をカバーできればいいですね。(三原選手は!にはできるけど、メドベ選手は苦しいな)
それにしても、今シーズンは誰にエラーがつくか、つかないかで大よその結果がわかりそうな気もします。
五輪は最後まで誰が勝つかわからないくらいの僅差で争うのが面白いので、そっちの方向でよろしくお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次は男子記事(羽生選手)になります。
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