オオカミのとおぼえブログ

主にフィギュアスケート、BSやNHKの歴史・紀行番組について書いています。オオカミだけど一匹じゃないブログ目指します!

【五輪銀】神様は宇野昌磨の努力を見ていた

2018年平昌五輪

 

ピョンチャンオリンピック男子シングルの競技がすべて終了しました。

その結果はなんと日本のワンツーフィニッシュ!!!

羽生結弦選手がソチに続いて二度目の金メダル、そしてオリンピック初出場の宇野昌磨選手が見事銀メダルという快挙を成し遂げました!!

 

いやぁ~もう日本男子は立派です!!一時期はどうなることかと不安でしたが、それでもこのふたりには最期までお互いしか敵はいなかった、そう思います!!

 

本当に本当におめでとう!!!そしてお疲れ様です。

 

日本に、世界に、フィギュアスケートを愛するすべてのファンに夢と感動をありがとう!!!

 

ピョンチャンでのこの出来事を、私は一生忘れることはないでしょう。

 

オリンピックで君が代を流してくれて嬉しかった。この勢いで、他競技にも良い風が吹いてほしいな。代表選手の皆さんには敬意しかありませんね。

 

さて、世間ではフィギュアスケート男子シングル史上66年ぶりの二連覇ということもあり、さっそく羽生フィーバーで盛り上がっていますが、今回ここではその羽生祭りの後ろに隠れつつある宇野選手について、男子シングルの感想を含め、語りたいと思います!(羽生選手のことは、他メディアやブログ等で愛情たっぷりに日本から海外まで幅広く言及されていますので、既に私が付け加えて言いたいことはありません!ただ一言、強いぞ!おめでとう!の気持ちだけ送りたいです)

 

 

総合結果

1 HANYU Yuzuru JPN 317.85
2 UNO Shoma JPN 306.90
3 FERNANDEZ Javier ESP 305.24 
4 JIN Boyang CHN 297.77
5 CHEN Nathan USA 297.35
6 ZHOU Vincent USA 276.69 
7 ALIEV Dmitri OAR 267.51
8 KOLYADA Mikhail OAR 264.25  

 

金メダルに一番近い男

オリンピックシーズン。金メダルに一番近い男は誰か。その答えはいつも絶対王者羽生結弦でした。時代は真・四回転時代。アメリカのネイサン・チェン選手、中国のボーヤン・ジン選手を筆頭に、今まで試合では成功させるのが難しいとされてきた数種類の四回転をショート・フリー合わせて何度も跳んでくるという厳しい戦いが始まった中、追われる立場の羽生選手はそれに負けじと、常に高難度ジャンプ構成に挑んできました。しかし、その結果、試合では思うような演技が出来ずスコアは低迷、身体にも負担が重なり、ついにはグランプリシリーズの最中に靭帯を痛めるケガを負うことに・・それ以降オリンピック本番まで競技から離脱する結果となりました。

 

なにが今シーズン羽生選手をそんなに焦らせたのか。羽生選手なら四回転ルッツやループがなくても勝てるのではないか。周りからは「今できることを極めていこう」「勝つための手段はジャンプだけではない」と羽生選手を説得する声が続出しました。一体ここまで羽生選手を本気にさせた理由はなんなのか。それはオリンピック開催直前までのシーズンベストスコアが物語っています。

 

オリンピック直前までのシーズンベスト

羽生 290.77点

宇野 319.84点

フェルナンデス 295.55点

ボーヤン 300.95点

 

ご覧の通り、総合点において日本の宇野昌磨選手が群を抜いて圧勝しています。その数なんと300点超え。もちろんパーソナルベストといった点では、羽生選手が有利なのですが、オリンピックシーズンに誰が平均的に高得点を積み重ねているのか?という点においては宇野選手が頭一つ抜けている状態だったのです。さらに国内選手権でのスコアではありますが、ネイサン・チェン選手も315.23点という記録を叩き出し、若手の活躍が目立つ流れとなりました。

 

そうなると、怖いのがミスです。難しい構成であればあるほどリスクは上がっていきます。特にジャンプの回数が多いフリーでは、ひとつの四回転の成功とミスで勝ち負けが大きく左右してしまいます。しかし、そんな中でも宇野選手は今シーズン(この時点で)出場した全大会のフリーを平均すると190点台をキープするほど強い選手へと成長していました。一方、羽生選手のフリー平均点は、大会自体の出場数が少ないため、比較に値するかは別として、約175点台という少々厳しい成績となっていました。

 

追われる立場と追う立場。この流れからもう一度「オリンピック金に近い男は誰か」と問われると、「もともとメダルは間違いないと思うが、もしかしたら宇野選手にも金メダルのチャンスがあるのではないか」という空気が生まれてきたように感じます。

 

お互いが必要だった

実際にもし、羽生選手がケガをせず、あのままグランプリファイナルにも全日本選手権にも出場していたらどうだったでしょうか。私が思うに、羽生選手はきっと四回転ルッツを構成に組み込むこと、そして自身が跳べる四回転をすべてプログラムに詰め込むという道を選んだのではないでしょうか。しかし、その方法で若手と競争することを選んでいたら、羽生選手は真・四回転時代の罠にはまり、金メダルはとれなかったと思っています。ただジャンプを跳ぶだけではない選手が、その強みを犠牲にしてまで多種複数回の四回転に挑む必要はまったくなかったのです。あのまま羽生選手が無理に高難度プログラムを強行していたら、オリンピックまでのどこかで、宇野選手にトップの座を譲ってしまうことも考えられたでしょう。仮にそうなっていたら、今回のオリンピックでは、ますます厳しい立場で滑らなければならなかったはず。ある意味、不運に思えたケガによって、羽生選手は、もう一度勝つためには何が必要なのかを見つめなおし、良い方向へと導かれたのではないかと思います。まさにフィギュアスケートの申し子。強運の持ち主です。そして、羽生選手が不在の中、日本男子の立ち位置を守ってくれた宇野選手がいたからこそ、世間や関係者やファンによる過剰なプレッシャーを羽生選手にかけることなく、オリンピックに送り出すことが出来ました。本来、国のエースがオリンピック前に離脱してしまったら、周りはメダルへの不安視から反応も風当たりも、もっと敏感になっていたでしょうし、その責任からケガを無理してでも大会に出場し続け、選手生命さえ侵してしまっていたかもしれません。しかし、日本にはありがたいことに、エースが不在でも世界のトップで戦っていける宇野昌磨という存在がありました。日本には、どちらがオリンピック金メダリストになってもおかしくない存在がふたりいる。そんなふたりが同じ時代に生まれてきてくれたこと自体、本当に奇跡的なことで、日本のファンはとても幸せだなと改めて感じました。

 

また、これから羽生選手を追い越すぞ!とエンジンがかかってきた宇野選手にとって突然の羽生選手の離脱は、どこか心にぽっかり穴が開き、どこか重圧もあるような複雑な心境であったのではないでしょうか。インタビューでも「オリンピックより(羽生不在で優勝必須の)全日本が緊張した」「復帰した羽生選手が盾になって(重圧から)楽をさせてほしい」などトップとして戦う怖さから、とても緊張していた日々を送っていたことがうかがえました。確かに羽生選手がお休みしてからの宇野選手は、しばらく調子を落とした感がありましたが、個人戦で久しぶりに羽生選手と対決した時には、また演技に力強さがよみがえり、戦闘モードの目に戻っていたので、これはやってくれる!と思いましたね。こうしてお互いが知らぬ間にお互いを必要とし、助け合っている関係こそが、今回のワンツーフィニッシュに繋がったのではないかと思います。どちらかひとりが欠けていたら、日本男子の金・銀メダルはなかった。この素晴らしい出会いに乾杯です!

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最終滑走の眩しさ

ピョンチャンオリンピックでも、結局は団体戦に出場した選手は心身ともにペースが乱れ、かわいそうな結果になってしまったな、という印象が強いです。個人戦の何日も前から現地入りし、生活面でも、精神面でも、練習面でも、海外では何かと不自由があったと思います。そんな過酷な状況でも、最後まで自分をコントロールし、最低限のミスで滑り切った宇野選手には今大会一の拍手を送りたいです。本音を言うと、宇野選手にはもう少しゆっくりさせてあげてからオリンピックに挑ませてあげてほしかったのですが、決してベストとは言い切れない中でも、言い訳もせず戦い抜いた姿からは、今シーズンまでに経験してきた辛さや深さ、そして美しさが感じられ、フリーの最終滑走で演じた「トゥーランドット」では、これぞフィギュアスケートだ!という素晴らしい世界観を魅せてくれました。もう私、何回リピートしたかわかりません。それくらいどの選手の演技より短く感じ、心打たれました。オリンピックの最終滑走であそこまで情熱的に舞い、音楽を愛し、魅了させられるスケーターが初出場の選手だったなんて信じられないほどです。おそらく今シーズン一番のトゥーランドットだったのではないでしょうか。正直、あのプログラムのラスボス感は、クリーンでノーミスしたら文句なしで金メダルだったと思います。それくらい良かった。どこか旧採点時代と新採点時代が融合したような不思議な空間・・。素敵な時間をありがとう。

 

内向的になれ

私は芸術性というものは、内なるものから来ていると考えています。内向的になるほど、自分の中から色々な感情が湧き出し、困難であるほど人の気持ちが分かり、繊細になれると思っています。今回、宇野選手のインタビュー記事の中でとっても興味深い発言があったので、ここに書き留めておきたいと思います。

 

宇野昌磨選手が英字メディアから「ネイサンのフリーに驚いたか」と聞かれ、「いいえ、ネイサンの練習を見ていたらフリーの演技に驚くのではなく、ショートプログラムの演技に驚きます。それくらい練習ではいつも成功しています」と答えました。演技中はちょうど仮眠していたということで、「結果を知ったときは僕はハッピーな気持ちになりました」

  

矢内由美子さんのページ - Yahoo!ニュース

 

このコメントを見て温かい気持ちになったのは私だけでしょうか。団体戦個人戦のショートで酷いミスをし、アメリカ国中から叩かれたネイサンを思うと、泣けてきちゃって・・。「フリーが特別なんじゃなく、ミスしちゃったショートの方が珍しんだよ!フリーの演技は頑張り屋のネイサンなら当然!」と、言ってくれてるんですよね。私はこの言葉を聞いて、選手同士が互いをリスペクトし合って戦っているんだな、ということ、そして宇野昌磨は人を真っ直ぐに見ている優しい人間なんだな、と宇野選手の演技がなぜ若くしてあんなにもアーティスティックなのか分かったような気がします。

 

宇野選手は年のわりには落ち着いていて、シャイな子かもしれませんが、勝ちたいという闘志は誰にも負けないくらい持っている選手です。それと同時にとても人間的に可愛らしく、誠実で、謙虚で、これからたくさんのファンを増やしていくことでしょう。私はそんな宇野昌磨を日本の二番手だなどと思っていませんし、羽生選手が1位で宇野選手が2位が理想だとも思いません。どちらのスケーターも大好きなので、その時強い方が勝ち、切磋琢磨していってほしいなと願っています。だからこそ言いたい!宇野選手が「オリンピックだからといって特別な気持ちはない」「どのメダルも一緒」といったのは決してビッグマウスなんかではなく、宇野選手は金メダルを目指していたんだよということを!宇野選手は銀メダルで満足なんてしていないし、ずっと羽生選手の下でいいなんて思っていません。おそらくですが世界選手権でも、全日本選手権でも羽生選手を破ってでの金メダルに意味を持っているのだと思います。少し報道が宇野選手に対し「君はそれで(羽生の下で銀)満足だよね!嬉しいよね!」と言っているようで気の毒で・・。(まぁ、本人も今回の結果については「あまり悔しいとは思っていなくて実力の差」と口では言ってはいますがね)スポーツ経験者なら誰でも感じたことがあるように、負ければ悔しさや一瞬の嫉妬だってあると思うのです。しかし、そこにリスペクトがある限り、気持ちを前向きにし、再び背中を追いかけていこうとするのがアスリート。スポーツなんだから、報道が決めた格付けを強制する必要はないのになぁ、もっと配慮はできないものかなと少々疑問に思った次第でありました。日本人はスポ根漫画の影響で美しい友情(キラキラ~ン)を求めすぎる傾向にありますが、基本的にすべての選手が一番を目指しているということを前提に、挑む姿を理解してあげてほしいと思いました。

 

男子の感想

ここまで長くなりましたが、最後に男子シングルの感想を選手別に一言ずつ書いて終わりにします!色んなドラマがあってまだまだ興奮が抑えきれません~!

 

羽生

ショートでの完全復活に王者の意地を感じました。ジャンプは100パーセントではありませんでしたが、ミスがあって悔しかったソチのフリーを超すことはできたんじゃないかな?と思います。羽生結弦、君は歴代最高級のスーパースターだ!二連覇を確実にしたのは、メンタルの強さといって間違いはない!!おめでとう!!日本の誇りです。

 

宇野

今、宇野選手が持っている芸術性の高いスケートはあなたにしか出せない個性です。つまり魅力度ナンバーワンということです。シーズン後半疲労感で崩れてしまうんじゃないかと心配でしたが、今までの努力が銀メダルをプレゼントしてくれました。おめでとう。

 

フェルナンデス

全選手の中でもジャンプはすこぶる良好に見え、フリーの途中まで金か銀だと思いました。ソチではメダリストになってもおかしくなかった実力者だけに、ピョンチャンでは絶対にメダルをとらなければ、もったいない選手になるところでしたが、無事に目標を達成できて安心しました。おめでとう!

 

ボーヤン

両足のケガから四大陸での急激な成長に、オリンピックでは確実にメダル争いに食い込んでくると思っていました。以前はジャンプだけの選手と批判されることもありましたが、今は少しずつ改善をはかってきているようで、あともう少しだったという印象です。キスアンドクライでネイサンのスコアを超え、メダルの可能性を残したことが分かった瞬間の涙には、私も堪えきれませんでした。ほしかったよね、メダル。そうだよね。これから高難度ジャンパーには風当たりが強くなる時代が来るけれど、北京では総合力のボーヤンとして笑顔で終えれることを願っています。きっとやるんだぞ!ボーヤン。

 

ネイサン

オリンピック前に急に周りが騒ぎ出したことにより、プレッシャーが半端じゃなかったのかなと思います。それでもフリーは今シーズンベストの演技でした。それは確実です。6回も四回転を跳んだのに、そこにはジャンプだけじゃなく、ストーリーがありました。上手く言えませんが、ネイサンがネイサンではないみたいな、表現者としての人生がそこにありました。ネイサン、大丈夫だ。もう次は怖くない。ネイサンは強い。北京で必ずやってくれ!

 

コリヤダ

なんてことだ。ショックすぎて言葉になりません。ロシアはこの結果を責めるかもしれませんが、コリヤダが才能あるスケーターだということにはかわりありません。どうかコリヤダを圧力なしに大会に送ってあげてほしい。自国が自国のスケーターを潰さないであげて。早くから新潟で練習し、韓国に移動して団体戦フル起用・・間髪入れずに個人戦。疲れたよね。身心休めて復活してほしいです。

 

パトリック

個人戦は上手くはいかなかったし、本人もそこは残念だったと思いますが、ハレルヤにはしんみりきちゃいました。ズルイですね、あれは。相変わらずひとり別次元のスケーティング技術ですし。一番嬉しいのは、パトリック・チャンがここまで、この日までリンクに立ち続けてくれたこと。ファンにとっては結果より、それが何よりも幸せなことなんですよね。続けている本人には辛いことが多かったかもしれませんが、逆にパトリックの演技に癒された人はたくさんいます。フィギュアスケーターになってくれてありがとう。

 

リッポン

良い演技が出来て良かった。今シーズンは何かがとりついたかのようなリッポン。フリーは観客もリッポンのスケートへの情熱を感じ取ってくれていましたね。もう選手が満足して終えれるならなんでもいい、今まで頑張ってきた分の演技をしてくれたらそれでいいと思いました。最後まで綺麗だったよ、リッポン!

 

ビチェンコ

緊張を感じさせないリラックスした演技はさすがでした。もうこの場で滑れることが幸せなんだという気持ちで溢れていましたね。もう勝ち負けではなく、人生を滑ったんでしょうね。ありがとう。

 

ジュンファン

自国開催の大歓声ムードにも緊張を力にかえて、とても頑張ったと思います。偉い!今やれることは出し切ったんじゃないかな?それが一番大切ですよね。一生に一度あるかわからない自国開催のオリンピックに出れたことは宝になることでしょう。

 

刑事

ジャンプの感覚が崩れてから苦労していましたね。それでも、田中刑事というスケーターが日本にいてくれなければ団体戦はもっと大変なことになっていました。まだまだ上を目指していくという言葉は嬉しかったし、伸びしろ満点で頑張れ!

 

・・全員の感想ではありませんが、どこかで追記できたら書き足そうと思います。書かないかもしれませんが

 

以上が、ピョンチャンオリンピック男子シングルの感想でした。

 

選手の皆さん本当にお疲れさまでした!!

 

おわり