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乳児がゴールデンレトリバーに噛まれ死亡 そのとき犬のキモチは?

4歳のゴールデンレトリバーが「10か月の女の子をかみ殺してしまう」という痛ましい事件がありました。

 

長らくゴールデンレトリバーを飼っていた私から見てこの事件は、決して他人事ではない大変悲しい出来事であり、心が締め付けられる思いです。

 

そこで今回は、様々な視点を通し「人間と動物」について書いていこうと思います。

 

まずは上記の事件の詳細から

 

10か月女児、祖父のレトリバーにかまれ死亡

 9日午後4時35分頃、東京都八王子市の男性宅から、「女の子が犬にかまれた」と119番があった。

 警視庁南大沢署員が駆けつけたところ、男性宅を訪れていた孫の八王子市の生後10か月の女児が、室内で頭部から血を流していた。女児は病院に搬送されたが、約2時間後に死亡した。

 同署幹部によると、女児が家の中でハイハイしていたところ、男性の飼い犬のゴールデンレトリバー(雄・4歳、体重37キロ)に襲われた。犬は室内で放し飼いにされていたという。同署は、女児が犬にかみつかれ、死亡したとみて、当時の状況を調べている。

引用元 2017年03月09日 23時39分
Copyright © The Yomiuri Shimbun

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170309-OYT1T50127.html

 

ニュースによると、ハイハイをしていた赤ちゃんの頭を放し飼いされていたゴールデンレトリバーがかみついてしまったようです。一般的にゴールデンレトリバーは「温厚」だとか「人懐っこい」犬であると知られています。そんな犬がなぜ赤ちゃんを殺してしまったの?と、思う方も多いのではないでしょうか。そこでまず、ここではゴールデンレトリバーの性格について少し触れたいと思います。

 

 

ゴールデンレトリバーの性格


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「信頼できる性格」「飼い主と共に働くことを喜びとする」犬種で、「賢い、温和、知的、親しげ、確実」と表現される。

 

人間に同調する能力を持つため、家族が静かにしているときには静かにし、遊ぶときには一緒に大いにはしゃいで遊ぶ。

 

主人が願っていることを察知し、常時主人に気に入られようと努力する。

 

家族と一緒に行動できることを喜びとし、孤独を嫌う。

 

忍耐力が非常に強く、細やかな気配りができて、楽天的。

 

自信を兼ね備え、信頼できる個性を持つ。

 

一般的には、しつけやすく、子どもから老人まで誰にでも扱いやすい犬種とされている。

(Wikipediaより)

 

 

上記に書かれている内容は実際に、この犬種を飼ったことのある私としては「本当」のことです。しかしそれは、あくまでもきちんと愛情を与え、躾された状態であることが前提であるとも言えます。いくら温厚で賢い犬だからといっても、長年ストレスがたまれば狂犬になってしまいます。では次に、犬がストレスを感じてしまう行為について見ていきたいと思います。

 

 

犬がストレスを感じる行為とは

1 放置される…誰も声をかけてくれない・かまってくれない

 

2 運動・散歩…24時間鎖に繋がれたまま動けない・年齢に合った距離や時間の運動ができていない

 

3 家庭環境…家族の不仲・人の出入りが激しい(家族の増加など)

 

大まかなストレスの原因を3つほど上げてみましたが、犬を飼っている方ならどれも分かりきった内容ですよね。しかし中には、犬に対して虐待ともいえる行為を悪びれもなく行う飼い主がいるのも事実です。

 

事例1

近所に犬を飼っては頻繁に亡くし、すぐにまた新しい犬を飼うことを繰り返す家がありました。最初に飼っていたのはシェパード。その犬は特注の大きい檻の中で飼われ、一度も散歩に連れていってもらうことなく亡くなりました。

 

この犬は「狂暴だから」という理由でしつけ教室に通っていましたが、家に戻ると再びストレスがたまり、あっという間に手のつけられない状態に…。最後は「餌をあげるのも怖いから」と放置され、亡くなる寸前には石を食べていました。

 

2匹目は雑種。さすがに散歩には行っていたものの、冬になり大雪で散歩に行けなくなったとたん放置され、春を迎え雪がすっかりなくなった頃に、やっと飼い主は犬が凍死していたことに気づいたそうです。犬小屋回りは雪かきがされていなく、犬は雪の重みで下敷きになったまま亡くなってしまいました。

 

3匹目は飼い主に引き殺され亡くなってしまいました。駐車中の事故とはいえ、この家に関しては犬を飼う資格がないと近所中から非難され、それ以来犬は飼っていません。

 

事例2

チワワを飼っていたあるおじさんの話。「犬が喜ぶから」という理由で過度な散歩を繰り返すようになり、終いには夏場だろうが隣町まで何時間もかけて散歩に連れていくようになります。もちろん犬は関節が弱り、カラダも壊し、亡くなりました。そのおじさんは、散歩中に胸から異音がすることに気づいていましたが、それが散歩のせいだとはわからなかったそうで、「犬を飼うときに(散歩の量について)誰も教えてくれなかった!」と涙していました。溺愛するあまりの行為といえ無知とは恐ろしいと感じた事例でした。

 

この他にも素人の私が見てきた中で、飼い主が犬を叩いてばかりいる家、家族が不仲で犬も落ち着かない家、可愛がりすぎて犬のいいなりの家…などたくさんありました。それらの家庭の犬は、性格も家庭環境から影響を受け、かみ癖や吠え癖が酷いように見えました。

 

要するに、「飼い主次第で犬の生き方が変わってしまう」ということですね。ここに関しては人間も犬も同じだと思いました。

 

しかし、どんなに愛情たっぷりで躾られた犬でも時に豹変することもあります。次は「動物としての犬」について考えてみたいと思います。

 

 

動物はペットではなく獣である


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今流行りのトイプードルなんかを見ていると「ワンちゃん可愛い」「ぬいぐるみみたいで癒される~」という思いから、犬を飼う方も多いのではないでしょうか。確かに見た目は小さくてお人形みたいではありますが、本来「犬」というのは人間の思い通りになる生き物ではなく「獣」なんですよね。

 

よく人間と獣は共存できるか?という話もされますが、基本的に獣は獣なんですよね。普段どんなに信頼関係にあって仲良くしていても、ふとした瞬間に獣になる、それが生き物の本能というものです。

 

しかしペットとして人間に飼われている犬たちは、その賢さから時には「我慢」を強いられることがあるのも事実です。世間では、よく海外からの投稿動画で、幼児がピットブルに餌をあげる動画や顔や尻尾をピシピシ叩く場面を見て「偉い!カワイイ~」なんて言われていますが、犬からしたらあれは我慢以外の何ものでもありません。むしろ、いつ本能がむき出しになるかなんてわからない状態です。

 

考えてみれば、人間は動物界で最も身体能力がないといってもいいくらい走れない・かむ力がない・爪もない…とにかく武器をもたなければ力のない生き物です。そんな状態で他の動物に対して優位に立っていると勘違いし、すっかり油断しているところがあります。本当に愚かですよね。しかしペットは違います。そんな力のない人間に対して本気を出せば殺しにかかれるところを我慢し、付き合ってあげているのです。

 

人間とペットは、愛情のもと基本的には共存できると思います。しかし獣は獣、ふとした時には豹変する。だからこそ動物の気持ちを考え行動すること、それらを理解し信頼関係を築くことは必要だと言えるのです。

 

 

なぜ犬は赤ちゃんを襲ったのか

最後に赤ちゃんを襲う犬の行動について考えられることを少しだけ述べたいと思います。今回なぜ、このような事件が起きたのかについては、正直この犬にしかわかりません。

 

専門家によると、犬は新しい家族が増えることに対してとても敏感であることから、時にそれがストレスとなることもあるそうです。また、新しく家族となった赤ちゃんをまだ家族とは認識していない場合もあり、赤ちゃんが起こすひとつひとつのリアクションが他の飼い主と違ったりすると驚いてしまい、それが攻撃となって咄嗟に反応してしまう恐れがあることも"可能性"として考えられているそうです。

 

犬が人間の赤ちゃんにハイハイを教える動画や、生まれたばかりの赤ちゃんを守る動画なんかもたくさん出回っていますが、おそらくそれらを含めて絶対に「安心」というものはないのでしょう。海外では犬が赤ちゃんを殺してしまうといった事件は結構ありますからね。ですから個人的には、TVやネットを見てそれらの真似をすることは避けた方が良いと思います。

 

ちなみに犬の拒否行動の程度として参考までに…

見つめる→ 手をなめる→ 唸る→ かみつく

の順番に不満を伝えるそうです。

 

 

今回の事件の犬がどんな心境だったのかは定かではありませんし、犬は言葉を発することができないだけに心苦しくはあります。また、亡くなってしまった赤ちゃんも、わけもわからないうち恐怖の中で命を失ってしまったかと思うと辛いですね。私は犬にも赤ちゃんのどちらにも罪はないと思います。罪のないもの同士の間で起きた事件なだけにとても悲しくてしかたありません。

 

 

さいごに

今回は大変残念な事件ではありましたが、だからといって「ゴールデンレトリバーは危険」という考えが広まり、嫌われていくことはあって欲しくありません。

 

実は私自身も小学生の頃に祖父が愛犬を散歩中に、愛犬が偶然反対側から歩いてきた私を見つけ、嬉しくて「遊ぼう」と飛び付いてきた衝撃で、私が転んでしまい骨折した経験があります。その時は転んだ場所がかなり悪かったのと、犬が全盛期の体格だったのに対して私自身が小柄だったのもあり、こんな大事になってしまったのですが、だからといって犬を処分しようなんて考えは1ミリたりともありませんでした。むしろ最初に思ったのは「こんなことになって犬が保健所にやられたらどうしよう」でした。幸い両親も私の意見を尊重してくれ、家族全員で人間の責任が大きかったと、とても反省した記憶があります。(その事件後しばらく犬も餌を食べなくなり、私が病院から帰ってきて、頭を撫でたときは涙を流していました)

 

こんな話を告白するのもお恥ずかしいのですが、これが人様に向けてのことだったらとんでもないことですし、飼い主として失格なんですよね。犬は思わず興奮しただけで悪くはないのです。

 

しかし今回の事件の場合はケガではなく、人ひとりが亡くなっていますから、ただの事故では済まされない、ご家族にとっては難しいものになると思います。

 

ですからもし今、犬を飼っている方、これから飼おうと思っている方がいたら、ぜひ以下のことをお伝えしたいです。

 

この犬種だから安全ということはないこと、ペットとして可愛いがるだけではなく動物としての理解が必要であるということ、そして最後まで責任を持って育てること。

 

それらが飼い主の責任であり、人間としての責任であると思います。どうか可愛いだけでなく、犬そのものを理解してください。

 

 

本日は事件についての言及ではなく、ゴールデンレトリバー、または犬に対して偏見を持ってほしくないという思いからこの記事を書きました。(事件のゴールデンレトリバーが赤ちゃんをかみ殺してしまった原因を追究するものでも、飼い主に対しての追及でもありません)以上のことから、この事件のご家族についての意見は、事情も状況もわからない私からは、軽はずみに書くことはできないので遠慮させていただきます。

 

専門家の方からすれば、様々な見解があると思いますが、こればかりは「犬」にしか分からないことだと思います。私からは、自分の経験を通して言える「ペットを飼う難しさ」と「ゴールデンレトリバーを嫌わないでほしい願い」をお伝えしました。それは、この事件が飼い主、愛犬のどちらの立場で考えても辛い出来事だったからです。事件に関しての(飼い主・犬についての)不確かな情報や噂は、こちらでは判断できないので、他のサイトをご覧になられてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

※タイトルでは「噛む」という表記を使わせてもらいましたが、皆様もご存知の通り「かむ」という漢字には「噛む」と「咬む」の二種類があります。意味は同じですが、一般的に前者は殺意のない噛みつきに対して、後者は死に繋がるような咬みつき行為に対して使われていることが多いのではないかと思います。ここであえて「咬む」を扱わなかったのは、この犬がなぜ赤ちゃんをかんでしまったのか、殺意があっての攻撃だったのか?それとも噛みの延長だったのかがわからないためです。そのため私自身が何も把握も理解もできない中で「咬む」を使うことでタイトルだけを見た方に「狂暴な殺人犬だ!こんな危険な犬は飼ってはいけない!」という印象を勝手につけてはいけないと思い、今回こちらの表現は避けることに致しました。従ってタイトルには犬に対して広い意味で使われる「噛む」を選ばせていただきました。尚、本文での「かむ」表記は迷いましたが、それぞれのお考えがあると察しますので、ひらがなにし、その意味のご判断は委ねたいと思います。

 

 

犬それぞれに人生があり、ストーリーがあります。(完全実話)

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