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いつか頂を越えたい フィギュアスケート宇野昌磨【アスリートの魂】

2017年3月18日にNHKBS1で放送された「アスリートの魂 いつか頂を越えたい フィギュアスケート宇野昌磨」のまとめと感想になります。

 

 

はじめに

番組の大まかな内容は今季の試合とインタビューのまとめでした。新しい情報はありませんが、一試合一試合を通しての宇野選手の心境の変化が伝わってくる作りになっていました。

 

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羽生選手は別次元の人

まずサブタイトルの「頂を越えたい」というのは羽生選手のことを指しているみたいですね。番組では何度か宇野選手に羽生選手についてインタビューした内容が流れていました。

 

現在19歳の宇野選手は早くもシニア2年目。先輩たちの背中を追いながら確実に結果を出しているスケーターのひとりといっても過言ではありません。

 

そんな宇野選手にとって羽生選手とは「別次元の人」であり「一生目標のまま終わると思う存在」であったそうです。

 

単に謙虚な人なのかな?と思う発言ですが、実は宇野選手って若いのに地に足がついているというか…客観的に洞察できるというか、物凄く冷静なんですよね。

 

そこで「少しでもトップスケーターに近づけるように…」と宇野選手は技術だけでなく、表現力向上に取り組みます。しかしそんな思いも束の間で、時代はネイサン・チェン選手やボーヤン・ジン選手の登場により急速に「多種4回転」を複数跳ばないと勝てない流れになっていきました。

 

 

4Fが僕の助けになってくれる

個人的にフィギュアスケート界は今の4回転時代の流れにより、各スケーターの評価も振り出しに戻ったような気がします。もう完全に実力主義というか、基礎点が低い選手はノーミスでも評価に限界があるし、ミスしたら命取りな一方、基礎点が高い選手はミスしても他で得点を稼いでるから強いんですよね。

 

宇野選手も、もちろんこの流れにシフトチェンジして見事4Fという世界初の大技を手にします。それからというもの2016年グランプリシリーズアメリカ大会やロシア大会で次々とその新技を成功させていきました。そして、もとから持っていた表現力も合わせて評価されグランプリファイナルへの出場を果たします。

 

このときから少しずつシニアで戦っていく自信を積み重ねてきた宇野選手は高難度ジャンプについてますます意欲的になっていきました。

 

 

いつまでも負けっぱなしは嫌

4Fを武器に羽生選手と直接対決をしたグランプリファイナルでは「まだ(羽生選手に)勝てるとは思っていないが、より4回転を跳び、ノーミスした人がトップにくる」と信じて試合に挑みました。明らかに今までの宇野選手と違います!

 

結果は羽生選手が優勝、宇野選手は3位となりました。このときの点差は10点以上。ショート、フリーと4Fを成功させた宇野選手は羽生選手のことを「ベストな自分でも届かない壁」と表現します。「いい加減頑張りたい、一刻も早く羽生選手と同じ立場で戦いたい!」初めて心の底から「いつまでも負けっぱなしは嫌だ」と思った瞬間でした。

 

 

足りないもの

羽生選手を見て自分に足りないものは何かと考えた末に見えてきたのは「4回転の種類を増やすこと」でした。宇野選手が4Fを成功させた傍らで、実は羽生選手も新技4Loを練習し、成功させていたのです。もちろん羽生選手も後輩の活躍に危機感を感じての計画だったと思いますが、これが逆に成長するには良い要素という感じもします。そこで宇野選手も4Loを手に入れるため本格的な練習をはじめました。「次の試合までには間に合わせたい」と、その練習はアイスショー参加中も続き、必死に励みました。

 

そしてその努力は、2017年に韓国で行われた四大陸選手権で実ることになります。ショートで羽生選手の上につくと、フリーで新技4Loを成功させたのです!最終的には3Aでミスがでてしまい羽生選手に負けてしまいましたが、「全く手に届かない人」から「ミスがなければ対等に戦える人」に近づいたことが宇野選手にとって大きな収穫となりました。

 

 

希望が見えてきた

宇野選手のコーチでもある山田満知子コーチは宇野選手のことを「第一印象は全然(トップスケーターになるとは)感じなかったが、計画性があり、熱心なところが今の結果を生んだと思う。それが才能だったのかな。」と語ります。

 

その通り宇野選手はジャンプ強化のためシカゴでひたすら厳しい特訓を積んだり、表現力向上のためにバレエを習ったりと、そのとき必要だと思ったものに対する行動力に非常に長けています。また、これからの経験は着実に彼のスケートに生かされ、評価されているのも事実なのです。

 

例えばシカゴで強化した4Fの精度では、上体の使い方をメインに練習しました。

 

中京大学スポーツ科学部の湯浅景元さんによると、宇野選手の4Fは上体が先に上がり、それを追いかけて下が回るそうです。このときに生じる「ねじり」が回転速度をつけるのに有効になっており、このようなジャンプを跳ぶには筋肉のつき方も重要になってくると言います。

 

まさにシカゴでの特訓の努力が、跳び上がってからすぐに回転に入る力と、空中で回転速度が落ちない姿勢を磨きあげたのですね!

 

ジャンプ関連についてはこちらの番組でも言われていましたが

かなり精度も高く、質も良くなってきていますよね。特にアクセルジャンプなんかは上手くなったなぁと思います。

 

 

さいごに

改めて今季の「宇野昌磨」を見ると、今後が楽しみでしかたありません!宇野選手は個性的なスケートをする唯一無二のスケーターという感じがしますね。特に今季のフリー「ブエノスアイレス午前零時 ロコへのバラード」なんて19歳がここまで違和感なく踊れるんだーとちょっと感動しますもん。早くも来季は何滑るんだろうという期待さえあります。また、表現力だけでなくジャンプ技術が備わったことにより総合力のスケーターとして目立ってきているのが良いですね。

 

羽生と宇野、タイプの違う日本人同士がライバル関係にあるのは複雑でもあり、嬉しくもありますが、賑わっているうちが一番良いですよね。この二人に続くような選手が日本からどんどんでてきてほしいのが願いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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