姉のいる男性は◯◯?特性を生かそう!兄弟姉妹の経済学【オイコノミア】
2017.2.15にNHK Eテレで放送された「オイコノミア 特性を生かそう!兄弟姉妹の経済学」のまとめと感想になります。
突然ですが、皆さんは何人兄弟の何番目ですか?現在経済学では兄弟構成がどんな影響を与えるのかを研究しているそうです。生まれ順の違いにそれぞれ違いはあるのでしょうか?番組で放送されていた内容を大まかにまとめました。
生まれ順の特性
姉を持った男性は◯◯を好まない
◯◯には何が入ると思いますか?あくまでも経済学的に見るとですが、想像つく方はいらっしゃいますか?
正解は…
「姉を持った男性は、その他の男性より競争的報酬を好まない」
だそうです。ちなみにこれは「競争が好きか嫌いか判別する実験」からのデータに基づいた結果なんですが、それがどんな実験かというと…
4人で迷路を解いてもらいます。そして予め用意しておいた報酬の渡し方を次の2つから選んでもらいます。
①それぞれに出来高給
②正解が多かった1人だけに出来高給の4倍
この実験で、①を選ぶ人は競争を好まないタイプであり、姉を持つ男性に多く見られたそうです。その一方、同性同士の兄弟姉妹は競争を嫌がらないことがわかりました。これには同性同士は幼少期から無意識に互いをライバル視し、物の取りあいや両親の関心を独占するためにアピールしているため、競争に抵抗がないことが考えられるそうです。
また、異性同士の兄弟姉妹の場合は片方の性に引っ張られる傾向にあることがわかりました。例えば弟を持った女性は妹を持った女性に比べ競争好きで自信があり、姉を持った男性は優しく協調性のある女性的な性格になりやすいそうです。
私は異性の兄弟がいないのでわかりませんが、該当する方は当たっていますか?同性同士の兄弟姉妹がライバル関係になりやすいのは、よくアスリートを例にしたもので聞きますよね。フィギュアスケートの浅田舞・真央姉妹も姉妹でスケートを習い、長年ライバル関係でしたし、体操の池田幸雄・直樹兄弟なんかもそうですよね。
ちなみに、姉弟ペアはお姉さんが弟の面倒を見ることにより、弟がお姉さんの影響を強く受けやすいんだそうです。個人的にはフィギュアスケートの羽生結弦選手、サッカーの内田篤人選手あたりのエレガントで柔らかい雰囲気がそれに当てはまるかなぁと思います。
ピア効果
また、兄弟姉妹間の競い合いが互いを高める効果があることもわかっています。学歴が高い兄弟がいると相手の影響を受けて自身も同じようになりやすい等、意識や能力の高い人や集団と切磋琢磨することで、成長することができます。これをピア効果といいます。
例えば水泳選手は1人で泳ぐ時より両側のレーンに競争相手がいる時の方が良いタイムが出やすいそうです。直接競う相手が身近にいることでピア効果が発揮しやすいのでしょう。しかしあまり努力しない兄弟姉妹がいる場合は自分もそれにつられやすく、良いことも悪いことも同様に似てしまうという点では自己管理能力が必要になってきます。
自分をつくるのは環境?遺伝?
これまでは環境による人格形成を見てきましたが、次は遺伝的に考えるとどのくらい影響があるのかについて慶応義塾大学の安藤寿康教授にお話を聞きにいきました。
安藤教授によると、人間の遺伝率は、パーソナリティー・外向性・神経質さで40%、知能・学力で50%~60%ほどあり、人格形成の上で環境と遺伝は大体半々の割合にあるそうです。
これにより、顔形だけでなく人間の行動や心の動きで絶対にに環境の影響だと思っているものや、教育や自身のトレーニングによって作られていると信じているものが実は結構遺伝の影響を受けていることがわかりました。
行動遺伝学から兄弟姉妹を見ていくと、「絶対優位」より「比較優位」の方に遺伝的要素を感じると安藤教授は言います。「絶対優位」とはその人が持つ周りと比べてずば抜けた才能のことで「比較優位」とは自分の中で得意なことに専念する方が全体の効率が上がるという考えを意味します。
遺伝にしても環境にしても、ひたすら外から一方的に与えられるものではなく、とりわけ環境は自分で選ぶことなど小さい頃はできませんが、年をとると出来るようになります。自分で環境を選んでいくということは、自らが遺伝的特性に合うように表現していくということでもあります。
例えば、Aさんは小さい頃になんとなく小説家になりたいなぁと思っていたけれど、実際はサラリーマンになりました。しかし、ある時ふと昔を思い出し、小説を書きたくなってペンをとると、いつの間にか賞をとり有名人になっていました。なんていう感じで人間はどこかで自由に行動出来るようになるその時がきたら、ある程度の才能に気づいていると遺伝の影響でそちらの方向を目指すというようなことがあるそうです。Aさんは遠回りこそしましたが、最終的には小説家を目指す選択をしたのですから遺伝子の力は侮れませんね。
助け合うきょうだい
兄弟姉妹間のサポートが離婚やDV、薬物乱用など辛い環境や有害な環境で互いを守る働きをすることもわかりました。兄弟姉妹間が親密な場合にはそれが励みになり成功の後押しをしてくれ、仲が良ければ人生の満足度も高まり経済的にも貢献するそうです。
こうなると「一人っ子はどうなの~?」ってなりますよね。最後に一人っ子について中国で行われた実験について見ていきたいと思います。
実験!中国の一人っ子政策がもたらしたもの
これだけ一人っ子ばかりだと子どもの性格に影響を与えるのではないか?ということから1979年前後に北京で生まれた一人っ子と兄弟姉妹のいる男女400人を対象に、ある調査をしました。
まず二人一組になってもらい、Aさんに一万円を渡します。Aさんは渡された一万円の中から好きな金額をBさんに渡すことができます。Aさんが渡したお金は3倍になってBさんに渡されます。Bさんは受け取った中から好きな金額をAさんに渡します。ただし、AさんもBさんも一円も支払わなくてもかまいません。
これは「信頼ゲーム」といい、相手をどのくらい信頼出来るかためすものです。二人とも人を信頼する気持ちが強ければAさんは初めに貰った一万円を全てBさんに渡して、Bさんは受け取った三万円を半分ずつに分けるのが二人の利益を最大にする方法なのですが、これを一人っ子にしてみるとリスクもとらず、信頼感も少ない傾向にあることがわかりました。
しかし、これが日本の一人っ子にも当てはまるとは限りません。中国は全体的に一人っ子という特殊な環境のため極端な結果になったと推測されています。
感想
いかがでしたか?これらは経済学的に見て考える性格なので、全てのジャンルに当てはまることではありませんが、なるほどなぁと思うこともボチボチありました。
でも兄弟姉妹の構成の話になると、上の子より下の子の方が甘え上手とか、第一子はしっかりものとか色々言われますよね。その度に一人っ子の子が「一人っ子ってわがままに見られるからイヤ」ってなりがちだけど、私は一人っ子ほど穏やかで頭の良い子が多い気がします。おそらく親の愛や教育が行き届きやすいのではないかなーと勝手に思ってます。
私は異性の兄弟がいないので、兄か弟がいたらどんな感じなんだれろう?と力仕事が必要な時なんかは羨ましく思ったりもします。それと兄は妹に優しくて、弟はパシりになってくれるとかは本当なの?と妄想したことも数知れず…笑
同性同士の兄弟姉妹がライバル関係になるのはわかります!というか何かと比較しますね。でも大人になると同性の兄弟姉妹って良いですよ~。やっぱり相談相手としては親よりも兄弟姉妹って感じになります。ただ、いくつになっても力関係は上にありますけどね!上はいくつになっても絶対的権力を持っていてコワイぞーというのを私の方から付け足して終わりにします。
長くなりましたが以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。