オオカミのとおぼえブログ

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ワカバボンドと知子夫人が銀・銅メダル獲得!

世界フィギュアスケート選手権2018

 

樋口新葉選手、世界選手権での初メダル!それも銀メダル!本当に本当に本~当におめでとうございます!!

 

私は今、嬉しすぎて言葉になりません。かなり興奮しています!!!

 

だから今回は思いのまま語ります。

 

この結果がどんなにハッピーだったか、そして何より待ち望んでいたことかを・・!!

 

有言実行

本音を言うと私はずっと不安でした。オリンピアンしかいないトップグループの中で、代表から落選した選手が戦う”という孤独さに樋口選手は耐えられるのか、萎縮してしまわないだろうかと。オリンピックに選出されなかったのにも関わらず、世界選手権へと「枠取り」の期待をかけられるプレッシャー、それも悲しみの中、短期間で大舞台へと気持ちを切り替えなければならないという酷な条件。17歳の少女がそれらすべてをどう受け止め、どう向き合っていくのか。とにかく心配でなりませんでした。

 

しかし、樋口新葉はやり切りました。見せてくれました。「まだこれで終わりじゃない。次があるんだ。やってやろう。」その言葉通りに「銀メダル」と「3枠確保」という結果を残してくれました。これこそ有言実行です。決してビックマウスなんかじゃありません。この宣言をしてから今日まで来るのに、どれほどの緊張と重圧と努力があったか。そして、どれほどの強さが必要だったのか。そこには、本人と、コーチと、ご家族にしか分からない、私たちには想像もつかない日々があったと思います。

 

奇跡なんかじゃない努力

それでもこの結果に対し「周りのミスに助けられた棚ぼたのメダル」と言う人もいるかもしれません。確かに他の選手はオリンピックで全力を出し切った後ですし、特にメダリストたちはメディア対応で練習時間の確保さえままならなかったでしょう。しかし、私はこのメダルは奇跡などではなく、完全に実力で手にした結果で間違いないと声を大にして言いたいです。なぜなら、それほど全てのジャンプにケチのつけようのない回転とパワーがあり、演技構成点でも出し惜しみ不可能なほど現地イタリアの観客も熱狂していたからです。

 

きっと伝わったのだと思います。あのただならぬ気迫と完全にゾーンに入った樋口選手のスケートが。その証拠に樋口選手の演技中は拍手と歓声が鳴りやみませんでした。これがフィギュアスケートのすべて。これが結果のすべて。ショート8位から人一倍の覚悟で挑んだその姿には、格上とされる選手でさえ、ミスを救ってもらえないほどの空気がありました。

 

自信は自身でつかみ取るもの

今回金メダルに輝いたケイトリン・オズモンド選手からも、私は樋口選手同様のパワーを感じました。オズモンド選手はケガや不安から、なかなか思うような結果を出せないその競技人生を周囲からは「大事なところで必ずミスをする」「メンタルが弱い選手」と見くびられ、もがきながらここまで来ました。しかし、そんな厳しい声にも、課題と正面から向き合い、努力をした結果、オリンピック銅メダルと世界選手権金メダルという大きな目標を達成できる選手にまで成長しました。かつてはチャンスに手が届かないと言われてきた選手でも、もう無理だねと言われてきた選手でも、諦めずに、自分に負けずに来た結果、世界チャンピオンになれたこの功績は多くの選手にとって励みになることでしょう。

 

樋口選手もシビアなファンからは「4年後は年齢的にもう無理」「世界タイトルは厳しい」と言われていますが、それはまだ分かりません。オズモンド選手は20代にしてこの結果を手にしました。コストナー選手だって同じです。若い頃の苦労が時を重ねて花開く選手だっています。だから散々の重圧と批判を浴びながらも、銀メダルを勝ち取った樋口選手のこの苦労と経験はきっといつか役立つはずです。樋口選手が自身を信じたからこそ今がある。次はファンが樋口選手を信じて、試合に送り出してあげなければなりませんね。

 

PVのような演技を宝に

それではここで、ようやくフリーの感想を。今季、樋口選手が手にした武器は「まるでPVのようなスケート」と「ノーミスしたらどこまでいくか分からない恐ろしさ」だと思います。あとは、かなりの海外ファンを増やしたのではないでしょうか。樋口選手にはこのままカワイイ系ではなく、カッコイイ路線を貫いてほしいですね。本当にスケートがドラマティックで映画や音楽のPVみたいです。(特にカメラのアングルがハマった時はめちゃくちゃカッコイイのですが、今回はちょっとカメラマンさんがフィギュアに慣れていないのか残念でした)女性なのに男性ボーカル曲も似合いそうだし、大人っぽくオペラでも魅了できそうだし、リズミカルな明るい曲でも身体能力を発揮できそうだし、タンゴやジャズでも個性が出せそう!あ、何かを演じるプログラムでも上手にパフォーマンスができそうです!もうミスしてもプログラムがジャンプだけになる選手ではありません!ジャンプに集中していても、きちんと振付にも意識を向けています。それがPCS70.29点に繋がってきたと確信しています。また、このPCS70点台のステージこそがエース宮原知子と戦える、上に立てる要素だと言えます。私は宮原選手が大大大好きですが、正直、その宮原選手にTESとPCSで上に立てる唯一の日本人選手が樋口選手だと思っています。もちろんショートフリーのノーミス対決では宮原選手が有利ですが、宮原選手にミスがあった場合、そこに食い込めるのは樋口選手だけだと現時点では思っています。今回一番凄いのは、樋口選手もショートでミスがありながらも2位まで上りつめたことですよね。さらに、完璧だったフリーでもステップではレベルを落としていますので、まだまだ点が伸ばせるという事実と、ショートも合わせ完全完璧ノーミスなら220点台も目指せるという希望を残した点は来季の力になりそうです。

 

PCSでは9点台でもいい項目が出てきたと実感!とにかく世界選手権で、きちんと70点台を出してもらえたのが嬉しいニュースです!!ここで自信をつけて一気に飛躍していってほしい!新葉ちゃん、お疲れ様!!今後は自分で取った3枠、自分で使うんだよ~!!

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確実な評価を得たサトコワールド

続いては宮原選手!!ハードなスケジュールの中でもさっとんなら大丈夫!!が、私も含め、皆さんの予想だったのかなぁと思います。しかし、そのさっとんもやはり人間でした。(当たり前)今回の不調はしょうがないな、と。それでも3位に入ってくれたのは立派です!!PCSもかなり評価されていますね!!宮原選手の場合オリンピックを通して、私にだって世界と渡り合える表現力があるという売りを証明できたのではないでしょうか。

 

名古屋ファイナルの時も思いましたが、トップ選手というのは、何だかんだで疲れていようが、プレッシャーがあろうが結果はきちんと出すんですよね。今回ミスがあってもメダルに届いたのは、宮原選手にそれだけの底力と評価がついたからです。これもまた、棚ぼたなどではありません。もし、宮原選手がジャンプだけの選手ならばミスした時点でメダリストになることは叶わなかったでしょう。例えミスがあっても銅メダリストになれたのは、ケガをしてジャンプが跳べなかった時期に、ジャンプ以外の要素を誰よりも磨いたこと、スケーティングを疎かにしなかったこと、表現力を大切にしたからこそです。その成果がここに来てプログラム全体を殺すことなく仕上げる技術として発揮してくれたのですね。こういった細かな気配りはジャッジからも好印象でしょうし、今後も伸ばしていってほしいです。

 

銀→銅の次は・・

次に宮原選手に期待することは、やはり・・もう金メダルしかありませんね。まずはグランプリファイナルから頂点に立つところが見たいです。日本女子、ここまで無理だ無理だと言われてきたことをたくさん達成してきてくれました。そのほとんどの功労者が宮原選手です。だから私も期待します。信じます。誰が何といおうと応援しますよ!今季相性が悪かったジャンプもここぞ!という時はきちんと克服してきましたし、サルコウなんかでは入りがかなり難しかったりと、来季のGOE対策への貪欲さも感じられ、さすがだな~と思いました。今季は本当に色々なことがあったシーズンでした。それでも、どんな困難にも打ち勝っていくその強さ、ひたむきな姿、たまに見せる堪えきれない涙からは、私も多くの感動と力をいただきました。さっとん、ありがとう。宮原選手は世界選手権をパーフェクトに終えることが出来ず、悔しさはあると思いますが、私の中では今季を総合して、その銅メダルには金メダル級の価値があります。本当におめでとう!そして、お疲れさまでした。四年後もまた、どんな苦労の中でも、「スケートが大好き」というオーラ溢れる宮原知子でいてくださいね。

 

懺悔タイム

コストナーは地元で力を出し切って金、ザギトワは疲れを見せつつも銀、銅は願望で知子ちゃん!!・・とか思ってた私は懺悔タイムです。心の中では知子&新葉のメダルを期待していたのに、どうしてそれを信じ切れなかったのかファンとして失格!失態!ですよ、もう!しかもスケート連盟にも懺悔ですね。どうしてオリンピックと世界選手権で選手を分けるようなことをするの~~??仮にオリンピックで坂本ちゃんがミス→やっぱ新葉にすれば良かったor世界選手権で新葉がミス→だから坂本ちゃんにすれば良かったと荒れる原因になりかねないのに!!!と、最後までドキドキしていたのに、結果を見たら安心して、世界選手権に新葉ちゃんを選んでくれてありがとうと100回くらい思いました。実際問題、連盟が何を考えてこういう振り分けにしたかは分かりませんが、個人的には、坂本ちゃんのオリンピック明けの体調に考慮し、新葉INというよりは、完全に枠取りのために新葉導入&代表選考で最後まで新葉オシがあっての配慮だと思っています!!ただ、理由が何であれ最高の結果が残せたのだから、連盟の判断は素晴らしかったということです!だから超懺悔。ごめんなさ~い。オリンピックにしろ世界選手権にしろ、どちらも、坂本花織でなければ、樋口新葉でなければ成せなかった結果でした。これで良かった。最後にそう思えるシーズンで幸せです。

 

アシュリーの真意

と、いうわけで、日本人選手のみの感想ですが、今のところはLIVEで観た眠気があるのでここまでにして終わりにします。

 

いやぁ~今、改めて振り返ると、オリンピック明けにも関わらずメダルをとってた歴代の選手たちって凄いことだったんだよなああと思います。ザギトワ選手には残念な出来事となってしまいましたが、よく頑張ってここまで走り抜けてきましたよね。自分を誇ってほしいです。だってオリンピックチャンピオンには変わりありませんからね!

 

しかし、ここにきてアシュリーの言葉が胸に響きます・・。ザギトワ選手への後半ジャンプ批判。(正確には現ルール批判)あの時、「アシュリー・・このタイミングでそんなこと言っちゃフェアじゃないよ~」と思いましたが「出来ないからってひがむな!」「ルールなんだから活用して何が悪い!」「技術あっての芸術じゃ!」という意見にも100%は共感できなかった私。

 

世界選手権では練習不足と体の成長も重なり、後半ジャンプ構成にリスクがあった。結果、ザギトワが売りにしていたものに、ザギトワが潰されてしまった。

 

このようなことが今回だけならいいかもしれません。ただ、これが体型変化によって叶わないものになり、後半ジャンプやセカンドループがなければ勝てない選手になってしまうのなら、現ルールはザギトワ選手にとって全然助けになるものではなくなると思います。果たしてジャンプがなくなったら今評価されているほどのPCSは約束されるのでしょうか。それはNOですよね。また次の若い選手が出てきて選手交代するだけです。

 

コストナー選手のように長く活躍するには、せめてオズモンド選手のように10代を過ぎても活躍するには、やはり若い頃からスケーティング技術、表現力などにも力を入れていくことが大切です。近年はジャンプの入りや出の工夫がPCSに大きく反映されているため、GOEが稼げれば多少動きが粗くても全体的に点数は出ます。また、とにかくプログラムにターンやステップを多く組み込めば、それがぎこちなくても高いSSやTRも出ます。しかし、PCSにおいて詰め込み型の若手と質を保つ熟練者、同じくらいのジャンプミスがあるとして、どちらにPCSが出るかと言えば、それは熟練者です。

 

ザギトワ選手も近いうちに若手ではなくなります。ロシアは特にそう。長いスケート人生を考えるなら熟練者として歩む道のりの方が長いです。そうなった時、未来のためには真の意味での表現を若いうちから積み上げていく方が、選手にとっての宝となるのではないでしょうか。アシュリーの伝え方はあまりにも直球で、少々暴力的ではありましたが、その言葉の真意には、無理なダイエットをして、かわいそうな姿になってまで競技に身を捧げたのに、あっさりと消えてしまう選手たちの現状に釘をさしたのではないかと思えてなりません。もちろん私たちが勝てないじゃないの!USA!という気持ちも含まれてはいるかもしれませんがね・・。

 

シニアなのに15歳の子までしか通用しないなんて状況になるのは、私も寂しいかな。こども体型を維持するために過酷なダイエットによる摂食障害が問題化するのも時代に反しているとも思います。

 

ザギトワ選手は本当に凄いこと成し遂げてチャンピオンになりました。あれだけの技術を見せつけられたら、歴代で見ても文句なしの成績です。しかし、この先もザギトワ選手に笑顔でいてもらうには、かつてエテリコーチの元を離れて行ってしまった生徒たちと同じにならないためには、ジュニアを育てるのが天才的なエテリコーチに、コストナーのようなシニアを育てる導きもしてほしい!!いや、エテリコーチがひとりで抱えるのは大変だから、やはりルール。ルールが導いていくしかないのだと思います。

 

「これからも挑める選手はどんどん高難度ジャンプを見せてほしいし、技術も上げていってほしい。でも、それだけじゃなくて、そこが通用しなくなっても戦える場としてPCSの出方が存在してほしい」

 

それが言いたかったと思いたいよ、アシュリー。

 

ザギトワ選手の涙はちょっと堪えちゃったな。オリンピック後は、賛否両論が耳に入ったと思うし、だからこそ、ここで金を取って己の力を証明したかったでしょうし。オリンピックも世界選手権もと、すべてで制覇する難しさはもちろん、そのすべてでメダリストになるという難しさをこうして思い知らされると、なんて励ましていいのか分かりません・・。今季しか世界選手権でチャンスがないと思っていれば、なおさらそれを生かせなかった自分を悔やんでいることでしょう。しかし、今大会が教えてくれたことは、「そんなチャンスを逃して来た選手たちが、諦めなかった上での勝利である」ということ。来季は何があっても、色々な戦略があるということを、またザギトワ選手自身が、かつてそのような選手であったからこそ現在の栄光があることを、忘れずに前進していってほしいです。だから泣かないで!

 

長くなりましたが、以上です。

 

日本勢W表彰台に大満足!!

 

本当に本当におめでとうございます!!