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【オイコノミア 】教育を考える編 無償化に賛成?反対?

2017年4月26日にEテレで放送された「オイコノミア もしもマタヨシ国が生まれたら"教育"を考える編」のまとめになります。

 

 

今回は「保育園・幼稚園~大学までの教育費を国が負担、無償化案」について賛否を問います。


※番組を10秒で紹介

ピース又吉直樹さんが建国した架空の国・マタヨシ国。国王である又吉さんは「国民全員に一律で教育無償化」を提案します。さらに、この政策についての賛否を地球から招いた仲間たちと話し合うことで、様々な角度から教育費について深く考えていこうという回になります。

 

 
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6人中3人が賛成

番組に参加してくれたのは現役大学生、奨学金返済中のワーキングママ、子ども食堂の運営者、孫がいるおばあちゃん、4大卒のフリーター、家事も育児も仕事もこなすパパの6人。さっそくこの6人に今回の案について意見を聞いてみたところ、ちょうど半分の3人が賛成という結果になりました。

 

 

意外と多い?!

思っていたより賛成派が多いなと感じたのですが皆さんはいかがですか?私はどちらかと言うと「一律はダメでしょう」的な流れになるのかと予想していたので少々驚きました。もちろん反対派からは「皆が行くからとりあえず行こうかは良くない」という声も上がりましたが、それに対して賛成派からは「"なんとなく"行った人の中でも何かしら大学で学んだことは社会で生きている。だからこそ一律でも意味がある。」という返答がされました。時は流れ、進学が当たり前になりつつ今は、大学に入ってみようと考える層も増えているのかもしれませんね。

 

(反対派ではその他こんな意見もありました)

・我が子の学費くらいは自分で払うべき
・払える人まで払わなくてもよくなるのはおかしい
・一律はよくない

 

 

日本人と教育費

突然ですが問題です。今、大学進学にかかる費用の税金負担を支持する人の比率は5割以上いる?イエスorノー?

 

正解はノーです。これは半数の人が支持できないわという結果ですよね。その理由はなぜかを教育社会学者の濱中淳子さんは「日本は教育劣位社会であるからだ」と語ります。教育劣位社会というと「ナニナニ?日本人は教育を重視していないのかー!」となりそうですが、そうではなく、日本人は教育を大事だと思っているけれど、医療や介護等他の分野に比べると教育の優先順位は低いと考えているという意味なんです。確かに日本は超高齢化社会…状況的にはそうなりますよね。田舎なんかだと介護問題と子どもの教育費問題をダブルで抱えている家庭もありますし、それぞれの分野で金銭的な難しさが溢れているのも現状です。

 

 

学習意欲

教育費の家計負担が大きい日本。番組では、教育費イコール家庭が払うものというかたちが根付いているので、生まれた環境(経済力)によって早くも大学に進学できるかできないかが決まっているのではないか、それによりこどもの学習意欲は違ってくるのではないかという意見もありました。

大学進学が前提にある環境の子と大学に行けるかどうかわからない子、または全く行ける可能性がない子。最初から選択肢がある子と選択肢がない子、選択肢があることすらわからない環境の子では、学習に対する必要性の認識にバラツつきがでるという考えです。確かに自分がどんな人たちに囲まれて育ったかによって経験や知識の範囲は違うと思います。社会がこどもたちにどんな未来を見せてあげられるかにより個人個人の方向性や生き方も変わってくるのではないでしょうか。

 

 

才能で食べれる人は一握り

また、「才能がない人が分かりやすく頼れるのが教育」という意見もありました。世の中にはこどもたちに「大学に行っていなくても何か他の才能で社会的に成功した人もいる」なんて話をする方もいます。するとこどもたちは素直に「勉強している自分は間違っているのか」という錯覚をおこしてしまいます。これはとても無責任な行為であり、才能で食べていける人にしか通用しない生き方を才能がない普通の人間にアドバイスするのはよくないと賛成派の方は主張します。もちろん大学に行ったからといって全て(リスキーではない)ではないという意見もありました。

 

 

大学生増加への危惧

続いては反対派の「無償化で大学生が増えれば、(大学の)レベルが下がったり、進学の効果が弱るのでは?」という意見について。日本では大学教育は役に立たないなんてわりと思われています。大学で学んだ内容なんて仕事では使わないじゃないか、だったら大学になんて行く必要がないし、無償化なんてなおさらしなくてよくないか、という考えもあります。しかしそれについてはこんな声も。「大学で習った知識を仕事で使っているかが重要ではなく、大学で学習したという"経験"が役立つ。働いてからも"学ぶ人"になることが大事。むしろ進学の効果はあるのではないか。」確かに…私のいとこがまさにコレなんですよね。休みの日も資格の勉強をしたり、調べものしたり…まぁよく仕事に生かすような勉強してるんです。思えば小さい頃から勉強することが身に付いていた人なんで、それが大人になっても継続しているんですよね。きっとヤツは出世コースなんだろうなぁ。

 

 

平等が不平等を招く財源

実際に教育税をつくる!となった場合に多くの人は「税は払う段階だと損しただけの気持ちになる」そうです。じゃあダメじゃんとなりますが、日本では若者より高齢層の方が税金を使うことには肯定的なんですね。その背景には自分にできることが年々なくなってきた中、それなら人のために役立てることがあるならしたいという意識があるようです。ただお昼ご飯を食べれるか食べれないかの人に「未来のために」とお金を払わせることが正しいのかという意見もあり難しい問題ではあります。

 

 

結論

さいごに「教育を受けて得をするのは本人か、せいぜいその家族くらいであるのに、そこに税金を投入するメリットはあるのか?」という反対派の意見に対する賛成派の意見を紹介します。これについて賛成派は「教育なしで今の社会と同じクオリティでやっていけるとは思わない。学びから全ての暮らしが変わっていく。」と反論しました。今ある医療や科学技術も全ては学びのおかげということですね。ここでわかったのは、反対派も賛成派も結論として、社会全体にとってどんなメリットがあるのかが税を使うにあたって一番大事なポイントだということです。ちなみに番組では賛成派の意見に合わせて"大卒者は高卒者に比べ所得税を生涯で約1500万円多く支払っている"というデータを提示していました。以上のことを踏まえて、再度「教育費(一律)無償化」の賛否を確認したところ賛成派4人、中間2人となりました。反対派がいないとはまた驚きですが、中間派に話を聞くと「社会に対してあなたは必要な人間なんだよという未来を与えることは大切」だと感じたため中間まで気持ちが揺らいだそうです。番組のまとめとしては「損をする人にそうではないのだと否定するのではなく、教育に対しての理解を抱くことが大切」だと締めくくっていました。

 

 

感想

時々耳にする「私学校行ってないからさぁーこどもも大学行かなくてもいいと思ってる。別に大学なんて行かなくても大丈夫だったしね。」といいながらも「こっちはこども生んでやってるのに、教育費くらい無償化してほしい。」というお母さんの言葉。決して学費を払えないわけではないけれど高校までは無償化を求めたいという方たちもチラホラいます。しかしながら私はそれが税金の正しい使い方かといったら違うだろうと思います。教育のための無償化か、生活の補助としての無償化か、人によっては受け取り方や必要性の違いは大きく、こうした意見のわかれ道をまとめるにはある程度どこかの意見を切り捨てていかなければ実現には至りません。…と、いっても私自身はこの問題については中間派なんですがね。

基本的に無償化するに当たっては私も"ただ通えばいい"ではなく、国が教育に力を入れた結果がほしいですね。この結果とは単に学力だけに限らず、色々な視野や選択肢を広げたことでの充実感や達成感、向上心含め、様々な面でいかに可能性を見いだせることができたかを言います。

一律化…といっても、そもそも教育も望まない、何の不自由もない層の人たちのために犠牲になるほど若者は余裕なんてありません。無償化するのなら、単なる金銭的なサポートではなく、より高度な教育を受けた結果、こどもたちの未来にどんな経験や学びが得られるか、社会を生きる上でいかに意欲や希望を持たせてあげられるかを後押しするという考えのもとでなければならないでしょう。

何をするにも世の中お金が必要ですからね。何だかふと、いつしか誰かに言われた「何をしたいかわからないときは、とりあえずお金を稼いで貯金に励め。そうすれば何かやりたいことが見つかったときにすぐにスタートできる。」という話を思い出しました。おそらくこんな世の中、やりたいことがわからない若者もたくさんいるでしょう。それでも生涯で通じた学びの中から突然「夢」と出会う可能性だってあります。ですから学びは無駄ではありません。学びの中から生まれる夢だってあるし、夢を果たすために必要な学びだってあるのです。教育は必要ないと言ったお母さんは教育の大切さをぜひもう一度考えてみてほしいです。無償化するとは単に保育園代無料でラッキーではないのです。

誰しもが夢を当たり前に持て、そういったことの大切さを何にも配慮せずに伝えられる社会になったら理想的ですね。

まぁここまで書いて賛成派というわけでもないのですが、自分たちの世代で苦労させたことは次世代にはさせたくないよなという気持ちも少なからずあるんですよね。「俺たちが苦労したからお前たちもそうしろ」とか「俺たちが若い頃はそうだった」とか何でも「今の若者」のせいと片付けたりするのは古い考えだと思うのです。過去と現在の時代の流れは違いますから、変わらずにいなければならないものもあれば、変えていかなければならないものあるはずです。これからの日本人はもっと柔軟になれると良いですね。

それでも保育園~大学まで無償化する案については個人的に反対意見の方がまだ強いので(保育園からはちょっと…そこ払えないというのは別な問題じゃないか?)今後私も頭をやわらか~くしてよーく考えてみようと思います。もちろん、世の中の問題全てをお金が解決してくれるわけではないし、それだけが手段ではないこともあります。何でもかんでも保証されればヨシというわけでもありませんし…私もまだ勉強不足なので否定ばかりする人間にならず、色々な意見から知識を得ないとなぁと感じました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

(現在コメントは受け付けていません。コメントを頂いてもブログ更新が精一杯で全く返せていないので申し訳なくて…承認しておきながらノーコメントだと心苦しいので、あえて承認待ちのままにしていたのですがそれはそれで申し訳ないので一度閉じます。)

 

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