オオカミのとおぼえブログ

ブログ概要に関しては、ブログトップ記事からどうぞ!

【本田真凜】異例のプログラム変更、その真意を探る!

 

本田真凜選手が2017/2018シーズンのショートプログラムを変更するとのことで、今回はそれについて少し書いていきたいと思います。

 

ちなみに新プログラムの振付はこれから。時はもう9月の開幕直前になぜそんなリスキーな選択を?!という状況ですが、本田選手や濱田コーチのインタビューでのコメントからその真意は何なのかを勝手に妄想していきます。

 

 
f:id:goldenretrievers:20170903131538j:image

 

素敵な曲に出会えた

今季当初予定していたプログラムは本田選手本人が「ずっと使ってみたかった」と言っていたタンゴ”ジェラシーとラ・クンパルシータ”でした。しかし8月30日に応じた取材では、濱田コーチの車で偶然出会った素敵な曲に運命的なものを感じて、1週間前に急きょプログラムを変更することにしたということが明らかになったのです。どうやら本田選手はその曲を聴いた瞬間すぐに「曲名教えてください!」と濱田コーチに言い、「この曲で滑りたい!」とお願いしたそうなんです。えっ!あれだけ今季のために大切にとっておいたというタンゴをあっさり捨ててしまった凄い曲とは一体誰の誰のどんな曲なの?と興味深いところですが、それについてはまだ内緒だとか。ヒントはピアノ曲らしいのですが、濱田コーチに曲名を聞くあたりからすると、有名な曲ではないのかな?とか、ただ単に今までスケーターがあまり使わなかっただけで(本田選手は知らなかったけど)一般的に知られている曲なのかな?とか色々と気になるところ。この時期にプログラム変更とは随分賭けに出たなとは思いますが、濱田コーチも「真凜の流れるスケートに合っている曲」と言っているので発表を楽しみにしたいですね。

 

 

 

濱田コーチの言葉から見える本音

一方「衝撃的なぐらい素敵な曲に出会ったからプログラムを変更した」という本田選手に対し、濱田コーチは新ショートプログラムについて濱田美栄コーチが宮原選手の状態明かす | ブームスポーツ編集局で次のように語っています。

 

「まだ決めてはいないんですけど。今シーズンはタンゴをやっていたんですが、ここ最近になって〝もうちょっと違う曲もしてみたい〟と。彼女は芸術家なので、いろいろ発想が変わるので…。私はかねてから大好きな曲があって、真凜にこの曲よく聴いているよと聴かせたら〝これで振り付けをしてみたい〟と。これも作ってみようということで、まだ選択中なんですけど。今度、米国のUSオープンに行った帰りにデトロイトで振り付けして帰ってくることにしました。マリーナ(ズエワ)さんにお願いしようかと」

 

また、予定していたタンゴについては

 

「タンゴは悪くないのですが、曲調がきざんでいく曲なので。流れのある滑りというのが彼女の良さなので・・」

 

うーん、濱田コーチのコメントからは”本田選手がたまたま良い曲に出会い、感化されたのでプログラム変更を決めた”というよりは”はじめからプログラム変更をする予定があって、いきついた結果が今”なのかなと思いました。確かにタンゴは私も以前他の記事(記事下にリンクあり)にも書いたのですが、本田選手の好むスケートのスタイルとプログラムの持つ色がミスマッチだったんですよね。実際タンゴを観たファンの感想も厳しい意見が多かったですし、本当のところは滑ってみたところしっくりこなかったので勝負にでるために変更を決意したのではないでしょうか。

 

正直なところシニアデビュー年の今は、いくらジュニア時代から表現力に定評があった本田選手でも、その芸術性の幅を出すという域に達するにはまだ早かったのかもしれません。ただ本田選手は所作が美しい選手なので、綺麗で流れのあるスケートはPCSでも強みになります。後はそこからプラスアルファの演じ方・踊り方ができればシニアでも表現力の本田として見てもらえるはず。濱田コーチとしては大事なシニアデビュー作で今まで積み上げてきた本田選手の自信や評価を落としたくないのでしょうね。新プログラムの振付はズエワさんのようだし、冒険よりも安定を選んだのかな?と。少しでも迷いがあるのならプログラムの変更をするということは、リスキーでもありますがとてもポジティブなチャレンジだと思います。

 

 

 

突然の変更に対応できるのか

さて、ここでプログラム変更が決まったのはいいとして、今から準備して間に合うの?という疑問があります。それについても濱田コーチは

 

「時間がかからないし、気分さえ乗ればできるので。あれ滑りたいなと思って、消化不良のまま出すとかえって悪影響だと思う。1週間あればできると思うので、あんまりそれは気にしていない。同じプログラムで、シーズン途中で飽きてくる時があるので、もうひとつあった方がかえっていいのかなと思う」 (ソース先と同じ)

 

とあまり心配はしていなさそうです。濱田コーチ曰く本田選手は振付をマスターするのが早く、気分が乗れば何でもパッとできちゃうとのこと。逆に気に入らない曲だとできなかったり、気に入ってても一度飽きてしまうと完全にやる気なしモードになったりするらしく、本人が「これだ!」と意気込んでる状態の時はチャンスとして見守るんですね。ちなみに本田選手のシニアデビューについてはこんなことも語っていました。

 

「気分だけなんで。あの人の場合。向こうに行って、演技前に立った時に気分良かったらやるんじゃないですか。本当に読めないんです。正直能力もあるし華もあるし、シニアはシーズンを通し試合数が多くなって、集中力を切らさないことが大事。気持ちの問題と思います。とりこぼしが多く、試合ごとに幅があるので…。本人も課題は集中力だと言ってました。それが一番大事じゃないかと思っています」

 

前にグッと!スポーツ(記事下にリンクあり)で本田選手も自身の気まぐれさを語っていましたが、この様子だと濱田コーチは本田選手のコントロールに手を焼いているようですね。本田選手はなんというか、この緩さ加減がある意味いい感じにここまで活躍できたポイントでもあるようにも思います。このスタンスがシニアでも通用するかはわかりませんが、とにかく突然の事態にも不安なく楽しめているのかな?という感じがします。そんな本田選手の今季初戦は今月9月に行われるUSインターナショナルです。ここではまだ新プログラムは間に合わないので、昨季のSP「スマイル」で挑む予定だそう。肝心の新プログラムお披露目は10月のグランプリシリーズで予定しており、タンゴの方はEXナンバーになるそうです。初戦でもタンゴを使わないとなると、余程難しかったのでしょうね。でも、せっかくのジェフリー・バトル作のプログラムなので、いつか彼の作品が似合うようになった時には再び挑戦してほしいななんて思います。

 

 

 

戦略や今後の課題など

こうやってまとめていると、実は最初からプログラムを変更するというサプライズありきの戦略だったのかな~と半分くらい思ってしまったりもする私。なんせ今季は本田選手がリスペクトする荒川さんのフリーを勝負曲に持ってきていますし、そんな荒川さんも五輪シーズンは曲を変更するというサプライズがあって成功しましたしね。実は本田選手デザインのタンゴ衣裳を見た時「本当にこれを本番で着るのかな?」と思うくらいの遊び心を感じたんですよね。なんていうかあくまでもショー用の衣裳感というか。多分競技用なら本気で勝ちにくるから完全にプロにまかせるんじゃないかな?となんとなく思ったのです。ま、実際のところはわかりませんが、ある程度タンゴを滑ってから新プログラムに変更しようとしたのではないかというのは私の勝手な妄想なので流しちゃってください~。(ただ予想では全日本前後で変更すると思ってました)

 

最後に、今回の報道を受けての大まかな感想を書いておわりにしたいと思います。

 

今回、ショートプログラムの変更や濱田コーチのインタビューなどを聞いて、やはり多彩な技術と表現の両方を持つというのは天才の中でもさらに選ばれた天才というか、もろもろいる上手い選手の中でも一握りなんだなということです。だからこそジュニアからシニアへの転換期は誰もが苦戦するんですよね。そんな中で本田選手の今後の課題といえばやはりシニアで通用する表現力だと思います。ロシアの選手なんかは自分の滑るプログラムについて、それがどういったものなのかを的確に答えることができるので、本田選手と限らずですが日本の選手も、もっとプログラムの中身を知るためにオペラやミュージカル、本や映画で勉強するのもひとつの良い練習となると思うのです。「ロミオとジュリエット」が具体的にどんなストーリーか分からず滑るよりも、それがどんなストーリーでどこをどんな風に表現したいのか自分自身で把握した上で演じるのとでは絶対にプログラムの仕上がりが違うと思うのです。そうすれば同系統の曲で滑る機会があったとしても、この世界でありがちな「曲が違うだけで演技は一緒」と言われる現象は免れるのではないかと思います。やはりその曲、その曲にしか似合わない・できない振付というのがありますから、”なんとなくインパクトがありそうだからこんな振付・曲がしたい”というのではなく、若手選手たちにはどんどん積極的にプログラムを追求し、自分だけの世界観を出すための意見を持っていってほしいです。

 

ただ、本田選手のプログラム変更といい、樋口選手のプログラムのブラッシュアップといい選手たちが五輪への切符獲得のために考えて考えて、並々ならぬ努力をしているんだなと思うと頭が下がります。もう耳元で、絶対に五輪に行きたいんだ!今できることは後で悔いがないようにやりきっておきたい!という声がリアルに聞こえてくるような勢いを感じます。どうかその努力が実ると信じて、ひとりひとりの夢を応援したいです。

 

ということで、皆さん、本田選手の新プログラムが素晴らしい出来になることを願いながら楽しみにしましょう!

 

がんばれ真凜ちゃん!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

リンク記事その1

goldenretrievers.hatenablog.com

 

 その2(グッとスポーツ記事)

goldenretrievers.hatenablog.com