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スポーツ酒場”語り亭”フィギュアスケートの表現力ってなんだ?

 

2018年2月4日にNHKBS1にて放送された「スポーツ酒場”語り亭”▽平昌五輪直前SP フィギュアスケート 表現力ってなんだ」のまとめと感想になります。

 

キャスト

ミッツマングローブ・佐野稔・本田武史鈴木明子・佐野稔・宮本賢二・岡部由起子

 

今回は「表現力」にスポットを当て、現役トップスケーターたちの演技の魅力について考察しました。

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表現力とは?

「表現力」がテーマなんて面白そうではないか!と放送を楽しみにしていたのですが、率直にいうと、これといって新しい情報や、「なるほど~!」と唸るような内容はゲットできませんでした。が~ん。いやぁ審判の岡部さんがゲストと聞いて、演技構成点の採点がどのような目線で行われているかor今季の傾向を詳しく知れるのかな?!と期待していたんですよ。しかし実際は当たり障りのないお話がほとんどで、少し物足りなかったというのが本音。素人(私とか私)がブログで語るのとは違う、もっとコアな話が聞きたかったな・・。

 

それでも、いきなり結論になってしまうのですが、番組の最後に「表現力とは何か」というまとめをゲストの皆さんひとりひとりに問うコーナーで、返ってきた言葉が印象深いものばかりだったので、ここに書き留めておきます。

 

表現力とは?

本田「人生」

佐野「人間力

岡部「音楽 音に動きを置く」

鈴木「心を揺さぶるもの」

宮本「心に響くもの」

 

もう全部共感です。特に宮本さんの「人ひとりの心を動かすのは、とても難しいこと」という言葉には納得です。例えがショボすぎて申し訳ないのですが、こうしてネット上で意見を書いていて(私と限らず)批判されることはあっても、その逆は少ないと思うんですね。しかしそんな中でも、ちらほら「この記事を読んで泣きました!」と言っていただくことがあり、その度に自分が発信した何かで誰かの気持ちを動かすことが出来るなんて、とても不思議でかけがえのないものだなと感じます。

 

もちろん、私は誰かを泣かせるつもりでブログを書いている訳でははありません。そんな頭もありません。それにも関わらず、そこから何かを感じ取って心を動かしてくれる方がいるなんて自分でも驚きで、何がどうなってそう言っていただけたかわからないくらいです。

 

私なんかのブログ体験談を世界のトップスケーターの演技と重ねるのは、本当に馬鹿馬鹿しいことと承知しておりますが、「人の心を動かす演技」というのも、こうした意図しては出来ないものなんじゃないかなと思います。

 

何が言いたいかというと、批判を受けたり、評価を得ないことは簡単ですが、心に響かせることは難しく、それ自体がとても貴重なことだなということです。(例えが釣り合っていなくて申し訳ありません×無量大数)人を喜ばせるのは嬉しいこと、その嬉しいことは奇跡、奇跡を起こすのに必要なのはハート、そしてまたそれらが循環する、そう感じます。また、佐野さんがいった「表現力とは人間力」「経験していない気持ちは表現できない」という言葉にも説得力があり、重かったです。これに関しては下の方で書かせていただきますね。

 

表現力とはなにか。それは言葉では説明できないハートで訴えかける部分という意見に、とても共感しました。

 

どこを見ている?

突然ですが、皆さんは試合中どんなところに注目をして演技をご覧になりますか?ジャンプの回転?エッジ?つなぎの多さ?ステップの正確さ?スピンのレベル?もちろん全てに目を凝らして観ています!!というプロ並みの方もいらっしゃると思います。

 

フィギュア関連のブログを見ていると、皆さんもの凄く勉強熱心に考察されていて凄いなぁ~と、いつも口を開けているのですが、私はというと、試合やショーでは技術的なことは出来るだけ考えないように、その選手が持つ演技の世界観に酔いしれることに集中するようにしています。

 

その理由は色々とあるのですが、主には、選手にとって自分はジャッジ目線ではなく、あくまでもファンとしての目線で観戦・応援したいということと、私自身フィギュアスケートを好きになった理由がスポーツとしての点ではなく、思わず涙してしまうような美しさという点だったからです。

 

確かに好きな選手が不調の時や低迷している時などは、どうしても出来が気になってしまい、技術的な部分に目が行きがちですが、基本的には、ナチュラルにプログラムの世界観を堪能したいという気持ちで観戦しています。いやぁ~選手の立場を思うと、ファンにまで「アレコレ」言われたくないよなぁ~と、できればジャンプの回転不足や細かい部分は全試合スルーして楽しみたいのですが、ルール上ファンをそうさせてくれないもどかしさがあるので、そこには常に葛藤しています。

 

さて、前置きが長くなりましたが、以下に佐野さんの言葉を借りて、選手の持つ世界観とは具体的にどの部分を指しているのかについて書いていこうと思います。

 

芸術性センスのパズル

私はよくブログで「表現力」という言葉を使うのですが、それは決してフィギュアスケートが感情表現のみで評価されているとか、PCS=表現力と思っているわけではなく、演技構成点が、スケート技術(SS)・要素のつなぎ(TR)・動作/身のこなし(PE)・振り付け/構成(CH)・曲の解釈(IN)の5項目から判断されていることを承知した上で、表現力という使い方をしています。

 

では、なぜあえて表現力という言い方をしているかというと、スケーティングの上手さやつなぎの濃さなんかは、言ってしまえば誰が見ても分かりやすい、目で見て分かるものだと思う一方、曲の解釈だったり、それに繋がるPEやCHの部分というのは、奥が深く、表現力として、選手の力量が問われる部分ではないかと思うからです。

 

私は、フィギュアスケートを観る上で、まさにこの部分を重要視していて、こここそに佐野さんのおっしゃる「経験したことしか演じられない人間力なるものが反映されていると考えています。同じ曲でも選手それぞれの演じ方があり、それぞれの解釈がありますが、その中でも「そう!そう!この曲はこういうイメージなの!」「あぁ、ここはあのシーンなんだな」「なんてさり気なく、素敵な魅せ方なんだろう」というくらい気持ち良く心にスッポリハマるプログラムというのがあります。

 

もちろん人によって好みや、多少の解釈の違いはあると思いますが、そういった芸術性の部分で観客のセンスとマッチした演技というのは、過去を見ていても長くに渡って愛され、評価されているのが事実です。同じように振付を与えられても、そこにどんな意味があるのかを理解し、どう色をつけていくのか?どう魅せるのか(緩急・タメ・音ハメ)?は、選手自身のセンスにかかっていると思います。私は、フィギュアスケートにおいて、上記の部分が生きているスケーターの演技を観ることこそが、この競技の魅力であり、楽しさだと感じています。

 

宮原夫人

そこで、番組でも例に出されていた宮原選手の表現力の凄さについて語りたいと思います。今回ゲストの皆さんがおっしゃっていたのは何といっても宮原選手の表現に対する向上心の強さ!

 

実は私もこの語り亭を見る前に、偶然宮原選手のミス・サイゴンを久しぶりに観ていたのですが、そこで気づいたのは「さっとん、この四年間でめちゃくちゃ成長したなぁ」ということ。

 

あの頃に比べて今は、滑りにも表情が出てきて、ひとつひとつの振付のこなしかたがとても自然になっています。当時私はミス・サイゴンがお気に入りで、これ以上彼女に合ったプログラムはあるのだろうか?と思っていたのですが、今ではそのサイゴンがもの足りないくらい蝶々夫人の魅せ方にハッとするものがあります。

 

冒頭の回想シーンがラストに繋がる感じとか、片足スケーティングやスピンの速度で心の動きを表現してくるところとか・・。編曲も面白くて、解釈もディープですよね。個人的に蝶々夫人には「日本人女性をバカにしてない?あなたを待つの?は?」という、少しイラっとくる気持ちがあり、日本人にはあまり演じてほしくないプログラム候補だったのですが、宮原選手の蝶々夫人を見ると、「あぁ良家のお嬢さんをこんな目に遭わせた運命や時代が酷すぎる・・。」と、別な見方で切なくなっちゃいます。

 

きっと色んな視点からこのストーリーを見て、自身と重ね合わせて演じているんでしょうね。ミッツさんの言葉を借りると、今季の宮原選手は、本当に良い感じの大人の女性になりつつあるな、と思いますね。

 

宇野流トレーニン

また、こんなやり方もあるのか!と驚いたのが、宇野選手のあの巧みな音ハメ・間の取り方・表現を込めた動きは、すべて彼のセンスによるものだと思っていたのですが、何とアレは、練習による賜物だったということです!!衝撃なんですけど・・。

 

あの完成度って練習なんですか??才能なんじゃないですか??確かに言われてみれば、試合を重ねるごとに手に入る力の込め方とか、足元のリズムの刻み方とかがパワーアップしていましたが、まさかあれが美穂子先生による指導の再現だったなんて・・!?美穂子先生素敵すぎじゃないですか。そりゃ他の人に振付頼めないわよね・・。

 

でも、同じように「曲を聴きなさい」とか「体をこう使いなさい」とか言われてもセンスがなければ言われていることが分からないと思うし、技術が足りなければ出来ないとも思うんですよ。そう考えると、やはり本人のセンスというか、才能は大きいんじゃないですかね。

 

特にショートの冬の表現何て、雪国出身者が演じているような違和感のなさですよ!冬の冷たさ、厳しさ、儚さがどれも伝わってきます。個人的に、宇野選手の持つリズム感のファンなので、今後のさらなる飛躍に期待しています。彼はいつか、歴史的名プログラムをやってくれると確信していますので!

 

一方、羽生選手は本来、自身の感情で動くスケーターであり、実はソウルフルな演技が持ち味でありますが、ここ最近は、そこら辺が抑え気味にされている気がするんですよね。きっと怪我や表には見えてこない重圧があって、たくさん苦労しているのだと思います。平昌では、心身ともに復活し、爆発した姿をみせてほしいですね!

 

おわりに

番組ではその他にコストナーの表現は「造形美!」といっていたり、高橋大ちゃんのビートルズ・メドレーの素晴らしさを紹介していました。分かる。私も感動したよ。ジャンプが振付の一部というのは、ああいうのを言うんだよ、と心から思いましたもん。

 

会場上から見たフライパンの上のバターみたいなスケートは今でも忘れられないマイベストスケートかもしれません。「表現力」と一言でいうと、それを説明するのは難しいですが、私の中の表現力とは、極論で語れば、やはり美しさであり、感動したかどうかかな。そのスケーターの人生がそのまま映し出されるようなスケートがファンとして一番見たいものかな、と思いました。

 

表現力については以前ここでも言っていたので

goldenretrievers.hatenablog.com

 私が伝えたいことは、これ以上は何もありませんが、審判はそれでも(仕方ありませんが)機械的に表現力を見ているんだな~というのが岡部さんの話で分かりましたね。実際は、この曲の解釈が正しいか、振付が魅力的かなんてよりは、音に動きを乗せているかが大事で、そこが少しでもズレれば点数を出せないという感じかな。(そこに感動が+されればいいよねくらいなのかもしれません)しかし、ジャッジは大変ですね。うるっと来ても泣くわけにはいかないし、審査のため素直に演技に没頭もできないなんて。私だったら日本人選手を前に真顔でジャッジできないわ・・。

 

以上が、あまりまとめになっていない自分語り亭でしたが、ハチャメチャなのは通常運転ということで、大目に見てください。

 

あ、あと付け足しで、宮原選手はシャイだけど、内にこもった表現が今季のプログラムに似合っている~とかで話が進んでいったときに、宮本さんが「宮原選手は元から表現力がある!今季は動きが大きくなり、スケーティングも進化して、凄い」みたいに言ってくれたのが嬉しかったです!そう、よくシャイ=表現苦手みたいな感じで勘違いされそうですが、全然そんなことなくて、むしろリンク上では日本人選手の中でも堂々と演じている選手ですからね!宮原選手が表現の大切さを常に意識していることは間違いないです!

 

ふぅ・・それと私事ですが、ようやく雪に埋もれ壊れていたテレビアンテナが復活し、テレビ(BS・一部民放)が映るようになりました!・・・と、いっても現在進行形で雪は降り続いているので油断は出来ませんが、何とか五輪期間中は、このまま持ちこたえて~!という願いでいっぱいです。4年間待って、本番をリアルタイムで観ることが出来なかったら泣けます・・。どうかこれ以上雪が降りませんように!テレビ復活を機にフィギュア関連の番組があったら、引き続き感想を載せていきます。

 

スポーツ酒場”語り亭” フィギュアスケート表現力ってなんだ(再) 

2月7日水曜
NHKBS1
午後11時00分~ 午後11時50

 

 

 おわり

 

【四大陸】ミスパーフェクト宮原にストップか

四大陸フィギュアスケート選手権2018

 

日本女子シングル表彰台独占必須の四大陸フィギュアの結果が出ましたので、さっそく感想を書いていきます。

 

総合結果

1位 坂本花織  214.21点
2位 三原舞依  210.57点
3位 宮原知子  207.02点

 

予定通り日本勢は金銀銅を獲得。ロシアもいなく、コストナーもいなく、北米の有力選手は五輪まで温存中という環境で、当然と言えば当然の結果ですが、当たり前の結果を当たり前に残すことは、簡単なようで、難しく、とても大切なことですよね。だからこそ、

 

日本女子おめでとう!!

 

・・と素直に喜びたいところですが、あれれれれれ???まさかの宮原選手が3位ですよぉぉー!!全日本女王が五輪直前に黄色信号なんです!!この試合は出ない方が良かったんじゃないか・・とまで思える展開に、正直ショックを隠し切れません。

 

ここに来て宮原知子に何があったのか。

 

あと数週間で立て直せるのか。

 

色々と不安はありますが、今回はそこを含めて、女子フリーに焦点を当て、五輪までの対策を勝手に考えていきたいと思います。

 

目次

 

涙が意味するもの

宮原選手のフリーの得点は、135.28点。3Lz3TのセカンドでUR、3Lz2T2LoのルッツでもUR、そして3Sでは転倒してしまい、 TESは66.52点となってしまいました。また、ミスの影響でPCSでも69.76点と、 やや低めの評価になってしまいました。ずっと日本女子のトップとして走り続けてきた宮原選手ですが、ここにきて気持ちのコントロールに難しさが出てきのか、珍しく会見で涙してしまう場面も・・。初めての五輪、下から追い上げて来る重圧、復帰からのハードな日程、コンディションへの不安・・。あの冷静沈着な宮原選手が人前で感情を抑えきれなかったくらいですから、相当な心理的負担があるのでしょう。一体今、宮原選手に何が起きているのか?なぜ急に「自信をなくしてしまった」のか。あくまでも想像ですが、いくつか思い当たる点を挙げてみました。

スぺ体質

スポーツ選手が故障を繰り返すことをスペランカー体質こと略してスぺ体質といいますが、宮原選手も昨シーズン左股関節を疲労骨折し、今シーズンのNHK杯で復帰してからも、ケガが再発しないよう練習量に制限をかけ、調整に気をつけてきました。しかし、今回入ってきた情報によると、現在宮原選手は、左足の甲に炎症を抱えていることと、全日本後に左股関節に違和感を持っていたことが分かりました。甲の炎症については濱田コーチも「軽度であり、スケーターなら良くあること」とおっしゃっていますが、股関節については「四大陸の出場を見送ろうと説得したが、本人の強い希望でリンクに立った」ということなので、少し心配ではあります。実際にPCSが伸びなかった理由としてパッと思い浮かぶのが、足の動きがいつもよりスムーズではないというか、明らかに足をかばった動きに見えたところです。あそこまで涙してしまうのは、ケガへの恐怖や不安ではないかと私は思ってしまうのですが、出来れば違ってほしいというのが切実な願い。五輪が目の前にあれば無理したくなくても無理したくなるでしょうし、焦りが出てきても不思議ではありません。

回転不足

復帰後といえばルッツの調子がずっと完璧とは言えず、ループやセカンドジャンプでも回転が足りているかヒヤヒヤする場面が多かったのも事実です。本人もそれを気にしてか、「つま先からジャンプを降りると回転不足っぽく見えるから、エッジで降りれるようにしたい」と、着氷を全日本後から変えて練習しているそうですが、何だかその方法がジャンプの乱れを招いているようでなりません。この短期間でジャンプをいじってしまうのはリスキーというか、変に負担がかかってケガをしてしまうのではないかと、これもまた心配です。宮原選手は着氷の仕方がうんぬんではなく、幅のある流れに乗ったジャンプを跳べば普通にクリーンなので、どちらかと言えばそっちの方向に持っていってほしいですね。だって、ループと2A3Tは、まさにそういうジャンプでGOEだって高いですもん。あの質で他のジャンプも決まれば、宮原選手はぐ~んと五輪メダル争いに食い込むのになぁぁあ。ルッツよ、もっっとさっとんのために跳び上がれ!

坂本の存在

これは何気に大きいはず。全日本前までは、宮原選手も五輪の2枠争いは、樋口選手さえ阻止できれば・・!という気持ちが少なからずあったのではないでしょうか。しかし、ここにきて自分とは真逆のスケーター坂本が猛烈な勢いで成長してきているのと、そんな坂本選手に期待をかける周りの流れに焦りや不安が出てきてもおかしくありません。宮原選手からしてみると、坂本選手との間にどんどん縮まる得点を見て、「私がシニアで積み上げてきたものが、あっという間に詰められていく・・」というショックが当然のようにあるとは思います。しかし、本番はまだです。先日のユーロでもそうなんですが、今は若手(新人さん)たちが五輪前に必死にアピールしておきたい時で、お姉さんたちは息を潜めるのというのが五輪の鉄則です!(違う??)名付けて「死んだふり作戦」。オズモンドもメドベージェワも「どうせダメでしょ」と見せかけて、マックス状態で来るのが五輪ですよ。もう騙されないぜ←

 

大切なのは蘇った本気モードのトップスケーターたちの中で実力を発揮すること!それが出来るメンタルを持っているのはサトコ!あなたしかいないっ!

自信を持って

以上が私の考える妄想ストーリーです。しかしですね。五輪前にこうして一度ドン底を味わうってのも良いと思うんですよ。前にも試合後、宮原選手が落ち込んでいた時に、濱田コーチがこれでもか!というほど厳しい言葉をかけていて「こ・・こわ~。さっとん大丈夫?ここから這い上がるどころかトドメ刺されてないかい?」とドキドキしたことがありましたが、宮原選手にはそれをきちんとパワーに出来るスイッチがあり(有能)、きちんとやってくれたので、今回の「情けない・・」発言by濱田 にも火をつけてやり遂げてくれると思います!だから自信を持ってさっとん!

 

というわけで、悪いことばかり書くのも心苦しいので、宮原選手に自信を持ってほしいところもいくつか挙げてみました。

安定のレベル4

スピン・ステップでレベルを取りこぼさないのはトップスケーターの証ですよね。特にステップなんかは、ちょっとしたミスでレベルが下がってしまうので、毎回毎回レベル4を揃えるのは難しいところ。また、ただ上手くこなすだけでなく、プログラムのアクセントとして見せることも必要なわけですが、宮原選手はそこら辺がとても長けていますよね。特にフリーの最後(スピン)は曲にぴったりで素敵。今回は色々と調子が悪くてスピンの加点も渋かったけど、ベストな宮原選手ならここでもっと点が狙えるので自信満々に回っちゃってほしいです。(ジャッジめ、逆回転スピンはもっとGOE狙えるはずだったと思うぞ)

演技構成点

今回は坂本・三原とPCSが1点くらいしか差がないのは、いくらなんでも厳しすぎると感じましたが(ファンの方すみません)、宮原選手は冒頭のポーズひとつとってもこのメンバーの中では圧倒的に美しいです。指先まで伝わる表現、ポーズのぐらつきのなさ、曲のない中での間の取り方・・。スケーティングにも緩急があり、伸びやかです。フィギュアスケートではスピードだけでなく、滑りを自由自在に操る技術が大切にされますし、そこが出来ていないとジュニアっぽい演技に見えてしまいます。そういった面で宮原選手はここ数年で本当に成長したと思います。また、ジャンプの前後にもきちんとストーリーがあるのも好印象ですね。あれだけミスをしても、これだけPCSが下がっても、135点出るのは、レベルの高いプログラムをやっている証拠です。もしこれがジャンプだけのプログラムだったら、加点もつかないし、8点台もつきませんからね。本来はPCS70点台を出しても良い選手なので、今回の点数は忘れて、前向きに五輪へ挑んでほしいです。

メンタル

今回のミスは、モチベーション的なものもあると思うので、本番では持ち前の強い精神力でどうにかしてくれるはずでしょう!私は思うのです。最近の選手たちは世間の声を良く耳にしているんだなと。曲を変えろ!とか発言に気を付けろ!とか衣裳へのダメ出しなど色々と見ちゃうんだろうなと。宮原・樋口・本田選手辺りは名前を検索しただけでも誹謗中傷で並んじゃうというか、遭遇してしまうので、本人たちにも届いているだろうなと思います。普通の人間だったらたえられない批判にも、リンクでは笑顔で立ってくれている姿を見ると強いなぁ、偉いなぁ、どうか潰れないでほしいと応援してしまいますよ。これからますます報道などでも雑音は大きくなると思いますが、出来るだけ身を隠し(?)本番まで宮原選手と限らずすべての選手を外野から守って、全員が平常心で五輪に挑めるようにしてあげてほしいです。

 

・・と、宮原選手だけでこんなに語ってしまった。(約3670字)

いや、あんな落ち込んだ姿見たら居ても立っても居られなくて・・。

乗り越えてほしい。

 

はい!テンションを変えて、ここからは坂本・三原コンビの感想を明るく、まとめます。

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宮原・坂本が胃もたれしちゃうらしい台湾料理。今回は対策もバッチリだったみたいですね。

坂本大暴走の巻

ショートから大暴走の坂本選手。全日本ほどの得点は出ませんでしたが(そりゃそうね)、PB71.34点をマーク。ショートは荒っぽさも逆に激しさを表現してる風に見えてお得感があります!リショーさんGJ!続くフリーでもPBを楽々更新の142.87点!試合前は魚の目を気にして泣いていましたが、まぁ坂本選手は陽気でおしゃべり好きみたいなので、どんな小さな情報もマスコミに伝わって記事になりやすいんだろうな~、と、いうことにして、あまり心配しないでおきます!ただ、悪化する前に治療はしに行くんだよ~。

 

さてさて、肝心のフリー「アメリ」ですが、マイナス評価なしの凄いことになっています。恐ろしいのがスピンでレベルを落としているので、まだ点数を伸ばせるというところ。ここでパーフェクトな演技でなく、課題を残して終えるあたりが、次へのモチベーションとして最高の展開です。PCSもどんどん上がっていますね(68.09点)。フリーはどうしても振付の雑さが気になりますが、それを「ま、いっか」とさせるジャンプの破壊力があるので、ザギトワと同じような「点数を出さないといかん!」空気が凄いです。このまま「もっと点出さんとアカンで~」なノリで、緊張とか考えずに突っ走ってください。(最近マスコミが坂本選手にロックオンしているのがやや不安ではある)

三原と坂本のリンク率

やっとノーミスショートが降臨した三原選手!69.84点おめでとう!本人は70点超えを目指していたとは思いますが、PCS的にも今はこれが限界かな?という気がしました。それでもプログラム変更をせずに、ここまで結果を上げたことは素晴らしいです!むしろ昨シーズンのようなプログラムでは、もっと評価はされなかっただろうし、今これを乗り越えなければシニアでは厳しい道まっしぐらになるところでした。今シーズンはスピードに乗ったジャンプ集中型プログラムを封印したことで、苦戦しましたが、これは来シーズンの坂本選手にも起こり得ることかもしれません。このふたりは、まったく同タイプとは言えませんが、長所と短所が似ているスケーターだと感じています。リンクにいるだけにリンクしている。だからこそお互いを鏡だと思って、特に苦手とする表現面においては切磋琢磨してくれるといいなと思います。三原選手の課題が克服できたかといえば、まだ厳しいところですが、今回のショートは滑りにパワーが戻っていて良かったです!フリーの方ではエラーや回転不足がついてしまいましたが、まだ点数が伸ばせるのはプラス要素になりますね。

 

三原選手!前髪を切ったらアジア系ハリウッド女優風のセクシーな雰囲気が出て、タンゴに似合っていましたよ!そして前髪ありはスプレーで固めるともっといいよ!フリーは斜めわけか、アップの方が天使の爽やか感が出ると思うよ。

 

以上。

最後のまとめに入ります↓

ノーミス+αに飢えている

 ユーロの後に四大陸を観ると、点数的にも苦しくなる結果でしたが、坂本選手が四大陸女王というタイトルを引っさげて五輪に行ってくれるのは心強いですね。(だからワールド出さなくて大丈夫なんかい、揉めるの勘弁それでも正直いうと、坂本選手のPCSは高いなぁと思いますが、今後のことを考えると、ジャンプの加点がモリモリもらえる坂本選手のようなスケーターを育てていきたいという気持ちは凄く理解できます。これは完全な好みの問題ですが、個人的には、宝のような技術を持った坂本・三原にはもっと魅せるスケートをして、エモーショナルなスケーターになってほしいです。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 今のフィギュア人気の低迷には、少なからず「前ほど感動しなくなった」「思わず目を引くような美しさがない」という心理があるのではないでしょうか。ライバル対決が盛り上がらないのも、「いや、だからどっちが勝つのか、誰が強いのか点が出るまで分からん」というくらい世間からは全部同じに見えちゃっているということ。

もっと酔いしれるようなフィギュアらしいスケートが観たいんだけどなぁ。

そう、もしかしたら私はノーミス+αに飢えているのかもしれません!というか、プログラムが破壊しない程度なミスくらいなら、本来いくらでも魅せれるはずなんですよね。例えばバンクーバーの高橋(元)選手の「道」なんてプラスアルファの王道ですよ!フィギュアを普段観ない層からも「良かった」と言って貰える演技。そういうのに飢えているというか、そういうのが足りないと感じてしまうのです!今シーズンは五輪シーズンということで、かなり各選手のプログラムには期待していたのですが、多くの選手が+αプログラムより、いかに点を稼げるかに特化した既視感の強いプログラムを選んでいて、期待外れなのは否めません。もちろん勝つためには仕方がないのですがね。でも、それがファン離れを加速させていることをISUには知ってほしいな。皆やることが多すぎて、余裕がなくなってしまっているんだよ。本当に観たいのはフィギュアスケートらしい鳥肌が立つ美しい演技だということを。

 

五輪では、そんな数少ない+αな選手にメダルが届いてほしいです。

 

おわり

【ユーロ】メドベージェワの復帰戦をザギトワが阻止!

欧州選手権2018

 

遅くなりましたが、欧州選手権(女子シングルオンリー)のまとめを載せます。

 

さっそく総合結果から↓

 

1位 アリーナ・ザギトワ(ロシア) 238.24点

2位 エフゲニア・メドベージェワ(ロシア) 232.86点

3位 カロリーナ・コストナー(イタリア) 204.25点

4位 マリア・ソツコワ(ロシア) 201.81点


優勝はロシアのアリーナ・ザギトワ。なんとケガで暫くの間、競技から離脱していた女王メドベージェワをあっさり抜いてしまいました・・!!予想通りというか、五輪シーズンあるある展開とでもいうか・・若手が五輪開幕寸前でベテランを破るというお決まりのパターン?になってまいりました!!

 

 

以下からは、注目選手の感想になります。

 

 

アリーナ・ザギトワ

SP 80.27 TES 43.00 PCS 36.28

ショートはノーミス!3Lz3Loのクオリティが高すぎて驚きです。全要素に高い加点がつくのも納得の技術。ここでノーミスできたのは大きいですよね。きっと先輩たちの姿から心技体たくさんのことを学んでいるのでしょう。演技構成点を出すにあたっては、ジュニアっぽいんだけれど、やっていることは全くジュニアじゃないと悩ませるジャッジ泣かせの選手です。

FS 157.97 TES 82.67 PCS 75.30

続くフリーでも絶好調。フリーは揺らがな過ぎて逆に怖いです。五輪本番でミスがこないように祈っておかなければ!そして気になるのは、フリーのスコア!157.97点。これは世界歴代2位につくハイスコアなわけですが、私が思うにメドベージェワが持つ世界歴代最高点の160.46点は、国別対抗戦で出したお祭り大サービス点であることから、実質は今回ザギトワが出したこの157.97点が女子シングルの最高点と考えて良いのではないでしょうか。現在メドベージェワは154点辺りがマックスといった状態に踏みとどまっていますし、スケーティング以外の技術ではザギトワの方が有利に思えます。何といってもフリーでは弱点となる演技力(シニアらしい芸術性)を圧倒的な技術でカバー出来、才能を惜しみなく発揮できる場と化しているため、ノーミスされたらPCSはどんどん上がっていくことから、かなりの警戒が必要です。

 

エフゲニア・メドベージェワ

SP 78.57 TES 40.43 PCS 38.14 

ケガから2試合ぶりの復帰戦。アクセルでミスがあったものの、プログラム全体の滑り込みは素晴らしかったです。メドベージェワのショートは完成度が高く、作品として見せようとしている様子が分かります。ザギトワとの違いはまさにソコで、ショートプログラムにおいて、このふたりがノーミス対決ならメドベージェワが上にくると思います。しかし、仮にメドベージェワがショートでつまづいてしまうと、フリーで逆転するというのは、ザギトワが大きなミスでもしてくれない限りは難しくなるでしょう。五輪では、ショートでいかに差をつけられるかが大切になってきます。

FS 154.29 TES 77.15 PCS 77.14

3F 3Lz! /3F3T 3Lo 2A2T2T 3S3T 2A
ルッツに!、アクセルは・・やはりバッチリとは言えませんでした。特に3連はどうしても苦手そうに見えてしまうくらい力んで跳んでいます。衣裳も黒の方が好みだったなぁ。今回はジャンプに専念!という感じで、いつもより退屈な演技に見えてしまいましたが、ひとつひとつの動作を細かく見ると、シニアデビュー時よりも洗練されて、とても良くなっているんですよね。今のメドベージェワは技術だけでなく、表現面でもしっかりと力がついてきているので、五輪ではそれら二つが融合したものを見られることに期待したいです。


カロリーナ・コストナー

SP 78.30 TES 39.93 PCS 38.37

3F3Tを投入して80点に迫るハイスコア!というより、そのうち80点出そうな気もします。PCSは高くて納得ですが、あまり上げ過ぎるのも競技のためにはいかがなものかと思うので、このぐらいで止めてほしいな~というのが個人的希望です。(もちろんコストナーだけでなくトップ選手全体で、です)採点競技で満点ってなかなか出るものではないと思うんですよね。どんなに素晴らしくても、満点というのは簡単に出していいものであってはいけない。競技の質を高めるためにも満点というのは、ここぞというときにひとりにだけ出して欲しいなぁと思いました。何だかこのままだと、ジャッジはオール満点とか実践してしまうのではないかと感じたので・・。もちろんショートで一番のPCSがコストナーということには納得ですし、当然だと思います。

FS 125.95 TES 51.86 PCS 75.09

3Lzfall 3F2T 3Lo/ 2T 2A<hd 2A 3S2T 2T

フリーではジャンプが大崩れしてしまいました。ミーシンコーチから離れた影響でしょうか?前半は、ジャンプ前にかなりスピードが出ていたように見え、後半はそこを調整しようとしたのか、やや減速したら回転を上手くかけられなかったように見えました。残り少ない時間で改善できるか少々心配なところでありますが、コストナーの場合は構成を下げても勝てる強みがあるので、本番までどう挑んでくるか分かりませんね。ギリギリで構成を変えるなんてことも考えられます。また、衣装は全身ラメの黄緑パンツverになっていました。まだ見なれませんが、超コストナースタイルといった感じ。あの衣装で表彰台に立ったら話題になりそう・・と思いました。


マリア・ソツコワ

SP 68.70 TES 35.13 PCS 33.57

今季途中で回転不足を克服し、好調だったソツコワも、さすがにピークアウトか?!と感じた試合でした。この結果が後を引きずらなければいいけれど・・と思っていたら予感は的中。フリーでも伸び悩んでしまいました。

FS 132.11 TES 65.30 PCS 67.81

フリーではルッツで転倒。久々のミスで、最近モリモリ上がっていたスコアもあっという間に落ちてしまいました。そうかぁ~。そうなのかぁ~。やはりノーミスでないと上位3選手にミスがあろうと食い込むことは難しいよなぁと、まるで日本人選手を見ているような気持ちになってしまいました。それだけTOP3(オズモンドを入れれば4強)の存在感が凄すぎるんですよね。まぁここまでは、色々と疲れもあり、モチベーション的にも一度落ち着く頃だったのでしょうから、またここから気合いを入れて頑張ってほしいです!リンクでもソツコワらしい雰囲気みたいなものが出てきて、プログラムを少しでも良く見せようと、衣裳やヘアスタイス等にも意識している様子が伝わるので微笑ましいですよね。そんなソツコワには、ジャンプの安定性を強みに、決してロシアの3番手とは萎縮せずに、メダルを狙っていってほしいです。

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時代はエテリ・トゥトベリーゼ

私がロシア選手権の感想を書かなかった理由はただひとつ。どうせユーロがロシアナショナル化する。これにつきます。もうユーロというよりロシア選手権なんですよね。しかも今回に至っては五輪メダル候補のガチンコファイトではありませんか。もっと言えば、ピョンヤンチャンオリンピックの前哨戦ことエテリンピックですよ。メドベージェワといいザギトワといいエテリコーチ生なわけですが、このエテリコーチの戦略が今のフィギュアスケートを圧勝圧巻しているといっても過言ではありません。歴代でもタラソワコーチ、モロゾフコーチ、オーサーコーチと多くのメダリストを手掛ける名コーチたちがいまし(す)たが、このままいけばエテリコーチもチャンピオンメーカーの仲間入り決定ですね。エテリコーチのやり方は、とにかく技術を磨け!誰よりも難しいことをしろ!な軍隊的スケートですが、ある意味それは、表現力において未熟な若手でも、つなぎや加点を貰えるプログラム作りをすることで、PCSを稼ぐことを可能にするのです。「ザギトワの演技はまだ未熟だよ」と言っても、採点ルール上のやることはやっているので、PCSを出さなければいけません。これは、ISUにとっても思わぬ事態だったのではないかと想像します。なぜなら、このやり方が主流になれば、五輪後の国際試合の表彰台も、ザギトワと同じような選手、すなわち、エテリ・トゥトリベーゼの生徒で溢れかえってしまうからです。

 

ランビエールの嘆き

私の好きなステファン・ランビエール氏も雑誌のインタビューで、現在のフィギュアスケートの在り方について不安を口にしていました。やはり関係者から見ても、後半にジャンプを詰め込むという方法は、点を稼ぐには間違いではありませんが、全体的なバランスといった面で考えると芸術的要素は欠けて見えてしまうんでしょうね。

 

ランビ「難しいプログラムでもバランスがとれていれば美しいよ!」

 

ということですが、要するに、背伸びをして技術でスコアを高めるよりは、技術と表現のバランスを釣り合わせてやっていこうね、そうすることで初めて後半ジャンププログラムが生きてくるんじゃないかな?という優しいアドバイスですね。確かに表現を技術で補うやり方も、その逆も間違いではないけれど、どちらかに偏ったものではTESとPCSのふたつで判断する競技とは言えないのかもしれません。

 

ランビ「メドベージェワのショートは好き。動きに感情表現がある。」

 

実際に同じエテリ生のメドベージェワのショートには太鼓判を押しているランビエール氏。決してエテリコーチのやり方の批判ではなく、詰め込み型の構成でも、そこに表現が加わり上手くできていれば、とても素晴らしいものになるんですよ!ということ。だからこそザギトワがジュニア時代のプログラムを今季も使用したのには、若手が挑戦しないなんてもったいないと感じたようです。(参考フィギュアスケートLife・Dancing Poeta — ステファン・ランビエール:「リンクを揺るがすスケーターが必要だ」

 

きっと多くのファンや関係者も、「間違いではないけれど、何かが違う」とフィギュアスケートの方向性について少なからずの不安を抱えているのだろうな、と思います。それでもザギトワ自身が、ジャンプ以外での見せ方も頑張ろうと励んでいるのは伝わりますし、スケーティングもシーズン初期より上手くなっているのは分かります。個人的には、ドン・キホーテは金メダルを狙えるプログラムだと思うので、五輪シーズンに使用したのは正解だとは思います。どちらかと言うと、ショート・フリーで同じようなイメージでいってしまったことの方が気になったかな・・。ショートはバレエプロではなく、他のパフォーマンスによってほしかったです。

 

エモーショナルな演技を好む流れ

私はエモーショナルな選手が好きです。一方でロシアのようなジャンプ技術・スピン技術に優れた選手も大好きです。ザギトワのジャンプ技術は本当に素晴らしいですし、あんなに難しいことを、あれほどクリーンに行える選手はいません。ザギトワなら後半ジャンプ作戦なしでも魅力的なスケーターになれるでしょう。(それまで続けてくれるかは分かりませんが)

 

問題はスコアを稼ぐために、ロシアを真似て後半ジャンプやタノジャンプ、過剰なつなぎをする他国の選手たち。上手くいけばスコアは上がりますが、それでもロシアを超えることはないでしょう。私は、このルールは今だけで、そのうち大きく変わると思うと、真似るよりは表現を大切にした方が良いと思います。ジャンプをバランスよく跳びなさいルールになったら、表現を磨いていない選手は大ピンチになってしまいますよ。ロシアはそうなったら、そうなっただけの対策(4回転・セカンドループ・正確なレベルとり)を練れそうですが、そうでない選手は、リスキーな道は選ばない方が良さそうです。

 

言ってしまえば、スピンなんかは、美しいかどうかでなく、レベルがとれるかどうかが今のルール。それでも何か工夫は出来ないかと、振付師や選手は考えてプログラムを作って練習していますよね。前にも書きましたが、コストナーを見ていると、ロシアのやり方だけがすべてではなく、自分にあった方法次第でスコアは大きく変わると思います。例えばタノジャンプで勢いをつけようとした日本の本郷選手も、実はタイプ的にはロシア路線よりも、コストナー路線に寄ると魅力が生かせるのでは?と感じますし(コストナーもスピンはそんなに強くないけどスコアが出せるようにしてるので研究してみるといいかも)、逆に坂本選手はロシアの後半ジャンプイケイケスタイルで成功しました。三原選手はロシア風コテコテ表現プロとつなぎを実践した結果、勢いが落ちてしまいましたが、本来は正統派北米スケーティング路線が似合うでしょうし、樋口選手はそれと同じパターンからの脱却で成功しました。(三原はアメリカ系華やかスケートで樋口はカナダ系元気スケートですが)

 

エテリ時代の後は、エモーショナルなスケーターが評価される時代がくると思います。そのためにも、その選手に合ったスタイルで選手を育成していけるようにしていただきたいなと思いました。皆が皆同じじゃつまらないですからね。

 

おわりに

メドベージェワは今、焦りが出ていると思いますが、彼女はそれにいつまでも振り回されるほど弱い人間ではないでしょう。今回はケガ明けということもあり、さすがの女王にも緊張があったと思うので、五輪ではザギトワとノーミス対決が出来ることを願います。そう考えると、11ヵ月も試合に出れなかった宮原のNHK杯での演技は強靭的なメンタルすぎると改めて実感しましたね。宮原知子のメンタルの強さは現在女子ナンバーワンかもしれません・・。

 

さて、こんな凄い試合を見せられた後に四大陸選手権が始まるわけですが、出場選手には戦意喪失せずに、1点でもスコアを更新してきてほしいです。メンバーを見ても日本人メダル独占を期待されると思いますから、そこがまずひとつの五輪プレッシャーへの練習として頑張ってきてほしいです!日本勢が油断すると、(調子が良い時)さりげなく好位置につくトゥルシンバエワもいるので要注意!韓国選手も少しでも五輪のために活躍しなければ・・とやってくるでしょう。この時期のモチベーションは作るのに大変かもしれませんが、応援しています。

 

ただ、我が家、このスーパー豪雪でテレビアンテナが雪で崩壊してしまいました。修理したくても、すぐに積もるのでなかなか出来ません!一度光にしたのですが、使い勝手が悪くやめてしまったのを後悔。五輪までに修理が間に合いますように!

 

もちろん四大陸はPCで観戦します。今夜も降りそうで泣けてきます。五輪だけは生で大画面で観戦希望・・。

 

唐突ですが、おわります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

と見せかけて、補足

コストナーのような空間を操る演技だったり、鈴木あっこちゃんのようなエモーショナルな演技というのは、コーチでは教えられない本人の「センス」が必要だと思います。その点エテリコーチは、ザギトワにはまだ、上のふたりのようなセンスや、リプニツカヤやメドベージェワのような「演じる力」が目覚めていないと感じ、持ち前の柔軟性と可愛らしさを生かしたバレエプログラムで攻めることにしたのでしょう。実際「ドン・キホーテ」としてプログラムを見るには、とてもよく表現されているのは確かですよね!ショートもバレエプログラムにしたのは、「勝つためにはまだそれでいくしかない」とした決断だったのかな、とは思います。ただ、ザギトワはそれこそプログラム次第で凄く化ける子なんじゃないかなとも見えて仕方がない・・。私はコーチでもなんでもないので、勘でしかありませんが、この選手こそ長く続けていく上で、とんでもないエモーショナルなスケーターになる気がするのです・・。

 

 

選手たちの成長の記録を追ってます

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ファン以外から見たフィギュアスケートの印象

 

まもなく開催が近づいてきた平昌五輪。

 

そんな冬季五輪の花形とも呼ばれる競技といえば、フィギュアスケート

 

日本でも世界クラスの選手がたくさんいてとても人気がありますよね。

 

しかし、いくら人気といっても会場まで足を運ぶマニアックなファンから、話題になっていればテレビで観る層、または国際主要大会でメダルをとっているような選手の「名前」くらいなら知っているよという層まで、その競技の詳細に関する認知度は様々。

 

もちろん、全く興味がございませんという方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は、フィギュア大好き人間の私が、フィギュアスケートってファン以外からはどんな風に映っているのだろうかについて冷静に検証し、まとめた結果を書いていきたいと思います。

 

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選手の印象

モニター:フィギュアスケートが好きでも嫌いでもない人

検証方法:試合や引退したスケーターが出演している番組を一緒に観て、感想を聞く

 

まずは、各現役選手から引退したスケーターたちの印象を分析します。

 

※ちなみにスケオタから印象を聞くと、ほぼほぼ(自分の好きな選手は)美男美女で、完全完璧な素晴らしい神的存在になります。まさに愛は盲目とはこのこと!

 

以下、順番に関しては適当です

 

浅田真央トリプルアクセル

織田信成→3人も子どもいるの?!すぐ泣く人

村上佳菜子→引退したの?まだ23歳なの?

羽生結弦→細い、プーさん

高橋大輔最終的に真央ちゃんと結婚しそう

本田真凜→韓国人っぽい、かわいい

本田紗来→ロシア人とのハーフ??

荒川静香イナバウアートゥーランドット

佐野稔→適当なおっちゃん

樋口新葉→ヒグチシンバ?

紀平梨花→キヘイリカ?

三原舞依→中学生?

坂本花織→水泳選手っぽい

本郷理華→試合とインタビューのギャップが凄い

プルシェンコ→ヤバい

ゴールド→超かわいい

宮原知子→細い、沖縄出身?

鈴木明子→名前が普通

田中刑事→本名?

安藤美姫フェルナンデス

フェルナンデス→面白いプログラム滑る人

ネイサン→髪形すごい、羽生くんより強いの?

宇野昌磨→小さいのに(クリムキンイーグルを見て)腹筋凄い

コストナー→髪の毛をちゃんと結ばなくても大丈夫なのか疑問

メドベージェワ→誰も勝てない

ザギトワ→お人形さん、ジャンプはやっぱ若い方が有利なんでしょ?

オズモンド→かわいい、全体像が強そう

デールマン→化粧凄い

白岩優奈→一番かわいい

 

 

などなど・・。突っ込みどころは満載ですが、一般層からすればこんな感じなのね・・という感じ。特にアンダーラインを入れた個所に関してはオイオイ!と気になるところ。

 

高橋大輔→最終的に真央ちゃんと結婚しそう

何で同じ競技をしているというだけで、真央ちゃんやねん!

(真央ちゃん・大ちゃんのため否定しておきました)

 

・本田紗来→ロシア人とのハーフ??

いや、両親日本人だし、上の兄弟姉妹も日本人やん!

 

・坂本花織→水泳選手っぽい

坂もっちゃんが水泳をしていた過去を知らないのに、なぜか水泳オーラを察知する能力は侮れない

 

安藤美姫→フェルナンデス

お別れしました・・・・。

 

・白岩優奈→一番かわいい

「この子の方がかわいい!(誰と比べて?)」「フィギュア選手にしてはかわいい(オイ!)」と、なぜマスコミはこの子をほったらかしているんだ?!という意見がチラホラ。でも分かる。私も白岩さんはかわいいと思うわ。

 

続いては競技に関する印象を聞きました。

 

採点競技って分かりにくい

「フィギュアって見ていても誰が勝つのか分からない」

これが一番多く出た感想ですね。うう確かに・・。正直、私もよく分からない試合が多いので答えにくい質問ではありますが、案外これが「こけても勝てるってスポーツじゃなくない?」という厳しい意見にもつながるんですよね。あと何気に多いのが、キム・ヨナってインチキなの?」「ネットの陰謀論ってマジ?」という類のもの。そういうものを目にすると、ますます採点競技は分からないし、所詮お金持ちの道楽なのね~という風に見られて切ないです。

 

しかし、これがリアルな声といえばリアルな声なんですよね。新採点方式になってレベルは向上したし、技のひとつひとつが正確になったとは思います。一方、転んだり、両足着氷でも、基礎点の高いジャンプで回り切っていれば点数的なダメージは少なかったり、一見成功に見えたジャンプでもエッジエラーや回転不足があれば、得点をごっそり失ったりと、素人目ではなかなか分かりにくいのも事実。特に一般層はジャンプ以外の要素はおまけみたいにしか思っていないでしょうし、スピンやステップにレベルがあることや、どんなプログラムに高い演技構成点が出るのかなどは、ほとんどといって分からないと思います。

 

だからこそ「なぜノーミスでも勝てないの?」「表現力で低い評価をされて勝たせてもらえないんでしょ?」と言われちゃう。世間ではノーミス=優勝が当たり前なんですよね。

 

ただこの表現力と言われる点においても、つなぎの少ない助走が多いプログラム・両足スケーティングでエッジの浅い直立滑走・音を無視した動きなどでは点が出ないというルールはあまり知られていません。ルールと照らし合わせて、各試合巡りをしながら映像でも復習し、勉強するような濃いファンでない限り、理解するのは難しい競技だと思います。

 

ひとつ言えるのは、いやぁ愛されているな~というジャッジがあるのも嘘ではありませんが、基本的に陰謀論的なものは、ファンの妄想半分だと考えてOKということ。ファンと言ってもジャッジではありませんし、不可解な評価だなと思うことはありますが、全部が全部おかしいわけではありませんし、割とちゃんとジャッジしているなと思うことも多いです。

 

ファンが強烈すぎて引く

最後はズバリ「スケオタの印象」について。これはですね。一言でいうと強烈ですね。やばい。男子オタは熱狂的で、女子オタは過激です。特にSNSでのファンによるライバル選手同士のバトルはやけどしますよ、ホント。スケオタってなんでこうなんでしょう?!競技の特性??サッカーだとサポーターの抗議や不満はSNS(内側)より外に向かって直接解き放たれますが、フィギュアは違うんですよね。ネットで暴れる。さすがに容姿に関する誹謗中傷はやりすぎなんじゃ・・とヤフコメなんかは見ていて良い気持ちにならないので極力見ませんが、個人的な分析によりますと、どうやらスケオタはネットで呟く活動を好む、どちらかというと内向的な人が多いのかな?という気がします。まぁ、そういう私もこうしてブログを書いているので当てはまるのかな?

 

ただ、いくらネットで顔が見えないからといって、リアルでそれ言ったらドン引きされるだろう・・という表現を使ったり、一体どんな人がこんなこと言ってるの?と驚くようなクレーマーには、誰が見ても引きますよね。それにファンによるフィギュアスケートの過剰な持ち上げやゴリ押しも。

 

とにかく感じたのは、周りに変な印象がつかないように応援したい・気を付けたいということですね。ちなみに、私はバンクーバー五輪後にブログにて「真央ちゃん今回はミスが出て、金メダルがとれなかったのは残念だったけど、ワールドでは完璧に滑り切って優勝してほしい」と書いたら、恐ろしいファンに「違う!真央ちゃんはアクセルを3回も成功させたんだから本当は優勝なんだ!キム・ヨナが金メダルを盗んだんだ!これだからフィギュアに詳しくない奴は・・!」と叱られました。「真央ちゃんはワールドになんて出なくてもいい!出たってキム・ヨナ八百長で勝つんだから!転んでも勝つ!そんなことも分からず出ろというなんて、これだからフィギュアに詳しくない奴は・・!」と、しつこいくらい粘着されて、当時は本当に怖かったですよ。実際ワールドでは真央ちゃんが優勝しましたが・・。おそらく私だけでなく、他にも同じような経験をされた方もいらっしゃると思いますが、実はこういうやりとりでスケオタから離れる方もいるので、同じ批判でも丁寧な文章で書くのと、書かないのとでは随分印象も違ったんだろうにな、と残念になります。(なんか真央ファンが例になってしまい申し訳ありません。あくまでも一部ですのでお許しを。)

 

以上のように、ファンがファンにドン引きするという事例もあるので、お互いに、出来るだけ傷つかないようにしたいと思いました。もちろん、第三者から見ても引かれないことも合わせて・・。

 

 

スケートはおもしろいよ!

最後になりますが、これが個人的に調査した何の信憑性もない「ファン以外から見たフィギュアスケートの印象」結果でした。

 

出来れば皆さん・・。フィギュアスケートってヒラヒラした衣装で踊ってるだけだろ?と言わずに観ていただきたい。特に男性諸君。

 

フィギュアスケートは、ジャンプだけでなく、スピン、ステップ、スケーティングなどを総合して楽しむ競技なんです!ぜひ、ジャンプではジャンプ前の助走の短さや、跳ぶ直前までの足元の細かな動き、スピード、飛距離や高さ、流れ、などに注目し、スピンでは軸のブレなさや、ポジション変化のスムーズさや難しさ、速度などを見ていただけるとありがたいです。あとは上下の動きの激しさや、リンクをどれだけ広く使っているかなどもポイントとしてご覧ください。

 

よく分からんわ!という場合は、例としてロシアのメドベージェワ選手の足元をおすすめします。(多分一番わかりやすいので)ステップを踏みつつもグイグイ加速していくので、演技構成点が高く出るんだな~というのが分かると思います。ジャンプではカナダのオズモンド選手が(これまた一番わかりやすい)ベスト。超絶ダイナミックなので注目してみてください。正確性はありませんが、キム・ヨナよりも凄いです!あとは表現力(曲の解釈や音ハメ)なんかはイタリアのコストナー選手が一人勝ちしていますし、見れば意味が分かると思うので、そこにも注目を。スピンでは日本の宮原の(腰を逸らせた)スピンがオススメ。あれは世界一です!

 

そんなこんなで、五輪では誰が勝つという内容ではありませんが、フィギュアスケートを楽しんで観るポイントとしてここら辺を覚えていてくださると嬉しいです。

 

ひとりでもファンが増えることを願って・・。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

【全米も波乱】アシュリー台落ち、テネル優勝!未来とカレンは夢叶う

2017/2018シーズン全米選手権

 

※タイトルの「アシュリー台落ち」という意味は、全米の(4位までの)表彰台から台落ちという意味ではなく、代表になる可能性が高まる(3位以内)位置からの台落ちという意味です。悩んだのですが、タイトルの文字数の関係で、これを一言でまとめたかったのでこうなりました。

 

アメリカ女子の平昌五輪代表選手が決定しました。

 

ブレディ・テネル・ミライ・ナガス・カレン・チェンの3選手です。

 

まさかのアシュリー落選・・。

 

まだ気持ちの整理はつきませんが、今から全米選手権の感想を少し書いていきます。

 

大会前予想

全米前、私の予想は以下の通りでした。

 

①テネル・・ゴールドが抜けた枠にスッポリと入れる要素を持っている

②アシュリー・・何だかんだで最後にまとめてくるはず

③カレン・・アシュリーと同じ理由+PCSが出る

④ミライ・・3Aが他を崩してしまうかもしれない不安

 

しかし、結果は違いました。

 

①テネル→予想通り

②ミライ→嬉しいサプライズ!!

③カレン→予想通り

④アシュリー→涙涙涙

 

やはり波乱はつきもの。ちょうど2位と4位の順位が入れ替わりました。毎度ながら本当に本当に最後まで何が起こるかわかりませんね。

 

演技内容は?

続いて、演技の感想や代表選考についてまとめます。

 

ブレディ・テネル(219.51点)

ショート・フリーを通して五輪では全米ほどの点数(特にPCS)は出ないかもしれませんが、今最も勢いに乗っているアメリカンスケーターには違いないですね!ジャンプもスピンもいいし、何より安定している。日本で言う坂本枠といった辺りかな?そういう面では、日本にとって、テネルは強敵になるでしょうね。五輪という場で、こうした勢いで迫るダークホースの席は、ひとつしか用意されていないと思った方がいいかもしれません。

 

ミライ・ナガス(213.85点)

今シーズンはアクセルが他の要素を崩してしまうのではないかと、色々な面での心配があったのですが、強かったですね!想像以上に強かった!ショート・フリー共にアクセルがパーフェクトにいかなくても最後まで力尽きることなく、諦めることなくまとめた姿は素晴らしかったです!フリーでの観客のスタンディングオベーションと歓声は、いかにミライ・ナガスが代表にふさわしい演技をしたかを物語っていたと思います。テネルと同様、五輪では今回のような点数は出ないかもしれませんが、私は何より全米で210点台出たことが、とてもとても嬉しいです。バンクーバー、ソチに続いてピョンチャンで、3大会連続トリプルアクセルが見れるなんて幸せです!ミライちゃん、ミライの未来が輝いたね!本当に本当におめでとう!!

 

カレン・チェン(198.59点)

カレンの課題は回転不足。その点ではアシュリーと同じか、それ以上の問題点でもあります。今回も3Lz3T< 3F< 3Lz< 3S<<と、かなりの不安要素を残してしまいました。しかし、カレンにはPCSにおいて強みがあります。「カレンのPCSは高いよ!」という声もありますが、私はそうは思いません。カレンはアメリカ女子の中でも、プログラム全体をとても美しく滑れる数少ないスケーターであり、とても芸術的センスを持ったスケーターでもあると見ています。ジャンプさえ改善されれば一番怖いのはカレン・チェンといっていいでしょう。この選手が長くスケートを続けてくれたら、どんな風になるだろうかと考えると少し楽しみでもあります。

 

アシュリー・ワグナー(196.19点)
う~~ん。体も絞って、ノリノリで滑れてはいましたが、どうしてもジャンプの状態が良いとは言えませんでしたね・・。PCSについては「低すぎる」と嘆かれていますが、まさにココが代表争いのポイントだったのではないかなぁと思います。というのも、確かに他の3人に比べるとアシュリーの見せ方は技術的にも表現面でも優れているのは分かりますが、どうしても、まだフリーが滑り込めていないのでは?という印象があり、そこが今回大きく出てしまったかなと思えてなりません。また、他国のトップスケーターと比べると足元の面で、もう少し濃くした方が今のルールではいいのではないか?という心配が、PCSにも反映されている感もぬぐえなく・・残念ですが早めに対処できていたら代表入りは間違いなかったかな~と思うと、シーズン途中に体調を崩してなかなか練習できなかったアシュリーがかわいそうで・・。

 

運ってなんなんでしょう。運は人を良い方にも悪いほうにも振り回す。でもそれが運だからどうしようもない。また運をプラスへと変えていくしかないのか。ああ、アシュリー、本当に残念だけど、どんな状態でも滑ってくれてありがとう。

 

やはりアシュリーの姿が五輪にないというのは辛い・・。

いや、でもアメリカは北京に向けて若手を育てていくんですね。アメリカ女子の復活と活躍も見たいし、そう思うことにしよう!

 

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嬉しさと悲しさ

ラスボスは演技構成点

五輪で運命を分けるのは、ショートからいかにPCSで差をつけられるか。これがまず最終グループに残れるかどうかの境界線になります。なぜテネルのPCSがあれほど高く、アシュリーは異常に低いのか。それはジャッジの出した決断なので、批判する前になるべく私なりに考えた結果、それは演技のスムーズさだったのかなと考えます。確かに演技力やスケーティングにおいてテネルはアシュリーよりもレベルが落ちます。しかし、ジャンプをテンポよく跳んだり、流れがあるといった面では、テネルは上位4選手の中でもピカイチでしたよね。一方アシュリーは、ここ最近ずっとジャンプ前にスムーズさがかけ、それがせっかくの他の長所を消してしまっているのではないかと感じていました。また、今シーズンの傾向として、ミスしたらPCSもマイナスされやすくなっているのが関係していたのかなとも・・。これに関しては、逆に無名や若手選手の良い演技が続いた場合にも、短期間でPCSが上がるという風にもなっているので、ベテランと若手の垣根が昔ほどなくなりつつありますよね。そうなると、技術点だけでも稼いでしまう若手を、ベテランがPCSで超えるには、以前より難しいのかもしれませんね。

 

うう・・若手(主に10代)以外の選手すべてが、コストナー並みの技術表現を求められるのはキツイよなぁ。ベテランの基準があそこだと、そりゃ若手のパワーで押そうとなるのも分からなくもないかな。

 

アメリカはシビア

そうは言っても、私はアシュリーの調子が上がった時の演技は、アメリカ女子五輪一番手に値すると信じていましたがね!もっとパフォーマンスや細かな滑りの面を重視する流れだったら、今回の結果でもアシュリーはPCSでメダルをとることが出来たでしょう。実際、国内大会と国際大会の採点にはどの国も開きがありますし、どこを重視したいかで、選手たちの成績を2,3点くらい上げたり下げたりなんてどうにでもなりますよね。全日本と全米で爆発力と勢いのある坂本とテネルが選ばれたのは、時代がそういう流れだからなのでしょうね。それでも、アメリカはアシュリーを落選させ、テネルを全米女王にしたからには最後までシビアです。日本のように、五輪と世界選手権に出る選手を分けっこなどしません。分けっこするくらいなら、決断できるまで、きちんと選考する、それが正しいと思いますね。アメリカは決断の早さ、理由からしても、最初からアシュリーの代表入りは難しいと見ていたようで、これまたやはりシビアだな~と思いました。

 

それでもアシュリーが好き

アシュリー自身もジャッジには色々と疑問に思う点もあったと言葉を残していますが、それでも今は代表選手の応援団として成功を祈ってくれると、アスリートらしいさわやかな決意をしてくれ、ファンとしては泣きそうです。足の感染症で上手い具合に滑り込みできていなかったブランクが、五輪シーズンでは大きく響いてしまったかもしれませんが、ピークさえ五輪に合えば、アシュリーこそ適任なんじゃ・・フリーがあとひと月だけでも滑り込めれば変わるんじゃ・・、そんなことを今悔いても仕方ないので、これからのアシュリーを見守ることに徹します。個人的には、アシュリーが全米のリベンジをできる機会があればいいのですが・・今は痩せて筋肉も落ちたように見えるので、四大陸はどうなるか心配でもありますが、アシュリーには笑顔でエネルギッシュに現役を終えてほしい・・。それまではアシュリーをずっと応援したいです。

 

アシュリーの素晴らしいスケート人生を祈ってるよ!幸あれ!

 

五輪そして世界選手権へ

泣いても笑っても、これで代表が決まった今、次に注目されるのはアメリカ女子の五輪や世界選手権での立ち位置です。ざっとメンバーを見たところ、ノーミス対決の場合は、もちろん宮原>>アメリカ女子なのかな?という気はしますが、坂本VSテネル・カレンだとどうなるんだろう?という予想はつきませんね。カレンは後半調子を上げてくるとみているのですが、どうでしょう。回転不足さえつかないor少なくすめばかなり手強い相手ですよ。カレンは小柄なのでジャンプ自体は軽やかでキレイ!回転の入りさえ改善されれば、凄いスケーターになれそうです。テネルは五輪か世界選手権のどちらかで、実力を証明できれば選手としていい印象を残したままシーズンを終えれますね。本人もそこはかなり意識して、これから挑んでくることでしょう。ミライちゃんは、トリプルアクセルがリスクでもあり、救世主にもなったと思います。最終的には、このアクセルがミライ・ナガスのセールスポイントになり、代表切符をつかんだといってもいいくらい、とても理想的な計画でした。これは他の誰かが同じ戦略で来ても、夢には届かなかったかもしれません。しかしミライ・ナガスだからこそ成功したのだと思います。それくらい強い気持ちでここまでやって来たのですよね。きっと。長い間頑張りましたね。どうか五輪でもベストが尽くせますように・・!

 

最後に

そうそう、今回全米の舞台裏(ツイッター)ではゴールドの元気そうな姿(ややハイテンション気味?)が見られましたが、また少しずつ復帰への気持ちが芽生えだしたようで嬉しいです。と、いっても、急ぎは禁物!ゆっくりと不安を吐き出して、万全の状態でリンクに戻ってくれるのを待っています。

 

以上で最後になりますが、アメリカ女子の皆さんと日本女子の対決を楽しみに(再び日本の前に立ちはだかる強敵になるのはイヤなので阻止は必須)本番は、どちらも応援したいと思っています。

 

そして願いかなわず、五輪に行けなかった各国の選手たちの今後も、輝けるよう、同じくらい応援しています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

おわり

 

アシュリー!!私は点数関係なく、 Hip Hip Chin Chinもラ・ラ・ランドムーラン・ルージュも大好きだよーー!!!

 

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新葉と花織 明暗を分けたモノ、日本人の魅力とは?

 

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします!

 

今年の目標は、ブログの更新を増やすこと!

新年早々サボり気味になってしまいましたが(ダメ人間の基本)、今日から心入れ替えて月10記事を目指して頑張りたいと思います!(宣言したからにはやらないとね)

 

皆さんにとって実りある一年でありますように・・♡

 

 

さて、記念すべき2018年の一発目の投稿は「フィギュアスケート」について。

 

以前私は、グランプリシリーズ中にこんなことを呟いていました。

 

私はずっと日本人スケーターの魅力ってなんなんだろう?と思っていました。ロシアにはロシアの色が、カナダにはカナダの色があるじゃないですか。日本はロシアほど高度な技術を持つわけではないけれど、カナダのようなパワーがあるわけでもない。一体、日本人スケーターは世界からどんな風に映っているのかな~と考えていたんですよね。でも、最近少しずつココなんじゃないかな、という部分が見えてきた気がします。その武器になる部分が間違っていなければ、日本スケート連盟はあのふたりを五輪に出すのではないかな。(ここについては全日本後に書きます)

 

大事なところをピックアップすると

 

その武器になる部分が間違っていなければ、日本スケート連盟はあのふたりを五輪に出すのではないかな。(ここについては全日本後に書きます)

 

うぅ・・本当は全日本後すぐに書こうと思っていたのですが、私のポンコツな頭での五輪代表予想が見事外れてしまったのと、年末年始にパソコンを開ける機会がなかったので話が流れてしまっていました。

 

が、日本女子の魅力なる部分というのは、代表選手が誰であっても変わらないと思うので、そこだけは書いておきたいなぁという気持ちと、一度「書く」と宣言したからには、きちんと約束を果たしたいので、少々時間差となりますが、上記のテーマについて書いていこうと思います。

 

 

まず私の五輪代表予想はこうでした

告白と懺悔を致します。今季に入ってから観れる試合や報道はすべてチェックし、その結果をもとに感想をかける余裕がある時はすべて記事にしてきました。

 

ちなみに、その様子のごく一部

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そして、それらを総括した結果、私の中で「女子の五輪代表はこのふたりだろう」という考えがありました。

 

今だから隠さずいうと、それは宮原知子選手と樋口新葉選手

 

※あくまでも全日本前の時点でです。

 

このふたりには、それくらい日本女子の持つ魅力が詰まっている!そう確信していました。(坂本選手には本当に申し訳ないです・・。坂もっちゃんも大好きです。)

 

日本女子にしかない謎のカリスマ性

日本女子の強みってなんじゃい、ロシアほどテクニシャン&強心臓でもなく、カナダほどパワー+スピード&パフォーマーでもない!一体どこが彼女たちの魅力なわけ?

 

そんな嘆きの声を上げているスケオタさんたちも多くいらっしゃいました。

 

確かに外国人スケーターたちのスター性は凄いです。勢いがあります。一気にスターへの階段に上ってしまう。日本がいくら頑張っても次々と狂人的なライバル選手が現れ、あっという間にメダルを総なめされてしまいます。

 

しかしですね、個人的にですが、日本女子にはスター性はなくてもカリスマ性はあると思うんです。

 

いやいや、スター性とカリスマ性って何が違うの?と突っ込まれそうですが、日本には、一瞬でパッと結果を出す、ポテンシャルを兼ね備えたスター選手はいなくても、「あぁココが惜しかったね」「もう少しでメダルだったね~」「正直トップには立てないよね」と言われながらも、長い時間をかけてコツコツとやった結果「あれ?この子こんな素晴らしい選手だったっけ?」「今季で凄く磨かれたんじゃない?」「頑張っている姿を見ていたらファンになっちゃった」と、知らぬ間に応援したくなるドラマティックで不思議なオーラを持つ選手が昔から多い、とにかく愛される選手が多いと思いませんか?

 

そして、こういう誰でも出せるわけではない魅力って、ある意味カリスマ性と言っていいんじゃないかなぁと、私は考えているわけです。

 

何だかどこか健気で、一生懸命戦う姿に胸を打たれるというか、プログラムにその選手の人生や思いが詰まっているのが伝わる演技というか。選手の入れ替わりが激しい中、小さい頃から知っている子たちがシニアの舞台で地道に頑張っている姿に、海外ファンたちも愛着が沸いてきて、おじいちゃんおばあちゃんが孫を見ているような気持ちになるんじゃないかなぁ、と思います。これって少し、日本のアイドルオタク文化にも似ています。選手ひとりひとりに歴史があって、その子たちが頂点に立つまでの成長を皆で応援していく感じ。不思議と日本人選手には海外ファンもそんな目で見てしまう謎の魅力があります。

 

「誰がメダルをとると思いますか?」と聞かれたらロシア人とカナダ人選手の名前をあげる人が大半だと思います。しかし、「誰の演技をもう一度みたいですか?(感動でも可)」と聞かれたら今季の宮原・樋口の名前をあげるファンが多いのではないでしょうか。

 

伊藤みどりのDNAは続いている

まさにそんな日本女子の謎のカリスマ性は、遡ると伝説のスケーター伊藤みどり氏にたどり着くわけです。すべてはこの方から始まった。だっていまだに魅力的な日本人選手を見つけると海外勢はこう言いますもの。「彼女はミドリのようだ!」って。その言葉を聞くたびに「あぁ日本女子には記憶に残るスケーターになるDNAが引き継がれているんだなぁ」と感慨深くなります。今まで私が日本人だから、日本人の演技に感動するのかな?と半信半疑な部分があったのですが、やはり海外解説者やファンの声を聞くと、それは間違いではないと実感できます。

 

確かに強さ=スターだったり、華やかさ=スターだったり、国が変わればスポ根=スターだったりもする。しかし、そのスターというのは、観ている側の視点の問題で決まり、好みは人それぞれ。そう言った意味では誰でもスターになり得るのです。一方、感動する演技というのは、好みや頭で考えるものではありません。意図していないのに心が動き、感じるものです。そういう演技が、そういうスケーターが今後も日本からたくさん育ち、誕生してくれることを期待しています。

 

新葉と花織

と、これだけ熱弁しても、今いったことは感情論にしか過ぎず、それらが直接「点数」として反映されるのかといったら「感動点」なるものはないので、勝つためには結局、技術向上が必須という事実には変わりありません。ただ、なぜ私がその「感動できるカリスマ性」を日本女子の強みにしたかと言えば、それはズバリ今季が五輪シーズンだったからです。五輪という特別な舞台では、いつもと違うプラスアルファなものが好まれます。それがこの「感動できるプログラム」と「感動できるサクセスストーリー」。この二台柱が五輪女子フィギュアの醍醐味といっていいくらい、重要視されているものだと思います。話は初めに戻って、その点からしても(実をいうと)私は五輪代表発表ギリギリまで2枠目には、樋口選手が選ばれるのではないかと淡い期待をしていました。坂本選手の成長と勝負強さも素晴らしかったのですが五輪には点の出る樋口、世界選手権には枠を取り戻すため勝負師の坂本だろうと思っていたのです。

 

まぁ実際はその逆でしたが、スケート連盟の決断も「普通」というか、正しいと思います。ただ、私は、ここで日本が世界に挑むためには、先を見据えてスケート連盟がチャレンジしても良かったんじゃないかなぁぁとも思いました。いや、坂本選手の豪快なジャンプや、とにかく加点がつくスケートも私はとても期待しているんです。あそこで力を発揮できたことは、もちろん選考に値します。でもね、こうも思っちゃったんです。

 

ロシアだったらここで坂本選手に決めるのだろうか?、と。

 

ソツコワとツルスカヤ

私の脳内では選考基準に当たって、勝手にソツコワ=樋口、ツルスカヤ=坂本だったら・・という風に思って考えていました。ロシアだったらこの立場でどちらにするか・・。そう考えたときロシアだったらこの全日本での結果は保留にするなと思いました。多分年明けに最終決着をつけさせるのではないかと予想したのです。僅かな差でも、違いでも、入念に見極めるのがロシア。なるべく周りの空気をよんで無難なところにおさめようとするのが日本。そうではないでしょうか。五輪を坂本選手にしたのに世界選手権を樋口選手にしたあたりなんかはモロにそう感じてしまいます。選手を大切にしている証拠?そうなのかな?五輪を一か八かで坂本選手の爆発力にかけるのなら、大事な試合でピークを合わせられなかったからと落選した樋口選手を世界選手権に選出するのは・・あれ?勝負強さを重視とかどこいった??という話。坂本選手の今後の活躍を期待して五輪に選出したなら、半分こみたいなやり方は選手にとっても、実績をつむための評価が中途半端でおわり良くないのでは?と、疑問に思うのは私だけなのかと思いましたが、おひとりだけ同じことをおっしゃっていたブロガーさんがいたので、ひっそりと同意しました。

 

「五輪は枠取りとか関係ないし、宮原選手以外にメダルの可能性はかけていないから2枠目の成績とかは重視していません、だから全日本で良かった人が勢いでいってきな~。でも世界選手権は1点でも点が出る人のが必要だから休んでね。」ということみたいでなんだかな。う~ん、坂本選手の安定感(ここぞという時のメンタル)を評価して選出したのなら、3枠取り返すための世界選手権になぜ坂本選手を選ばなかったのだろう。そして五輪の扱いが謎すぎる。なぜ全員で戦おうとせず、いつもひとりのメダルだけに期待をかけるのか。ひとりが崩れても、もうひとりが取り返すくらいじゃないと今のトップとは戦えないのに。

 

実績が発揮されるタイミング

代表選手の選出で選考基準から総合的に判断するという例として、過去に高橋大輔さんがソチの代表選手に選ばれたことがありましたが、その時彼は世界選手権での優勝経験やオリンピック銅メダリストなどといった既にスケーターとしての大きな実績がありました。一方今回女子の選考基準では、まるで「宮原以外ワールドメダリストもいないし、実績といえる実績を持つ選手はいない」と、実績で評価されるような選考ではありませんでした。本当にそうなのでしょうか。大きな大会でのメダルがなければ、それ以外の成績が実績というかたち(目安)になるのではないかと思います。だってそれが現在の女子の実績なのですから。そもそもワールドメダリストがごろさらいる男子の基準で語っても仕方がないことなんです。女子には女子の「実績基準」がある。そんな違和感がありました。

 

女子の場合は今季の成績をよく考慮することも重要でした。まずは、今季のSB、そして最低スコア。その選手の上下を見ることは、かなり大切なことだと思います。五輪なんてどの選手も初めてで緊張はしてあたり前。いつも通りに出来ないなんてことがあってもおかしくありません。そんな時に助けてくれるのが経験だったりする。シニアでトップ選手の見たこともないピーク状態と共に戦わなければいけない中、それに負けない演技と、少しでも勝負できる演技構成点がもらえるかは、少なくても経験と実績が鍵になると思います。

 

そういうことから、あの日本女子が惨敗したといわれた名古屋ファイナルは、五輪前に経験しておくべき大切な試合だったはずです。あの成績をそのまま惨敗と受け取るのは早すぎたのではないかと残念に思います。

 

五輪で誰が0.1点でも多く点をだせるか、もっと突っ込んでいってもよかったのではないでしょうか。

 

明暗をわけたもの

ここまで書くと「あなたただのワカバ贔屓じゃない」「坂本さんに失礼よ」と言われそうですね。すみません。文才がなくて失礼な言い方になっていたかもしれません。でもそんなことはありませんよ!!坂本選手が五輪に選ばれたことを不満になんて思っていませんし、あのスケートは磨けば磨くほどキラッキラになると思っていますから。選考方法に疑問は抱きましたが、決まったことに関しては、素直に応援したいし、納得もしています。また、坂本選手のショートの完成度の高さは本当に素晴らしいですし、昨年のフリーはPCSの評価もまだ眠っていた感じでしたが、個人的にはシーズンが進むにつれて情緒が出てきて「表現が芽生えてきている!」と興奮したので、まだ粗削りと言われている部分にも坂本選手ならやってくれるはず!と、これからに期待しています。

 

あ、あともうひとつ。中国の方が言っていました。「カオリのスケーティングを見ると日本人のスケートだあぁぁとすぐ分かる!日本人のスケートは滑らかでキレイ。みんな丁寧だよね。」これも日本人スケーター、特に坂本選手の魅力でした!!忘れちゃいかん!

 

結局、樋口・坂本選手の明暗を分けたものは、選考会で力を発揮できたかどうかでした。だからといって、どちらのメンタルが強いとかは、この結果だけで私は判断できかねませんが、やはりその人が持つ「運」のようなものはどうしてもあるんだろうなぁという気もします。坂本選手はそういう面で「持ってるな」という印象は強いですよね。しかし運も実力のうち。五輪にはそれが必要だったりもするので、スケート連盟はそこにかけたのかな、と最終的には思いました。

 

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ノーミスの神様

最後になりますが、フィギュアスケートで一番大切なのはノーミスでどこまで点がでるかだと思っています。私が宮原・樋口オシだった理由には、このノーミス点において、他の選手よりアドバンテージがあると思ったから。しかし坂本選手もこのふたりとはグイグイ差をつめてきているので、今後ノーミスで思ったより点がでなくても、持ち前のガッツでのぼりつめてきてほしいです。もちろん、実力があってもミスしてしまえば、メダルをとらせてもらえないのが五輪。ミス待ちではいけませんが、日本勢がノーミスすれば、その評価は上がると思います。

 

平昌ではぜひ、日本女子の魅力・強みを発揮して、普段フィギュアを見ない人々にスケートの素晴らしさを感じてもらえたら嬉しいです。そしてひとりでも多くのさっとん・さかもっちゃんファンを増やしてきてほしいです!

 

 

さらに、ワカバ応援団としては、樋口選手を世界選手権に選んでもらって、もう一度ジプシーダンススカイフォールが見られるのは最高です!もう「枠を減らした」と、日本女子が責められる姿は見たくないので、次こそ中国杯を超えるような素敵な演技ができるように祈っています!

 

ノーミスの神様、どうか日本女子にお恵みを~~!!

 

おわり

フィギュア五輪代表選考会を終えて、ただのファンが全力で呟く

 

全日本フィギュアが終わりました。

 

ここまでとても長かった・・・。

 

それくらいシーズン開幕から色んなことがありました。

 

そして最後の最後には、誰にも予想できなかった結果となりました。

 

これが五輪シーズン、これが全日本選手権

 

まさにそんな言葉通りの戦いに、アスリート世界の厳しさを改めて感じました。

 

また、それと同時に代表選手を迷えるほど層のあつい日本を誇りにも思えました。

 

考えてみてください。少し前まで日本女子は崖っぷち扱いでした。

 

世界選手権で宮原選手が棄権したとき、日本は宮原がいなければ戦えない、奇跡でも起こらない限り枠は確保できないと厳しい目を向けられていました。

 

しかし今はどうでしょうか。今は違いますよね。たった一年もしないうちに日本女子は成長しました。私はそう思います。

 

宮原以外にも国際舞台で評価される選手たちの存在。

 

国内での位置づけがいつ変化してもおかしくないほどの若手の勢い。

 

五輪・四大陸・世界選手権の補欠選手でも、決して3番手とは言い切れない能力。

 

この短期間で日本女子がとても苦しい思いの中、頑張ってくれたことに対し、労いと感謝の気持ちを伝えたいです。

 

知子ちゃん、新葉ちゃん、舞依ちゃん、理華ちゃん、坂もっちゃん、真凜ちゃん、白岩ちゃん、本当にお疲れ様でした!そしてありがとうございました!!!

 

そして男女の代表を勝ち取った宇野・田中・羽生・宮原・坂本選手はおめでとうございます!今回願いが届かなかった選手たちの分も頑張って平昌で戦ってきてほしいです!

 

・・と、ここまで書いても樋口・三原選手のことを思い出すだけで涙が出てしまうどうしようもない私ですが、このふたりが既に前を向いているのだから、ファンがいつまでも悲しんではダメだ!と、ここからは全日本の感想を明るく書いていきたいと思います!(多分しんみりモードになるけど)

 

目次

 

ミスパーフェクト宮原の強さと涙

ケガ明けで全日本までは調整試合のつもりでGPシリーズ戦を挑んだものの、急きょファイナル進出が決まり、慌ただしいスケジュールの中、身体に負担がかかっていないかとても心配でした。そしてその不安は全日本のショートを観て的中。すべてのジャンプがギリギリで、なんとか根性で跳んでいるように見えました。その結果、ジャンプで回転不足をとられ2位発進。この時私は、フリーでジャンプが持つのか・タイトル連覇を守れるのか半信半疑になってしまいました。

 

しかし、宮原知子は強かった。フリーのジャンプはルッツ以外どれもショートとは全然違う出来でした。もちろん良い意味でです。そしてスピンやステップは言うまでもないくらい上質で、表現面でも頭一つ抜けていました。どんな過酷なスケジュールでも、どんな精神状態でもノーミスで結果を出してくる。これがトップスケーターなのかと改めて宮原知子の強さを認識しました。

 

演技が終わり涙する宮原選手の姿を見ると、ケガをしてから全日本に戻ってくるまでの道のりや、自分の力を出し切れたことへの安堵感など、色々な感情が入り混じっているんだろうな、と思うと、あの涙は宮原選手の努力が滲みでた瞬間なのかなと思いました。

 

頼もしい日本のエース宮原知子の理想的な復活劇の続きを平昌で観たい。

 

そんなファンの思いと、宮原選手の夢を五輪では悔いなく発揮してきてほしいです。

坂本の粘りが夢を掴んだ

全日本開幕前、まさか坂本選手が優勝に限りなく近い滑りをみせてくれるとは思いませんでした。スケートアメリカの結果を受け、SBを出すような良い滑りが出きるだろうとは予想していましたが、この短期間で宮原選手と優勝を争うような(アメリカ戦の数倍キレのある)レベルの高い仕上がりにしてくるとは正直思っていませんでした。GPシリーズのメダルで自信がついたのでしょう。坂本選手の技術が勢いに乗ったら、それだけで演技構成点の高い宮原選手にも追いついてしまう。ショート終了後、私は「坂本選手は2枠目を樋口選手と競うかたちとなるだろうな」と考えていましたが、それは違いました。坂本選手は本気で宮原選手に勝ちにいっていた。いや、勝ってやろうと思っていた。実際勝っていてもおかしくない滑りだったと思っています。

 

坂本選手が代表の切符を掴んだ理由は、この粘り強さと諦めない精神ではないでしょうか。シーズン初めに「ダメだ」と思ったら即プログラム変更をし、ジャンプを全部後半に入れなければ「勝てない」と思ったら即実行し、全然モノにならないと思ったら試合数を重ねまくって「出きるまで諦めない」、その結果がようやく表れたのがスケートアメリカでの銀メダルで、後は持ち前のポジティブシンキングで全日本まで突っ走ったら「ゴールが見えた」。最後の最後までやり切った結果が今なのでしょう。(坂もっちゃんは完全にソチの町田枠でした)

 

これからハードスケジュールの中、トップスケーターたちと戦っていく上で、笑顔で滑り切れない時もあるかもしれない。しかし何事も経験。あの大きなジャンプと豪快なスピンと力強いステップは来季もプラスになる宝です。ぜひ、坂本選手の持つたくさんの長所を生かして五輪デビューと共にシニアで活躍していってほしいです。

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スケート愛伝わるドラマチックな樋口

「2枠目は総合的な判断のもと決定します。」

樋口選手は分析能力があり、自分にとても厳しい選手。今シーズンは、女子の選考基準をしっかりと把握し、全項目に名前が刻まれるよう努力に努力したのだと思います。そして2枠のうちの1枠は宮原選手の手にあるということも理解していたのでしょう。そのため、なにがなんでも他の選考基準の保険は全部「取りに行く」と食らいついた結果、全日本では力尽きてしまったように見えました。しかし蓋を開けたら、選考基準で重要視されたのは、全日本一発勝負のみ。これには泣けてしまった。中国杯で1位だったら・・1度でもザギトワ選手を破っていられたら・・他の試合に出ていたら・・ファイナルで唯一の日本人出場者だったら・・タラレバは仕方ありませんが、樋口選手には評価以上の評価を得ていてもおかしくない場面がたくさんあっただけに、全日本直前で宮原・坂本選手とほぼ選考基準で同等の位置になり、保険の強みが薄まってしまったのが気の毒でなりませんでした。

それでも現実は現実だし、結果は結果。樋口選手自身がもう4年後に向けて進んでいるので、こちらも精一杯応援したいです。今回の件を受け私は、今まで樋口選手には五輪に出てほしかったけど、訂正する。樋口新葉には五輪金をとってきてほしい。北京ではそれを期待する。心からそう思いました。皆の者~!スカイフォールが平昌五輪でお披露目されないというもったいなさを後悔するがいい!!若いうちから運がなくても実力で批判も受け止めて頑張る樋口選手は凄いよ!全然弱くなんてないから自信を持って進んでほしいです。

 

樋口選手がどれだけスケートに人生を捧げているか、どれだけ真剣か、それは今シーズンあなたの演技を見ていた人全員に伝わっていました。素晴らしいスケート愛です。こんなにドキドキしながら試合を見守るなんて、私にとっては浅田真央ちゃん以来。どこかハラハラドキドキさせるんだけど目が離せないドラマティックなスケーター。ずっと応援していきたい。強くそう思いました。頑張れワカバ!

三原の努力をファンは知っている

宮原選手の不在中、日本女子を支えてくれた三原選手。全日本では体の調子が思わしくなかったのか、本来の伸びやかな動きが出来ませんでした。冬になるとリウマチの症状が出てくるようで、なかなか難しいところだったと思いますが、フリーの心のこもった演技への惜しみない歓声と拍手は、スケートファンから三原選手への感謝の気持ちです。

 

ずっと代表を目指してきて、夢が叶わなかったとしても「あの出来で代表に選ばれたら申し訳ないので・・。それでも四大陸に選んでいただけて嬉しいです。」とコメントできる気高さは十代とは思えないほど立派。しかし、ファンとして言いたい。こんな時は優等生でなくてもいいんだよ。我慢しなくてもいい。アスリートなんだから悔しいと言っても全然いいんだよ。むしろもっと殻を破ってもいい。それで演技の幅が広がるのなら、三原選手が強気な発言をしようが、誰も嫌いになんてならない。

 

「なぜショートを変えないのか」「あんなに似合っていないプログラムを五輪に持ってくるなんて」

 

それは、この先をずっと見ていたからでしょう。今変えなければ、来シーズンはもっと変わらない。言葉には出さなくても悔しかったはずです。過去に同じことを言われた選手がいましたが、成功するためには失敗も必要です。ここで無難な曲を選んでいても代表争いの結果は変わらなかったと思います。三原選手が何よりも素晴らしいのは、演技構成点が伸び悩んだのは曲のせいではなく、自分に表現力が足りないのだと頑張っているところ。こういう選手には報われてほしいです。

 

とにかく、今はゆっくり休んで舞依ちゃん!

本田真凜の再スタート

「気が付いたらトップ選手についていけてない」

そう分かったときには間に合わなかった。まるでそう言っているかのような全日本での演技だった本田選手。試合後も「思い描いていたスケート人生が今日で変わった」「今はスケートのことは考えられない」と本田選手らしくない弱気な発言がチラホラ・・。

 

思えば本田選手は以前、こんなことを言っていました。フィギュアスケートを始めた理由を「皆自分ひとりだけを見てくれるから」と。私はこの言葉を聞いてとても悲しくなった記憶があります。もっと自分だけを見てほしい・・自分にも注目してほしい。どこか本田真凜という人間の中にある寂しさのようなものを感じたからです。

 

今回代表入りできなかったことに加え、トップ選手から外れてしまったことに世間での注目度は下がってしまうかもしれません。しかし、その注目が離れたからといって、本田選手が終わったわけではありません。だってまだシニア1年目じゃないですか。個人的に全日本のトゥーランドットはミスこそありましたが、今までの中で最も音に負けていないシニアらしい演技で良かったと思います。本田選手は美しさを持った才能ある選手。できれば今後は自分の強みをフィギュアスケートという場一本で最大限に生かして、心に残る演技として注目を浴びてほしいです。

厳しい後半戦になることを覚悟

最後に、今後について一言だけ。実は宇野選手が心配です。かなり疲労が蓄積しているように見えます。これから年を越して、四大陸・団体戦個人戦・世界選手権と続く中で体力も気力も消耗してしまわないかハラハラします。ただでさえファイナルから全日本までの調子の悪さを見ると、ピークが崩れてしまっているのではないかと気になるのに、この過密日程でコンディションを整えるのは至難の業ですよね。(そう思うと、どんな時でも結果を残していた全盛期の真央ちゃんのフィジカルって凄い)

 

また、ケガ明けの宮原選手が世界選手権まで持つのかもやや不安です・・。いくら五輪明けの世界選手権といっても今回は地元コストナー選手も出場すると思いますし、ロシア勢はメダルはとれるうちにとるスタイルだから必ず挑んでくるだろうし、決して楽に枠を取り戻せない覚悟はしておかないといけませんよね。またまたそんな時に、重役を任せられる樋口選手・・。五輪帰りの選手たちと戦うのは、演技構成点の評価の面でどうでるのだろう?とは思いますが、今度こそ笑って終えれるような結果になってほしいです。

 

坂本選手はフリーの表現がもっと洗練されると一気にぐ~んとトップグループの仲間入りができるだけに、あのマイムの長さが気になります・・。マイムはロシアの売りなので真似れるところはどんどん真似て点数を伸ばしていけばいいとは思いますが、ちょっと長すぎて休憩とみなされていないか心配。もう少し短くすれば演技構成点もでるんじゃないかなぁ。半分は滑りながらやるとか。

 

羽生選手については、五輪前にきちんと滑れるのかを連盟がチェックした方がいいですよね。そうするとは思いますが、いくらなんでも団体戦(出ないにしても)ギリギリまで公開できないレベルなら本気で出しちゃいけないと思います。そうでないと、羽生選手本人が批判を浴びてしまいそうだし、スケート連盟の選考会の信用にかかわる大事になってしまいますよ。まぁ実際は大事をとっている程度だから選考できたと思いますが、治ってるだとか、重症だとか色々な情報が行き交っているので少し心配になりました。

 

それにしても、無良くん・・。あの涙を見たら、こっちも堪えられないではないか。今回の全日本で一番泣けたよ・・。お疲れ様。

 

以上で感想を終わります。

 

いや、これで本当に終わりにします。

 

代表発表後、すぐに気持ちを切り替えられた樋口新葉の未来に幸あれ!