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ザ リアルボイス "スタローバヤ"からロシアの本音が聞こえる まとめ

 

NHKBS1で放送された「ザ リアルボイス "スタローバヤ"からロシアの本音が聞こえる」前編・後編それぞれのまとめと感想になります。

 

 

まずは、さっそく前編のまとめから。

 

 

スタローバヤとは?

 ザ・リアルボイスは、各国で暮らす様々な市民たちの生の声を拾う番組です。今回は、あのプーチン大統領が率いる国ロシアで、「ロシア人は日々自国をどう思っているのか」という本音を聞きだしてきました。

 

そこで番組が向かったのはロシアの大衆食堂。またの名を「スタローバヤ」と言います。

 

「スタローバヤ」とは日本でいうセルフサービスの食堂のことで、食事の時間になればありとあらゆる方面から大勢の人が集まるインタビューには最適な場所。今から聞き出したいのはこういった一般市民が抱えるロシアの問題点です。

 

 番組ではそんなロシア国民が日々利用するスタローバヤでインタビューをすることで、ロシア人の「リアルボイス」を探ります。

 

 

サンクトペテルブルク

  最初にたどり着いた地は、ロシアの古都サンクトペテルブルク。日本人にも有名な場所ですよね。

 

 辺りを散策していると、町中の土産売り場の至るところには、プーチン大統領にちなんだグッズが並んでいます。

 

ご存知の通り、ロシア人にとってプーチン大統領は強さの象徴であり、思わずグッズにしてしまうくらいの人気があります。このように観光客に向けてもプーチンネームをアピールしたいくらい自慢の存在のようです。

 

しかし、だからといってロシア人がこれらのグッズを購入するかといったら「ノー」なのだとか。ほとんどの人が売り上げには貢献していないなんて、面白いですね。

 

 
さて、そんなサンクトペテルブルクにある行列のできるスタローバヤで、町の人々にインタビューしてみました。※()は私のリアルボイス。

 

 

 質問1 「ロシア人は日々をどう思っているか。」

 

 若い女の子 : プーチン大統領が心の底から好き。実の父親のように勇気づけてくれる。(質問内容は”日々の生活について”です・・!)

 


おばさん二人組 : プーチン大統領女性にとって本物の男

 


おじさん : プーチン大統領がいなければロシアは混乱する。

 

 

 質問2 トランプ大統領について

 

 お姉さん二人組 : トランプで嬉しい。ヒラリーは反ロシア派だったから。

 


男性 : 予想がつかない。これからどうなるのだろう。

(ちょっと珍しい意見?)

 

 

  質問3 北方領土について

 

 女性 : なぜ私たちの領土を返さなければいけないのか。

 


おじいさん : ロシアは帝国時代から偉大。日本がロシアから島を奪えるか見ものだ。

 

 

 台詞は要約してありますが、意見としてはこのような感じです。いやーさすがにプーチン大統領は人気ですね。日常生活=プーチン大統領に繋がるのですもんね。トランプ大統領については、皆さん好意的に見ているようです。北方領土問題についてもなかなか率直に答えてくれていました。

 

 

 

続いてはウラジオストクのスタローバヤへ!

 

 

ウラジオストク

こちらのお店には、ソビエト時代の地図が飾られていることからとても人気なのだそう。なぜ旧ソ連の地図が飾ってあると人気なのか?と尋ねると、皆さん口を揃えて「ソビエト時代は良い時代だった、懐かしい。。」とおっしゃるのです。

 

 

 では、こちらウラジオストクにてもリアルボイスを聞いてみましょう。

 

 

 質問1 日本について

 

 若い女の子二人組 : 文化が面白い。ナルトが好きだった。

(この子たちはかなり悩んでから答えていて日本についてあまりイメージがわかなかったみたい)

 


お父さん+娘 : (お父さんが)日本に行ったことがあって好き。娘にも日本語を勉強してほしい。秩序正しさや人々のやさしさや良いところがたくさんある。(ありがたいね)

 

娘 : 日本は素晴らしいし、自然環境を大切にしていて信頼できる。

 

 

  質問2 日露関係について、千島列島について

 

 これについては多くの方が答えるのが難しいと返答されていました。また、住民が日本並みの暮らしができれば良いなどという意見もありました。

 

 スタローバヤで新聞を読んでいるおじさんがいたのですが、彼は この問題についてはモスクワでは関心が薄く、沿海部では強いと教えてくれました。

 

 (ちなみにロシア国内の調査では、北方領土について、プーチン大統領が返還した場合信頼度が大きく低下することが分かっています)

 

 さらに、 船乗りである父親が、日本に行く度にお土産を買ってきてくれたことから、日本の文化が好きになった!という親日家の女の子もインタビューに答えてくれましたが、やはり「返還については認められない」とおっしゃっていました。

 

 

 印象的な意見

 

新聞おじさんその② : 歯舞、色丹。。あとは無理。島を返還すると言ったらロシアの政治家ではない。

 

 

グループで食事中のサハリン生まれの子 : 平和条約を結んだりすれば一部を返還しても良いと思う。

 

 

 これについては友人が反対して、グループの空気が微妙に。女の子は「ロシア人は日本人と関わる機会がないから日本人を知らないだけだ」ともおっしゃっていました。ここは結構、深いというか核心をついている部分だと思うのです。この問題に直接関わっていない人たちの意見の薄さ・・といったら悪いですが、リアルな部分に触れていない人とそうでない人の意見は考える規模がまったく違ってくるので、やはりニュースや教科書だけの知識では歴史は埋められないのだなと感じた声でした。

 

 

おじいさん : プーチン大統領が日本を訪れても協力的に見せかけるだけだ。日本がロシアより強くなって島を奪ったら認める。

 

 

  なめられてますね、日本。ロシアとは根本的にマインドが違うので「攻撃的」にも聞こえますが、おそらくロシア人は自国の経済発展しか今は頭にないと思います。それと同時に国が豊かになるためには「力」や「強さ」が必要だとも考えています。だからこそ、領土問題についても自然とこういう意見が出てくるのでしょうね。逆に力で負けてしまえば仕方ないとも本気で思っていて、心の底からパワーイズザベスト!なんですよね。本当に内容は様々です。そして若者から年配者まで愛国心と自国の政治に対しての関心が高いですね。

 

 

 と、いきなりですが、ここでリトルボイスコーナー!

 

モスクワの街角にカメラを置いて待ちゆく人に自由にコメントしてもらいました。

 

以下をどうぞ!

 

 

 

 年金受給者「プーチン大統領大好き!」

(さっそくキタ)

 

銀行員①「戦争がない世の中でありますように。」

 

プログラマー北方領土がロシアのものでありますように。」

 

主婦「クリミアがロシアのものでありますように。」
(ご夫婦ですね)

 

銀行員②「孤児院に関心を持ってほしい。」

 

大学生「センター試験をなくしてほしい。その時間を他の勉強に使いたい。」

 

 

  安定のプーチン愛です。日本で「安倍さん大好きです!」なんていったら「お前は憲法改悪したいのか!」とか言われて採用されなそう。合わせて領土問題や外交について触れる若者など皆無だろうな・・。日本にあるのは「子どもにかかるお金ちょーだい」だけ。なぜそうなるのかの根本は誰も考えない。

 

 

それにしても、ロシアの皆さんは、どんな情勢であっても自らの夢や希望をプーチン大統領に託しているようですね。日本人とは質の違った忍耐があります。

 

 

  お次はモスクワのスタローバヤへ!

 

 

モスクワ

なんとここでのテーマはドーピング!ロシアは近年このドーピング疑惑で世界中から総スカンをくらっていますもんね。まずは直球に、リオデジャネイロオリンピックについてを尋ねて見た番組。するとなんと!!

 

 

「オリンピック?見てないし」

 

「関心ない」

 

 

 ドーピングについては?

 

 
「ドーピングはありえない!」

 

「他にもドーピングしている国はあるのにロシアだけ出場停止なんて不公平」

 (それはもっとも)

 

 という危険が圧倒的でした。中にはアメリカによる陰謀という方も。

 

 驚きなのは、

 

「ドーピングなんか小さいこと。日本人がドーピングしたってアメリカ人のバスケットプレイヤーには勝てない。」

 

「アメリカの本にステロイド使って良いと書いてあったし、ドーピングの起源はアメリカ。」

 

「ドーピング大会をすればいい。」

 

 

 と、なんとも驚きな意見!どうやら人間の実力だけでは限界に達してるので実力+ドーピングをするべきとの考えらしい。

 

 

 ただこれはほんの一部の意見です。ほとんどのアスリートはドーピングなんて認めていないし、小さい頃からオリンピックのために地道に頑張っています。日本人がドーピングしてもアメリカ人には勝てないというのは悲しいですが、いや、そんなこと分からないぞ!と陸上を見ていると思います・・。肉体的限界やポテンシャルに加えてドーピングをすればスポーツとして成り立つと言いたいのかもしれませんが、それらにドーピングではなく、努力を重ねて一流になる選手の方が多いわけですから、やはりこの意見は開き直りにしか聞き取れませんよね。

 

 

  そして最後はクリミアに一番近い都市クラスノダールへ!

 

 

クラスノダール

ここクラスノダールでは欧米から経済体裁を受けていることや、クリミア併合についてをインタビューしました。

 

 

クリミア併合については大多数が賛成

・一人通訳をしているという女性だけは「ロシアが旧ソ連の領土を奪う権利はない」とお答えしていました。(脳の構造がワールドワイドの方の意見はひと味違うわね)

 

 

 町の暮らしぶりについて

 

質問1 経済体裁の影響は?

 

「生活は苦しくない」

 

「何も犠牲にしていないし我慢もしていないし満足」

 

「困っているのは怠け者だけ。金が足りないのなら仕事を一つ増やせばいい。日本人も日本車が売れなくて損している。」

 

 

と、元々耐えることに慣れているロシア人でもありますが、過剰に強さをアピールしているようでもありました。逆にいえば国を信じている上での楽観さともとれるかな。本当の意味での快適さを知ったら、こんな風に思えるかは分かりませんが、プラスへプラスへと意識を持っていくことで無理をしているように見えました。

 

 例えばある食堂では以前、サケを使っていたそうですが、今は経済体裁のため手に入らないということからスケソウダラに変えたそうなんです。それまでは、あれだけ「サケ、サケ!」と「ロシア人は本当にサケを愛しているの」と言っていたのに、いざサケが手に入らなくなるとカメラを意識しながら「(スケソウダラになって)もっとおいしくなったわ」なんて言うんです。

 

また、イタリア産チーズがなければベラルーシ産で充分などとも。

 

確かにチーズに至っては味の違いなどわからないかもしれませんが、「それくらい我慢できないようなやつは人間じゃない」くらいの圧力を感じましたね。常に戦時中のようなマインドコントロールを受けているようでした。

 

  しかし、市場では経済体裁前よりも多くの野菜が並んでいます。

 

 その理由はプーチン大統領が農家に年間四千億円の助成金を出したことで、国産品が増加したことから。「経済体裁が追い風になった」と言いたいそうです。ロシア人曰く経済体裁にはメリットがあった、プーチン大統領についていけば安心できる、と確認できる出来事になりました。

 

 

 ここまでが、前編で訪れた町の「リアルボイス」になります。

 

 

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街角のリトルボイスコーナー(おまけ)

 

 

 ・官僚よりエンジニアを増やして

 

・アスリートの他にも教育者や医者にも褒章を

 

・道路をきれいにしてください

 

・冬休みを長くして

 

・(ウクライナ人)ロシア国籍をください

 

 

引き続き、ザ リアルボイス "スタローバヤ"からロシアの本音が聞こえる後編ををお送りします。
 

 

後半、舞台はサンクトペテルブルクに戻ります。
 
ここサンクトペテルブルクプーチン大統領が生まれ育った町で国内の人気観光地でもあります。
 
また、大学も多いことから若者で賑わっています。
 
さらにヨーロッパからのロシアの玄関口の役割も果たしているためかサンクトペテルブルクのスタローバヤにはパスタやピザといった異国の料理も様々。
 
前半でもプーチン大統領が国民から慕われていることがわかりましたが、ロシア国内でのその支持率は脅威の82%!不支持は18%となっております。
 
年代別に見ると60歳以上が87%と最も高く、一番低い25~34歳で78%という結果です。
 

 

再びスタローバヤへ・・

さっそくスタローバヤでわりと支持率が低い若者層に話を伺って見ると、プーチン大統領プロパガンダのおかげで支持率が高いだけだという意見で占めていました。
 
また、テレビは捨てた。マスコミは信じられない。と言う人も。
 
時代はインターネット社会。少しずつ自国を客観視する層による新たな風潮の誕生でしょうか。彼らは年配世代より国を強いとは思っていないのかもしれません。実際はそうですよね。いつまでたっても理想的とは言えない状況と、ロシアを嫌う国の豊かさを見たら今の国の方針に疑問を持つ人間が出てきてもおかしくはありません。

 

今後こういう思想の中からロシアを変える人間が現れるのか、興味深いです。


 

静かに押し寄せる時代の波

時を遡り2016年11月9日。

 

アメリカ大統領選の結果を受けロシア国内はお祝いムードです。
 
そんな中、番組はスタローバヤでインタビューをしていました。
 

 

おばさん : アメリカってとても偉大な国なのに二人の候補者から選ばれないといけないなんて。(皮肉)
 

男性二人組 : スポーツと同じで敵を見くびれば負ける。トランプは今後予想がつかない。
 

おじさん : オバマはロシアのことを悪く言っていた。トランプになったからといってアメリカの考えはそう変わらない。アメリカは信用できない。
 

女性 : ヒラリーとは違いトランプは他国に干渉せず、自国を優先する。ロシアとも良い関係が築けるでしょう。
 

 

※インタビューは要約したものです。
 

 

比較的、政府やメディアでも歓迎ムードですが、ある女性二人組からはこんな意見もありました。
 

 

「一年後にアメリカでロシアが選挙を操作した」と言われるかも。
 
(ロシアって女性の方が鋭いこと言ってくるんですよね)
 

 

さらに、もう一人別の女学生にインタビューをしたところ、少し雲行きがあやしくなります。
 

 

女学生 : 政治に興味を持つことを強制しないでほしい。政治は恐い。恐怖を押し付けるだけ。
 

 

すると、そこで隣にいたおじさんが話に入ってきてしまいました。
 

 

おじさん : 政治に無関心だと政治にコントロールされてしまう。悪いことが起きても知識がないと気づけない。
 

 

しかしこの女学生は、おじさんとは決して直接話そうとはせず、知らんぷりを貫きます。

 

そんな女学生に対し、おじさんは「君はまだ若いからね。僕も20代の頃はそうだったから。」とフォローしたものの、それでも女学生は頑なに会話を拒否し、ついには店を去っていきました。
 

 

上と下の世代での意識の変化は、どこの国も同じですが面と向かって意見や態度を主張するというのは日本ではまずないことですよね。ましてや目上の人に逆らうことなど到底できません。それだけにもし、ロシアのような自己主張をガッツリとする文化内で、高齢者と若者の間で今のように意見の違いが大きくなったとき、一体未来はどうなってしまうのかと考えると心配ですね。

 

これからを生きる若者の不満を、過去の栄光で包むことができるのか、それがロシアの課題になってきそうです。時代は変わっていないようで、着実に動いている。特に若者や女性は、生きるためにそれらに敏感になるのでしょう。それが本能です。

 


さいごに

最後になりますが、ロシア人の皆さんからそんな未来についてお話を伺いました。リトルボイスと一緒にまとめますのでご覧ください。
 

 

・テロもない豊かな国であってほしい

・政治ゲームはいらない。
・食事があって安らかなら幸せ。

・とにかく平和、ロシアだけでなく世界中が平和でありますように。

・自分の暮らしが悪くなりませんように。

・ロシア語の口頭試験をなくしてほしい。

・かつて買ったマンションが10ヶ月経っても完成しない。どうにかしてほしい。

愛国心の育成に力を!

・ロシア代表のアスリートが素晴らしいプレーができますように。

・健勝、多幸、平和、永遠に。

・心を一つにして国が向上しますように。

プーチン大統領が世界中を平和してくれますように。

プーチン大統領がいつまでも優しく、理解しあえる人でありますように。平和でありますように。

・人々は変革を望むが変革ではなく、今あるものを大切にしてほしい。

 

 

人々の大袈裟ではない「ささやかな望み」が聞こえます。

 

 

 

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