オオカミのとおぼえブログ

ブログ概要に関しては、ブログトップ記事からどうぞ!

私は闘うトランスジェンダー真境名ナツキ【 ニセ乳事件?スカート伝説!】

2017年2月6日にNHK Eテレで放送された「ハートネットTV File.69 私は"闘う"トランスジェンダー タレント・真境名ナツキ」のまとめと感想になります。

 

 

番組概要

映画「ハイヒール革命!」の主人公 真境名ナツキさん。去年タレントとしてデビューし、今はインターネット放送のMCとして活躍しています。そんなナツキさんは自分の「性」について過去にたくさん悩んできました。心は女性なのになぜカラダは男性として生まれたのか…。しかし今では、そんな悩みは何のその!お部屋の中は大好きなセーラームーングッズでいっぱい!一体ナツキさんに何が起こったのか。これまでの人生をお母様と共に語ってもらいました。

 

 

映画「 ハイヒール革命!」

本作は男として生まれた真境名まじきな ナツキ(本名:真境名薫)が、思春期に“性の壁”をも越えて女に生まれ変わり、いかにしてコンプレックスを豊かな個性に変え“本当の自分”を勝ち取ったのか― リアルなインタビューパートと、取材に基づいた少年時代のドラマパートを交互に見せながら現在と過去を描く。誰もが笑って泣ける型破りな新しいタイプのドキュメンタリー&ドラマ。

 

引用元 「ハイヒール革命!」公式サイトより
http://highheels.espace-sarou.com/info/?page_id=8


f:id:goldenretrievers:20170207143712j:image

 

幼少時代

幼少期からずっと女の子らしくてカワイイものが大好きだったナツキさん。しかし自身の性別が男性であるため、なかなか好きなものを好きと言うことができませんでした。

クリスマスが近づいてきたある日、ナツキさんはサンタさんに男の子が欲しがる戦隊モノのおもちゃを頼みました。本当はセーラームーンのおもちゃが欲しかったのを隠して無理をしていたのです。

それから数日後、ナツキさんはお母さんに「本当は何が欲しいの?」と質問されます。お母さんは「サンタさんには本当に欲しいものを頼んだ方が良い」とアドバイスしてくれたので、実はセーラームーンのおもちゃが欲しいことを打ち明けました。

するとイヴの日、枕元にはナツキさんが本当に欲しがっていたセーラームーンのおもちゃが届いていました。「サンタさんって凄い!」と思ったナツキさん。この時の出来事が人生の中で一番嬉しかったそうです。

実はお母様の目にはナツキさんはお兄さんの付き合いで戦隊モノを見ていたように映っていたそうで、本当は違うものが好きなのに無理をしているのは良くないとずっと思っていたのです。こうした幼少期という早い段階からお母様はナツキさんの気持ちに寄り添ってくれていました。

 

 

中学時代

成長するにつれてオシャレに目覚めていったナツキさんは、カワイイ服装をしたくても胸の発育がないため女性らしいシルエットが出せないことに悩んでいました。

ある日お母様にその悩みを思いきって打ち明けたところ「そうね、かっちゃん(本名)女の子だもんね。じゃあ作ろう!」と意外すぎる返事が返ってきました。

お母様は自分よりも女らしく見えるナツキさんに男性らしく生きることを強制したくなかったと、当時の心境を語ってくれました。ナツキさんからカミングアウトされた時も「やっぱりか」と思ったとか。またナツキさんも、この人が母でなかったら今の自分はなかったとおっしゃっています。

カミングアウトをしたナツキさんとそれを理解してくれたお母様。この親子が面白いのは、「ニセモノの胸を作ろう」と提案したお母様にナツキさんは「ニセモノなんか嫌!」と反発したのですが、それに対してお母様は「本当の女だって皆ニセモノなのよ!」と名返答したのです。そのおかげでナツキさんは何かふっきれてカワイイものが好きなことに少しずつ心を開けるようになっていきました。

しかし家族の理解があっても社会の理解を得るのは難しかった中学時代。皆が普通に使うトイレも悩みの種でした。ナツキさんは男子トイレも女子トイレも使うことができず、帰宅するまで我慢する日々。どうしても我慢できない時は誰もいない4階のトイレまでダッシュしていました。また、体育の授業でもそれは同じでした。男子は外で陸上、女子は体育館でバレーボールと男女の区別をされる学校社会の中で、ナツキさんはギャップを感じ日に日にストレスが増していきました。

「本当はスカートを履きたい…」「なぜ自分はズボンなの?」どんなにカワイイものに囲まれても自分は社会にとって男なんだという現実に嫌気がさしたナツキさんは学校でも先生や周りに対して反抗的な態度をとるようになりました。そんな中学2年のある日、ナツキさんは先生たちに呼び出され「なぜそんなに荒れているのか本当の理由を教えてほしい」と言われます。そこで我慢も限界だったナツキさんは「スカートで通いたい」と正直な気持ちをぶつけました。

しかしナツキさんの必死な願いは先生たちには届きませんでした。むしろ「お前の言っていることは支離滅裂だ」と6対1で吊し上げ状態にされてしまったのです。もちろんナツキさんは心に深い傷を負ってしまいました。

そんなナツキさんのピンチを救うため登場した人がいます。そう、ズバリお母様です。ナツキさんの最大の理解者であるスーパーお母様。ナツキさんから話を聞いたお母様はナツキさんを連れ校長室へ乗り込んだのです。そこでナツキさんが性同一性障害だということを訴え、女性として認めてくれなかった学校側に対し「それでも教育者か!」と渇をいれてくれました。そんなお母様の姿を見て背中を押されたナツキさんは自分の口で、生まれてから一度も自分を男だと思ったことがないこと・今までずっと我慢してきたこと・もう我慢できないこと・女として生きたいこと…これらが間違いなのか?と訴えました。

 

この校長室への直談判は見事に成功。

 

その後、ナツキさんはスカートデビューを果たし、中学を卒業。味方が一人でもいてくれることが、どれほどの支えになるのか実感した3年間でした。

 

 

高校時代

波乱の中学時代を乗り越えたナツキさん。高校時代は自分らしく幸せに生きれた3年間だったと語ります。

実は中学時代があまりにも辛かったため進学を拒否していたナツキさんでしたがお母様に「中卒のオカマが進学せずにどうやって生きていくの?」と突っ込まれ定時制高校に入学することになりました。ところがそんな警戒して入った高校にはなぜか女子として通うことができたと語ります。

高校時代の親友は女の子。恋愛話をした時に同じ人を好きなことが判明して一緒に失恋したり…。部活では女子バレー部に入部しキャプテンにもなったりと普通の女の子が送る学生生活と同じ経験をたくさんして過ごすことができました。

 

 

19歳

高校卒業後は手術代を稼ぐためショーパブで働くことにしたナツキさん。初めは裏声を出して「いらっしゃいませ~」と無理をしていました。しかし職場にはミスユニバース並みにキレイな容姿に変身している人から男性のままメイクしてる人、またはトーク力で勝負してる人、と様々な人たちがいました。そんな環境の中にいるうちにナツキさんの考えも変わり、男女のこだわりがどうでも良くなってきたと言います。実際に職場の先輩も「大切なのは男か女かではなくヒューマン」とおっしゃっているんですね。

ようやくお金もそこそこ貯まり、性転換手術前に行わなければならない手術をすることになった時、お母様が移動費やホテル代、その他足りない分を出してくれたそうです。そこにはお母様からの「女の子に生んであげられなかったと言うと、大層なことを言ってるようになっちゃうから嫌なんだけど、生んであげられなかったという分は出してあげたかった」という気持ちが詰まっていました。

 

現在は仕事の幅を広げるため色々なことに挑戦しているナツキさん。

 

仲間はショーパブで出会った「ヒューマン」たち。

 

このようにナツキさんが変われたのはお母様の支えがあったからこそでした。

 

家族の絆が強いトコロは何があっても負けないんだなと思わされた特集でした。

 

 

感想

今や世界中で耳にするLGBT(性的少数者)という言葉。性的少数者とは主にレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダ―のことを言います。

今回特集された真境名さんはトランスジェンダーと呼ばれる心と体が一致しない悩みを抱えていました。しかし明るく優しい「親」の存在と理解に支えられ今の人生を前向きに強く生きています。

この問題に対しては世界中で色々な意見があります。もしかすると「身近にそういう人がいないから考えたこともないよ」って方もたくさんいらっしゃるかもしれません。しかし、もし身近にLGBTの方がいることを想像してみてください。あなたは彼らを理解することができますか?

恋愛主義者の方にとっては性別上の男女愛こそ正義で、恋愛してこそ正義!それが人間の成り立ちで自然の摂理だと思うかもしれません。

そこで人間と動物を比べてみましょう。動物は恋愛をすっ飛ばして繁殖期に子どもを作り産んでいきます。昆虫も同じで、中には子孫を残す役目を終えたものから亡くなっていくものさえいます。この時、動物のパートナー選びの基準は「強さ」です。生命力のあるものを探して次世代に繋げていくのです。

一方人間のパートナー選びの基準は何でしょうか?運動神経?経済力?容姿?頭脳?性格?その他もろもろ…上げれば切りがないほどその理由は様々です。

動物がパートナーに「強さ」を求めるのは弱肉強食の世界を生き抜くためです。危険から身を守るために歯が鋭くなったり、獲物を捕らえるために足が速くなったりするのです。

人間はどうかと言うと身体的能力ではどの動物よりも劣っていますよね。歯も鋭くないし、爪も弱い。人間が熊と戦っても武器なしでは勝つことができません。

しかし人間は頭脳により動物をコントロールすることができます。他の動物にはない知力を使い武器や薬を生み出すことで、猛獣から身を守ることができるのです。では人間が生きるために必要なのは「頭の良さ」なのでしょうか?

それはどうでしょう。世界中の女性が皆アインシュタインと結婚したいかどうかと言ったら違いますよね。じゃあ結局人間は何を基準でパートナーを選んでるの?ってなります。

そこに答えを見つけることができますか?私は人間が恋愛感情を抱くには人それぞれの背景があり、コレだと決めつけるものはないと思います。むしろ感情以外の「考える頭脳」があるが故に本能だけで恋愛するわけでもないとも思うんですね。もしかすると近い将来人間は「考える頭脳」を使って科学の力を発展させ、性別関係なく自由自在に子どもを生めるようになるかもしれません。その時、恋愛の在り方は変わってくるのかもしれませんね。

決してLGBTを肯定しろ否定しろという話ではありませんが、現在ナツキさんのように悩んでいる人がいて、もしそこから抜け出せていない人がどこかにいるならそれはとても辛く悲しいことだと思います。

私は海外にいた時に学校の先生がゲイだったという経験があります。生徒にも何人かゲイやレズビアンのカップルもいました。けれど彼らは別に悪い人なわけではないし、むしろ日本人のような気遣いがあって穏やかで人間的にカッコいい人でした。それよりも人種差別をしたり、授業中にふざけてるような人たちの方がどうなの?この人の親は何してるの?と本気で思いましたし、可哀想だと思いましたね。

自分らしく生きられるというだけで、彼らの生き方はもっと違うはず。だから周りと違うだけ、そんな人たちは少数だから、という理由だけで社会から弾かれるのは疑問に思います。そこには社会や宗教上の問題ではなくヒューマンとして考えなければいけないんじゃないかな?と感じた内容でした。

 


感想が長くなってしまい誰も読んでいない感満載ですが(笑)ここで終わりになります。ここまでお付き合いしてくださった方、ありがとうございました!