関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅 総集編 かけがえのない出会いを求めて
2017年3月25日に放送された「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅 総集編」の感想になります。
今回はヨーロッパ10か国2万㎞130日間の旅の総集編!今までオランダ、チェコ、オーストリア、ハンガリー、ベルギー、イタリア、クロアチア、スウェーデン、ポルトガル、そしてイギリスと様々な国の文化や人々に触れあってきた関口さん。
私もこのブログを始めてからそんな関口さんの旅の内容や感想を書いてきたのでヨーロッパ編がおわり、かなり名残惜しい気持ちでいっぱいです。
そんな中、この番組で生まれた「出会い」や、さらにそこから見えてくる人と人との「縁」の大切さで感じたことは、心の中でいつでも振りかえれるようにしたいので、ここに書き留めておこうと思います。
関口さんの旅といえば、とにかく行く先々で様々な人と触れ合うことで「縁」を育てることを大切にしているように見えます。
普通の旅だったらオススメの場所を紹介し、「これが美味しい」とか「ここがキレイ」といったものが見所になりますが、この番組ではその国、その土地に暮らす人の生き方そのものに深く入っていくので、見てる側としては色々と考えさせられ、時には共感するといったところが面白いんです。
ここで気になるのは関口さんのコミュニケーション能力!関口さんは旅中、誰とでも親しくなれて凄いと思う方は多いのではないでしょうか。
関口流コミュニケーション能力はどこからくる?
これに関しては関口さんいわく「どちらかというと(相手から話かけて)くる感じ」だそうです。
確かに関口さんは電車内でもカフェでも道端でも現地の人から話しかけられる率は半端ないと思います。
いくらカメラがあって撮影しているからといってもあんなに話しかけられるもの?ってくらい人が寄ってくる不思議な関口さん。
それはきっと関口さん自身の何でも知りたい!という欲求で溢れている感じが、逆に「知ってほしい」ことがある人たちの思いとリンクするからなんだろうな。
それに関口さんは旅というのは先入観を探し、それを人の話を聞くことで取っ払っていく。それこそが自分のスタイルだとも語っていました。
基本的には受け身でガツガツはいかない。けれど相手が持つ先入観と自分が持つ先入観を取っ払うことが旅ならではの楽しみ方。だからコミュニケーションは大切にする。なるほど。そう考えると知らない人に話しかけるというのはそんなに遠慮や怖がる必要もないのかと思いました。
数々のコミュニケーションから見えてくるのはそこで生きる人たちの人生観や歴史。話さないと、触れ合わないとわからないことばかりがそこにあります。
関口さんはそんな旅中で感じた様々な内容を曲にもしてきました。
出会いの連鎖から生まれた曲
オーストリアで作曲した「Mein Freund 我が友よ」も旅で生まれた曲のひとつです。
ここでまた気になるのが、関口さんはどこでどんな風に曲作りされているのか。または関口さんの曲は誰が歌って演奏しているのかです。私はてっきり現地の合唱団や音楽家に協力してもらってるのかと思っていましたが、実際は何と関口さんのご自宅で作られていたのです!
驚き~!!詳しく言うとパソコンを使って作っているのですが、まず関口さんが機械に自身の歌声を記録し、その後声を加工します。演奏に関しては楽器が弾けないということでそちらも一音ずつ録音していき編集するそうなんです。ちなみにこれらの作業をめちゃくちゃ広い部屋でしていました。
"Mein Freund"を関口さんが歌っていたのには衝撃でしたが、色々と才能があるのは本当の意味で芸能人だと思います。だって関口さんと言えば絵もお上手じゃないですか!特に絵日記で綴られる言葉には毎回じーんとくるものがあります。
~作曲に関して~詳しくはこちらをどうぞ
goldenretrievers.hatenablog.com
絵日記から伝わる名言
意図して結ぼうとしても結べないのが縁
そして目に見えないのが縁
なので自分の力や意図がすべてだと思ってい
る人には特に決して見えないのが縁
この詩には関口さんの旅のすべてが詰まっていると思います。まさに「運命に出会えないと、縁の本当の魅力はわからない」という関口さんの言葉通り、運命を縁に変える力を持つことで人の生き方って違うんだなと思いました。
おそらく世界の大半の人が自分の望む人生を生きているわけではないでしょう。しかしどんな運命でも、そこからしか繋がらない出会いがあります。今いる場所では気づかなくても一歩外に出たら、何かに導かれるかもしれません。自分の抱えている運命の一部が縁に結びつくこともあるのでしょうね。
個人的にこの関口さんの絵日記シリーズは国境を越えた妙な共有感が伝わってきて大好きです。何か違うのに理解できる不思議さというか、遠く離れた人と繋がる安心感というか。そんな何とも言えない縁に癒しの効果がありますよね。出来ればお茶を飲みながら全ページじっくり読みたいくらいです。
さらに、この「国境」といえばこのヨーロッパ鉄道最大のテーマと言っても過言ではありません。さいごに国境について関口さんが語られたことをまとめておわりにします。
国境で考えたこと・学んだこと
日本は海に囲まれているため国境というものに対して他と比べ無感覚に等しいのかもしれません。しかし今回旅したヨーロッパには人によって勝手に作られた国境がたくさんあり、それ故に長い歴史の中で争いを繰り返してきました。
「国境をなくしてしまえば皆仲良くできるのではないか。」
だからといって全部一緒にしてしまえば良いのでしょうか。みんな同じ世の中…それがどんなに良くて、どんなに息苦しいかを実は一番知っているのは日本人ではないかと思います。そう考えると何だかんだでバランスって大事だなとなるんですよね。
関口さんはこれらに対して「違いをそのまま守って、良さを守る」ことが重要であると語りました。国としての国境はあっても、心には国境を作らないという考えですね。
また、関口さんは「国境は知恵でなければならない」とも語ります。旅を通してわかったのは真逆の意見同士の人々と直接話すことによって、そのどちらの気持ちも認められるようになるということ。そこから考えることの大切さが見えてくるのだと言います。
日本では「あまり深く考えないで!」と考えないことが正義になりつつあると心配する関口さん。まぁ日本のような国では考えすぎると生きづらさもあることから気楽さが求めらたという背景があるのかもしれませんが、それでも昔の日本人はもっと考えることをしていたよというのが関口さんが気になった点であるそうです。
「ちゃんと考えるからこそ良いこともある。」
本当にそうだと思います。ヨーロッパの旅だっただけに移民や歴史について触れる機会が多く、それこそいつも出会いの先には拒絶か寛容かという問題が見えてきました。(これもまた運命=縁によって知れた話)
しかしこれら問題もどちらの意見が良いかとか、どちらも尊重するとか、自分なりの答えを出す前にはまず「考えること」なしではできないことです。
私はやはり無知であることよりは少しくらい関口さんと同じく「考えること」を取り戻す日本であっても良いのかなと思ってしまいますね。
なぜなら「こういった思想はおかしい!」という以前に、今の日本にはその問題自体に興味のない人があまりにも多すぎるのではないかと感じるからです。つまり意見がわれる前に意見がないし、そもそも政治や歴史なんてなると考えなくても大丈夫だからと知ることすらも求めていない人がほとんどです。別に考えることはカッコ悪いことではないのにね。
ちょっと熱が入ってしまいましたが、世の中や世界に関心を持つ人がもう少し増えると良いなと思っただけで、全部が全部頭カッチカチになれというわけではありません。どちらかにかたよった流れにならなければ良いなと思うのが私の考えです。
さいごに
さて!ヨーロッパ鉄道も完結したわけですが、関口さんの鉄道旅、お次はどこになるのでしょうか?!撮影は大変だと思いますが、ファンとしては早く続編がみたいです。
みなさんはどこの国の鉄道旅がみたいですか?
また続編があったらブログに感想を書いていきたいと思います。その日まで鉄道旅よ、さようなら。国境は知恵であること、歴史を忘れないことを大切に。
最後まで読んでいただきありがとうございました。