オオカミのとおぼえブログ

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新葉と花織 明暗を分けたモノ、日本人の魅力とは?

 

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします!

 

今年の目標は、ブログの更新を増やすこと!

新年早々サボり気味になってしまいましたが(ダメ人間の基本)、今日から心入れ替えて月10記事を目指して頑張りたいと思います!(宣言したからにはやらないとね)

 

皆さんにとって実りある一年でありますように・・♡

 

 

さて、記念すべき2018年の一発目の投稿は「フィギュアスケート」について。

 

以前私は、グランプリシリーズ中にこんなことを呟いていました。

 

私はずっと日本人スケーターの魅力ってなんなんだろう?と思っていました。ロシアにはロシアの色が、カナダにはカナダの色があるじゃないですか。日本はロシアほど高度な技術を持つわけではないけれど、カナダのようなパワーがあるわけでもない。一体、日本人スケーターは世界からどんな風に映っているのかな~と考えていたんですよね。でも、最近少しずつココなんじゃないかな、という部分が見えてきた気がします。その武器になる部分が間違っていなければ、日本スケート連盟はあのふたりを五輪に出すのではないかな。(ここについては全日本後に書きます)

 

大事なところをピックアップすると

 

その武器になる部分が間違っていなければ、日本スケート連盟はあのふたりを五輪に出すのではないかな。(ここについては全日本後に書きます)

 

うぅ・・本当は全日本後すぐに書こうと思っていたのですが、私のポンコツな頭での五輪代表予想が見事外れてしまったのと、年末年始にパソコンを開ける機会がなかったので話が流れてしまっていました。

 

が、日本女子の魅力なる部分というのは、代表選手が誰であっても変わらないと思うので、そこだけは書いておきたいなぁという気持ちと、一度「書く」と宣言したからには、きちんと約束を果たしたいので、少々時間差となりますが、上記のテーマについて書いていこうと思います。

 

 

まず私の五輪代表予想はこうでした

告白と懺悔を致します。今季に入ってから観れる試合や報道はすべてチェックし、その結果をもとに感想をかける余裕がある時はすべて記事にしてきました。

 

ちなみに、その様子のごく一部

goldenretrievers.hatenablog.com

 

そして、それらを総括した結果、私の中で「女子の五輪代表はこのふたりだろう」という考えがありました。

 

今だから隠さずいうと、それは宮原知子選手と樋口新葉選手

 

※あくまでも全日本前の時点でです。

 

このふたりには、それくらい日本女子の持つ魅力が詰まっている!そう確信していました。(坂本選手には本当に申し訳ないです・・。坂もっちゃんも大好きです。)

 

日本女子にしかない謎のカリスマ性

日本女子の強みってなんじゃい、ロシアほどテクニシャン&強心臓でもなく、カナダほどパワー+スピード&パフォーマーでもない!一体どこが彼女たちの魅力なわけ?

 

そんな嘆きの声を上げているスケオタさんたちも多くいらっしゃいました。

 

確かに外国人スケーターたちのスター性は凄いです。勢いがあります。一気にスターへの階段に上ってしまう。日本がいくら頑張っても次々と狂人的なライバル選手が現れ、あっという間にメダルを総なめされてしまいます。

 

しかしですね、個人的にですが、日本女子にはスター性はなくてもカリスマ性はあると思うんです。

 

いやいや、スター性とカリスマ性って何が違うの?と突っ込まれそうですが、日本には、一瞬でパッと結果を出す、ポテンシャルを兼ね備えたスター選手はいなくても、「あぁココが惜しかったね」「もう少しでメダルだったね~」「正直トップには立てないよね」と言われながらも、長い時間をかけてコツコツとやった結果「あれ?この子こんな素晴らしい選手だったっけ?」「今季で凄く磨かれたんじゃない?」「頑張っている姿を見ていたらファンになっちゃった」と、知らぬ間に応援したくなるドラマティックで不思議なオーラを持つ選手が昔から多い、とにかく愛される選手が多いと思いませんか?

 

そして、こういう誰でも出せるわけではない魅力って、ある意味カリスマ性と言っていいんじゃないかなぁと、私は考えているわけです。

 

何だかどこか健気で、一生懸命戦う姿に胸を打たれるというか、プログラムにその選手の人生や思いが詰まっているのが伝わる演技というか。選手の入れ替わりが激しい中、小さい頃から知っている子たちがシニアの舞台で地道に頑張っている姿に、海外ファンたちも愛着が沸いてきて、おじいちゃんおばあちゃんが孫を見ているような気持ちになるんじゃないかなぁ、と思います。これって少し、日本のアイドルオタク文化にも似ています。選手ひとりひとりに歴史があって、その子たちが頂点に立つまでの成長を皆で応援していく感じ。不思議と日本人選手には海外ファンもそんな目で見てしまう謎の魅力があります。

 

「誰がメダルをとると思いますか?」と聞かれたらロシア人とカナダ人選手の名前をあげる人が大半だと思います。しかし、「誰の演技をもう一度みたいですか?(感動でも可)」と聞かれたら今季の宮原・樋口の名前をあげるファンが多いのではないでしょうか。

 

伊藤みどりのDNAは続いている

まさにそんな日本女子の謎のカリスマ性は、遡ると伝説のスケーター伊藤みどり氏にたどり着くわけです。すべてはこの方から始まった。だっていまだに魅力的な日本人選手を見つけると海外勢はこう言いますもの。「彼女はミドリのようだ!」って。その言葉を聞くたびに「あぁ日本女子には記憶に残るスケーターになるDNAが引き継がれているんだなぁ」と感慨深くなります。今まで私が日本人だから、日本人の演技に感動するのかな?と半信半疑な部分があったのですが、やはり海外解説者やファンの声を聞くと、それは間違いではないと実感できます。

 

確かに強さ=スターだったり、華やかさ=スターだったり、国が変わればスポ根=スターだったりもする。しかし、そのスターというのは、観ている側の視点の問題で決まり、好みは人それぞれ。そう言った意味では誰でもスターになり得るのです。一方、感動する演技というのは、好みや頭で考えるものではありません。意図していないのに心が動き、感じるものです。そういう演技が、そういうスケーターが今後も日本からたくさん育ち、誕生してくれることを期待しています。

 

新葉と花織

と、これだけ熱弁しても、今いったことは感情論にしか過ぎず、それらが直接「点数」として反映されるのかといったら「感動点」なるものはないので、勝つためには結局、技術向上が必須という事実には変わりありません。ただ、なぜ私がその「感動できるカリスマ性」を日本女子の強みにしたかと言えば、それはズバリ今季が五輪シーズンだったからです。五輪という特別な舞台では、いつもと違うプラスアルファなものが好まれます。それがこの「感動できるプログラム」と「感動できるサクセスストーリー」。この二台柱が五輪女子フィギュアの醍醐味といっていいくらい、重要視されているものだと思います。話は初めに戻って、その点からしても(実をいうと)私は五輪代表発表ギリギリまで2枠目には、樋口選手が選ばれるのではないかと淡い期待をしていました。坂本選手の成長と勝負強さも素晴らしかったのですが五輪には点の出る樋口、世界選手権には枠を取り戻すため勝負師の坂本だろうと思っていたのです。

 

まぁ実際はその逆でしたが、スケート連盟の決断も「普通」というか、正しいと思います。ただ、私は、ここで日本が世界に挑むためには、先を見据えてスケート連盟がチャレンジしても良かったんじゃないかなぁぁとも思いました。いや、坂本選手の豪快なジャンプや、とにかく加点がつくスケートも私はとても期待しているんです。あそこで力を発揮できたことは、もちろん選考に値します。でもね、こうも思っちゃったんです。

 

ロシアだったらここで坂本選手に決めるのだろうか?、と。

 

ソツコワとツルスカヤ

私の脳内では選考基準に当たって、勝手にソツコワ=樋口、ツルスカヤ=坂本だったら・・という風に思って考えていました。ロシアだったらこの立場でどちらにするか・・。そう考えたときロシアだったらこの全日本での結果は保留にするなと思いました。多分年明けに最終決着をつけさせるのではないかと予想したのです。僅かな差でも、違いでも、入念に見極めるのがロシア。なるべく周りの空気をよんで無難なところにおさめようとするのが日本。そうではないでしょうか。五輪を坂本選手にしたのに世界選手権を樋口選手にしたあたりなんかはモロにそう感じてしまいます。選手を大切にしている証拠?そうなのかな?五輪を一か八かで坂本選手の爆発力にかけるのなら、大事な試合でピークを合わせられなかったからと落選した樋口選手を世界選手権に選出するのは・・あれ?勝負強さを重視とかどこいった??という話。坂本選手の今後の活躍を期待して五輪に選出したなら、半分こみたいなやり方は選手にとっても、実績をつむための評価が中途半端でおわり良くないのでは?と、疑問に思うのは私だけなのかと思いましたが、おひとりだけ同じことをおっしゃっていたブロガーさんがいたので、ひっそりと同意しました。

 

「五輪は枠取りとか関係ないし、宮原選手以外にメダルの可能性はかけていないから2枠目の成績とかは重視していません、だから全日本で良かった人が勢いでいってきな~。でも世界選手権は1点でも点が出る人のが必要だから休んでね。」ということみたいでなんだかな。う~ん、坂本選手の安定感(ここぞという時のメンタル)を評価して選出したのなら、3枠取り返すための世界選手権になぜ坂本選手を選ばなかったのだろう。そして五輪の扱いが謎すぎる。なぜ全員で戦おうとせず、いつもひとりのメダルだけに期待をかけるのか。ひとりが崩れても、もうひとりが取り返すくらいじゃないと今のトップとは戦えないのに。

 

実績が発揮されるタイミング

代表選手の選出で選考基準から総合的に判断するという例として、過去に高橋大輔さんがソチの代表選手に選ばれたことがありましたが、その時彼は世界選手権での優勝経験やオリンピック銅メダリストなどといった既にスケーターとしての大きな実績がありました。一方今回女子の選考基準では、まるで「宮原以外ワールドメダリストもいないし、実績といえる実績を持つ選手はいない」と、実績で評価されるような選考ではありませんでした。本当にそうなのでしょうか。大きな大会でのメダルがなければ、それ以外の成績が実績というかたち(目安)になるのではないかと思います。だってそれが現在の女子の実績なのですから。そもそもワールドメダリストがごろさらいる男子の基準で語っても仕方がないことなんです。女子には女子の「実績基準」がある。そんな違和感がありました。

 

女子の場合は今季の成績をよく考慮することも重要でした。まずは、今季のSB、そして最低スコア。その選手の上下を見ることは、かなり大切なことだと思います。五輪なんてどの選手も初めてで緊張はしてあたり前。いつも通りに出来ないなんてことがあってもおかしくありません。そんな時に助けてくれるのが経験だったりする。シニアでトップ選手の見たこともないピーク状態と共に戦わなければいけない中、それに負けない演技と、少しでも勝負できる演技構成点がもらえるかは、少なくても経験と実績が鍵になると思います。

 

そういうことから、あの日本女子が惨敗したといわれた名古屋ファイナルは、五輪前に経験しておくべき大切な試合だったはずです。あの成績をそのまま惨敗と受け取るのは早すぎたのではないかと残念に思います。

 

五輪で誰が0.1点でも多く点をだせるか、もっと突っ込んでいってもよかったのではないでしょうか。

 

明暗をわけたもの

ここまで書くと「あなたただのワカバ贔屓じゃない」「坂本さんに失礼よ」と言われそうですね。すみません。文才がなくて失礼な言い方になっていたかもしれません。でもそんなことはありませんよ!!坂本選手が五輪に選ばれたことを不満になんて思っていませんし、あのスケートは磨けば磨くほどキラッキラになると思っていますから。選考方法に疑問は抱きましたが、決まったことに関しては、素直に応援したいし、納得もしています。また、坂本選手のショートの完成度の高さは本当に素晴らしいですし、昨年のフリーはPCSの評価もまだ眠っていた感じでしたが、個人的にはシーズンが進むにつれて情緒が出てきて「表現が芽生えてきている!」と興奮したので、まだ粗削りと言われている部分にも坂本選手ならやってくれるはず!と、これからに期待しています。

 

あ、あともうひとつ。中国の方が言っていました。「カオリのスケーティングを見ると日本人のスケートだあぁぁとすぐ分かる!日本人のスケートは滑らかでキレイ。みんな丁寧だよね。」これも日本人スケーター、特に坂本選手の魅力でした!!忘れちゃいかん!

 

結局、樋口・坂本選手の明暗を分けたものは、選考会で力を発揮できたかどうかでした。だからといって、どちらのメンタルが強いとかは、この結果だけで私は判断できかねませんが、やはりその人が持つ「運」のようなものはどうしてもあるんだろうなぁという気もします。坂本選手はそういう面で「持ってるな」という印象は強いですよね。しかし運も実力のうち。五輪にはそれが必要だったりもするので、スケート連盟はそこにかけたのかな、と最終的には思いました。

 

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ノーミスの神様

最後になりますが、フィギュアスケートで一番大切なのはノーミスでどこまで点がでるかだと思っています。私が宮原・樋口オシだった理由には、このノーミス点において、他の選手よりアドバンテージがあると思ったから。しかし坂本選手もこのふたりとはグイグイ差をつめてきているので、今後ノーミスで思ったより点がでなくても、持ち前のガッツでのぼりつめてきてほしいです。もちろん、実力があってもミスしてしまえば、メダルをとらせてもらえないのが五輪。ミス待ちではいけませんが、日本勢がノーミスすれば、その評価は上がると思います。

 

平昌ではぜひ、日本女子の魅力・強みを発揮して、普段フィギュアを見ない人々にスケートの素晴らしさを感じてもらえたら嬉しいです。そしてひとりでも多くのさっとん・さかもっちゃんファンを増やしてきてほしいです!

 

 

さらに、ワカバ応援団としては、樋口選手を世界選手権に選んでもらって、もう一度ジプシーダンススカイフォールが見られるのは最高です!もう「枠を減らした」と、日本女子が責められる姿は見たくないので、次こそ中国杯を超えるような素敵な演技ができるように祈っています!

 

ノーミスの神様、どうか日本女子にお恵みを~~!!

 

おわり

フィギュア五輪代表選考会を終えて、ただのファンが全力で呟く

 

全日本フィギュアが終わりました。

 

ここまでとても長かった・・・。

 

それくらいシーズン開幕から色んなことがありました。

 

そして最後の最後には、誰にも予想できなかった結果となりました。

 

これが五輪シーズン、これが全日本選手権

 

まさにそんな言葉通りの戦いに、アスリート世界の厳しさを改めて感じました。

 

また、それと同時に代表選手を迷えるほど層のあつい日本を誇りにも思えました。

 

考えてみてください。少し前まで日本女子は崖っぷち扱いでした。

 

世界選手権で宮原選手が棄権したとき、日本は宮原がいなければ戦えない、奇跡でも起こらない限り枠は確保できないと厳しい目を向けられていました。

 

しかし今はどうでしょうか。今は違いますよね。たった一年もしないうちに日本女子は成長しました。私はそう思います。

 

宮原以外にも国際舞台で評価される選手たちの存在。

 

国内での位置づけがいつ変化してもおかしくないほどの若手の勢い。

 

五輪・四大陸・世界選手権の補欠選手でも、決して3番手とは言い切れない能力。

 

この短期間で日本女子がとても苦しい思いの中、頑張ってくれたことに対し、労いと感謝の気持ちを伝えたいです。

 

知子ちゃん、新葉ちゃん、舞依ちゃん、理華ちゃん、坂もっちゃん、真凜ちゃん、白岩ちゃん、本当にお疲れ様でした!そしてありがとうございました!!!

 

そして男女の代表を勝ち取った宇野・田中・羽生・宮原・坂本選手はおめでとうございます!今回願いが届かなかった選手たちの分も頑張って平昌で戦ってきてほしいです!

 

・・と、ここまで書いても樋口・三原選手のことを思い出すだけで涙が出てしまうどうしようもない私ですが、このふたりが既に前を向いているのだから、ファンがいつまでも悲しんではダメだ!と、ここからは全日本の感想を明るく書いていきたいと思います!(多分しんみりモードになるけど)

 

目次

 

ミスパーフェクト宮原の強さと涙

ケガ明けで全日本までは調整試合のつもりでGPシリーズ戦を挑んだものの、急きょファイナル進出が決まり、慌ただしいスケジュールの中、身体に負担がかかっていないかとても心配でした。そしてその不安は全日本のショートを観て的中。すべてのジャンプがギリギリで、なんとか根性で跳んでいるように見えました。その結果、ジャンプで回転不足をとられ2位発進。この時私は、フリーでジャンプが持つのか・タイトル連覇を守れるのか半信半疑になってしまいました。

 

しかし、宮原知子は強かった。フリーのジャンプはルッツ以外どれもショートとは全然違う出来でした。もちろん良い意味でです。そしてスピンやステップは言うまでもないくらい上質で、表現面でも頭一つ抜けていました。どんな過酷なスケジュールでも、どんな精神状態でもノーミスで結果を出してくる。これがトップスケーターなのかと改めて宮原知子の強さを認識しました。

 

演技が終わり涙する宮原選手の姿を見ると、ケガをしてから全日本に戻ってくるまでの道のりや、自分の力を出し切れたことへの安堵感など、色々な感情が入り混じっているんだろうな、と思うと、あの涙は宮原選手の努力が滲みでた瞬間なのかなと思いました。

 

頼もしい日本のエース宮原知子の理想的な復活劇の続きを平昌で観たい。

 

そんなファンの思いと、宮原選手の夢を五輪では悔いなく発揮してきてほしいです。

坂本の粘りが夢を掴んだ

全日本開幕前、まさか坂本選手が優勝に限りなく近い滑りをみせてくれるとは思いませんでした。スケートアメリカの結果を受け、SBを出すような良い滑りが出きるだろうとは予想していましたが、この短期間で宮原選手と優勝を争うような(アメリカ戦の数倍キレのある)レベルの高い仕上がりにしてくるとは正直思っていませんでした。GPシリーズのメダルで自信がついたのでしょう。坂本選手の技術が勢いに乗ったら、それだけで演技構成点の高い宮原選手にも追いついてしまう。ショート終了後、私は「坂本選手は2枠目を樋口選手と競うかたちとなるだろうな」と考えていましたが、それは違いました。坂本選手は本気で宮原選手に勝ちにいっていた。いや、勝ってやろうと思っていた。実際勝っていてもおかしくない滑りだったと思っています。

 

坂本選手が代表の切符を掴んだ理由は、この粘り強さと諦めない精神ではないでしょうか。シーズン初めに「ダメだ」と思ったら即プログラム変更をし、ジャンプを全部後半に入れなければ「勝てない」と思ったら即実行し、全然モノにならないと思ったら試合数を重ねまくって「出きるまで諦めない」、その結果がようやく表れたのがスケートアメリカでの銀メダルで、後は持ち前のポジティブシンキングで全日本まで突っ走ったら「ゴールが見えた」。最後の最後までやり切った結果が今なのでしょう。(坂もっちゃんは完全にソチの町田枠でした)

 

これからハードスケジュールの中、トップスケーターたちと戦っていく上で、笑顔で滑り切れない時もあるかもしれない。しかし何事も経験。あの大きなジャンプと豪快なスピンと力強いステップは来季もプラスになる宝です。ぜひ、坂本選手の持つたくさんの長所を生かして五輪デビューと共にシニアで活躍していってほしいです。

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スケート愛伝わるドラマチックな樋口

「2枠目は総合的な判断のもと決定します。」

樋口選手は分析能力があり、自分にとても厳しい選手。今シーズンは、女子の選考基準をしっかりと把握し、全項目に名前が刻まれるよう努力に努力したのだと思います。そして2枠のうちの1枠は宮原選手の手にあるということも理解していたのでしょう。そのため、なにがなんでも他の選考基準の保険は全部「取りに行く」と食らいついた結果、全日本では力尽きてしまったように見えました。しかし蓋を開けたら、選考基準で重要視されたのは、全日本一発勝負のみ。これには泣けてしまった。中国杯で1位だったら・・1度でもザギトワ選手を破っていられたら・・他の試合に出ていたら・・ファイナルで唯一の日本人出場者だったら・・タラレバは仕方ありませんが、樋口選手には評価以上の評価を得ていてもおかしくない場面がたくさんあっただけに、全日本直前で宮原・坂本選手とほぼ選考基準で同等の位置になり、保険の強みが薄まってしまったのが気の毒でなりませんでした。

それでも現実は現実だし、結果は結果。樋口選手自身がもう4年後に向けて進んでいるので、こちらも精一杯応援したいです。今回の件を受け私は、今まで樋口選手には五輪に出てほしかったけど、訂正する。樋口新葉には五輪金をとってきてほしい。北京ではそれを期待する。心からそう思いました。皆の者~!スカイフォールが平昌五輪でお披露目されないというもったいなさを後悔するがいい!!若いうちから運がなくても実力で批判も受け止めて頑張る樋口選手は凄いよ!全然弱くなんてないから自信を持って進んでほしいです。

 

樋口選手がどれだけスケートに人生を捧げているか、どれだけ真剣か、それは今シーズンあなたの演技を見ていた人全員に伝わっていました。素晴らしいスケート愛です。こんなにドキドキしながら試合を見守るなんて、私にとっては浅田真央ちゃん以来。どこかハラハラドキドキさせるんだけど目が離せないドラマティックなスケーター。ずっと応援していきたい。強くそう思いました。頑張れワカバ!

三原の努力をファンは知っている

宮原選手の不在中、日本女子を支えてくれた三原選手。全日本では体の調子が思わしくなかったのか、本来の伸びやかな動きが出来ませんでした。冬になるとリウマチの症状が出てくるようで、なかなか難しいところだったと思いますが、フリーの心のこもった演技への惜しみない歓声と拍手は、スケートファンから三原選手への感謝の気持ちです。

 

ずっと代表を目指してきて、夢が叶わなかったとしても「あの出来で代表に選ばれたら申し訳ないので・・。それでも四大陸に選んでいただけて嬉しいです。」とコメントできる気高さは十代とは思えないほど立派。しかし、ファンとして言いたい。こんな時は優等生でなくてもいいんだよ。我慢しなくてもいい。アスリートなんだから悔しいと言っても全然いいんだよ。むしろもっと殻を破ってもいい。それで演技の幅が広がるのなら、三原選手が強気な発言をしようが、誰も嫌いになんてならない。

 

「なぜショートを変えないのか」「あんなに似合っていないプログラムを五輪に持ってくるなんて」

 

それは、この先をずっと見ていたからでしょう。今変えなければ、来シーズンはもっと変わらない。言葉には出さなくても悔しかったはずです。過去に同じことを言われた選手がいましたが、成功するためには失敗も必要です。ここで無難な曲を選んでいても代表争いの結果は変わらなかったと思います。三原選手が何よりも素晴らしいのは、演技構成点が伸び悩んだのは曲のせいではなく、自分に表現力が足りないのだと頑張っているところ。こういう選手には報われてほしいです。

 

とにかく、今はゆっくり休んで舞依ちゃん!

本田真凜の再スタート

「気が付いたらトップ選手についていけてない」

そう分かったときには間に合わなかった。まるでそう言っているかのような全日本での演技だった本田選手。試合後も「思い描いていたスケート人生が今日で変わった」「今はスケートのことは考えられない」と本田選手らしくない弱気な発言がチラホラ・・。

 

思えば本田選手は以前、こんなことを言っていました。フィギュアスケートを始めた理由を「皆自分ひとりだけを見てくれるから」と。私はこの言葉を聞いてとても悲しくなった記憶があります。もっと自分だけを見てほしい・・自分にも注目してほしい。どこか本田真凜という人間の中にある寂しさのようなものを感じたからです。

 

今回代表入りできなかったことに加え、トップ選手から外れてしまったことに世間での注目度は下がってしまうかもしれません。しかし、その注目が離れたからといって、本田選手が終わったわけではありません。だってまだシニア1年目じゃないですか。個人的に全日本のトゥーランドットはミスこそありましたが、今までの中で最も音に負けていないシニアらしい演技で良かったと思います。本田選手は美しさを持った才能ある選手。できれば今後は自分の強みをフィギュアスケートという場一本で最大限に生かして、心に残る演技として注目を浴びてほしいです。

厳しい後半戦になることを覚悟

最後に、今後について一言だけ。実は宇野選手が心配です。かなり疲労が蓄積しているように見えます。これから年を越して、四大陸・団体戦個人戦・世界選手権と続く中で体力も気力も消耗してしまわないかハラハラします。ただでさえファイナルから全日本までの調子の悪さを見ると、ピークが崩れてしまっているのではないかと気になるのに、この過密日程でコンディションを整えるのは至難の業ですよね。(そう思うと、どんな時でも結果を残していた全盛期の真央ちゃんのフィジカルって凄い)

 

また、ケガ明けの宮原選手が世界選手権まで持つのかもやや不安です・・。いくら五輪明けの世界選手権といっても今回は地元コストナー選手も出場すると思いますし、ロシア勢はメダルはとれるうちにとるスタイルだから必ず挑んでくるだろうし、決して楽に枠を取り戻せない覚悟はしておかないといけませんよね。またまたそんな時に、重役を任せられる樋口選手・・。五輪帰りの選手たちと戦うのは、演技構成点の評価の面でどうでるのだろう?とは思いますが、今度こそ笑って終えれるような結果になってほしいです。

 

坂本選手はフリーの表現がもっと洗練されると一気にぐ~んとトップグループの仲間入りができるだけに、あのマイムの長さが気になります・・。マイムはロシアの売りなので真似れるところはどんどん真似て点数を伸ばしていけばいいとは思いますが、ちょっと長すぎて休憩とみなされていないか心配。もう少し短くすれば演技構成点もでるんじゃないかなぁ。半分は滑りながらやるとか。

 

羽生選手については、五輪前にきちんと滑れるのかを連盟がチェックした方がいいですよね。そうするとは思いますが、いくらなんでも団体戦(出ないにしても)ギリギリまで公開できないレベルなら本気で出しちゃいけないと思います。そうでないと、羽生選手本人が批判を浴びてしまいそうだし、スケート連盟の選考会の信用にかかわる大事になってしまいますよ。まぁ実際は大事をとっている程度だから選考できたと思いますが、治ってるだとか、重症だとか色々な情報が行き交っているので少し心配になりました。

 

それにしても、無良くん・・。あの涙を見たら、こっちも堪えられないではないか。今回の全日本で一番泣けたよ・・。お疲れ様。

 

以上で感想を終わります。

 

いや、これで本当に終わりにします。

 

代表発表後、すぐに気持ちを切り替えられた樋口新葉の未来に幸あれ!

 

 

GPシリーズ~名古屋ファイナル完全ガイド 日本フィギュアの展望は?

GPF2017まとめ

 

 

フィギュアスケートシーズン前半戦の要「グランプリファイナル」の結果が出ましたので、その感想をこれまでの大会と共に振り返りたいと思います。

 

 

その前にこれまでのおさらい(というかまとめ)

 

 

 別名:恐ロシア杯

goldenretrievers.hatenablog.com

 

 日本人メダリスト・・2位羽生 3位樋口 

 

 

別名:スケート鬼カナダ

goldenretrievers.hatenablog.com

 

 日本人メダリスト・・1位宇野

 

 

別名:死の中国杯

goldenretrievers.hatenablog.com

 

日本人メダリスト・・2位樋口

 

 

別名:ドーモくん杯

goldenretrievers.hatenablog.com

 

羽生棄権

 

 

別名:誰かロシアを止めて杯

goldenretrievers.hatenablog.com

 

日本人メダリスト・・2位宇野

 

 

別名:スケートミヤハラ

goldenretrievers.hatenablog.com

 

日本人メダリスト・・1位宮原 2位坂本

 

 

NHK杯では羽生選手が棄権というアクシデントもありましたが、6戦終えた結果、日本からは宇野・樋口・宮原がファイナルへ進出しました・・!!

 

一時期は日本開催でありながらも、ファイナル進出者は宇野オンリーか?!と危ぶまれましたが、ポイントをしっかり重ねて報われた樋口と、メドベージェワの辞退により補欠で繰り上がった宮原の日本人計3選手のTOP6入りが決定しました!!

 

しかし日本勢にとっては、五輪選考も視野に入れた緊張の一戦。

 

早々と結果が気になるところなので、まずは男女共に結果から見ていきたいと思います!

 

 

目次

 

男女総合結果

男子

1. ネイサン・チェン 米  286.51点
2. 宇野昌磨 日 286.01点
3. ミハイル・コリャダ 露  282.00 点
4. セルゲイ・ボロノフ 露  266.59点
5. アダム・リッポン 米  254.33 点
6. ジェイソン・ブラウン 米  253.81点

 

男子はネイサン・チェン選手が優勝、宇野昌磨選手は僅差で2位となりました。

 

女子

1. アリーナ・ザギトワ 露  223.30点
2. マリア・ソツコワ 露  216.28点
3. ケイトリン・オズモンド 加  215.16点
4. カロリーナ・コストナー 伊  214.65点
5. 宮原知子 日  213.49点
6. 樋口新葉 日  202.11点

 

女子はアリーナ・ザギトワ選手が優勝、宮原・樋口選手は5位6位と並びました。

さっそくですが、この結果を踏まえての簡単な感想を一人ずつまとめます。

一言感想

ネイサン・チェン

ショートが段々セクシーかつクールになってきてGOOD!一方フリーは苦手意識があるのか?一気にダウンしてしまうという流れが定着しつつあるのが心配。それでも優勝おめでとう!五輪前にファイナルのタイトルをとれたのは良かったと思います!

 

宇野昌磨

ショートのアクセル後の転倒が惜しかったですね。あれはジャンプミスというより着氷した後、単純につるっと滑っちゃたような珍しい転び方でした。ドンマイです。フリーはとことん調子が悪そうで・・ややお疲れモードかな?と見えたので、全日本までにコンディションを整えて、本来の力を見せてほしいです!何気にショートの演技時間がオーバーしなければ優勝でしたね。これまたドンマイ。

 

ミハイル・コリャダ

すみません・・演技より気になったことが。それは、ロシアの平昌五輪出場停止処分についてのコリャダ選手の発言で「ロシアの犯したことを考えれば当然の処置」という部分が、実は誤訳で、本当は「ロシア選手が出場できるのは正しい判断」と言ったのだと、後に訂正された件。えっそんな誤訳ありえる??と思ったのは私だけでしょうか?確かに訂正前のコメントを見た時は「こんなこと言っちゃって大丈夫なのか?」と驚きましたが・・その後すぐに訂正が入ったので「やっぱりマズかったのか」「裏でお咎めがあったのではないか」と少し不安な自分がいる・・。単なる誤訳を願います。

 

セルゲイ・ボロノフ

トップ勢と比べると調子が良くても点差を付けられてしまうのは仕方ありませんが、それでも今期は与えられたチャンスや自分にできることを100パーセント発揮するぞ!という気迫みたいなものが感じられて、見ている方も応援したくなるし、気持ちが良いです!長く競技を続けたい選手にとっては希望の存在ですね。

 

アダム・リッポン

肩はもう大丈夫なのかな?他の選手もそうなんですが、今季は五輪シーズンということもあって、前半からフルエンジンで飛ばしてくる選手が多いですよね。そのためか、ここに来てグッとケガや疲労がのしかかってしまったように見えます。そう考えるとピークをつくるのって難しいですね。なんだかんだで全試合ピークに近いかたちを持ってこないと追いつけないくらい全体のレベルが上がっているのも、この「エンジン疲れ」を及ぼすことに関係しているんだろうなぁ。

 

ジェイソン・ブラウン

ジェイソンは日本が好きなのに、日本での試合と相性が良くありませんね。なぜだろう?ラッキースポットであってほしいのにーー!!個人的にフリーの「Inner Love」が大好きなので、完全完璧音ハメノーミスverで滑り切るところが見たいです!ジェイソンと振付師のロヒーンさんのコラボは世界一!今のフィギュアに足りないものがつまってる!

 

アリーナ・ザギトワ

ジャンプがクリーンに決まらなくなってきているので、五輪まで持つかな?という不安はありますが、それ以外の要素は試合を重ねる度に強化されていて凄いなぁと思います。以前はせかせかしていた身のこなしも、今は音を意識してこなしているので、さほど気にならなくなってきました。何より多少のミスでも高得点をキープできる選手になっているのが羨ましいです。これも戦略と才能がなせる業。時代はジャンプだけ、スケーティングだけで救われないのだと痛感させられました。

 

マリア・ソツコワ

ニューヘアーカラーで気合いの入ったソツコワ選手でしたが、生え際の明るい金髪が帽子に見えて演技に集中できなかったよ~う・・!!!しかし最近まで回転不足をくらっていた選手とは思えないほどジャンプが綺麗になっていて、どんな訓練しているの?と聞きたいくらい頑張っていますね。以前、ソツコワ選手をファイナルで開花させてはいかん!と書いていたのですが、本当にそうなってしまったのでどうしよう。もうこれ以上ロシアは日本女子をおいつめないで~~!!

 

ケイトリン・オズモンド

オズモンド選手はちょいちょい大きなミスをする選手ですが、演技全体が大きいし、広がりがあるので、ミスが表彰台の命取りにはならないのが強みですね。しかし、五輪では最終グループのノーミス演技が揃えば、小さなミスでさえ命取りな採点になるでしょうから、そういった緊張をいかにコントロールするかが鍵になりそうです。オズモンド選手の場合は技術ではなく、メンタル面の不安が課題なんでしょうね。

 

カロリーナ・コストナー

今回はメドベージェワ選手が不在というのもあって、尚一層表現が際立っていました。もはや女子シングルでPCSを比較する選手がいない状態。全要素がプログラムの中でストーリー化されているような感じ。3T2Tでもあんなに高得点がでるのは、コストナー選手以外は無理でしょうね。コストナー選手と同じ構成で勝つには、女版高橋大輔か女版ステファン・ランビエールの用意が必要かもしれない。つまりはいない。

 

宮原知子

ショートではスケートアメリカよりもジャンプが戻ってきていて、順調に回復してきていることを確認。フリーでは冒頭のお釈迦様のような指のポーズがなくなり、より日本人らしさがでるように改善されていました。はじめは急きょ予定にはなかったファイナル行きが決定して体の面で無理がでないか心配でしたが、宮原選手本人はケロッとしていたのを見て安心しました。とにかく復帰してからの宮原選手は、とても明るく前向き!5位という結果にも気持ちの面でサラッと受け入れ「次だ!次!」と落ち込まずに全日本へ調整していけそうです。

 

樋口新葉

初めてのグランプリファイナル。全日本前のこの時期の調整は心・技・体で難しかったでしょうね。フリーは緊張で崩れてしまいましたが、ショートはそれと同じ心境でもノーミスでやりきれたのだから全日本には自信を持って進むべし!大丈夫、こんな最強TOP6と戦うのだから、日本のファンだって今回の結果は想定の範囲!問題はここでピークと運を使い果たすか、ここで少し休憩して次でかっ飛ばすか。個人的には本番は全日本だと思っていたので、ファイナルは勉強会だと流して、この悔しさをバネに爆発してほしいな。

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唯一決戦が名古屋だったのは、今後の調整を考えると時差ぼけもなくてよかったです

日本女子の分析

さて、結果日本女子は地国開催で5位6位となってしまい、世間では「もうフィギュアよりスピードスケートの方が強いのね・・」「ロシアのお家芸になっちゃたね」「宮原でも勝てないなら無理じゃん」とファンには悲しい声が聞こえてきますが、できればまだ希望を捨てたくはないというのが私の気持ちです。そこで、私なりに「日本女子、平昌への飛来編」として独自に日本女子を分析し、今大会の感想を締めくくりたいと思います。

泣かないで新葉!

まずはフリー終了後、悔しさで涙涙の樋口選手から。

 

ショートは73.26点(TES39.08点 PCS34.18点)

冒頭の2Aと後半の3Lz3TでGOE+1、スピンステップでオールレベル4獲得。しかし後半基礎点5.83の3Fで!を取られ、GOE-0.30点の計5.53点となりました。惜しいのはズバリこの3F!。しかしこの!マーク、実はショート首位のオズモンド選手もルッツ(基礎点6.00)で取られているのですが、彼女の場合GOE+0.80点の計6.80点となっています。どうして同じ!マークなのにこんなに評価が違うのかといえば、質の良いジャンプには高い加点からのマイナスになるので、GOEの評価が高いほどダメージが少なくなるんですね。ただこれってエッジ違反には変わりはありません、間違った踏切で質のいいも何もないとは思うので変なルールです。!には一律加点なし、eにはマイナスいくつとかにすれば平等なのになぁ。

 

とは、いってもルールはルールなので、少しでも!のマイナス分をカバーするには、①質の高いフリップを跳ぶか、②エッジを改善するか、③ループにかえるか、にするしかありません。

 

①質の高い3Fを跳ぶ

今からジャンプを変更するのは心の負担になりかねないので、このままのエッジで開き直って突破する方法。オズモンド選手並みにスピードがあると言われている樋口選手なら、思い切って飛べばダイナミックなジャンプを見せてくれるはず。

 

②エッジを改善する

ジャッジはエッジに関しては気分屋さんなところがある。特に小さい大会だとおまけしてくれたり、逆に五輪みたいな大きい舞台だとノーミス演技に回転不足やエッジエラーでマイナスすると、一般の視聴者がWHY?とざわざわしてしまうので、最終グループには厳しくしない傾向にある。よって「あれ?いつもよりは良い感じじゃない?」と思えば少しくらいフラットでもいつもより良ければ認定するかもしれない。いつもより良い感じなら。

 

③ループにかえる

フリップとループは0.22点差しかないので、単独ジャンプをループにして、ここにGOEを足した方が点数でるんじゃないの?という選択もありますが、選手本人が跳びやすいジャンプというのもあるので、どうしようもない状況以外は判断に迷うところですね。やはり単独ジャンプはステップから直ちに跳ぶ選手の方が評価が高いですし、そうなると自分が跳びやすいジャンプの方が安心できますよね。

 

よって①②の方向で、ひたすらノーミスを貫けばOK。PCSも上がって来ているし、なんとかなる!いや、なんとかなるんだ!!

 

あと、もうひとつ考えられるのがダブルアクセルですね。

 

あれだけ質が高いのに前半ジャンプということでGOEが高くても、得点源にならないのがもったいないです。ただ、あそこはもう後半に動かせないほどアクセントになっているので難しいところ。今季トリプルは試さないと言っているので、それなら前後のつなぎを濃くしてみるとかで少しでも点が上がらないかなぁ。2Aってなかなか侮れない要素だと思います。

 

きっとショートの順位やら得点を見たら、上位陣の驚異的な強さにショックと緊張でごちゃまぜになってしまったんでしょうね・・。コストナー選手がミスしても自分と僅差しか違わない恐怖とか、ザギトワ選手やオズモンド選手はノーミスでも届かない距離にいるんじゃないかという不安とか。ただでさえ突然の「全日本直前!宮原選手との代表選考対決!」みたいになってしまいましたし。でも、この経験が強くしてくれると思います。樋口選手は自分に厳しいからこそ相手の強さにも敏感だし、決して過信するようなこともないからライバル選手を分析しすぎてパンクしちゃったのかなと思います。この時期何が大切かといえば自分のレベルに満足しないこと。今、余裕がない選手ほど改善力があると思います!自分を信じて頑張ってほしいです!

諦めないで新葉!

そして問題のフリー。出だしはいつも通りで良かったと思います。が、ひとつミスが出たらやる気がなくなったとかではなくて、集中力が途切れたというか自信喪失してしまったように見えたのがもったいなかったです。ジャンプをミスしたって、いつものパワフルなワカバボンドであってほしかったな。そうすればPCSは案外69~70点は出たと思います。トップ選手はジャンプミスがあろうが、その他全体をまとめてPCSで補ってきます。樋口選手もこのプログラムでなら、そういう選手になれると期待しているし、信じています。だからこそ、諦めないで最後まで戦ってほしい。今季こんなにも期待されているのは、成績ではなく、樋口選手のスケートが素晴らしいから。勝ち負けでなく、007の世界観を観客に酔いしれさせる気持ち、樋口選手が楽しんで滑れる気持ちで次に行けたらいいなと思います。

宮原でも勝てないの?

ショートフリーをノーミスで終えた宮原がなぜ勝てないの?が世間の正直な声でしょうね。宮原選手も十分凄いのですが、他が凄すぎるんですよね。もうそれくらい上位陣のGOEが凄い。例えばショートなんかで、オズモンド選手は3Lz!以外の全要素のGOEが1点超えですし、ザギトワ選手もフリップとアクセル以外は1点超え、コストナー選手に至っては3T2TでGOE+0.40でもステップで+2点も出しているのでGOEだけの加点率を見ればとても高いことがわかります。ミスがあっても、質の高さで救われているので、日本勢はなかなか勝たせてもらえない、本当に強い存在です。一方フリーでは、宮原選手も高いGOEを貰っているものの回転不足が重なったことで、得点を伸ばすことができませんでした。(そりゃぁ猛練習しちゃうわ)

それでも宮原しかいない!

今回とられた回転不足は3つ。3Lz<3T<と3F<。前回のアメリカ大会でもややジャンプの回転には危険センサーが作動していましたが、その際のジャッジの判定は優しく、クリーンとしていました。しかし今回はいつもの厳格なジャッジで、容赦なく3つも回転不足をとられてしまいました。しかし、そうはいってもまだ復帰から時が2か月ほどしか経っていないわけで、ジャンプの完成もこれから先のことという感じはします。初戦と比べても精度はどんどん良くなってきてますよね。焦らず、無理せず、調整していけば全日本ではもっと良いジャンプを見せてくれるのではないでしょうか。問題はノーミスでどの位置につくか。今回の結果はかなりリアルな日本人選手の位置付けとなりましたが、やはり五輪最終グループに残るであろう選手たちと並んで滑ると、海外選手の演技の大きさには圧倒されてしまうものがあります。

 

ファイナルを終えて「宮原がダメなら誰が五輪に出ても同じだね」という批判があるかもしれない。それでも日本のエースは宮原だということに間違いはない。ジャンプは完成形ではありませんが、その他の要素でも高い評価を貰えるのはPCSからしても彼女しかいない。今は日本女子の耐える時期かもしれませんが、宮原選手は後に評価されるタイプだと思います。

GPSの頑張りを添えて

再度になりますが、現時点で五輪メダルをとれる選手がいないので誰が出てもいいというのは絶対に違う。(五輪は思い出作りなんかじゃなく、国内で一番強い選手が行くべき!)シーズン開幕に期待されていた動きと今が違うように、五輪でも同じように何かが変わると思っています。今季に真央ちゃんやゴールド選手がいないこと、メドベージェワ・フェルナンデス・羽生選手がファイナルにいないこと、コストナー選手のピークが今あること、本田選手より先に坂本選手がGPS台のりを果たしたこと・・昨季の今頃はこんなことをほとんどの人が予想などしていなかった。本当に何があるかわからないのがシーズン後半です。まだつなぎを増やすなどの戦略によってどうにでもなるし、全日本後に修正できる時間もある。何よりファンが応援することを諦めてはいけない。

 

また、たった一度の成績で今までの評価がチャラになるわけではありません。ファイナルでの宮原・樋口選手の成績が下位だったからといって、このふたりのアドバンテージがなくなったとも思えない。それこそ誰が出ても、この大会では彼女ら以上の成績を修めるのは非常に困難だったと思いますよ。むしろ危険なのは、このふたり以外で全日本のみ好調な選手たちがいた場合の選考です。特に自爆大会となり、国際大会でのスコアが低い選手が優勝したら「果たして国外で通用するのか?」「メダルどころか入賞もできないんじゃ」と、そうとう荒れるであろうことは覚悟しておかなければなりませんね・・。気が重い。いや、本当に何が起きるかわからないので・・・。全日本選手権といえど、やはり目安になるのは国際大会でのスコアだと思います。五輪なんて誰が出ても初出場で緊張してしまうんだから、その中でも世界選手権等で経験を積んだ選手や、無名ではないタイトルを持っている選手というのは選考にあたっても大切なんじゃないかなぁ・・と、思います。五輪シーズンは、2枠の場合、年明け辺りにテストスケートでもあって最終決定できればいいんですがね~(無理)。

 

とにかく穏やかに全日本が終わることを願っています。ただGPSで好成績を修めた樋口・宮原・坂本の頑張りは、選考のスパイスとして添えてあげてください。スケート連盟の皆さんよろしくお願いしますよ。マスコミがとんちんかんなことを言っていますよ。

その前に五輪がどうなるか分かりませんがね。

さらばグランプリファイナル

以上で長い長いGPシリーズ感想日記は終わりになります!長いようで早かった・・。ちなみにジュニア女子は1位ロシア2位ロシア3位ロシアでしたね!数年前だったら紀平選手みたいな子は優勝確実だっただろうに、今は3A3T跳んでも、そのさらに上の選手がごろサラいるなんて嘘だろ・・という世界です。もう世界の終わり。セカオワです。日本勢はルールに即対応できるようにスケート連盟がんばれ。スピードに乗ったジャンプ!言われスピードつけたら、次はシニアらしいスケーティング言われSS磨いたら、今度はつなぎ増やせば多少スケーティング粗くても点出すよスタイルになり、振付を凝ればGOE稼げるジャンプやステップを評価する←(今ココ)でどれも羽生選手以外は、一年遅れで対応している感があるのです。なぜ羽生選手だけ準備バッチリかと言えば拠点がカナダだからよね。樋口・三原・坂本・本田は外国人コーチの方が何かと助けてくれ、手探りな戦略でいかなくても良さそうな気がします。樋口選手なんて大会の分析がコーチか!と突っ込みたくなるくらい凄くてびっくり。もっとロシアやカナダに負けないサポートが日本にもあるといいですね。

 

そんな感じでひたすら凄いわぁ~しか出てこなかったこれまでの大会でしたが、毎度毎度刺激的で引き込まれる選手ひとりひとりの演技だったなと思います!

 

長くなりましたが、これで終わりになります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

完結

【スケートアメリカ】日本が返り咲く!まだまだこれからだ!

GPS2017 アメリカ大会

 

グランプリシリーズ第6戦「スケートアメリカ」の男女シングルの感想になります。

 

ロシア大会から始まった今季のグランプリシリーズも、いよいよこのアメリカ戦で最後となりました!次は名古屋でのファイナル!早いですね~。

 

その目標のファイナル進出をかけて、男女ともにメラメラとする今大会に日本からは、無良崇人宮原知子・坂本花織選手が出場します!

 

ここでファイナル進出者がすべてが決まる・・・

 

一体誰が「TOP6」に残れるのか?

 

一番アツい大会になるであろうが、全国放送orゴールデンではなかったため、ファンの盛り上がりもバラバラになってしまった最終戦。そのかわりに??今日はここで、ひとり大会を振り返ってフィーバーしたいと思います!!!

 

さっそくですが、男子の結果からどうぞ。↓

 

男子結果

1 ネイサン・チェン (米) 275.88点
アダム・リッポン (米) 266.45点
セルゲイ・ボロノフ (露) 257.49点
4 ボーヤン・ジン (中) 246.03点
5 ハン・ヤン (中) 228.33点
6 ロス・マイナー (米) 219.62点
無良崇人 (日) 212.77点 

 

男子はネイサン・チェンが優勝、2位、3位にはNHK杯に続き表彰台のリッポン&ボロノフコンビとなりました。若き4回転ジャンパーボーヤンはケガの影響に苦しみ4位に、日本の無良は今季なかなか調子を上げられず7位で大会を終えました。

ケガ人続出へ・・

まず今回はとても残念なことがたくさんありました。リッポン選手やボロノフ選手がNHK杯に続き、良い成績を修め、ファイナルへの切符を手にしたことは嬉しいのですが、コフトゥン選手の棄権、ボーヤン選手の痛々しい姿、サモヒン選手の演技中のケガ、チェン選手の靴問題による乱れたフリーなどを見ていると、演技よりも選手たちの体が五輪まで持つのかが心配になってきたのです。

サモヒン選手の悲劇

特にイスラエルのダニエル・サモヒン選手のフリー演技中での故障には、他人ごとではない恐ろしさを感じました。ジャンプが乱れ、氷に手をついた時に肩を痛めてしまったようで、途中棄権をしたのです。毎回切ないなぁと思うのが、演技中にケガをして、声にならない状態になっても、リンクではひとりぼっちだということ。誰も駆けつけてあげられない。本人がストップを要求するまでは、ひたすら虚しく音楽が流れるだけ。同じようにリッポン選手も演技途中に肩を痛め、中断はしましたが、最後まで演じ切りました。強い。アスリートのこういった強さは心から凄いと思います。

 

サモヒン選手のケガの状態は、どんなものかはわかりませんが、個人的な話をしますと、脱臼でしたら人によっては自分で入れ治せることもあります。(私はできませんが)、ただ、私は過去に脱臼だと思っていたら肩を支える部分の骨が割れて、腕が天秤のようにブラーンとなったことがあるので、同じような状態だとしたらとても心配です。当時、異常に痛いとは思ったのですが、我慢になれると状態が悪くても気持ちで突っ走るのが人間。特にこういうことは、アスリートには多いです。現在ケガをしている選手が多いですが、ここ一番の大会に出るためには、日頃あまり無理をせず、「棄権」という判断も間違いではないと思います。なぜ出だしからこんなことを書くかというと、アスリート同士のケガを比較して、「この選手はケガを言い訳にしないのに、あの選手は逃げるのか」という心のない声が目立つからです。

 

最後まで結果を残したリッポン選手も素晴らしいですし、棄権したサモヒン選手の判断も正しいのです。ケガの程度やケアの仕方は本人が決めることですし、本人の人生なのだから、その判断に責任をとれない外野があれこれ言うことは出来ません。サモヒン選手にはケガの回復と大事に至らないことを願います。

ファイナル行きを果たすも・・

さて、このアメリカ戦でコリャダ(露)・ボロノフ(露)・宇野(日)・チェン(米)・リッポン(米)・ボーヤン(中)の6人でファイナルを競うことが決まりましたが、ボーヤン選手のジャンプを見ていると、連戦が出来る状態なのかが心配です。チェン選手がフリーで乱れてしまった原因は靴の問題であるそうですが、靴で悩む選手は、とことん靴に悩まされるイメージがあるので(靴の消耗のはやさに追いつかないんだろうな)、そこもまた心配。男子は皆、4回転の着氷で尋常じゃない負担がかかっているので、今は何ともない選手もいつどうなるか分からりません。ファイナルはフェルナンデス選手も羽生選手もいないし、そんなマックス構成でやらなくてもいいよ~と言いたいところですが、まぁ勝負の世界だからそれはあり得ませんよね。それぞれ代表入りのため奮闘している最中ですし。んん~とにかく安全に終えてくれ~~という感じです。

無良は復活なるか

30歳のボロノフ選手が体を絞り、今季好調の中、無良選手の五輪行きを応援している私としては、全日本でなんとか素敵なアクセルを取り戻し、代表入りを果たしていただきたい。試合ではちょっとアレでしたが、エキシビジョンの演技は良かったですよね??あんな感じで滑っておくれ~。このまま終わるのは悲しすぎる。ぜひ復活を。

 

同じくハンヤンも毎回なにかと不運な気がするんですが、年々表現力が上がっていると思うんですよね。色々あった選手だけに報われてほしいです・・。

 

もはや男子の感想が、精神的なことのみになってしまいましたが、それ以外今は何も出てこないのが事実です。ピークが代表選考会と五輪だとしたら、今はまだまだ技術的な挑戦だったり、調整だったりでアレコレ細かなところを考察する段階ではないよな・・という感じ。それぞれが上手く波に乗っていってほしい。それだけです。

 

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NEXT、女子の結果はこちらです↓

女子結果

宮原知子 (日) 214.03点
2 坂本花織 (日) 210.59点
3 ブラディー・テネル (米) 204.10点
4 ポリーナ・ツルスカヤ (露) 195.56点
セラフィマ・サハノヴィッチ (露) 189.75点
6 ガブリエル・デールマン (加) 189.14点

アシュリー・ワグナー(米)棄権

 

優勝は日本の宮原知子!!!!!感無量でございます!!!2位は日本の坂本!!日本のワンツーフィニッシュです!!3位はアメリカのテネル、4位5位にロシアのツルスカヤとサハノヴィッチが並び、デールマンはフリーで崩れ、6位となりました。残念ながらアメリカのワグナーはフリーの途中で棄権し、ファイナルへの進出はなくなりました。

見よ!日本女子の巻き返し!

グランプリシリーズの最終戦にて、ようやく日本人選手の優勝が叶いました。それだけじゃない。久しぶりの日本人選手2人の表彰台!やっぱり言葉って本当になるんだな~。前回宮原・坂本やったれー!!と書いておいて良かった。いや、この結果は選手本人による努力の賜物に違いはないのですが、今回ばかりはファンたちのパワーも届いたんじゃないかなと思います。フランス大会の後、それだけ皆さんの応援が凄かった。宮原選手も坂本選手も日本人ファンのみならず世界中のファンから愛されているなぁぁと感じましたもん。。やっぱりネガティブな言葉はマイナスを呼び起こすけど、ポジティブな言葉はプラスへと導いてくれますよね。スケートファンはどんどん応援していきましょう!

チーム宮原は計画以上の出来?

チーム宮原の計画としては、NHK杯で試合の感覚を取り戻す→スケートアメリカで200点&表彰台→全日本でパーソナルベスト付近で優勝なんじゃないかな~と思っていたのですが、まさか2戦目で214点も出して優勝してくるとは凄すぎて目ん玉が飛び出ました。当然のごとくミスパーフェクトの復活ですよ・・。この想像以上の出来に、さっそく

 

アメリカ人 「ミヤハラは表現者!一流の芸術性。ケガしていたのが分からないくらい素晴らしい!!」

ロシア人 「メドベージェワの方が凄いメドベージェワの方が凄いメドベージェワの方が凄い」

 

と、分かりやすい反応を示しています。ロシア人がこれだけメドベージェワの方が凄いと怒って言うんだから、宮原選手を「脅威」だと認識しているということでOKですね。正直、表現面では宮原選手は一流の域まで足を踏み入れているんじゃないかな。それくらい復帰後の音楽の解釈や曲との調和は素晴らしいと思います。(ちょっとそこら辺はJ7氏とJ9氏のFSの評価が低かったぞぉぉ)

短期決戦の注意点

ショートもフリーもあんな短期間で洗練されるなんて、かなり練習しているんだろうなぁと思います。結構大会前のジャンプリポートでも、もの凄い数のジャンプを跳んでいるなぁと感じたので、さっとん頑張り過ぎないで~とハラハラしてしまいました。また、ジャンプの方は復帰後に飛距離が出たように見えます。どうか膝に負担がかかりませんように。NHK杯では、SAYURIの滑り込みが相当されている演技だな~と、その完成度に圧倒されましたが、今回は蝶々夫人の完成度に圧倒されてしまいました。上手すぎるし、隙がない。どんな瞬間にも表現が施されている。これは五輪かというくらいの感動を貰いました。(EXのアランフェス協奏曲も競技プロにしてもいいくらいグレイト)もう後はジャンプの精度をあげるだけですね。本当にそれだけ。認定はされましたが、ルッツやループの回転は危ないかな?と思ったので、全日本でそこがクリーンに決まれば、アンチに文句なしの結果になるんじゃないかな。宮原選手を応援している人はたくさんいるから、そのまま駆け抜けてほしい!

私がカオリ・サカモトです

ショートから絶好調に月光を舞う坂本選手。アメリカ人のハートを鷲掴みにしてしまいました。そのハート泥棒の罪なのか?ショートの「こんな超人的なジャンプを跳べる人他にいるの?」というくらいビックリする3LoのGOEが「ここで出さなきゃいつ出すの?今でしょ!」というくらい控えめでした。+1ってなんだよう!あそこは全員+2か3だろうよ~。69.40点。もう少しで70点台でした。まぁ最後にスピンでミスが出たのはもったいなかったのですが、そこを含めてクリーンにすれば、まだまだスコアは伸ばせますよね!実際ミスも気にならないほどでしたし!もう、このショートのインパクトは、世界中のスケート関係者を魅了したと思いますよ!「この爆走娘の名はカオリ・サカモトだと・・OMG!!」とね。

200点超えへ仲間入り

フリーでもあっさりと夢の140点台&総合200点超えを果たした坂本選手。その内容は

 

TES 73.71 PCS 67.48 Total 141.19

大きな加点を貰った要素

3F3T(+1.30) 3S(+1.30) 2A3T2TX(+1.30) Stsq4(+1.30)

 

全要素オール加点で、PCSも67点台まで上がりました。SSとTRが全体の中でも低めに出されていましたが、SSは絶対に今後爆発していくだろうと思います。今回の点数が今後も他の国際大会でも出してもらえるのかは、慎重にいかねばならぬ部分ですが、もしかしたら町田選手的に這い上がってくる選手になるかもしれないので楽しみです。いやぁ全日本がさらに分からなくなってきた。坂本選手はもう一年早くシニアデビューしていたらどうなっていたのでしょうか。日本女子おそるべし。

蘇れ!アメリカ

ゴールド選手の休養、昨季は調子を上げたベルやカレンの低迷、そして、感染症からの病み上がりで練習が出来なかったワグナー選手は、足首にサポーターを巻いて出場と、アメリカ女子にとっては何かと暗い時期が重なっている現在、一筋の明るいニュースが差し込みました。

テネルが光になるか

それは今大会で3位という活躍を見せてくれたテネル選手の存在です。長身かつ細身でスピンが印象的な正統派フィギュアスケーター。特にフリーのシンデレラは、とても華やかで目を奪われてしまいました。個人的に「シンデレラ」はノービスやジュニア選手が使う曲だろうと思ってしまうんですが(ディズニー=こどものイメージがある)、19歳のテネル選手が演じるシンデレラは、まるでディズニー映画のワンシーンのように美しかったです。やっぱり見せ方なんだろうなぁ。どんな印象になるのかはスケーター次第だと改めて感じました。テネル選手はこの調子だと、五輪代表枠に入れそうですね。アメリカ女子も大変そうです・・。

カレンは美しいスケーター

私はカレン・チェンが好きです。ジャンプの回転不足は日常化していますが、それ以外はとても才能あるスケーターだと思っています。チェン選手には、抜群のセンスがある。振付を見ていても、感情豊かで、アーティストなんだなぁと感じる。衣裳はいつも素敵だし、日本人選手の衣裳にアドバイスがほしいくらいです。きっと裏方に回っても成功する人なんじゃないかな。カレン・チェンデザインの衣裳、カレン・チェン作のプログラム・・。どれも絶対に良さそう。だからこそジャンプを改善して、その才能溢れる姿を五輪という場で色んな人に知ってもらいたいと思うんです。プログラムも昨季のものに戻したり、チェン選手もこの苦しい中、諦めず戦っているんですよね。プログラム自体はどれでもチェン選手の場合は素晴らしいので、何とかジャンプを頑張って、次に挑んでほしいです。

ワグナーは足首の感染症

ワグナーは不運にもスケーターにとって命ともいえる足首に病気を負ってしまいました。足首の感染症ということで詳しい病名はわかりませんが、傷口から菌が入ったか、化膿してしまったのでしょうか。熱も出ていたでしょう。とにかくお大事にしてください。ショートも足が痛かっただろうに、我慢していたのでしょうね。フリーではいくつかジャンプを跳びましたが、動きに制限をかけているように見えました。途中棄権となってしまいましたが、演技中はずっと笑顔のワグナー選手は強い女性だと思います。次にワグナー選手を見るときは元気な姿であることを願います。

ロシアの勢いストップか

今大会で優勝して、そのままファイナルへ行ってしまうのではないかと囁かれていたツルスカヤ選手でしたが、意外にもショートでミスをし、緊張している様子がありました。一方、アンナ・ポゴリラヤ選手の欠場にかわり、アメリカ大会に出場したサハノヴィッチ選手は、本人も満足のいく結果を残すことができ、ファンにとっても嬉しいサプライズとなりました。

 

ロシアと言えば、シーズン開幕前の期待値とは裏腹に、後半になるに連れバタバタしてきているのが気になります。どうやらロシア女子安全神話も世代交代に復帰組、故障組が入り交じり、複雑な模様を描き出しているようです。

点が伸びなかったツルスカヤ

ショートとは見違えるように、全力で滑り切ったフリーでしたが、その得点は132.36点と予想より低いものでした。PCSも前回から約2点ほど下がってしまいましたね。しかし、ツルスカヤ選手の評価はまだまだ安定していなくて当然。これから試合を重ねていくうちに、大よその位置が決まってくると思います。総合は4位。正直ツルスカヤ選手が表彰台を逃すとは思っていなかったので、これもまた驚きです。ワグナー選手の棄権とツルスカヤ選手の成績により、絶望的とされていた樋口選手のファイナル行きが決定しました。日本人としては「これは夢?」というくらい嬉しい出来事ですが、それと同時に願いが叶わなかったふたりのことを思うと複雑な心境でもあります。よし、もし五輪でこのふたりを見ることができるなら、今回の分も合わせて応援しよう!そうしよう。

サハノ+プルの効果

プルシェンコを引っさげアメリカ大会に挑んだサハノヴィッチ選手。ショートもフリーも良かったと思います!というか良かったです!表現面ではまだジャンプのことを考えるだけで精一杯!という感じで、音と合わせて滑るというところまでは持ってはいけませんが、今の段階でやれるレベルまでには十分達成できていること、そしてキスアンドクライでの嬉しそうな笑顔を見ると「良かったねええ。おかえりー!!」と拍手したくなっちゃいます。まだ若いですもの。これから。きっとプルシェンコが道を繋げてくれるはず!頑張れ。

 

以上が女子のささっとした感想になります。何か書こうとしたことが他にあった気がしますが、いつも途中で抜けたり、間違って消したりして、後で思い出す&気づくんですよね~。というわけで最後のまとめです↓

まとめ

GPシリーズ6試合を終え、最終的にファイナルへの切符をつかんだメンバーは

 

メドベージェワ・ザギトワ・オズモンド・コストナー・ソツコワ・樋口

 

となりました!!もう一度言いますよ!樋口新葉が行きますよ~!

 

ロシア3人にカナダ1人、イタリア1人に日本1人。あれ?意外にも多国籍になりましたね。現在メドベージェワ選手が右足甲骨折の中、出場しようとしているそうですが、(またまたケガネタで申し訳ありません)、私も甲が弱くて、アレ絶対足の形も影響していると思うんですよね!痛くて無意識に体重をかけるとろを他でカバーすると、私の場合は親指に負担をかけてしまうのか、爪が黒くなって剥がれます。スケーターはジャンプの衝撃で甲を痛めやすいでしょうから、気の毒でなりません。それでも出場するのは、他の選手にトップの座を譲りたくない気持ちや、代表選考も兼ねての決断なのでしょうか。メドベージェワ選手には早々に内定を出しても良さげですがね。どうなんだろう。大切な時期に、これ以上悪化させないでほしいな。でも出ると決めた以上は、しっかりと見守りたい。

 

樋口選手にとっては急きょ舞い込んできたチャンスとなりましたが、樋口選手ならいつ試合が来てもいいように準備していることでしょう。ここでは結果も大事かもしれませんが、「ファイナルで滑ったという経験」を次に繋げられる力として収穫できたらいいですね。日本勢唯一の出場なので注目を浴びてしまい、いつもと違った空気になるかもしれませんが、それも五輪の練習だと思って頑張ってほしいです!

 

そんなこんなで、目が飛び出たり、奪われたりと、驚きの展開ばかりのスケートアメリカでしたが、アメリカの観客が盛り上げてくれていたので、波乱はありでしたが、とても感動した&楽しい大会でした。

 

そして日本女子はやっぱ凄い!それに尽きる!

 

まだまだこれから追い上げるのが日本なので、見ていろよ!という感じで、(自分が滑るわけではないのに)構えています!

 

全日本ジュニア2017 紀平・山下・荒木の凄さ

 

2017年11月24日~26日に行われた「第86回全日本ジュニアフィギュアスケート選手権大会」の感想になります。

 

今回は、女子フリーを振り返って「凄い!」と思った選手の演技について簡単にメモを残したいと思います。

 

まずは、10位までの結果をご覧ください。

 

女子総合結果

1. 紀 平 梨 花 関西大学KFSC 193.46
2. 山 下 真 瑚 グランプリ東海クラブ 190.03
3. 荒 木 菜 那 中京大中京高校  177.07
4. 横 井 ゆは菜 中京大中京高校  172.97
5. 渡 辺 倫 果 青森山田中学校  168.62
6. 川 畑 和 愛 N高東京  167.52
7. 滝 野 莉 子 関西大学KFSC  164.78
8. 吉 田 陽 菜 名東FSC  158.04
9. 鈴 木 沙 弥 中京大中京高校  157.29
10. 長 縄 和 奏 グランプリ東海クラブ  155.47

 

1位はジュニアのホープ紀平梨花選手がショート6位からの大逆転!続く2位は、しっとりとした大人っぽい演技で急成長の山下真瑚選手、そして3位は今季驚異的なジャンプで存在感を出す荒木菜那選手となりました。

 

注目のノービススケーター吉田陽菜選手は大健闘の8位、上位を狙う笠掛梨乃選手は、フリーで順位を落とし、まさかの22位で全日本選手権の出場を逃してしまいました。

 

その他、フィギュアファンが復活を祈る青木祐奈選手は17位、女優&本田真凜選手の妹として有名な本田望結選手は20位でした。

 

大会結果の詳細はこちらからどうぞ 

|Japan Skating Federation Official Results & Data Site|

 

※ちなみに個人的に、13歳(中2)とは思えないほど大人っぽくて好きなスケーター岩野桃亜選手は153.52点で11位でした。

 

さて、ここからは、私がグッときた選手のフリーを語っていきたいと思います。今回はテレビも気合いを入れて、生放送&TESカウンターでも各要素のレベルからGOEまで細かく載せてくれてので、演技を見たり、カウンターを見たりで目が忙しかったです!

 

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Sportsnaviより

 

 

(目次)

 

紀平梨花

SP 57.89 FS 135.57 

ジェフリー・バトル振付「道」

 

「ピュアで少しおかしな道化師の少女のストーリー。喜びと悲しみ。場面場面で様々な喜怒哀楽を描きます。」BSフジにて

 

群を抜いて上手い紀平選手。フリーのTESは脅威の73.97点!PCSでも唯一の60点台である61.60点でした。

 

冒頭でいきなり3A3T2Tを披露、GOE+2.40です。さらに呼吸をする間もなく華麗な3Aをもうひとつ!こちらは何のタメもなくサラッと跳び、流れも美しく、かなりの上質。その後も3F、3Lz2T、2Lo、3Lz2T,3Sと要素をこなし、ループが抜けたこと以外は、アクセルを跳んだ疲れによる回転不足もなく演技を終えました。

 

2Tは全部で3回跳んでしまったため、最後のジャンプはルッツのみのカウントになりましたが、もし今後も調子的にいけそうだったら3A3T2Tの構成に挑戦してきそうですね。その時は、たとえ2Tであってもノーカンはもったいないので、どこかで構成を変えてやってくるとすると、もっとスコアが伸びるので恐ろしいです。もう一度試すなら全日本でしょうか?ここでパーフェクトな演技をしたら、正直、表彰台がどんなメンバーになるのか想像さえつきません。

 緊張?金超?

紀平選手といえば、ちょっぴし緊張屋さんなイメージがあります。今回もフリー直前までは、かなりソワソワしていたように見え、「大丈夫かなぁ」と心配していましたが、本番ではいい意味で期待を裏切る見事な演技で観客を圧倒し、私も度肝を抜かれました。その出来は緊張どころか金超、金を超える演技です!スピナーな予感がする紀平選手比で、今回のスピンはマックス状態よりは、少し控えめかなぁと思ったのですが、ステップではレベルもきちんとGOE+1.40つきでこなし、凄いの一言です。一ファンとしては、紀平選手はアクセルの調子が悪いときでも、他のジャンプや各要素でもトップクラスの得点を重ねられる選手だと思うので、大技好きのマスコミや期待をかける外野の重圧に負けないで、マイペースに頑張ってほしいです。もはやルールを惑わす勢いで、成長していってほしい。楽しみな選手です!

山下真瑚

SP 65.13 FS 124.90

山田満知子・樋口美穂子振付「蝶々夫人

 

「最後に自ら命を絶つ悲劇のヒロイン”蝶々夫人”帰らぬ夫を健気に待ち続ける女性の哀愁を演じます。」BSフジにて

 

紀平選手と並んで、表現面で他と差をつけてきているなぁと感じた演技の山下選手!技術だけではない結果には頼もしいですね!フリーのTESは65.62点、PCSは59.28点。山下選手が何よりも凄かったのは、高難度ジャンパー紀平を相手に最後までどちらが勝つか分からないほどの戦いを見せたこと。素晴らしいです。

 

3Lz3T2T、3F、3S、3Lz3T、2A、と、落ち着いてこなし、2Lo、2A2T・・で演技を終えました。あああループが惜しかったですね~。これが成功していたら優勝できていたのかな?!というと、どうなんだろう??ジャンプは後半なので基礎点の1.1倍・・となると、GOEをなしとして考えても5.61点なので、わずかな差で勝っていたかもしれませんね。また、最後のスピンにVマークがついていますので、山下選手もまだまだスコアを伸ばせる要素が満載なんですね!これは楽しみ。まぁタラレバで語っても仕方がないのですが、ジュニアで紀平選手に負けず劣らずな選手が日本にいるのは心強いですよね。

気持ちのこもった演技

パッと見は目立つタイプではありませんが、曲がかかると観客を惹きつける表現力を持っている。今回のフリーで強く感じた点はそこでした。ジュニアの選手の中でも音を聴きながら滑れる貴重なスケーター。そして憂いのあるしなやかな蝶々夫人。まだ若いのに情緒あふれ、こんなに演技が見やすいのはなぜかと考えたら、それはやはり技術的な癖のなさだと思いました。この強みはこれからシニアに上がっていく過程でも、失わずにいってほしいですね。あとは、衣裳やメイクが華やかなチーム濱田と比べると、他の選手たちはオーラが薄くなって見えてしまうなんて声もありますが、そこら辺は好みの問題ですし、アドバイス等でどうにでもできる部分なので、あまり気にせず、今後に期待します。また、紀平・荒木選手と並んでいた時に背が頭ひとつ分以上大きかったのに驚き!公表されている151cmという身長よりは、現在もう少し高いように見えました。(153cmの紀平選手より大きいし)ジャンパーとしては小柄な方が良いですが、スケーターとしてはせめて150cm台後半くらいはあると見栄えが違ってきますよね。まだ伸びそうなので楽しみです。

荒木菜那

SP 61.51 FS 115.56

宮本賢二振付「善徳女王」

 

「国をまとめる女王の力強さと悲しみがテーマです。気高くも儚い、波乱の人生を力強く表現します。」BSフジにて

 

総合得点では紀平・山下選手から大きく離されてしまいましたが、フリーのTESは63.00点、PCSは52.56点ということを見れば、これから努力で演技構成点を伸ばせれば、いくらでも日本女子の主要メンバーとして戦っていける可能性を秘めているのでしょう。

 

3Lz3T、3Lo、2A、3Fe、3Lz2t2Lo<、2A3T、3Sと、エッジエラーと回転不足があったことで、フリーの順位自体は横井ゆは菜選手に抜かれてしまいましたが、スピードに乗った高いジャンプと、堂々とした滑りには、目標に掲げていた全日本出場への熱い思いが伝わってきました。ステップが強化されると全体的にも、もっともっと勢いがついて表現面でも評価がアップすると思います!

どんなスケーターになるのか

シニアの坂本選手といい、こうしたスカッとするダイナミックなジャンパーは、日本にとって常にひとりはほしい存在です。選手ひとりひとりに個性がありますが、表現が得意な選手、トータルで無難な選手、そしてジャンパー、この神スリー辺りの選手が揃っていれば、どんなルールになろうが、世界と戦っていけそうで安心できる。荒木選手については面白い選手がいるなぁぁと思って以前も記事を書いたので、今回は短めにまとめます。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 

 上位ふたりのPCSと差がつくのは、仕方ないなとは思いますが、今季の飛躍を機に来季は表現面に力を入れ、メキメキと上昇してくれることを期待します。おめでとう!

全日本へGO

全日本ジュニアでは他にも気になる選手がたくさんいました。特にスタイル抜群の川畑選手のセカンドトリプルループには痺れましたよ!今回はミスがあって残念でしたが、クリーンに決めたところを見てみたいな、と思う選手でした。でも、今大会を振り返って、個人的に一番良かったなぁと思ったのは、やはり山下真瑚選手!何回もリピートしたいなと思う演技でした。もちろん紀平選手も良かった。世界ジュニア内定おめでとう!!!

 

そして、もう時間はありませんが、すぐに全日本選手権が始まります!素晴らしい活躍を見せてくれたシニアも驚きのジュニアの演技!いざ夢の舞台への出場が決まった上位6名の皆さんが、良い結果を出せるように応援しています!

 

以上で終わりになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

【フランス杯】ファイナルへ続く運命の一戦!!

GPS2017 フランス大会まとめ

 

グランプリシリーズ第5戦「フランス杯」男女シングルのの感想になります。

 

日本からは宇野昌磨三原舞依・白岩優奈選手が登場!

 

男女共にファイナルへの切符がかかっている重要な試合!

 

日本勢の運命はいかに・・?

 

さっそく女子の結果からご覧ください。

 

 

女子総合結果

1 アリーナ・ザギトワ ロシア 213.80点
2 マリア・ソツコワ ロシア 208.78点
3 ケイトリン・オズモンド カナダ 206.77点
三原舞依 日本 202.12点
エリザベート・トゥルシンバエワ カザフ 200.98点
6 白岩優奈 日本 193.18点


エリザベータ・トゥクタミシェワ ロシア 167.65点

 

女子は中国杯に続いてロシアのザギトワが優勝、2位には同じくロシアのソツコワ、3位にはカナダのオズモンドが入りました。日本の三原はオズモンドとわずか2点差で4位、白岩は6位となりました。従って上位3名のファイナル進出と、三原のファイナル落選が決定しました。既にメドベージェワとコストナーのファイナル進出が決定している現在、ファイナルへの枠は残りひとつです!今回ソツコワ選手が2位になったことで、樋口選手のファイナル出場が危うくなってしまいましたが、ここで次のアメリカ大会で宮原・坂本組に頑張ってツルスカヤとワグナーの金・銀メダルを阻止してもらい、日本女子は不滅じゃ~!簡単に消えへんで~!とアピールしてきていただきたい。日本でのファイナル・・。神様、なんとか樋口新葉の出場をお願いしまーーーす!!!!

 

目次 

 

女子ショートのココが気になる!

それではここから、今大会で気になった演技の感想を語っていきます。まずはショートを観て感じたことからユルくご紹介。

 

ちなみにショートはこんなスタートでした。

 

1 オズモンド

2 ソツコワ

3 白岩

4 三原

5 ザギトワ

6 トゥルシンバエワ

 

1位のオズモンドで69.05点。5位のザギトワが62.46点。強敵たちがミスを重ね、まさかの70点台なしの展開に・・。正直、試合前にファンが騒いでいたほど、そんなにビクビクするほどハイレベルなショートではありませんでした。だからこそチャンスを逃してしまった三原選手は悔しかっただろうな~と思います。

ザギトワは背が伸びた?

62.46 TES 32.27 PCS 31.19

フリーは鬼のように強いけど、ショートはやや苦手意識があるのかジャンプミスを重ねてしまったザギトワ選手。コンビネーションジャンプで転倒し、リカバリーした3F3Loでステップアウト。明らかに身長が高くなっているように見えます。セカンドループはただでさえ難しいのに、リカバリーでさえダブルではなく、トリプルをつけるあたりは天才ですね。それと、今回私、ザギトワ選手はジャンプに自信がないときほど前半部分を丁寧に滑ることに気づきました。調子が良いと最初からぶっ飛ばして、そのせいか荒っぽさも出てきますが、そうでないときは、いつもより動きが繊細になっているように見えるのです。これはジャンプミスを想定して、ジャンプ以外の要素で評価を得ようと無意識に出るパワーなのか、それもエテリコーチの策略なのか。動揺の中でもきちんと考えて滑っているのは凄いです。しかし、セカンドループの回転が不足気味になってきているのが心配。やはり身長が伸びるとジャンプも変わるなぁ。ザギトワ選手には、身長が伸びても、乱れず活躍できるスケーターになってほしいです!美人だし!

オズモンドが頼みの綱

69.05 TES 34.35 PCS 34.70

冒頭のコンビネーションジャンプが3-2になってしまい、3Lzでも手をついてしまいました・・。マジか・・・。私は心の中でそう呟きましたよ。だってザギトワとオズモンドには、このフランス杯をワンツーフィニッシュしてもらわなければ困るんですもん。ソツコワ選手には悪いけど、樋口選手のファイナル行きにはそれしかない。だからオズモンド頑張れ。大変わがままで、失礼なことを承知ですが、そう願って応援していました。ショートが終わった時点で「70点はないな・・68点に届くかどうかくらい?」とドキドキしていたら想像していたより出ていて驚き!でも2位のソツコワ選手とは2点差もない・・。大丈夫かな。そして私は、「そもそも日本人+オズモンドにとってはこのリンクが狭いのではないか」と考えだしました。近年日本人はやたらと滑らかでスピーディーな選手が誕生している。カナダは職人スケーティングが多し。あれ?P・チャンとコストナーがこの大会にエントリーしていたらフェンス越えちゃうじゃん?!そんな風に考えると、スケーティングが良い選手=壁に近づきやすい=スケーティングが良い・・コレもうGOE+だろう・・。ジャッジさんお願いしますよ。

三原の表現力

64.57 TES 31.93 PCS 32.64

のびのびと滑ったら3Lz3Tが壁にぶつかってしまいました。三原選手は「跳ぶ位置を間違えた」と言っていますが、今回はやけに滑りやすい氷だったなぁと思います。それもあってか後半は、本人も力を抑えて滑っていたように見え、ややいつもより迫力が欠けてしまいました。(それでもPCSでは良い評価をもらえたのは良かった)三原選手はショートを終えるたびに「プログラムを変更した方がいい」と騒がれますが、個人的には、どんなに難しくても今のプログラムをモノにするしか方法はないと思います。昨季のプログラムに変えようと、新プログラムにしようと、PCSの評価はそんなに変わらないのではないでしょうか。ショートとフリーは全くタイプの違うプログラムですが、どちらも表現面で苦労しているのは、曲のせいというよりは、プログラムの見せ方や、体の動かし方、細かい音の拾い方といった部分で、他の選手たちと差がついてしまっているからだと思うのです。プログラム自体は凄く計算された良いモノなので、めげずに頑張ってほしいです。

ソツコワがソツ怖になる日

67.69 TES 35.26 PCS 32.53

じわじわと追い上げて来るソツコワ選手。今は日本人選手も勝つことができますが、ソツコワ選手がファイナルに行くとなると、どんどんその評価も変わっていきそうで怖いです。ショートでは、3Fの着氷で乱れてしまったのが惜しかったですが、それ以外は上手くまとめて2位発進。タノは相変わらず折れ曲がっていますが、3Lz3Tの高さが進化していて素晴らしい!173cmもあるからか、ピンクのキラキラ衣裳を着ていても、子どもっぽさがなく、セレブ感溢れて優雅に見えますね。日本勢はこれから先ソツコワに負けられません。ソツコワをソツ怖にしてはならない。小柄な超絶ジャンパーと優雅な長身選手が君臨する流れを許してはならない!日本人選手の居場所がなくなるのが本当に不安になってきました。

白岩スマイル

66.05 TES 36.42 PCS 29.63

ショート3位発進!!ザギトワ、オズモンド、三原、ソツコワがいる中で誰がこの展開を予想できたでしょうか!良かったね、白岩ちゃん。なんとTESはお姉さんたちを抜いてトップです。連戦だったので心配でしたが、やはり全日本が近づくにつれて調子が上がる白岩選手だけに?!ノーミス演技で終えました。フランスの観客にも、白岩選手のスピードに乗った若さ溢れる、心の中がスカッとするようなスケートを知ってもらえて嬉しいな。白岩選手のスケートにはスコアがどうこうとか、表現面でのあざとさがなく、思わず観客が笑顔になっちゃうような不思議な魅力があるんだよなあ。何気にテクニシャン!だと思ったのが、コンビネーションジャンプのセカンドを跳ぶ前に、壁ドンしないようにクイっと位置を変えたところ!凄い・・。白岩選手は緊張から解き放たれると強くなると思っています。調子が良いときのジャンプが本当に上質!

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フリーは今後の目印に

ショートは番狂わせがあったものの、フリーではザギトワ選手がお決まりの巻き返しを披露し、三原選手も安定した滑りを見せてくれました。全体的にショートよりは良い演技が揃った印象です。

 

そんなフリーの結果

 

1 ザギトワ

2 ソツコワ

3 オズモンド

4 三原

5 トゥルシンバエワ

6 白岩

 

ソツコワはショートの順位をキープ。オズモンドは3位まで落ちてしまいました。三原は出来は良かったもののPCSが伸びず4位のまま。うーん、ここでの採点傾向は今後の目印となりそうです。

150点オーバーのドン・キホーテ

151.34 TES 81.80 PCS 69.54

あぁ150点を余裕で超えてきましたよ、ザギトワ選手。ファイナルで出るかと思ったら、ファイナル前に151点かぁ。これはショートも揃えたらメドベージェワもどうなるか分からないな。むしろファイナル前にメドベージェワを倒す用意が出来ているといった感じ?TESが81.80点ですよ。最後の2A以外オールGOE1点超え。PCSもどんどん増えてる・・。フリーは自信満々で滑っていますね~。ザギトワ選手といえばメンタルはそんなに強くはなさそうですが、後がない!という状況になると、当然のように力を発揮してきます。回転不足をとられると気にしちゃったり、ライバルが良い演技をすると萎縮しちゃったりはするけど、五輪枠がかかってくると目の色が変わり、異次元まで行ってしまいます。もうルールを変えない限り勝てる気がしない。ジャンプ以外にステップの得点とGOE幅を変えましょうよ。

減速して挑むブラックスワン

137.72 TES 68.42 PCS 70.30

不本意にも期待したオズモンド選手のフリーは残念な結果になりました。転倒あり、アクセル抜け、その他ちょっとしたミス。最初はショートと比べスピードを調整して挑んだように見えたので、今日は上手くいくか?!とわずかな希望が。そして、いつものようにゴージャスな3-3を成功させたのでよっしゃー!と喜んだのですが、後半に連れ、なんか元気がない・・。あれ?あれれ??と思っているうちに演技終了。「やばい135点くらい??」と思ったら、またもや137.72点と想像以上にスコアは出ましたが、総合は3位・・。がーん。でも仕方ない。表彰台おめでとう。結果は残念でしたが、もし樋口選手がファイナルに行けなかったら、その分頑張ってロシアを倒してちょうだい。タノなしでもカッコイイオズモンドのジャンプ!力強い滑り!GOオズモンド!・・それにしても今回の不調はどこか痛めているんですかね?みんな怪我は無理せず休んでね。宮原選手のこともあったからギリギリまでの無理は心配です。

個性ある天使にしたい

137.55 TES 73.45 PCS 64.10


3Lz+3T 2A 後半 3F  2A 3Lo+2T+2Lo  3Lz+3T 3S

 

ご覧の通り三原選手は、セカンド3Tを後半につけてリカバリーに成功するも、PCSで伸び悩み140点台に届かず。本人もキスクラで「えっ?」と、不安げな顔をしていましたね。三原選手のフリーは一時期変化を遂げ、とても良くなったと思ったのですが、最近はショートに時間をさいているのか?上半身の動きがもとに戻ってしまいました。今回はオズモンド選手と同様スピードも抑えていましたね。もしかすると、それも低評価に関係していたかもしれません。日本人から見てロシアの選手が似たり寄ったりに見える中、日本の選手も他国からは同じに見えていることは察しますが、それでも宮原・本郷・樋口辺りは個性や違いがあるように映っているんだろうなぁ~というのは、海外ファンのコメントや解説で感じます。三原選手は本田選手とやや印象が重なりつつあるので、そこに差をつけるには、持ち味のスケートの滑らかさや、スピードを生かすことと、ジャンプの高さを失わないことですね。実は両選手ともジャンプが低くなっているように見えるので、見栄え的にも質を落とさないようにキープした方が、今後上に立つのではないでしょうか。ジャパンオープンで日本の一番手として少し多めに出ていたPCSも、樋口選手の急成長と宮原選手の復帰戦と比較すると、もう現在は格付けに変更があっても仕方ないかな・・という気がします。後は全日本一発勝負になりますが、そこで三原選手の長所を発揮した演技ができれば・・と思います。頑張れ!

その他の注目点

140.99点を出したソツコワ選手は、回転不足もなくなり、安定しています。何よりタノをつけなくても高いGOEをもらえそうな良いジャンプになってきたのが凄い。もうタノなくても安心できるんじゃないかな?そして、127.13点を出した白岩選手!前半はおっ良い感じ!とノーミス来るか~!と期待しましたが、ループが惜しかったですね!!跳ぶ前にかなり慎重な動きがあったので不安でしたが、的中しちゃいました。でも全体としては調子も良さそうでしたし、130点はあってもいいよなぁと思う演技でした。SSはジャッジも8点台出すかどうかで悩んでいるみたいですが、8点台でOKだと思う。今回みたいな演技を重ねていけば簡単にいけそうですね!

 

 

以上が女子の感想です。

まとめると、どんなに強い選手でも崩れれば他の選手にもチャンスはアリだな。なんだ皆人間じゃん♪という試合でした。最近は私、失敗しないのでスケーターが増えたから、どの試合も五輪級に仕上げなければならない感がありますが、ここにきて少し緩めな風が吹くのも選手にとっては良いのではないかと思いました。休みどころがないとつぶれちゃうよね。

 

日女子のファイナル行きは、ほぼ絶望的(こんなこといいたくないよお)ですが、樋口選手のツイッターには、さっそく応援コメントが並んでいて、これを見て励みになってくれるといいなと思いました。あんなに頑張ったのに全日本一発勝負は気の毒だなああ。まあ、私も気持ちを切り替えて応援していこう!

 

続いては宇野昌磨特集。男子と言っても宇野選手オンリーの感想です(笑)

 

インフル明けの試合

フランス杯がインフル明けと聞いて親近感・・。私もずっと熱で寝込んでいて、熱が下がっても身体はずっとしんどかったので、辛かっただろうなぁと妙に共感してしまいました。インフル明けは無理をすると、いつまで経っても万全な状態にならないから全日本がとても心配です。これからファイナルを挟んでの全日本ですから、休む日がありませんね。他の選手も来月にかけてインフルや風邪、胃腸炎には要注意してください。観戦に行かれる方も感染にはご注意を。(ダジャレではない!)

 

ショート・フリー共にミスがあり、体力的にもキツそうでしたが総合でフェルナンデス選手に続く2位となりました。これで地元ファイナルへの切符は獲得です。

不調の中の好調

さて、不調の中でも2位という位置につけた宇野選手のフリーをおさらいすると、総合179.40点(TES90.20点・PCS91.20点)という高めなスコアだということが分かります。ちなみにこれは、4Fと4Tが回転不足となり、転倒が2回、3Lzでステップアウトしての評価です。(単独4Tも二回跳び、両方クリーンではなかった)しかし、元の構成が凄いので、これだけミスをしても表彰台に乗れるくらいの力を持っているところが恐ろしい。しかもフランスのお客さん、宇野選手が転倒する度にヒャーと残念そうに声を上げて、成功したジャンプには惜しみなく拍手してくれる。どんだけ愛されてるの。ショートの後のショーマコールも凄かったですし、外国人ファンをメキメキと増やしていますね~。芸術の国フランスでは観客も、ただ強いだけの選手には何の関心も示しませんが、アーティスト系のパッションを感じる選手には大きなリアクションをとってくれるので好きです。そのためかPCSもわりと出してもらえた気がします。今回はさすがに得意の後半の体力もお疲れモードでしたね。

人気の秘密

不調の中、冒頭4LoのGOEが+1.86点もあるって凄い武器です。これだけで13.86点もゲットできちゃう。ハビファンには申し訳ないけれど、フェルナンデス選手は上手いし、エンターテイナーなんだけど、TVで見る方が栄えるスケーターだと思うんですよね。視力が悪い私なんかは、生で観るとTVほど細かな部分が見えないので、意外と動きが小さいなぁと期待した分感じちゃうんですが、宇野選手の場合は体は小柄なんですが、動きというか存在が大きくて、逆にその世界観の壮大さに感動してしまう魅力があるんですよね。まさしくギャップの法則。見た目と違ってパワフルで、高度な技を詩的にこなしてしまう、このギャップが外国人を興奮させ、人気なんだろうな~と思います。また、独特の表現があるのも特徴ですよね。ヨーロッパやアジア人が好むちょっと分かりにくいような映画のサントラなんかもサラッと滑れそうな雰囲気があります。

名古屋で待つ

 さてさて、注目のファイナルは宇野選手の地元名古屋で開催されるわけですが、このままだと日本からは宇野選手オンリーになるかもしれないので、TV放送はどうなることやらが気になるところですが・・もしかしたら佳菜子ちゃんが応援しにやってきてくれるかもしれないし、他の選手が勉強にと観戦に来るかもしれないので、ぜひとも放送していただきたい!宇野選手にとっては開催が日本で時差や移動がないのも良いですね!羽生選手がいなくてプレッシャーがかかるかもしれませんが、きっと羽生選手も応援してくれているでしょう。頑張れ!

 

 

以上ですべての感想が終わりです。

ここまでありがとうございました。

おわりに

最近は過去記事含めアクセス数がビヨンビヨン伸びていて、こんな誤字脱字適当&放置のブログをわざわざ検索し、シェアしてくださり何だかお恥ずかしい限りです。どうもありがとうございます。今までは大して気にしていなかったのですが、読まれていると思うと、ちゃんとミスがないかチェックしなきゃ!となり、振り返ってみると出るわ出るわ意味不な日本語、予測変換間違い・・キャー。(例:P・チャンがPちゃん ロシア人の名前タイプミス・・だってキーボードが反応しないんだもん)性格が雑なので、気をつけても気をつけられていない恐れ満載ですが、これからも読みに来てくださる方がいましたら一緒に応援していきましょう!

 

いよいよ次はGPシリーズのラストを飾るアメリカ大会です!

宮原選手の表彰台を期待&無良選手のプチスランプ脱出&坂本選手の評価アップを願ってレッツゴー!!

 

三原選手は落ち込まずに、皆が一発勝負だと思って頑張ってほしい。

GPシリーズはホント運ですよね。 でも大切なのは全員がピークを合わせる試合でガチンコ勝負するときだから、そこに目標を置いて、残りを駆け抜けてくださいね。

 

余談ですが、ゴールド選手の全米辞退を聞いて、すっかり落ち込んでしまいましたが、それだけ人前に出て結果を出していくということは、身心共に大変なことですし、一度崩れると難しいことだよなぁと、アスリート社会の厳しさを実感しました。でも誰がいつこのような状態になるかなんて分かりませんよね。五輪に出場するスケーターたちが、スケートの魅力を最大限に発揮して、ゴールド選手が「戻ろう」と思えるような希望があればいいな。

 

goldenretrievers.hatenablog.com

 

さらにロシア選手の平昌五輪出場停止騒動も本格的になってきて心配です。もしこれが決定したらプーチン大統領は来年の選挙には出馬しないんじゃないかな。色々とピンチです・・。

 

以上で、今度こそ本当に終わりになります。

 

ありがとうございました。

 

【NHK杯】自爆大会?&おかえり!サトコ・ミヤハラ

GPS2017 日本大会まとめ

 

グランプリシリーズ第四戦「NHK杯」男女シングルの感想になります。

 

今大会の注目は、なんといっても日本のエース宮原知子選手の復帰です!

 

涙なしでは見られない?!

 

一体さっとんは、どんな姿で現れるのか?

 

そして強豪ロシアとイタリアのベテランコストナーの演技はいかに・・?

 

そんな日本大会の様子を主観のみでザックリとお伝えします。

 

※全体的にミスの多い試合でした

 

まずは女子の結果から

 

女子シングルの総合結果は以下の通りです。

 

1. エフゲニア・メドベージェワ ロシア  224.39点
2. カロリーナ・コストナー イタリア  212.24点
3. ポリーナ・ツルスカヤ ロシア  210.19点
4. ミライ・ナガス アメリカ 194.46点
5. 宮原知子 日本  191.80点
6. アリョーナ・レオノワ ロシア 190.95点
7. 本郷理華 日本  187.83点
8. 白岩優奈 日本  171.94点

 

優勝はロシアのメドベージェワ、2位にはイタリアのコストナー、3位はロシアのツルスカヤとなりました。日本の宮原は5位、本郷と白岩は7位、8位と続きました。

 

それでは、ここから気になった選手の感想について書いていきたいと思います。

 

宮原知子

SP 65.05点 FS 126.75点

今回が復帰戦となる宮原選手。まずは復帰おめでとう!リンクに帰って来れて本当に良かった・・!ショートで宮原選手がスタート位置についた瞬間こみ上げてくるものを感じたのは私だけではないはず。

はじめの一歩

11ヵ月ぶり最初のジャンプは、言葉にならないほどの緊張があったと思います。そのため、冒頭の3Lz3Tが3Lz<2Tとなってしまいましたが、これは想像の範囲だったことでしょう。ミスの後も慌てることなく、落ち着いて、休養前の宮原知子らしく堂々と滑り切ることができました。まだまだ全体の仕上がりは75パーセントくらいということなので、全日本までに宮原選手のペースで100パーセントに調整していけば、再びジャンプも安定して「ミス・パーフェクト」の完全復帰となるのではないでしょうか。

世界一のスピン

流石だなぁ・・と思わず声が出てしまったのが宮原選手の世界一美しいスピンです。なんでしょうね。宮原選手の演技っていちいち泣けるんですよね。ジャンプの練習には制限があって、なかなか思うようには進められないけれど、それ以外のできることは何でもしようと日々励んでいた姿が、このスピンから伝わってくるんですよ。他にも、振付がしっかりと体に染みついている様子や、ステップの丁寧さ、表現なんかを見ると、ジャンプ以外の要素ひとつひとつに力を入れて、戦いに来たんだなと感動。そして、まさに、こここそが演技全体を見た時の、日本女子の中での別格感に繋がっているのかもしれないと思いました。

チーム濱田の戦略

さて、今季は、ショートもフリーも和をテーマにしたプログラムということで、どんな風に違いを出していくのだろうかと思っていたのですが、感想を一言でいうと「ちょっと似てる・・」でした。宮原選手の表現力で変化は伝わっているのですが、振付のところどころで似ている部分があったのが気になってしまいました。なんとなく外国人から見た日本観というか。アジアの文化がごちゃまぜになっているような振付があるので、そこをもっと和の引き出しでカバーしてもらえたらなぁと思いましたが、ジャッジはそんなことを気にもしないし、分からないからいいのか??う~ん。ケガ明けで新プログラムふたつは負担になりそうだから、フリーは昨季の「惑星」を再利用しても良さげかなぁとも感じたのですが・・。いや、でも、チームの戦略としては今の状態がベストであり、完成形のプログラムは鳥肌ものなんでしょうね。期待してます。

全日本までにできること

もう全日本まで残りわずか。宮原選手にとって、今のジャンプの状態では代表をつかみ取るには厳しいものがあります。しかしジャンプを本格的に練習し始め、スピードに乗り跳ぶ感覚が戻ってくれば、日本一の座につく用意は可能だと思います。ミスがあってもPCSの評価は高く保てている。次戦で少しでもミスをなくし、今回よりもスコアを上げれればいいなと思います。大事なのは、演技全体を通して滑り切る体力配分の感覚と、それに比例するスピード、そして体重管理ですね。宮原選手は試合に入ると痩せてしまうようなので、シーズン中安定した体重でジャンプを跳べれば新しい体型での軸も安定し、良い結果が残せるのではないかと思います。全日本まで何とか間に合ってほしい!がんばれさっとん!

エフゲニア・メドベージェワ

SP 79.99点 FS 144.40点

余裕のスコアで優勝!と言いたいところですが、今回はメドベージェワ選手にとって不安要素を残したまま終わる大会となりました。

女王に何が起きている?

今回両足首の辺りにテーピングを巻いていたメドベージェワ選手。ケガなのか?疲労からくる痛みなのかは分かりませんが、珍しくフリーで転倒してしまいます。その後も着氷に乱れが出たり、ジャンプ前にためが出たりと、どことなくジャンプに対する不安感が見えました。

不安気な表情

調子が悪い中でも大きなミスはひとつに留め、演技を終えましたが、その表情はとっても弱弱しく、いつもの笑顔はありませんでした。表彰式の前もずっとコーチと何かを真剣な顔で話しており、とても深刻そうに見えました。メドベージェワ選手と言えば、ロシア選手の中でもスタイルキープのために、かなり体を無理に絞っている選手として有名です。細いだけでなく、衣装で見えない部分の太ももには男性アスリート並みの筋肉がついていますから、体脂肪の方では相当体に負担がかかっていると思うんですよね。いつ体調を崩してもおかしくない状態ですし、ホルモンバランス的にも、同じ女性として心配なところがあります。

弱点が露呈された

そんな不調な今回、メドベージェワ選手には焦りが出たのか、それとも、ただただ早く試合が終わってほしいと思ったのかは分かりませんが、かなり演技を雑に終えてしまうという結果に陥ってしまいました。今ままで表現に定評があったメドベージェワ選手でしたが、なんと今回は、フリーでミスのあったコストナー選手のPCSを下回ってしまったのです。これはメドベージェワ陣営にとっても痛手ですよね。ミスがあると自信のドラマティックな演技がぶつ切りになり、音楽そのものを表現することができないプログラムだけに、ただただ慌ただしく動いて終わってしまったように見えてしまいます。そして、あんなに難しいプログラムなのにあっという間にベテラン選手のPCSに負けてしまう・・。ここにきて最大の課題にぶつかってしまいました。

休むのも戦術だ

とは言っても、メドベージェワ選手はジャンプさえすべてクリーンにおりれば五輪金メダルは約束されています。あとはミスのない状態をいかに維持できるか。それはもういっその事、ファイナルをスキップしてプチ休養にあてればいいと思います。無理に全試合出る必要はありませんし、痛いところがあれば休んでおくのも手だと思うんですよね。そして五輪が終わったら、今度はドラマ性の強いプログラムから離れて、音を表現するプログラムにも挑戦して、幅を広げていってほしいです。うん。ファイナルで調子を戻しても、その後にボロがでるかもしれないし、今は休めるときは休んだほうがいいよ。(でも出場コースなんだろうなぁ)ロシアは若手がどんどん押してくるし、五輪本番まで何が起こるかわからない不安というのもあるんでしょうね。ちょっと心配。

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カロリーナ・コストナー

SP 74.57点 FS 137.67点

NHK杯でも安定の表彰台のコストナー選手。ミスをしても予想以上にフリーは得点が出ました・・。やばい・・。このままではいけない。日本女子はどうすればいいんだ。

美しさが光るショート

コストナー選手といえば別格の美しさがあることで、PCSの評価も高い選手です。特にショートプログラムの演技は私も本当に大好きです。もう次元が違う感じ。公式練習で他の選手たちと同じリンクで滑っている姿を直接見ると、その美しさの違いがよく分かります。今の女子シングルは低年齢化しているため、持ち前の美しさに加え、大人の表現も際立って、それが演技により効果的になっていると思います。

ミスは演技を助けない

しかし一方のフリーでは、ミスが重なりトリプルジャンプも5本(サルコウ2本ループ1本3-3なし)という低難度構成でした。コストナー選手のフィギュアスケート本来の滑りを大切にしたスタイルは素晴らしいのですが、ミスがあればそれも生きてこないので、PCS75.71点という評価は高すぎる気がします。今回はミスをカバーしてくれるような要素がSS以外はなかったんじゃないかな?それなのにこんなに高いのか。高くてもちろんいいのですが、高すぎるのは疑問だな。そんな風に思えました。あ、でも成功したジャンプの質はかなりいいですよね。

若手とコストナーの差

最近はもっぱらジャンプにしても、スピンにしても、なんにしても技術がものをいう時代だと思っていたので、コストナー選手の今できる内容をクリーンに仕上げるという久しぶりな流れに「あれはまだ健在だったのか・・!」と驚きがあります。ただメドベージェワ選手がタノジャンプをしてつなぎを増やしたり、ザギトワ選手がオール後半ジャンプにしたり、樋口選手が3Lz3T×2にハードなステップにしたりと、体力も気力もいる練習の中、限界状態で努力していることを考えると、コストナー選手の戦い方と若手の戦い方は、同じ競技とはいえないくらいにかけ離れていて、別にした方がいいのか・・とさすがに思ってしまいました。

五輪優勝もあり

30歳という年齢で現役として結果を残しているコストナー選手の努力もまた、若手選手たちの苦労とは違った辛さがあると思います。ただ、今もし、すべての選手が高難度ジャンプをやめ、スケーティングのみに練習を集中させたら、そのうち誰をどう評価していいかわからなくなり、再びジャンプ重視になるんだと思います。そうやってそれらを繰り返す。それなら技術も表現も両立してやっていこう。メドベージェワみたいな選手も上位にいるし、コストナーみたいな選手も上位にいるんだよ。どちらにも五輪金のチャンスがあるよ。それがフィギュアスケートですってことなのかしら?誰にでもチャンスがあるのはいいけれど、肝心の選手が自分がどっち側の選手なのか分からない。ジャッジの点の出し方が選手には分からないから、表現に自信のない若手はタノ祭り・後半ジャンプ固め打ちになるんじゃないのかな。ジャッジはそこに気づかず「なぜこんなことになっているんだ?そんなの必要ないんだよ!」コストナー選手を例に、こうあるべきと伝えているのでしょうね。

 

そう考えると、コストナー選手もルールに振り回されている被害者だなと思いました。なんだかな。

ツル・白岩・本郷

続いてはツルスカヤ・白岩・本郷選手の感想を凝縮します。

ポリーナ・ツルスカヤ

SP 70.04点 FS 140.15点

はい、あっという間にショート70点、フリー140点のラインに乗せてきました!強いいいいいいい。ロシアの3枠目はツルスカヤ選手ですかね。ジャンプは高いし、ジュニアにいたら逆に違和感あるくらい大人っぽいし。用意周到でシニアに上がってくるのがロシアだなあ。こういうところ日本も参考にしてほしいな。若手ほどあえて落ち着いたトーンの衣裳にするところなんかも。日本人選手の衣裳はデザインがお姫様感強くて、アニメっぽい色合いというか・・あの幼稚さはどうにかならんのかい。カワイイから抜け出してほしい。

 

話が脱線しましたがツルスカヤ選手は、次戦がどうなるか楽しみ。もうこれ以上強くならないで!というのが本音でーす。

白岩優奈

SP 57.34点 FS 114.60点

緊張のデビューでしたね。練習ではいいジャンプ出来ていたんだけどなぁ。シニアの空気に慣れてきて、演技中に自分のペースがつかめてきたら、もっと評価もあがるはず!実際フリーは体もよく動いていましたし、パフォーマンスも良かったと思います。まだまだこれからの選手!いい経験になったんじゃないかな。

本郷理華

SP 65.83点 FS 122.00点

ショートは感情と魂がこもっていて良かったですね!鳥肌が立ちました!ショート・フリーで回転不足はどうしてもついてしまいますが、全体の出来は凄くよかったですよね。本郷選手はスピンでもう少しスピードがつけば、あの常に迫力あるプログラムの流れが止まらずに、PCSの評価も上がるのではないかと思います。ジャンプは、やはりタノなしでクリーンに決めた方が絶対に得すると推測。タノりだしてから普通のジャンプでも完全に腕を締めきらずに回転に入ってしまっているように見えるので、そこをギュッと締めれればクリーンにおりれるのではないかな?と思います。どうか回転不足がなくなって、高い評価を得てほしいです!がんばれ!

 

 

続いて、男子の感想をザックリいきます!

 

なんと今回、絶対王者羽生結弦選手が捻挫のため急きょ欠場という悲しいスタートにファンも騒然。全日本までに完治できるケガなのかは分かりませんが、どうぞお大事にしてくださいとしかいえない・・。(五輪に羽生がいないとかありえないでしょ)他の選手も練習中のケガやインフルエンザには気をつけてください。

 

男子の総合結果はこんな感じ

 

さっそく男子の結果からおさらい。


1. セルゲイ・ボロノフ ロシア 271.12点
2. アダム・リッポン アメリカ 261.99点
3. アレクセイ・ビチェンコ イスラエル  252.07点
4. ジェイソン・ブラウン アメリカ  245.95点
5.  キーガン・メッシング カナダ 235.80点
6. ラトデニくん  234.80点
7. 友野一希 日本  231.93点

11. 佐藤洸彬 日本  199.20点

 

優勝はロシアのセルゲイ・ボロノフ、2位にアメリカのアダム・リッポン、3位はイスラエルのアレクセイ・ビチェンコが入りました。日本の友野は7位、佐藤は11位でした。

おめでとう!ボロノフ選手!

私と同じ誕生日で親近感のあるボロノフ選手がやりましたよー!!ショートからかなりキてる気はしましたが、フリーも四回転をきめてノーミス!やりきりました!!!!さんじゅっさい、さんじゅっさいうるさいんじゃ~~!とばかりの気迫に圧倒されましたぜ。素晴らしかった。よかよか。

ビチェンコかジェイソンか

男子は最後までハラハラでした。ビチェンコ選手の「メダルは渡さない(キリッ)」という演技と、「え?ジェイソンまさかの表彰台があああああ」というバトル。ジェイソンはアクセルの2転倒が痛かったな。でもふたりとも懐かしの男子シングルという感じの戦いで面白かったです。この久しぶりな感じにワクワクして見ていましたよ~。NHK杯は羽生選手がいなかったのは残念でしたが、ポッキーの日が誕生日のリッポンやビチェンコの戦いを見ていたら、いつの間にか今までのGPシリーズの中で一番楽しめた試合になっていました。

ファンになりました

あとですね。Pちゃんのかわりに出場してくれたキーガン・メッシング選手の滑りも良かったです!すっかりファンになりました!ジャンプはとびすぎちゃいましたが、本人は気持ちよく滑れたんじゃないかな。細かな足技で楽しませてくれて、ここでもまた、懐かしの男子フィギュアのエンターテイメント感を思い出しました。やっぱこの競技は技術と表現を別個にした方がいいのかな。おじさん(失礼)たちの演技がとっても面白かったです。

 

そ・れ・と

 

ファンと言えば、今年もNHK杯に来てくれた私のランビエール様withデニスくん。日本でシーズンベストを出せて何より。そしてどんどん演技中のランビエール感が出てきているのに胸がトキメキます。アクセルが苦手なところまで似ているのか・・と思っていましたが、リカバリできて安心。いつでも日本の大会・ショーに来てね。

日本男子がんばった

日本男子たち!頑張った!精一杯が伝わった演技でした。なんか軽く全日本感も入った試合だったな。ここでの経験が全日本でも役立つと思うので、何かひとつでも手に入れたものがあればいいなと思います。でも普通にショートのふたりの演技は頼もしかった。観客の愛も素晴らしかった。選手もみんな喜んでいましたね。私も嬉しかった。

 

すみません・・男子は短いですが、病み上がりのためそろそろ疲れたのでここで終わりにします。(前回は結局あれから熱が出たのです泣誤字脱字お許しを

まとめ

NHK杯で男女ともにメダルがないなんて不思議な感じがします。それでも男子はボロノフやリッポン、女子はコストナーレオノワと昔ながらの選手が今もこうして滑りに来てくれて、良い結果を残している姿を見れたのは、ファンとして収穫がありました。今回技術的なことには、あまり触れないように観戦してみました。だって選手のみんなは毎日そこを頑張っているんですもん。上手くいかなかった部分はコーチに散々言われているだろうから、あえてNHK杯では別な目線で見て、純粋な気持ちで楽しみたいなと思ったんです。結果を見ると、どうしてもジャンプの出来や各要素のレベルに目がいってしまいますが、最後に男子の試合から、それを忘れさせてくれる何かを貰った気がしました。

 

この競技の方向性や在り方には色々と疑問や不安もありますが、それは選手の責任ではありません。しかし試合ごとに評価がめちゃくちゃな採点に不満が募るのも事実。おそらく五輪でも誰かが責められ、綺麗には終わらないと思います。そんな中で、少しシビアな空気をクリアにしてくれた男子の試合。海外ファンや他の皆さんもこの試合から私と同じような懐かしさを感じた方はいるのかな?私はあそこに競技本来の「戦い」と「採点」と「本質」があったように感じます。久しぶりのこのワクワク感が五輪でも再現されたら楽しいだろうなと思いました。

 

さてお次はフランス大会です!宇野&三原選手がエントリー!全日本前に良い結果をアピールできますように。がんばれ!

 

 

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さっとん、ショートの衣裳はこんな感じのデザインにしてはいかがだろうか?

ピンクよりダークな色×アクセントに明るい色を入れる方が似合っているよ。

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