オオカミのとおぼえブログ

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しくじり先生でソニンの授業に涙と共感!

突然ですが皆さんは「努力は必ず報われる」という言葉は好きですか?

 

実は私、この言葉が好きではありませんでした。なぜならこれは報われた人にしか使えない言葉であり、報われていない人の努力は努力に値しないとキッパリ言われているようで、「何て押しつけがましい言葉だ」と思っていたからです。

 

しかし2017年3月13日にTV朝日で放送された「しくじり先生」でのソニンさんの授業を聞いて、この考えが少し変わりました。

今回はなぜそう思ったのか番組を通してソニンさんに共感した部分を書いていきたいと思います。

 


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番組のあらすじ

しくじり先生」とは人生の挫折から乗り越えた様々な分野の方たちに「先生」として今までの教訓を授業してもらう番組です。今回の先生役は現在舞台で活躍中のソニンさん。

 

ソニンさんは2000年にアイドルグループEE JUMPのメンバーとしてデビューし、一躍人気者になりましたが、デビューからわずか二年後の2002年に相方の不祥事でグループ解散を余儀なくされ、突然ソロ活動をすることになります。

そんな目まぐるしい変化の中、やがてソニンさんの人生は長い間、恐怖にコントロールされることとなりました。

 

 

指示待ち人間ではない!

ソロになってからは「芸能界で生き残るためには何でもやらなければいけない」と自分に言い聞かせていたソニンさんは、事務所が持ってくる仕事は何でも引き受けてしまいます。

 

例えば

・実家のある高知県から自身のルーツである韓国までマラソン

・6万個のドミノを一人で完成させる

・裸にエプロンを着たり、胸を露出した格好で歌手活動させられる

土佐犬と格闘

 

などなど、私も当時リアルタイムでソニンさんの活動を見ていましたが、どれも過酷なものばかりで「この人はなぜここまでするんだろう?辛いと泣いたりしてるけど何だかんだでやる気満々だし、単純に負けず嫌いで大した苦じゃないのかなぁ」なんて思っていました。なぜならこんなことを普通の10代の女の子はやれないし、それをやりきるソニンさんは「完全にマインドが違う」と思っていたからです。

 

しかしその裏でソニンさんは「EE JUMPは相方の人気があったからこそグループが活躍できていた」「相方がいなければ自分は価値がない」という悲観から自信をなくしていたのです。そして「仕事を断ったら生きていけない、与えられた指示はすべてやらなければ」と追い込まれた上で、あのような仕事を受けていたそうなんですね。

 

さらにソニンさんはそんな自分を「指示待ち人間だった」と言います。与えられたことには全力で応える一方で自分では何がしたいのかがわからない。そうしているうちに指示がないと不安になってしまう。だからどんなこともしよう。けれども仕事の内容はますます過酷になっていく…。考えれば考えるほどパニックになり、さすがのソニンさんも限界になります。最終的には事務所の命令でダイエットを繰り返し、痩せたり、太ったりと不健康な状態からインタビュー中に倒れてしまいました。

 

しかしこれは一体どうなんでしょう?ソニンさんは指示待ち人間なのでしょうか?私には芸能界で生き残るためには「そんな仕事しか初めから許されていなかった」ように思えます。これは会社組織の無言の圧力のようなものと同じで、「指示」ではなく、「強制」だったのではないでしょうか。ただ誰もそれを強制だったことに気づかずに…。

 

確かに周りの「ソニンを売り出そう」という気持ちも理解はできますが、今ではありえないような心身ともにハードなものが多すぎたように思えます。ソニンさんは「指示待ち人間」の自分をしくじりと語っていましたが、残念ながら本当にしくじっていたのは、必死さが空回りしてしまった周りの大人ではないのかと思えてなりません。ですがここでも、ソニンさんは「皆が自分を育ててくれた」と感謝を胸に今を歩いているのです。そう思えるなんて強い人だなぁと感じます。

 

 

舞台に立ちたい

しかし、身体を壊してしまったソニンさんのもとに、ある転機が訪れます。それは女優大竹しのぶさんの舞台を観劇した際に起こりました。

 

「私も舞台に立ちたい」

 

大竹さんの迫真の演技に魅力されたソニンさんは、自分も大竹さんのような女優になりたいと運命的な衝撃を受けます。そしてここで初めて「指示」ではなく自分の「意志」で舞台女優になりたいと事務所に宣言しました。

 

その後ソニンさんは大竹さん出演のミュージカルのオーディションを受け、合格し、見事共演を果たします。さらに事務所の反対を押し切りミュージカルの本場アメリカに留学し、弱かった自分を根本的に見つめ直し、スキルアップして帰国します。こうして女優活躍に励む中で昨年優れた芸術家を表彰する「第41回 菊田一夫演劇賞」で演劇賞を受賞するまでに至ったのです。

 

凄いですよね。この賞はソニンさんが尊敬する大竹さんも受賞されていますし、役者として嬉しかったでしょうね。

こちらの世界に飛び込んだばかりの頃は「アイドル出身」ということや「経験不足」ということで、上手くはいきませんでしたが、持ち前の根性と努力で芝居に必要なものを模索した結果今の地位を築いたのです。

私は素直に、あそこまでどん底で崖っぷちだった人間が、女優になるという夢を持った瞬間に、過去の教訓を生かすことで己を成長し開花させた姿に感銘を受け「努力は必ず報われる」という言葉にも非常に説得力を感じました。

 

 

自分で決めた道は言い訳しない

私がそう思えたのはソニンさんのもう一つの言葉「自分で決めた道は言い訳しない」にあります。

 

自分の好きなことを見つけてからは、指示に動かされるのではなく、自分の決断が逆に指示される。それに気づいたとき自分で決めた道なら、どんなに辛く厳しい場面であっても好きなことだから頑張れる、そう思ったそうです。

 

個人的にこの言葉には私も思いあたることがあったのでかなり泣けました。人に気に入られようとか、迷惑かけたくないとかで自分の欲求を隠して我慢して諦めて、周りの望むような生き方をしても、何か辛いことがある度にその辛さが必要以上に大きく膨らんでしまう。自分でも何がそんなに辛いのかわからない。そしていつしかストレスが思いもしないかたちで表に出てきてしまうんです。

しかし時間が経つと気づくんですよね。どれも「自分の意志じゃないから辛かったんだ」と。望んでいない強制された世界で嫌なことがあると、それを乗り越えるだけで人の倍の気力を必要していたから疲れていたんですよね。

 

さらに「強制」された人生を送ると自分の考えに自信が持てなくなるという悪循環から、好きなことすらわからなくなり、そこからどんどん抜け出せなくなってしまいます。

ソニンさんも当時はまだ10代ということから、何がそんなに自分を生きにくくさせているのかわからなかったんだろうなぁと勝手に思いました。しかし、その正体に気づいた瞬間から努力し、夢を掴んだ姿にはとても励まされましたし、やはり「努力」はカッコイイなと思いました。

 

 

さいごに

人生をやり直すのはいくつからでも良いと思います。長い人生の中、自分のために好きなことをやる時間があったっておかしくありません。大切なのは自分らしく生きること。そして自分を大切に生きること。そうすることで心に余裕を持ち、いつも笑顔で人に優しくできる人であることが私の目標です。まぁこれが案外難しいことなんですけどね。

 

またソニンさんの場合は、もとから努力家で強いのもあるので、誰もが努力したら同じようになるとは思いませんが、過去の辛さが今を作っているという経験値を生かした生き方は他の方でも参考にできるのではないでしょうか。先人が言うように、若いうちの苦労は宝なのかもしれません。