【ロステレコム杯】王者たちの重圧
GPS2017 ロシア大会まとめ
グランプリシリーズ第一戦「ロステレコム杯」男女シングルの感想になります。
日本からは羽生結弦・樋口新葉・坂本花織選手が出場しました!
初戦から4回転オバケのネイサン・チェンと対決の羽生、激戦が予想される中国大会前に何としてもここで表彰台に乗りたい樋口、そして今季シニアデビューの坂本の運命はいかに・・?!
※ここでは日本人選手とそのライバル選手たちに焦点を当て、ザックリと語っていきます。
まずは男子の結果からどうぞ。
【目次】
- 羽生 緊張が技術を振り回す
- チェン 緊張は技術でねじ伏す!
- メドベージェワ ギリギリの笑顔
- コストナー 誰もが目指す演技
- 樋口 完全に、真剣に、闘うモード
- 坂本・ラジオノワ それでも食らいつく!
- 次はカナダ大会
羽生 緊張が技術を振り回す
第一戦からいきなり登場の羽生選手。ちょっぴり緊張気味です。大会前からマスコミに「羽生、4ルッツに挑戦!」と大々的に報じられていたのもあってか、公式練習ではややルッツに気をとられていたように見えました。
ライバルのチェン選手がショートから4ルッツを入れてくるため、羽生選手も「少しでも難度の高いジャンプを組み込んでいきたい」と思うのでしょうね。本当はそんなことをしなくても楽に勝てるのですが、やはり羽生選手の中では王者として自分より難しいジャンプをしている選手に勝つわけにはいかないという厳しい向上心があるように感じます。まさに羽生ルール。王者のプライドです。
しかし、時にはその追い込みが空回りしてしまうこともあります。今大会を見ていると、練習では安定しているジャンプも、本番では力んだり考えすぎたりしてクリーンにきめることができませんでした。決して調子が悪いわけではないのに、重圧がそれを邪魔してしまうのです。緊張に技術が振り回されてしまう・・これは非常にもったいなく、難しい問題です。
ショート結果 94.85 TES49.24 PCS46.61
4Lo<ot / 3A 4T3Tfall
ショートではオータムクラシックで回避していたループを投入。練習では上手くいっていたように見えましたが、本番では回転が足りないまま着氷し、乱れてしまいました。さらにコンビネーションジャンプでも転倒。こちらはセカンドジャンプの着氷姿勢が乱れたかたちとなりました。
う~ん。本来の羽生選手ならできない構成ではないのですが、滑り慣れたプログラムでミスを連発してしまったことは、本人にとっても少々苦しい結果だったと思います。
フリー結果 195.92 TES101.54 PCS94.38
4Lz 3Lo 3F / 4S 2T 4T3T 3A2T 3A
フリーでは冒頭のルッツで転倒こそありませんでしたが、かなり堪えての着氷となりました。(でも成功したのは凄い!)いくつかそういうジャンプがあったので、評価の方も微妙になるかなぁ・・と心配していましたが、思ったよりはGOEもついていて、フリーだけを見るとトップなんですね。パーフェクトだったらジャッジはこれ以上にない得点を用意しているのだなと思いましたよ。むむむ、やはり期待が凄い。
まぁトータルの結果はチェン選手に敗れて合計290.77点の2位だったわけですが、まだまだ羽生選手が自分の力を出し切れば1位になるという流れは続いているようで一安心?!細かな部分では、スピンの質が羽生比で落ちてしまったところや、アクセルとの相性がやや悪くなっているところなどが気になりますが、これから徐々に修正し、最終的にはいつも通りにきちんと仕上げてくると思うので心配しないことにします。
チェン 緊張は技術でねじ伏す!
こちらはGPS初戦から王者羽生とぶつかってしまったチェン選手。(以下ネイサン呼び)挑戦者として立ち向かう彼は強かった。
ショート結果 100.54 TES57.57 PCS42.97
4Lz3T / 4F 3A
ノーミスですが、後半ジャンプが完璧!といえる出来ではなかったため三桁はどうかな~と心配でしたが出ましたね!ネイサンは6分間練習であまり上手くいっていないように見えても、本番では気合いでジャンプを繋げてくるので恐ろしいです。こんなに高難度ジャンプをバンバンとんでたら普通はもっとミスするよな・・というところですが、なぜか安定している不思議。これも技術が生み出す技なのでしょうか。
フリー結果 193.25 TES104.85 PCS88.40
4Lz 3T 4F 4S / 4T2T2Lo 2T 3Aot 3A2T< 3Lz
フリーの演技は映画「Mao's Last Dancer」よりバレエ”春の祭典”ネイサンらしさを出すための選曲だと思いますが、とってもあっさりしていて「もう少し色をつけた方がいいのでは・・?」と生意気ながら感じました。ネイサンの課題はジャンプなどではなくPCS!若手の中でもシルエットが美しいし、ポージングも指先まで洗練されていて、俗にいう荒っぽさはないのですが、高難度構成だけにジャンプを淡々とこなしていく印象があるので、ところどころに小技を足していってほしいです。そうすればトップ選手たちとあんなに差をつけられずに済むと思いますね。(正直いくらなんでも低すぎ!と思うこともありますが)
さて、肝心のジャンプの方ですが、予定していた構成にはならず、やや乱れもありましたが根性で着氷してきました。これだけの構成でも大きく乱れないところは本当に凄いです。しかし2Tを跳び過ぎてしまうというミスをしてしまったのは・・ダメよネイサン。ここは対策をとっておかないとザヤる選手は頻繁にザヤるので危険かもしれません・・織田さんいかがでしょうか?
(私の推測によると)キスアンドクライでは「ミスもあったしユヅルに負けちゃったか・・」としょんぼりしていたネイサンとアルトゥニアンコーチでしたが、得点が発表され優勝を確信した瞬間めちゃくちゃ喜ぶ姿にスポーツを感じました。合計293.79点。羽生選手との差はわずか3点ですが、ネイサンにとっては大きな収穫になったのではないでしょうか。ショートの貯金分があったということも大きいですが、あの羽生に勝ったという事実は今後の強みになりますよね。私自身も得点発表前は「どっちが勝つ?これはネイサンの勝ちでいいだろう・・(でも羽生くんが僅差で逆転かしら?)」とドキドキしていましたが、納得の結果で終わりました。
こうして追われる立場と追う立場の戦いは、決してバチバチするわけでもなく、スマートに美しく幕を開けました。そして両選手ともこれがベストではなく、まだまだ得点を伸ばせる要素があることが、とても嬉しいですし、次の大会をより楽しみにさせてくれていると思います。男子のコンディションがピークを迎える五輪では、どんな演技が観れるのか今から深呼吸して待たなければいけませんね。
メドベージェワ ギリギリの笑顔
続いては女子。優勝は予想通りのメドベージェワ選手。(以下メドベ)語るまでもなく安定のショート80.75点の首位発進で大会をスタートしました。(ショートについてはいつも通りの出来なので省略)
フリー結果 150.46 TES75.35 PCS76.11
3F3T 3Lz / 3F 3Lo 2A2T2T 3S3T 2Afall
なんとフリーでは最後のダブルアクセル(タノ)で派手に転倒してしまいました。それでも150点もでるんかい!と思わずつっこみたくなるところですが、ジャンプ以外の要素も上手いので1ミスくらいなんのダメージにもならないのでしょうね。しかし演技後のメドベちゃん、まるで「いやだわ~私ったらうっかり転んじゃった!」とミスなんて気にしてませんから、今日のは偶然よ、私基本失敗しないので!わかった?気にしてないのっ!と、いわんばかりの笑顔を振りまき、アピールしていたことから、私は逆に「あれ?なんか余裕ないのかな・・?」と勘ぐってしまいました。
というのも、正直いくつかジャンプの軸が傾いていましたし、あの2A2T2Tの妙な間は3連として認められていいのか?と不安になるレベルだったからです。あとはジャンプ前の沈み込みも気になりましたね。ロシアの選手はこの「沈み込み」が悪化すると急にジャンプが衰える傾向にあると思います。今回は氷が合わなかったのかな?という気がしないでもないので、そこまで心配しなくてもいいとは思いますが、ショートの後も顔が(これ羽生くんもなってる)いかにも「自分を追い込んでる」という表情になっていたのでメンタル的に大丈夫かな?と気になります。きっといくらメドベちゃんでも五輪は初ですし、今季の雰囲気がいつもとは違うという暗黙の重圧があると思うんですよね。そこでいつもしないようなミスが生まれてしまう・・この山を越えて頂点まで登れるかどうかは本人と周りのサポート次第。でも強い選手だからしっかり「自分」を見失わずにこれると思うので、応援したいです。
フリーの衣裳は赤から黒に変えて、より大人っぽく婦人感が出て良くなったと思います。やはり前回からプログラムも競技用に少しずついじってきましたね。こうした細かな修正は大事です。おそらく今後も磨きをかけてくると思うので完成形が楽しみです。このプログラム本当に好き。
コストナー 誰もが目指す演技
今大会はメドベちゃんが優勝するのは分かっていたけれど・・日本人選手が頑張れば銀・銅はいけるんじゃ?!と思っていた私は甘かったです。まさか(失礼!)コストナー選手がショート・フリーを揃えてくるなんて・・!!本当に甘かった。調子に乗っていました。ごめんなさいコストナーさん。
ショート結果 74.62 TES37.93 PCS36.69
3T3T 3Lo / 2A
この構成で74点ですよ!凄いです。でも演技を見て納得。「この選手の後に滑りたくない」という美しい滑りに熟練した表現力。ロシアの選手が「憧れはコストナー」とよくいうけれど、あの子たちが目指しているのはこういう表現なんだろうな(まだ皆その域に達してはいないけれど)と思いました。確かにジャンプ構成だけみるとノービスの子だってできるじゃないか!という意見もそれはそうなんですが、あの全然わざとらしくない自然な身のこなしと、曲に合わせた表情のある緩急なんかは卓越していると思いますね!それとミーシンコーチとも相性が良いんでしょうね~。コストナーに限っては年を取ってからの方が開花しているようにさえ見えます。
フリー結果 141.36 TES68.09 PCS73.27
3F2T 3F 3Lo / 3T 2A1Lo3S 2A 3S2T
フリーは前回「ミスがあって最後まで見れなかったぞ」・・と失礼をぶっこいていた私ですが、やはりノーミス演技になればプログラムも生きてきて全然違います。「牧神の午後への前奏曲」はスケートファンからも評価が高いプログラムですが、個人的には難しい曲調なだけに小さなミス1つで世界観が簡単に壊れてしまうと思っていて、ベストな時にしかコストナーの長所が輝かないという印象があります。(ジャンプが崩れると助走だけのプログラムになってしまうのが辛い・・)
注目したいのが技術点。ジャンプ構成の難度が全然違っても樋口選手の69.37点と約1点しかかわらないのです。セカンド3TやルッツがなくてもGOEでかなりの得点を稼いでいるのですね。これは困った。このコストナーのやさしい構成でもGOEでここまで上げてこられると、仮に今後難度を上げてきた場合、ノーミスなら普通に五輪でメダルをとっちゃうレベルになってしまうではありませんか!いや、それはそれで喜ばしいのですが、日本勢にとっては厳しい展開です。しかし、今回は樋口選手の方でミスがあり、コストナー選手の下になりましたが、樋口選手がノーミスならコストナー選手の上にくる計算だったとは思います。ですので、私はこれ以上コストナー選手が構成を上げてこないことを願います!(キリッ)
それにしても、今回の評価には皆さん賛否両論で賑わっていますね。確かに美しさでは群を抜いているのですが、他の選手と比べると動きが足りないというのもコストナー選手の特徴ですよね。しかし女子のジャンプ大会にも限界がきそうな今、ISUもフィギュアスケートの原点的なスケーターを残していきたい気持ちも分かります。それでもコストナー選手が今大会で出した215.98点という得点は、現構成でのマックスでしょうから、あまり悲観しなくてもいいのでは?と思いますね。むしろ選手たちには「こういう勝ち方もあるんだ」とコストナー選手から盗めるところは盗んでいってほしいです。
樋口 完全に、真剣に、闘うモード
樋口新葉の目が違う。コメントからも厳しさ・強さを感じます。もうこの選手は完全に闘いのゾーンに入っている、という感じ。
ショートの結果 69.90 TES36.26 PCS33.34
2A / 3Lz3T< 3F!
ショートはノーミス。しかしセカンド3Tが回転不足になってしまい、3Fでは!がついてしまったことで70点台に乗ることができませんでした。本人もとてもとても悔しい表情。それでも「すぐに直せるミス」と決して弱気にはなりません。とても好印象だったのは、表現面。どんどん表情が出てきて、心の底からこのプログラムを演じているんだという情熱が伝わってきました。そこに技術面からもジプシーダンスを表現してくるシニアらしさが加わり、とても見ごたえがありました。PCSはもう1点上でもいいと思いますね。
フリーの結果 137.57 TES69.37 PCS68.20
2A 3Lz3T / 2S 3Lz3T 3Lo 2A2T2Loot 3F
フリーはサルコウがダブルになったのと3連の最後がつまっただけでしたが、そのわりには伸びなかったな・・と思いました。初め得点を聞いた時には2回目の3‐3で回転不足をとられたかな~と思ったのですが認定されているんですよね。だったらもう少しほしかったなぁという気もするのですが、やはりジャンプの方でGOEがもっと必要なのかなという風にも思いました。特にコンビネーションジャンプは以前よりも高さがなくなってきているので不安要素ですね。でも技術はしっかりしている選手なので、単にからだの成長と共に滞空時間が短くなっただけで、ほんの少しの減量で改善される気がします。樋口選手は大事な大会に合わせてからだも絞ってきますし、ピーキングもきちんと行っていると思うので大丈夫かなと思います。
さらに!樋口選手は衣裳も変えてきましたね!最初は「え?あの黒衣裳めっちゃかっこよくて007っぽかったのに!!」とショックを隠し切れませんでしたが、メドベちゃんが黒衣裳に変更してきたので、被らないためにも新衣裳の紺は正解だったかも?と今は思います。しかもジャッジにアドバイスをしてもらって「ドレス感」を出す方向に改善したようなので、ジャッジがいうならその方がいいよね!と、イメージチェンジには安心しました。
あんまり前の衣裳がよく言われていなかったからか?「脚長効果」を狙って紺色にしたとか。
胸元のキラキラ感がキム・ヨナの衣裳を思い出させる・・。(これもジャッジのアドバイスですよね。ジャッジの中でボンドガールのイメージはこうなのか。)
出典 asahi.com
手袋の部分をよく見ると、少しでも腕長に見せれるように半分肌色に工夫されています。こわいよー!こわいよー!突然何かと言いますと、以前白岩選手が同じような手袋をしていた試合で、手袋がエッジに引っかかったときがありましたよね?あれが心配です。あれにならないためには素材がどんなものだったら、引っかかり事故を100%回避できるのでしょう。
さて、樋口選手の話をまとめますと、ショートのミスがなかったら210点台までいけていましたし、ショート・フリーどちらも揃えていたら2位に食い込めたかなと思います。今回のボンドガールは力みが強かったのかな?このプログラムのファンは多いから好きなだけノビノビ滑って酔いしれていいのよ、ワカボンド。ここで3位だったのは中国大会のこと考えると少々厳しいですが、次は今大会よりもパワーアップした演技を期待したいです!
坂本・ラジオノワ それでも食らいつく!
最後はこのおふたりの感想をまとめておわりにします。
まずは坂本選手から。ショートは全部後半にジャンプを組み込んだメドベちゃんと同じジャンプ構成で挑み、結果68.88点をマーク。PCSも30点台に乗りまずまずなスタート!(後半に入れても70点に届かないのは課題ですな・・)続くフリーでは冒頭3Fからのコンビネーションジャンプを予定していたのですが、転倒してしまいます。その後リカバリをしますが、ループで細かなミスがあり、ルッツではeをとられ技術点が62点台で演技を終えました。演技構成点では63点台をもらいシニアデビュー年としては悪くない得点。ただ、持ち味のパワフルな動きと曲の世界観があっていなく、良さが生かし切れていないのが惜しいところ・・。それでも全然漕ぎのないスケートなのに簡単にトップスピードまで持っていく技術と、豪快なジャンプは素晴らしいです。おそらくジャッジも「8点台乗せる?どうする?悩むね。」というラインにいるのではないでしょうか。ぜひ、このチャンスをものにしてほしいです!
そしてラジオノワ選手は毎年なんとか食らいついていっているので応援したくなる選手なのですが、ジャンプの質が驚くほど劣化していて苦しい状況ですね。坂本選手よりも下にきてもよさそうでしたが、PCSが68.93点と高く1点差で4位になりました。
フリー結果
3Lz3T< 3F! / 3Lz1Lo3S(堪える) 3F2Tot! 2A Lofall 2A
ご覧の通りほとんどのジャンプが失敗です。ループに至っては踏み切る段階で転倒してしまいました。今は崖っぷち状態ですが、ここからどこまで仕上げられるかにかかっていますね。もう本当にそれしか言葉がありません。良かったのはいつもスピンに遊び心があるところ。脚が長いと大変ですね。
次はカナダ大会
以上でロシア大会の感想はおわりです。男子は一か八かでジャンプをとぶ選手が少なくなり、4回転だろうが皆さんバンバン決めてくるので恐ろしいですね。ルッツとかなんであんなコンビネーションできれいにとんでるの?と不思議です。(ボーヤンのルッツは脅威的すぎ)女子は女子で皆トータルで美しくてそのうち順位がつけられなくなっちゃうよ!と思います。
そんなフィギュアスケート界に、さらに新しい風を運んでくれる選手が今季中にでてくるのか、でてこないのか。そして王者たちはその席を守ることができるのか?!グランプリシリーズ、次回はスケートカナダ!日本からは無良・宇野・本郷・本田選手が参戦です!お見逃しなく!
完
AbemaTV「織田信成のフィギュアべマ!!!3」を初視聴
2017.10.15にAbemaTVで放送された織田信成さんMCの「フィギュアベマ!!!3~GPシリーズ開幕直前スペシャル!!」の感想になります。
【キャスト】
実は私、今更ながら今回が初AbemaTVでございました。視聴するにあたり色々と会員登録やダウンロードなどで面倒なのかな~と思っていたのですが、今日になって偶然”ただサイトを開いてお目当ての番組をクリックするだけでいい”と知り、そんなに楽ちんだったのか!だったら利用するしかない!と、さっそく遊びにいってきました。今の今までそんなことすら調べていなかった自分に後悔です。
それでは以下より、簡単な番組の感想をどうぞ!
選手にインタビュー!
5歳からスケートを始め、全日本にも出場経験ありの河西歩果アナウンサーと、アイクリ歴13年の超フィギュアスケートマニアの芸人・石井てる美さんが選手たちに「好きな選手or演技」と「今季プログラムの見どころ」などをインタビューしたコーナーがありましたので、さらっとまとめたものをご紹介します。
宇野昌磨・・好きな演技はソチオリンピックの真央ちゃんのフリー。伝説のラフマニノフです。「フリーまでの過程を考えると感動してしまう」なんだそう。他にも(高橋)大ちゃんのオペラ座の怪人が好きで、手の動きだったり首の動きだったりと様々な「動き」からは影響を受けていて、今季フリーのトゥーランドットでも、その大ちゃんスタイルの動きから影響された振付を自分から入れてみたりしているんだそうです。何も考えずにスケートをしていた頃に初めてできた憧れのスケーターが、この「高橋大輔」というくらいですから、ただならぬリスペクトを感じますね。
ちなみに、トゥーランドットで出てくる手を天に向かって仰ぐような動きは「星をつかむイメージ」でやっているんだそうですよ。そのまま勝利もつかみ取ってほしいですね!
樋口新葉・・好きな演技はバンクーバーオリンピックのキム・ヨナの007。色々な表情を持っていて、カッコイイのとプラスがもらえるジャンプが魅力的なんだそう。そして今季自身のプログラムで「ここがお気に入り!」という部分は、ショートのステップの途中にある独特な動きをするところ(伝わりますか?)らしいので、ぜひ皆さんも一緒に楽しみましょう。
田中刑事・・好きな演技は高橋大輔の「道」!またもや大ちゃん!人気者です。ジャンプだけではない、プログラムの世界観がすべて伝わるスケートが好きとのこと。また、町田樹ことまっちーのソチで演じた「火の鳥」もお好きだそうです。
田中「(まっちーとは)同じリンクで練習していた分だけ、世界に羽ばたいていく姿を見ると感動しましたね。」
本郷理華・・好きな演技はトリノオリンピックの荒川さんのフリー、トゥーランドット。もはや後輩たちの定番憧れプログラムですね。りかちゃんといえば長久保コーチが先月お辞めになられたようですが、現在の練習環境はいかがなものなんでしょう?あまりに突然の情報だったので驚きを隠せません。新たな道を歩むこととなり、大変だとは思いますが、万全な状態で全日本に挑めるといいですね。
三原舞依・・好きな演技はソチ真央。演技冒頭からすぐに見入ってしまって、あっという間の4分間だったそうです。三原さんは前から真央ちゃんファンだというのは有名ですが、ご自身もかなりのスケートオタクですし、本当にスケートが好きでたまらないんだろうなぁという気がします。そんな三原さんが今季注目してほしいポイントは、フリーのステップとスパイラルからの3Lo!特にループはバックスパイラルからの~カウンターからの~スリーターンからのジャンプですので皆さん目を見開いて拝みましょう。
無良崇人・・好きな演技にあげていたのは、ここでもやはりダイスケタカハシの「道」。うん、これは海外スケーターに聞いてもバンバン出てきそうなプログラムですよね。ここまで愛されるなんてもう才能よ、大ちゃん。さらにもうひとつ好きな演技に、ヤグディンの仮面の男を選んでいました。わかる~!御意、御意~!私もソルトレイクの仮面の男が1番好き。ベストを選べと言われたらコレです。あれほど理想的でドラマチックなオリンピックはないでしょ!というくらい感動的でしたから・・。
そんなセンスの良い無良くんの今季注目してほしいポイントは、フリーのオペラ座の怪人でクリスティーヌに手をのばす振付!ドラマチックさを全面に出していくので「皆さんクリスティーヌになった気持ちで見てください」とのことです。「はい♡」(このインタビューのムラントムさんはスーツが似合っていて大変イケメンでした)
織田君と本田さんの解説
続いては織田君と本田さんのよる各選手の「勝負プログラムの大予習」です。短くまとめるとこんな感じでした。
羽生結弦・・とにかく褒めちぎる。つなぎも凄いし、ステップでは体幹に影響するつくりになっているのにも関わらず、きちんとこなしていて凄い!と、とにかく「凄い」のオンパレード。
本田:ジャンプの質が良い。姿勢も以前は前かがみだったのが改善されている。
織田:3回転でやっても難しいプログラムなのに、4回転でも余裕でやっているのが凄い。
樋口新葉・・ジャンプが安定してきたら、他の要素がダイナミックになったと絶賛。後はスタジオの全員で演技を見ながら「スカイフォール♪」と大合唱が始まってお茶の間状態になったので省略。
他は、とにかく男子はジャンプが凄い!リスクをとるかどうかで迷う時代ではなく、人より難しいことをやらないと勝てない時代になった!というお話と、女子については・・特に・・。あっ、真凜ちゃんのGPSがカナダから中国と連戦なので調整が心配というのと、ロシアの選手はなぜあんなに体力があってミスをしないのかという疑問の声+なぜあそこまでタノるのかという話題で盛り上がっていました。本当に不思議ですよね。
織田さんのMCは地上波では絶対に見られないテンションと自由な進行なので、解説・・といってもあまり解説らしくなく、どちらかと言いうとお茶の間でおばちゃんたちがワーワーキャーキャー楽しく好き勝手に語る感じでした。
石井さんのデータ力
ここで少し石井てる美さんの素晴らしきスケート愛をご紹介。なんと石井さん、このたび番組のために?GPSの結果とオリンピックの成績の関連性を調べ、データ化してくださったのです!TVよりファンの方が普通に良い仕事してる
石井さん調べ(過去5回の試合で比較)
男子・・GPF優勝者がそのままオリンピック金メダリストになったのは、過去5回中4回。
女子・・関連性は見られない。番狂わせが多い。
こんなこと考えたこと・・は、あったかもしれませんが、改めてデータ化すると勉強になりますね。面白かったので、世界選手権(OPプレシーズンの)とGPFとオリンピックの成績で考察したバージョンも作ってほしいです。石井さんは結構ナイスな質問もたくさんしてくださいますし、かなりマニアックなトークもできるので地上波の方にもきてほしい人材ですね。
フリーズに注意
仕方ありませんが、やはりネットTVはところどころフリーズしてしまうので、見逃してしまった部分もありました。何よりこの番組を観ようと思ったきっかけ「宮原知子のインタビュー」が不運なことにも途切れてしまい、途中からしか把握できなかったという残念な私。聞き取れたのは「SAYURIの冒頭のポーズに注目」ということや、ショートもフリーも日本が舞台の曲を使用するので「着物を着るしぐさの振付があるところも見て欲しい」ということだけ。休日は映画を観たり、自分でネイルするのにもハマっているというお話も途切れ途切れの画面の中でなんとかわかりました。
織田:さっとんはジャンプの練習もしていて順調に見えますよ~
とのことなので一安心。
宮原「まずは初戦をしっかりしたい。焦らないようにしたい。」
本当にそうしてくださいね!自分のペースで少しずづ点を重ねていってほしいです。
あとは真凜ちゃんもフリーズしていました。しかしコメント欄を見ていたら、かなり辛辣なことを書かれていたので・・お、おうという驚きと「女ってこわい」というドン引きの二重奏で、正直そこからは画面よりもコメント欄の方が気になって集中できませんでした。そしてその後出てきた三原さんには皆さん「かわいい」とか「天使」のオンパレードなんですよね。それは別にいいのですが、ふたりに対する反応のあまりの違いに「女子スケーターのファンはメンタル強くないとなれないな・・」と実感。海外男子オタでよかった。私は真凜ちゃんも三原さんも好きなので、そぉ~と見守りながら応援します。
まとめ
宇野昌磨「オリンピックがゴールではなく、あくまでも今季は通過点としてやっていく。最終的なゴールが何になるかはわからないけれど、記憶に残る選手になりたい。そのためには記録も必要。」
本田真凜「オリンピックという夢が目標になった。2枠は厳しいけれど、シニア1年目は皆に信頼してもらえるような演技を目指したい。」
田中刑事「成長したい。アピールしたい。」
樋口新葉「オリンピックで金メダルがとりたい。今季は無理かもしれないけど・・(大事なところでフリーズ!)・・頑張りたい。」
村上大介「(代表枠の)3番に入りたい!!」
本郷理華「人の倍頑張る。オリンピックに行きたい。」
以上、フリーズした部分はお伝えできませんでしたが、番組はこんな感じでおわりました。もし私のようにまだAbemaTVを視聴したことのない方がいましたら、なんの手間もいらないのでぜひご覧ください。できればコメント欄は開かないことをおすすめします。
個人的には、次回はゲストに村上佳菜子ちゃんを希望したいですね。そして楽しいのもいいのですが、できれば石井さんの鋭い質問に語彙力満載で返せる方を誰かお願いしたい・・。もっともっと技術的なことや裏話的なことや深~い話が聞きた~いです。
(本田さんが時々ぽろっと語る昔なつかしエピソードが良かったので、そこらへんももっと聞きたかったですね)
GPSはいよいよ今月20日からスタートですが、今回選手たちが見てほしいといっていたポイントによーく注目しながら観戦したいと思います。
おまけ
注目のジュニアは?
織田:紀平さん。トータルで素晴らしい。
本田:高志郎かな。あと星南も。
おわり
一万円で売られた犬の人生~売れ残りの犬をかいました~
昨年の11月、私は犬を飼いました。
それは幼い頃から飼っていた愛犬のゴールデンレトリバーが亡くなってから、早十年経ち、犬恋しくなったある日のことでした。
某有名ペットショップのホームページで、トイ・プードルが一万円で売られているという情報を耳にしたのです。
性別はオス。生後約5か月が経とうとしている茶色の犬でした。
私は、「今人気のプードルがなぜ一万円という値段で売られているのだろう」「なぜ売れ残ってしまったのだろう」と、衝撃を受けました。
なぜなら、近年はどちらかというと大型犬の方が人気が落ち、売れ残っている傾向にあると思ったからです。そのため私は、次に犬を飼うとしたら、そのような犬を飼おうと決めていました。
ところが、いざペットショップに行ってみると、売れ残りの大半はトイ・プードルを筆頭とした「小型犬」だったのです。
そこで私は、ようやく気づきました。犬と離れてから十年のブランクがあった私は、完全にペット業界から疎くなっており、単純なことに気がついていませんでした。
そうです。そもそも需要のない大型犬は売られてすらいないのです。欲しい人はペットショップを通してブリーダーにオーダーし、必要な数だけしか取り寄せないスタイルになっているため「売れ残り現象」が出ていないだけでした。
逆に需要のある小型犬は店中にズラリと並び、人気の犬種ほど売れ残っている状態だったのです。
ペットショップにいる大半はトイ・プードル。確かに一番売れる犬であることから多く仕入れるのでしょうが、その分買い手からは選びたい放題・・。見栄えの良い犬、小さい犬からどんどん売れていき、少しでも質が悪いと判断された犬たちは売れ残っていき、誰にも見向きもされません。
”少し前まではもっと色々な犬種で溢れていたのに・・”
私はペットショップの変わり果てた姿に言葉を失いました。
すると、あのホームページで売られていた犬を店員さんが見せてくれました。
正しくは見せるというよりは、「買ってくれと言わんばかりの押し売り状態」でした。
その子はゲージの中にいたのですが、店員さんは「抱っこします?抱っこします?出しますね!」といって私に犬を預けると、ぷらっとどこかへ行ってしまい、しばらくして戻ってきたかと思うと、このプードルがなぜ売れないのかを説明してきました。
その理由をまとめと
- トイ・プードルにしては大きすぎる
- 毛の色がまだらで、色素が薄い
- 売り出す旬が過ぎた
- 次々と新人プードルが入ってきて、通常お客さんはそちらにしか興味を持たない
- この犬より月齢が高い小柄のプードルの方が価値が高く売られている
- 一万円という値段は「既にワクチンを終えているから」(ワクチン代分)で、そうでなかったらもっと安い
臆病
まずは生後長い間ペットショップで外の世界を知らずに育った犬が、どのように新しい場所で育つのか気になる方も多いと思うので、その点について大変だったこと紹介します。我が家のワンコはペットショップ時代、店員さん以外と必要時以外に触れ合った経験がなかったのか「人に無関心」でした。かわいそうなことに、ずっと放置されていたのでしょうね。最初は話しかけても目が合わず、ずっと周りをキョロキョロ見ていました。家族の顔を認識した後もよその人を見ると、とてつもなく吠えるのは今でも変わりません。しかし、これは今まで何も知らな過ぎたことが原因だと思うので、しかたないですよね。見る世界すべてが初めてのことだらけで、驚いているのでしょう。もちろん警戒心だってあると思います。ここに慣れるまでは根気が必要です。うちのワンコは落ち葉が足に当たっても飛び跳ねますし、家の前に車が通っただけでも吠えます。
興奮
また、臆病と同時にかなり好奇心旺盛で興奮しやすいです。飼ったばかりの頃は、嬉しいと直ぐにオシッコを漏らしていました。それも一日で何べんもです。一応飼う前に店員さんからは「トイレはバッチリしつけてあるので心配ありません!」と、言われてはいたのですが、実際は全くできていませんでした。これについては、まだ子犬だったという点、そしてトイレを失敗すれば誰かが処理しに来てくれるというかまってほしさに起こしていた行動だと思います。初めはずっとそんな感じでした。今まで誰からもかまってもらえなかった自分に急にスポットライトが当たったのですから、嬉しくてたまらないのでしょう。とても興奮しやすく、トイレには苦労しましたね。結局室内からトイレをなくし、決まった時間に家の外でさせることで解決しました。本来の室内犬らしくないトイレの仕方かもしれませんが、この方が犬も喜んでいますし、飼い主としては楽です。
食事
店員さんには「大型犬と違って食が細いので費用もかかりませんよ!今までもコレしか食べていませんでした!これだけあれば十分です!」とマズそうな固形のドックフードをすすめられたので、それを与えていたのですが全然食べてくれませんでした。そりゃぁ飼い主から見てもマズそうなんですもの・・。結局今は他の(高い)ドッグフードを食べています。というか高級のものしか食べない美食犬でした。結果、費用は少しかかりますが、大型犬を飼っていたときに比べれば大したことはありませんね。量が少ないので買い物も楽です。(ただ私の場合「小型犬ってこれだけでエサ足りてるの?」といつまでたっても慣れないドキドキ感があります)
しつけ
しつけについては、はっきりいって楽でした!よく生後時間が経った犬のしつけには苦労するといいますが、プードルは学習能力が高いという特徴があるだけに、そこら辺はあっさり済みました。芸を覚えるにはレトリバーより早いですね。それに従うかどうかの従順さは少し(小さいのに我が強い)ありませんが、何か悪さをしても叱ると聞き分けは早いのもこの犬種の特徴ではないでしょうか。かってきた初日も夜なきもせずに普通に朝までおりこうにしていました。
からだのケア
レトリバーと違って大変なのは「トリミング」です!店員さんには三ヵ月に一回くらいのカットで間に合うと言われたのですが、いやいや一か月でモサモサになってしまうではありませんか!特に耳の裏の毛が中にまで生えてしまうと、かゆくなってしまうため、マメに処理しなければなりません。しかしペットショップでは「トリマーのところでカットしてもらうにはハウスが出来ないと受け付けません」と言われたので、まだ飼ったばかりの興奮&頻尿シーズンの頃は不安だったのもあり、おうちでカットをしていました。骨ガムを与え、チョッキンチョッキンすれば何とかそれなりの見た目になりますが、素人がやると少々ヤギのようにも見えなくないです。こうした毛のケアに関しては大変だな・・とは思いますが、メリットもあります!それは毛が抜けないところ!毛が長い犬だと抜け毛が酷くてカーペットや服に着いた毛をとる手間がありますが、プードルはその辺のお掃除が必要ないので、室内でも清潔を保てます。さすが室内犬。それに秋冬の寒い時期は毛もモコモコに生やしていた方が良いことや、そんなに頻繁にカットをしなくても大丈夫だと分かりました。
運動量
プードルに散歩はほとんどといって必要ないと聞きましたが、やはり若い頃はどの犬もある程度の運動量を必要としていると思います。散歩の距離こそはなくても、たくさんカラダを動かして遊びたがるので、室内にずっと閉じ込めておくとストレスが溜まり、不健康だと思います。プードルは運動神経がめちゃくちゃ良いので、私は自宅庭の草っぱらで走らせたり、ブロックをジャンプさせたりしています。他の犬たちと比べて外での経験が圧倒的に少ないまま成長したので、最初は人気のないところで何度も訓練しながら社会に出ました。このような人に慣らす訓練は、本来生後三か月までにしなければなりませんが、その時期が遅くなればなるほど慣れるまでに時間がかかるのは本当です。(うちのワンコは今では外狂=外大好き犬です)
お出かけ
ちなみに、散歩と限らず車でのお出かけも早いうちに経験させておくと良いらしいのですが、これに関しては初めからスムーズに習得してくれました。(もしかしたらペットショップ時代に車に乗ってどこかに行ったことがあったのかもしれません)
こうしてみると、確かに生まれて間もない頃から育てるよりは、色々と大変だとは感じます。しかし、だからといって飼い主になつかないとか言うことをきかないというわけではないので、安心して良いと思います。
ちなみにうちのワンコが売れなかった原因であるカラダの大きさに関してですが、ここにはむしろ最大のメリットがありましたよ!それはカラダが頑丈で扱いやすいというこです。トイ・プードルの飼い主さんの中には、頭を叩いたときに(私は叩かないけど)首をケガさせてしまったり、運動のさせすぎで足を骨折させちゃった方もいるようで、それらの多くが力加減が分からなくて起きてしまった事件なんですね。また、成犬になったときの体高が24~28cmに満たないと、健康を害するおそれがあることも分かりました。そのため可愛くてお人形さんみたいだから小さい方が良いというだけで、大きめのトイ・プードルを避けるのはもったいないと思います!大きい犬にも小さい犬にもそれぞれのメリット・デメリットがあるので、見た目にだけに過剰に拘るよりは、犬と飼い主との相性を最も重視して選ぶのが良いと思います。
一万円の犬の価値
結果、一万円の犬の価値をまとめると・・
多くの売れ残りの犬たちは見た目や年齢でしか区別されておらず、肝心の飼い主との相性や性格などはそっちのけにされているのだと思います。
なんとなく大人しそうだから育てるのが楽そう・・とか、この色が可愛いとか、愛玩犬としての役目を果たしてくれればそれで満足だと認識されている。特にそういう傾向にあるのが、この犬種トイ・プードルなのではないでしょうか。
従って、多少好みの見た目ではなくても、多少成長していても、その犬の持つ中身というものは誰もが飼ってみないと分からないのです。当たり前のことなんですがね。そしてその愛玩犬として需要のあるトイ・プードルもセントバーナードや秋田犬と同様の「犬」であることは変わりありません。犬の本質は皆同じなのです。犬は犬。見た目がどうだからと言って育てやすいとか、可愛いとかは関係ないのです。
むしろ犬を飼う時は次のことに注意した方が良いと思います。
- 性格・・最終的にどんな犬になるかは飼い主次第ですが、その犬の持つ背景により差があるのは確かです。親犬を見れば大体わかりますので、血統書の入手先には注意が必要です。
- 毛色・・自分の好きな色で決めるのは安易です。色によって性格も違うので、どの色の犬が自分の性格と合っているのかが大切です。
- コスト・・購入してからワクチン代、カラダが弱ければ病院代、サロン代、などなど時間とお金がかかります。最初に30万円払うのを我慢すればいいというわけではありません。安い価格の犬にも注意が必要ですが、きちんとした理由があり、安全な犬ならコスト的にはメリットがあります。
- 健康状態・・変なニオイがしない、カラダつきはしっかりしているか、目や耳の汚れがないかなど。これらを理解した上でかわれる方もいらっしゃいます。
さいごに
ここまで読んでくださった方へ。まず先に謝らせてください。ごめんなさい。あまりにも直球で、極端な書き方をあえてしてしまっているので、この意見には偏りがありますし、突っ込みを入れたくなる部分もあるかと思います。しかし、こんな書き方をしているのにはやはり、ペットショップで売られている犬の悲惨さを代弁したいという気持ちがあるからです。
私が初めて犬を飼ったのは小学生の頃。あの頃はまだ何の疑問も抱かずにペットショップの店頭に並んだばかりの犬をかってきました。しかしあれから何十年も経ち、再び犬を飼ってみようといざなったときに直面したペットショップと、そこで売られる犬の姿を見たら、とても心苦しい気持ちになったのです。
インターネットで知る「もうすぐ処分される犬」のセール、子犬を生むために交配させ続けられる犬、そして生んですぐ取り上げられる子犬、「直接手元に取ってご覧ください」と売り場から出張させられる犬、それでも「思っていたのと違った」と返却される犬。
売れ残った犬たちは、それぞれ里親探しに回されたり、ブリーダーにかわれていったり、最悪殺処分されたり・・。人間が犬を飼いたいと思うだけで、こんなにも犬に迷惑がかかるのだという事実を、私は犬を飼いにいく、まさにその現場で突きつけられてしまいました。
ここ数年は日本でも殺処分ゼロを目標に、全国各地で様々な活動が行われ、ペットショップで売れ残った犬たちを安易に処分しないようにはなっているようですが、それでもペット先進国と比較すると、まだまだ解決へとはほど遠いと思います。
うちのワンコが臆病だったのも、初めは目が合わなかったのも、すべての原因は自分の生きる世界が恐ろしかったからです。生まれてから5か月もの間をペットショップで過ごし、何も経験せずに育ってしまった犬の恐怖を人間などが想像することはできないでしょう。ペットショップですすめられた固形のドックフードを食べなかったのは、食べなかったのではなく、食べられなかったのです。5ヶ月になるというのに、離乳食が完成していなかったのだと思います。また、歯が抜ける時期に硬いものがほしくても、ペットショップでは適切な処置は施されていなかったのでしょう。うちに来てからぼろぼろと歯が抜け落ちました。
こんな風にペットショップ側には、何とか犬をかってもらうためにいくつかの嘘がありました。こうでもしないと犬を救えない気持ちも分かりますが、これを知らないふりをして、受け止めてくれるお客さんだっているのですよ。
セールなんて形にせずに、この悲惨な現状を知って引き取りたいと思う人もいるのではないでしょうか。
正直「自分を飼ってほしい」とワンワン愛想を振りまく犬たちの姿は、ペットショップという名の保健所にしか見えませんでした。
だからと言って、人間は犬を飼うのをやめるべきだとは思いません。なぜなら犬は人間との触れ合いを求める生き物だからです。
ここで伝えたいのは、カワイイの先に犠牲になっている命の存在と、私たち人間のペットを飼う意識です。
殺処分についての活動や、動物を保護する取り組みについての詳細は、他のブログなどで専門知識を持った方が説明してくれていますので、興味を持たれた方、何か行動にうつしたいと思われた方は、ぜひお調べになられてください。
私からは「一万円で売られた犬」を実際に飼ってみた身として、リアルに感じたことを綴らせていただきました。これから犬を飼おうと考えている方の参考になれば嬉しいです。
ペットとして生まれてくる命たちの幸せを願って・・。
最後に、病気や障害をもった犬を積極的に育てておられる飼い主の方には心から尊敬をします。誰にもできることではありませんから・・。
以上で終わりになります。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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↓続編になります
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ジュニアの新星 荒木菜那のFS「善徳女王」が凄い!
先日行われたフィギュアスケートのジュニア・グランプリシリーズのベラルーシ大会で日本の荒木菜那選手が見事2位に輝きました。
ショートが62.98点、フリーが120.02点の合計183.00点というまずまずなスコア!
正直ノーマークの選手だったので「何??こんな素敵な選手がいたの??」とテンションが上がっております。特にフリーの「善徳女王」が素晴らしい!
今回は、そんなジュニア女子のニューヒロイン荒木菜奈那選手のプロフィールと、イケてるフリーのプログラムについて語っていきたいと思います!
荒木選手ってどんな子?
分からなかったので、さっそく日本スケート連盟のホームページで調べてきました。
名前 荒木菜那(あらきなな)
区分 強化選手B
生年月日 2002年3月5日
身長 151cm
今年の目標 全日本ジュニアで上位に入り、全日本選手権に出場すること
過去の成績 2017年 第37回全国中学校スケート大会 7位 2016年 中部ブロックJr 2位
2002年の3月生まれですから、現在高校1年生の15歳ですね。コーチはあの門奈裕子さん。なるほどねー!という感じのジャンプです。名東といえば今は安藤さんも指導のお手伝い&お勉強をしているんですよね!そんな安藤さんも荒木選手の今回の活躍にはSNSで大喜びの声を上げていました。今後とても楽しみな選手です。
「善徳女王」ってどんなプログラム?
そして話題は、フリーのプログラムについてに入りたいのですが、実は私、今季は韓国でのオリンピックということもあり、シニア選手のうちの誰かひとりは、エキシビション用プログラムにK‐POPや韓流ドラマの曲を使うのではないかなぁと思っていたのです。さらに、大勢のライバルがいる中で個性を出すためにと、現地サービスを意識する子がいてもおかしくないと想像したら「いや、もしかしたら競技用プログラムで攻める強者もいるかも?!」と思ったのです。そしたら、まさかまさかのジュニア選手がフリーで使用しているではありませんか!未知の領域に踏み込むなんて凄いチャレンジャーではないか。しかも選んだのは「善徳女王」!渋い!
そこで「善徳女王って何?」というお方に少し、どんなプログラムかをお話したいと思います。
中身はファンタジー、でもストーリー性は最高
単刀直入にいうと、よくある韓流ファンタジードラマです。史実はほとんどどっかにいちゃっていて、現代風におもしろくアレンジしてあるというもの。「ええ~?!」っとあり得ない展開と、リアルを無視した分、逆にストーリー性はあるのでスケートのプログラムなんかにすると比較的演じやすく、作りやすいのではないかと思っています。
~ドラマのあらすじ~
時は、7世紀-。朝鮮半島では、高句麗(コグリョ)・百済(ペクチェ)・新羅(シルラ)の三国が勢力を競い合う乱世の時代が続いていた。
新羅では、妖女ミシルが美貌と色仕掛けで歴代王を操り、宮廷で絶大な権力を振るっていた。そんな中、ミシルは、チンピョン王の正妃マヤ夫人を拉致して亡き者にしようとするが失敗に終わる。一命を取り留めたマヤ夫人は、双子の姉妹を出産するが「双子を産むと王族の男子が絶える」との言い伝えにより、双子の妹のトンマンは侍女のソファに託された。ソファに娘として育てられたトンマンは、好奇心旺盛でたくましい少女に成長する。
荒木選手が演じているのは、この物語の主人公トンマンですね。家族と生き別れになった双子の妹トンマンが後に男(のふり)として宮廷に忍びこみ、再び王の座に返り咲くまでの困難と、三国統一までの波乱を描いた歴史ドラマです。
出典 http://www.twellv.co.jp (左がトンマン)
振付は宮本賢二さん。衣裳もトンマンを意識した作りになっていてドラマの世界観が生かされています。1番良いのは編曲ですかね。ドラマで主要な部分に使われていた音楽をストーリー仕立てに上手く構成されてあります。
このような感じで、以前から「何気に韓流ドラマってファンタジーなだけにフィギュアのプログラムにハマりやすそうかも・・」と密かに思っていたのです。なぜ私がこのドラマや曲を知っているかというと、オリンピック前に選手に似合いそうな曲探しをしまくっていた時に、偶然いいかも・・!と出会ったからなんですね。あともうひとつ、この「善徳女王」と同じような内容なのですが、「奇皇后」という歴史ドラマも、フィギュアのプログラムにイメージしやすそうなストーリーと曲があり、使えそうだなと思いました。これ以上のドラマは知らないのですが、韓流ドラマはちょうどいい感じの安っぽさが、他のエイターテイメントとして違和感なく変えられるのかな~と(けなしているのではなく)いい意味で思います。
荒木選手の魅力を知ろう
それでは次にフリーの演技を振り返りながら、荒木選手の魅力を書いていきたいと思います。
3Lz3T 3Lo 2A / 3F 3Lz2T2Lo両手タノ 2A3T 3S
ノーミス演技です!何といって持ち味はジャンプですね。高いです。そしてスピンもいい。冒頭のルッツトウで1.3の加点をもらっています。続いてのトリプルループでも+1.20と高い評価で、技術点は66.82点でした。いやぁ~日本のジュニアの中でも久々なダイナミックジャンパーですね。幅が凄いので見ている方に強烈なインパクトを残します。こんなこと言ったら思いっきり否定されそうですが、少しジュニア時代のキム・ヨナと真央ちゃんを足した感じがします。
演技構成点は53.20点。今後トップ勢たちと渡り合っていくには、もっともっと伸ばしていきたいところですが、今回は突然の飛躍に成長真っ盛りという発展の中にいるので、未来に期待しておきましょう!今後はパフォーマンスの部分に力を入れると、がつんと魅力が引き立つんじゃないかな。見栄えのあるジャンプを跳ぶスケーターは、バネがあり過ぎるせいか、なかなか安定するまでに時間がかかりますが、それがコントロールできるようになれば他も強化できる余裕がでると思うので頑張ってほしいです!
感想
これだからフィギュアは面白いし、一度ハマったらやめられません!好きだった選手が突然いなくなるのは悲しいですが、それとは逆に突然ノーマークだった選手が飛躍し、メダル争いに食い込んできたりもするので見ていて飽きません。ノービス辺りでも「この年代は目立った成績のない隙間世代だな・・」なんて言われていても急にどこからか新しい風が吹き荒れたりするので、やはり日本女子の歴史は凄いぜ!と改めて感じました。
遅咲きの選手・・という表現がよくされますが、日本人選手の根性というか忍耐みたいな「諦めない精神」はDNAか!と思うくらい凄いと思います。遅咲きなんじゃなくて、諦めず努力した結果なんですよね。思うような成績が出ずに、そのまま消えてしまう選手が多い中「誰にでもチャンスはある!」と信じて、モチベーションを維持してくる選手達には報われてほしいです。
それにしても、荒木選手は本田真凜選手と同年代なんですね。そう考えると、やはり全体的な差というものは、まだまだ感じますが、今回の彼女の活躍を見て、他の選手たちも「私も頑張ろう」と希望を持ってほしいなと思います。(特に青木選手には復活を激しく希望)
以上、短めな記事になりますがフィギュアスケートはジュニアも個性豊かで楽しいですね!有望と言われている選手も、その背中を追う選手も応援して盛り上げていきたいです。
ここまで、お付き合いいただきありがとうございました。
まとめ記事にコメントを入れて編集しました!
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0歳の記憶を持つ私が語る幼児期健忘について
突然ですが、皆さんの人生で最初の記憶とは何ですか?
そして、それはいくつの頃のものですか?
私には自分が生まれてから数か月ほどの頃の記憶がいくつか残っています。
しかし、普通はそのように、幼児期の記憶を持っている人は非常に少ないらしく、それらは、あまり一般的に語られる話題ではないようです。
なぜなら、人には「幼児期健忘」というものがあり、3歳以前の記憶は自然となくなってしまうからです。
では、なぜ幼児期の記憶はなくなってしまうのでしょうか。
これには色々な説があり、詳しい原因は分かっていないそうですが、主に「3歳前ではまだ海馬や前頭葉の発達が未熟なため、言葉として記憶にとどめることが困難」だからと言われています。
まだ日本語はおろか「言葉」そのものがわからない時期に起きた出来事を(視覚や嗅覚以外の情報)説明することは不可能だという意味ですよね。
確かにそれはそうです。確かにそれはそうなんですが、私はあの時なにをどう思ったのかを鮮明に覚えているので、あれは何を持って記憶していたのだろうと不思議でしかたがないのです。言葉でなければ、感情だったのか?いや、でも感情だけで説明がつくのか。自分でもよく分かりません。
また、幼児期の記憶が残る理由としてこんな例もあります。
ところが幼児期の記憶でもその後まで残るものもあります。
その典型が、幼児虐待に代表される継続的な身体苦痛を伴う経験だと言われています。
虐待などの苦しい経験がトラウマとなって脳に埋め込まれてしまうというもの。よく人は喜びは忘れ、悲しみはずっと覚えていると言いますよね。愛されて満足しているほど記憶には残らないなんて声まであります。私も過去に幼少期のことを人に話したら「そんなに覚えているなんて何か辛いことがあったの?」と言われたことがあります。安心してください。もちろん、私は虐待など受けて育っていません。両親にも他人にも手をあげられたことはありません。むしろ大家族の中でわいわい育ちました。従って、この例は私が幼少期の記憶を残す理由として当てはまらないと考えます。
では、なぜ私には記憶が残っているのでしょう?
そこで今から私が記憶しているエピソードを数例ほど紹介しようと思います。これといって大した内容ではありませんが、ここを見て何かの役に立てる方がいたら・・という思いで綴っていきます。以下からどうぞご覧ください。
【目次】
Episode1 最初の記憶はベビーベッド
おそらく、これが私が持つ記憶の中で最も古いものであると思います。それは、生まれてまだ数か月もしているのか・・どうなのか分からないくらいの記憶なのですが、ベビーベッドに寝かされて、皆に話しかけられているというものです。
ベビーベッドの真上には、よくある(名前がわからない)あのぐるぐる回るおもちゃがぶら下がっていて、そこにはピンク色の飾りがついていたのを覚えています。私はこのメリーゴーランドみたいなおもちゃが回っているところを見るのが大好きだったのですが、なぜか普段は全く回っておらず、大人の気が向いたときにしか回してくれなかったため、とてもヤキモキしていた記憶があるのです。た~まに誰かが回してくれるのですが、私の顔がつまらなそうに見えるのか?すぐにスイッチを切り、いつもガラガラの方をすすめられたので、心の中で「そっちじゃない!」と思っていました。どうして皆、私がガラガラを好きだと思ったのでしょう。あれは音が鳴るだけだし、そんなに好きではなかったのです。そしてわりと早い段階でこのメリーゴーランドは撤収されてしまい、悲しかった記憶があります。
ちなみに、私は、このベビーベッドが置かれた部屋についても鮮明に覚えています。後に両親に確認したところ、記憶と一致していたので間違いではありません。私が寝かされていたベビーベッドは、当時なんと仏間にありました!えええ~という声が聞こえそうなので、少し説明させてくださいね。我が家には客間と仏間の間に襖があり、そこを開けるとひとつの部屋になるという昔ながらの和室があったのですが、私が生まれた頃は常に襖をオープンにしており、そこを一部屋として使っていたのです。(当時は両方客間のようにしていた)そして、客間には大きなテーブルがおいてあり、仏間には仏壇と掛け軸くらいしかおいていなかったため、ベビーベッドは仏間のエリアに配置されるかたちとなったそうなんです。しかし、私がベビーベッドを卒業したと同時に、その襖は閉められ、従来通り各部屋ごとに使用するようになったため、一部屋として扱われていた期間というものは極わずかでした。
と、そんな短期間の出来事なのですが、私はその部屋にいたこともはっきりと覚えています。ついでに言えば普段はずっとその部屋にいるのではなく、決められた時間にしかいなかったことも。夜は母と一緒に2階の寝室で寝ていましたし、それ以外は居間で過ごしていました。どういう時にベビーベッドで寝かせられていたのかは分かりませんが、私はベッドの横にある窓から見える緑色の葉っぱが好きでした。また、客間には洋間(姉のおもちゃ置き場)と繋がるガラス戸もあったのですが、時々そこも開けることがあって、そうすると姉が、いとこたちとおもちゃでワイワイ遊んで賑やかだったこともあり、尚更ベビーベッドの部屋が好きだった記憶があります。
面白いことに、私は小4くらいまで、上記の緑の葉っぱに心があると思っていました。ベビーベッドを撤収した後は、そこにオルガンを置いていたのですが、園芸にハマっていた祖父が「植物に音楽を聴かせると良く育つらしい」と謎のアドバイスをくれたので、よく窓を開けて演奏していたんですよね。懐かしい。そんなこともあって、何だかこの葉っぱちゃんが自分の成長を見てくれているような気がしていたのです。もしかしたら話せるんじゃないかと夢見ていた日もありました。やばいですね。
ついつい思い出して関係ないことまで書いてしまいましたが、一応これが最初の記憶です。続いて、第2のエピソードをご覧ください。
Episode2 時計
お次は、ハイハイもしない、まだおんぶされている頃の話。時期的には先ほどよりも少し成長しているとは思います。この頃、私は夕方になると祖母に散歩に連れて行ってもらっていました。毎日ではないのですが、天気の良い日に行っていた覚えがあります。私はこの散歩が楽しみで楽しみで仕方がありませんでした。あまりに行きたくて散歩に行く時間まで覚えたくらいです。ええ、自分でも赤ちゃんが時計を読めるなんて嘘だろうと疑いたくなります。ですが本当なんです!信じてください!
なぜ私が時計を理解できたのかというと、ちょうど散歩にいく前の時間くらいになると、私は居間に移動して寝かされていました。そして、その寝かされていた場所からは、ちょうど時計がバーンと見えるようになっていて(これは偶然です)私はいつも時計の針がチッチッと動くのを見ていたんですね。それである日気づいたんです。時計が3時になると祖母が散歩に行く支度を始めることを!もう私は散歩に連れていってもらう犬状態で喜んでいたので、もの凄く細かなことまで記憶に残っています。
散歩コースは家から近くのお宮まで。途中で近所のおばあさんに祖母がつかまると、ついつい話し込んでしまい、お宮まで行かない短めのコースで帰ってしまう!・・というところさえ覚えています!「ええ~もう帰るの~??」と衝撃だったのが忘れられません・・。家の近くには、真っ赤でデッカイ綺麗な夕日が見えるスポットがあったのですが(今は建物で見えなくなってしまいました)そこに行くと、いつも祖母が「ほ~ら真っ赤っかだ、綺麗だね~」と言っていました。「真っ赤っか」は何度も言っていましたね。全体的に毎日同じほぼセリフで「また同じことを言っている」と不思議に思っていましたが、そのせいか?言葉の意味が少しわかるようになったのだと思います。だから絶対に赤ちゃんでも言葉はなんとなくでも理解できていると思うんですよね。私みたいな凡人がわかったくらいなので、他の人ならもっとわかってたはず。ただ、幼児期健忘とやらで、言葉を理解していたことを忘れているだけなんじゃないかなぁと思うのですが、どうなんですかね?
そうそう、この散歩時間になると家にもオレンジ色の日が差し込んでくるので、そこから外の景色を想像したり、日の流れを感じたりもしましたね。とにかく外が好きでした。関係ありませんが、散歩ではいつもおんぶされていて、それが抱っこより安定していて気に入ってました。
Episode3 とにかく泣かない
私は泣かない子でした。誕生の瞬間も「ギャ!」の一言で終わったらしいです。(安産でした)そして生まれてからも母親いわく「まったく泣かない手のかからない子」だったらしいです。そうでしょう。私も覚えていますから。というか赤ちゃんってそんなに泣くんですね、と後から知りました。用事があるときは泣けばよかったのか・・。
ミルクは常に一気飲みで時間がかからなく、食後はすぐ寝てくれるので、母は毎晩よだれを垂れして寝ていたんだとか。母がよだれを垂らしていたかどうかは覚えていませんが、確かに私は体内リズムがキッチリしていました。まず、ミルクは本当に一気飲みでした。決してミルクをケチられて飢えていたわけではありませんよ!単なる食欲旺盛な元気な子でした。皆が私にミルクをくれるとき、めちゃくちゃ「わぁ」と喜んでいました。後で親や親戚に聞いたところ、飲み干すスピードがはやくて面白かったらしいです。そして7時になるとお風呂に入ります。これも時計で確認していたので本当にそうです。私はお風呂も大好きだったので、毎晩とても楽しみにしていました。いつもは大体祖母が入れてくれたのですが、たまに父が早く帰宅すると父が入れてくれました。いつもと違う人がお風呂に入れていくれると、ワクワクして面白かったのを覚えています。
家は両親が共働きで、母もフルタイムで働いていたため、その間は祖父母に面倒をみてもらっていました。母は私がお風呂に上がるくらいになると、帰宅し、着替えをしてくれました。その後ミルクを飲んで8時になると、私を寝せに2階に連れていくのですが、ある日私が食後すぐに寝るからなのか、2階に連れていった後、「良い子だね~」と言って下に降りていったことがあったのです。しばらくすると私はもう爆睡しているので、その後の記憶はありませんが、次の日も同じように母は私を2階に連れて行くと、下に降りていきました。そんな日が続いたある日、いつものように母に話しかけられながら床についた私は「もしかして、またお母さん下にいっちゃうのかな?」と急に不安になりました。案の定、母はすぐに下にいってしまったのですが、いつもミルクを飲んだ後すぐに寝る私を「良い子だね~」といっていたので、泣くに泣けなかったのです。赤ちゃんにもこんな感情あるのですよ。驚きですよね。でも実際に体験した話なんで本当です。
これについてはネグレクトじゃないかー!!私はサイレントベイビーかー!と、大人になってから母に問い詰めたのですが「ごめん、てっきり寝ているかと思ってダッシュでごはん食べに行っていたわ~。あなた毎日食事に寝る時間にと、なんでもキッチリしていたからね~。こんな楽な子育てあるのか~って快適に過ごしてたの。」と言われました。※ちなみに2階の寝室には母がいなくなった後、姉や父が来てくれていたそうです(すぐに寝ていたからわからなかったけど) そんな軽くいうなよっ!っと突っ込みたくなりますが、母は姉が赤ちゃんのときに、それはそれは手を焼いたらしく、毎晩夜は眠れなかったそうで、ふたりめ(私)が生まれたときも覚悟をしていたのに、いざ育ててみると拍子抜けするほど何の問題もなかったため、リラックスしてしまったみたいです。
おいおい母よ・・という感じもしますが、愛情をかけられなかったわけではないので許しましょう。
Eepisode4 1~3歳までの記憶はより鮮明
最後にご紹介するのは、1~3歳までの記憶です。このくらいになると、もうほぼほぼ覚えています。2歳前くらいですかね~いつも祖父が「メイプルタウン」というアニメの歌を流してくれるのですが、そのテープは、姉のお古だったのもあり、しかも私自身はそのアニメの世代でもなく、見たこともなかったので、まるで興味がありませんでした。しかし祖父は私が喜ぶと思って毎日エンドレスでそのテープを流してくれたんですね。さらにそのテープには歌詞付きの絵本がついてきていて、うさぎさんだのなんだの動物の可愛らしい絵が描いてあったのですが、1ページだけ人相の悪いオオカミが載っていて、その絵がただでさえ不気味なのに、オオカミのパートの歌はもっと恐ろしくて、とても苦手でした。そのため私の中で「メイプルタウン」のあのオオカミの曲はいまだに忘れられないものとなっています。
あとは2歳の頃に母の会社の日帰り旅行に行った時、はじめての長旅に不安になり、バスの中で泣いたことと、その後いじけて記念写真で鼻をほじったことを覚えています。(なんてヤツ!)
その他にも、写真を見て思い出すことなんかも結構あります。今回は特に古い記憶を書いてまとめてみました。嘘のような話もありますが、すべて真実です。
おわりに
不思議なのは、赤ちゃんでも言葉は理解しているということ。ここでは、変なヤツだと思われそうなので、詳しい会話の内容は控えましたが、いやいや言葉は知ってたぞと思うのです。それとも私、前世で日本人だったから日本語知っているんですかね?(これに関してはそんな気がする)それともただの勘違い?・・うーん、それは違う。子どもの頃から「なんで人と違う経験があるんだろう」と真剣に悩んでいた時期があるくらいなので。
そもそも今回この「幼児期の記憶」について書こうと思ったきっかけは、「約束のネバーランド」という漫画を読んでいたら「幼児期健忘」というワードが出てきたからなんですよね。この本カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」に似すぎ。
登場人物のひとりに幼児期健忘がなかった子がいるのですが、その子は胎児のころの記憶から現在までの記憶を色濃く覚えていて、それを見て私は「人が幼児期の記憶を忘れる現象に名前があったんだ~」と思ったのです。むしろ知らない方が少数でしょうが、私は知りませんでした。(その程度の女)そこで、これってそんなに珍しいことなのだろうかと思い記事にしてみようと思ったのです。
まぁ私のこのエピソードだけを見ると単に「嫌な経験だけを覚えているんじゃない?」と思われそうですが、どちらかというと嫌な経験として記憶しているのではなくて、当時の会話と自分の心の中の声をまるごと記憶している感じなんです。だから楽しいことも嫌なことも覚えているのです。
なんでだろう・・私はIQが高いわけでもなく・・素晴らしい頭脳を持っているわけでもないのに・・もっと言えば暗記が得意なわけでもないのに。
ひとつだけ考えられるとしたら、母が「赤ちゃんの頃に色んな人に話しかけられると、言葉を覚えるのが早くなって、脳にも刺激になると聞いて声かけはかなりした」ということと「大家族で色々な年代、性別に囲まれて育つと色んな言葉を覚えていいらしいよ~」という刺激系の話です。私の母は教育ママというわけでは全くありませんが、「自分の意見をしっかり伝えられる子になってほしいから」という理由で、そこら辺には意識をしていたそうです。結果、少女時代は「ああいえば〇〇」というあだ名をつけられるくらい口達者になりましたがね。こんなことも記憶と関係しているのでしょうか。
あと、もうひとつありました!それは遺伝!私の甥っ子のうちひとりが胎児の頃の話をするんですよ。彼は双子なんですが、お腹の中にいた頃、片割れが蹴ってきたとか、大豆みたいだったとか言うんです!(何かいいたいこと分かる)もうひとりはそんなこと言わないんですけどね。
結局の記憶に関しての理由は分かりませんが、どなたかが謎を解明してくれるといいなと思います。人間の脳は未知ですね~。
大変長くなりましたが、そろそろここで終わりにしたいと思います。
全部目を通してくださった方はありがとうございました。
同じような方がいらしたら嬉しいです。
おわり
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文学白熱教室 カズオ・イシグロの世界
金木犀の香りが漂う季節になりました。世間はすっかり秋めき、何もない夜には大きな月明かりの下で読書なんかしたくなる今日この頃。毎晩「なにかしら読んでいるよ」「もっと深い話が読みたいなぁ」という方も多いのではないでしょうか。
そんな”読書の秋”真っ最中の現在、ある人物がノーベル文学賞を受賞したことで日本は賑わっています。その人物の名は、日系イギリス人のカズオ・イシグロ。
今回はそんな話題沸騰中のカズオ・イシグロさんがNHKの番組「文学白熱教室」に出演した際の講演の様子をまとめたものをご紹介します。
【目次】
なぜ小説を読みたいと思うのか、なぜ書きたいと思うのか
人はなぜエッセイや歴史書、または科学の本などの「事実」ではない不確かなものを求めるのでしょうか。それについてイシグロさんは以下のように語っています。
※かなり要約した内容になります
「私が小説家になった経緯は、その生い立ちにあります。5歳まで長崎で暮らし、日本語を話し、畳がある普通の日本家屋に住んでいました。そして5歳で渡英してからはずっと、いつか日本に帰国するものだと思って生きてきました。イギリスでは日本に関する本を読み漁り、両親から日本の話を聞くことで自分の中の”日本”を膨らませていたのです。」
しかし、その後イシグロさんが日本に帰国することはありませんでした。
「大人になるに連れて、記憶と共に日本が薄らいでいきました。そこで22歳の頃、自分の頭に描いた”日本”を書いてみることにしたのです。この時、私は現実の日本をリサーチする気もなく、自分で秘密裏に残していた個人的でかけがえのない”日本”を書き記したかった。それが、私が小説を書きだした動機でした。」
イシグロさんにとって小説とは、自分の中の記憶を安全に保存する方法だったと言います。子どもの頃の薄らいでいく記憶の保存。それがまさに、イシグロさんが小説家になったきっかけになりました。
普遍的なものを描く作家でありたい
イシグロさんのデビュー作「遠い山なみの光」は、そんな幼少期から抱く”想像の中にある日本”そのものでした。続く2作目の「浮世の画家」でも同じように”私の中の日本”を描きました。これらの作品は欧米でたくさん読まれ、イシグロさんも注目されました。しかし、当時日本はまだ現在のように世界に広く知られてはおらず、西洋人にとってカズオ・イシグロの小説は大変エキゾチックなものでした。そのため、イシグロさんが描いた”日本”は普遍的なものであったのにも関わらず、世間からは”リアルな日本人のマインド”だと誤解されてしまったのです。
「舞台を日本でないものにしても、読者は受け入れるのだろうか。」
そこでイシグロさんが書いたのが、後に映画化もされ有名になった3作目「日の名残り」です。
「舞台はイギリス。内容は”浮世の画家”とほぼ同じ、設定がイギリスというだけです。」
この作品でイシグロさんはブッカー賞をとり、小説家としての地位を手に入れます。
「上手くいったと思いました。舞台はどこでも認められる。」
しかしその一方で、いざジャンルも時代も舞台も自由に書けるとなると、どこに焦点を当てたらいいのか迷ってしまうという負担が出てくるようになりました。この悩みはここ20年ほどずっとつきまとっているそうです。それでも、イシグロさんが描きたいのは普遍的な世界であり、実際に経験したことよりも「感覚」を伝える作家でありたいことから、この感情や情景を自らで作り出せるフィクションに拘り、追い続けているそうです。
小説の価値
「小説の価値は表面にあるわけではありません。歴史書の時代を変えてもいいとしたら、おかしくなるし、それは許されないことです。しかし、小説ではそれは可能です。小説の価値はもっと奥深いところにあるのです。どの時代に設定したらストーリーが最も生きるのか。例えば”わたしを離さないで”は舞台を3回も変えました。小説の中は自分たちのことと似ています。歴史上の出来事とは違っていても、倫理上の繋がりは同じです。」
人はそれがフィクションだと分かっていても、それを求めます。よく大河ドラマなどで史実に基づいた内容であるから興味深いと視聴する人も、どこかで求めているのは登場人物の魅力的である内面だったり「こういう人であってほしい」「こういう流れであってほしい」という理想や願望です。そしてそれらを、吸収し、自らのマインドに重ね満足しています。フィクションとは、異なる世界をつくることで、この世界に入ることで私たちは様々なことを思い起こすのです。
「実生活の中で生まれる多くは、すべて創造から生まれたことです。多くの文明の力は、まずは創造から来ていて、私たちはどこかで異なる世界へ行ってみたいと思っています。現実とは違っていていい。こんなことができるのはフィクションだけ。人はフィクションを必要としているのです。」
つまり人が無意識にフィクションを求めるのは「本能」なのでしょうね。こうして誰かの話を聞いたり、自分で文を書いたりするのも欲求であり、生きる力だとも言えます。
記憶を通じて語る
「フィクションで使われる方法のひとつに”記憶を通じて語る”という手法があります。これはテレビドラマや映画では使えない、紙の上でしか描くことのできないものです。読者も小説を読まないとコレを体験できません。」
イシグロさんは、小説は筋書きや時系列に固執せずに、語り手の内なる考えや関係性を表せることが魅力だと言います。例えばジャーナリストが信頼できないことを伝えたら大問題になりますが、それが小説であればフィクションであるほど面白くなると言います。これはイシグロさんが先ほどもお話されましたが、具体的に説明すると、小説で「信頼できないこと」は良いツールになるということです。イシグロさんいわく、人間の記憶とは不愉快なものを消したり、良いことは誇張したりと、歪められたものであるそうです。この場合自分はどう思うだろうか、どうあればいいか、そこからわき上がる想像でストーリーは生まれてくるのが小説であり、フィクションこそが小説の進行役となるのです。
フィクションの中にある真実を求める
「価値ある小説には何らかの”真実”があります。私はその真実を伝えるために物語を作っています。真実とは現実の事象とは違っても、人間として感じるものにあります。事実では伝えられないことを表すのが小説なのです。」
人はフィクションの世界だけを求めているわけではありません。その異世界の中に見える真実を探し求めているのです。再び例を出して考えます。テーマが飢饉の時代とすると、ノンフィクションでは実際の状況(いつ・どこで・何が起こった)を伝えることはできますが、そこで誰がどう苦しんだのかを伝えるについては、その記録だけでは不十分です。そう、事実だけでは人々が「どう感じたか」を伝えることができないのです。しかし小説は違います。人々の知りたい欲求にこたえることが可能なのです。なぜなら、フィクションの中でもリアルな登場人物の訴えに心を動かせれ、共感することができるからです。
共感こそがすべて
イシグロさんは小説に娯楽以上の価値があると言います。
「私は小説で心情を伝えたい。私の気持ちを理解してくれるのか、この点を最も大切にしています。」
イシグロさんが小説に求めること、そして読者が小説にもとめること、それは共感イコール分かち合うことにあります。人は自分のおもいを共有したい、誰かと繋がりたい、安心したい、それを叶えてくれる材料が「小説」であり「フィクションの世界」なのでしょう。やはりすべては私たち人間の「本能」からきているのですね。
おわりに
とても面白いお話をたくさん聞けた講演でした。特に興味深かったのは「人間の記憶は歪められている」という点ですね。確かに私も何か物語を書くとしたら、記憶の通りストレートには描かないだろうと思います。当たり前の現実なんてものには、嫌気がさして別世界を求めるのですから、本の中では違うストーリーがあっていいじゃないかと、そこで新しい体験をした気持ちになってみようではないかと感じるでしょう。または、気になったまま終わってしまった過去や、叶わない理想、幼い頃の記憶、夢の中の続きなどは妄想の世界でしか完結できないので、それらを完結へと結び付けるにはやはりフィクションが必要ですね。社会的な題材もただ、現実だけを提示されても共感はできませんが、そこにいくつもの仕掛けを加えるだけで、もの凄く共感できるのだと思います。
私は博識でも、もの凄い読書家でもないので難しいことはまとめられませんが、この講演を見て感じたことを一言で表すなら「良かった。私だけではない。」です。
人間は少なからず空想をして、それを表には出さずとも都合よく脳内で処理をし、自分が安心できる情報を集め、刺激を得る。小さな記憶でも、鮮明でなくても、大切に残しておきたい感情もある。そんな秘密の宝を持つ人たちが他にもいて、同じものを分かち合いたいと思っているのかと思うと、何だかとても嬉しかったです。そして、こう思う時点で私はすでに他人に共感していますし、きっと知らない誰かにもこの出来事を共感してもらえたら、より嬉しいのだと思います。頭で考えることではなく、心で感じる「感覚」を共有できるから夢があるのでしょうね。
私もまだ出会ったことのない秘密の共有者と、思いっきり共感する人生を送りたいな、と感じた時間でした。
以上でおわりになります。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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ジャパンオープン2017~女の熱い戦い~
2017年10月7日に開催された「木下グループカップ フィギュアスケート ジャパンオープン」の感想になります。
今回、注目したのは、日本の三原舞依選手・本田真凜選手、そしてロシアのエフゲニア・メドベージェワ選手・アリーナ・ザギトワ選手です。さっそく、ひとりひとりの演技についてをファン目線で自由に語っていきたいと思います!
【目次】
三原のフリーはスルメになる
「ね?言ったでしょ?プログラム変更なんてしなくてもいいって。」
ジャパンオープンでの三原選手の素晴らしい滑りを見て、私はドヤ顔でそう思いました。フリーはショートよりも三原選手の雰囲気に合っている!そう確信していたので、後は物足りない表現力を補えば絶対に輝くはず!これは時をかけてじわじわと磨かれ、良さが分かってくるスルメのようなプログラムなんだー!!、と思っていたのです。それがこんなに早く全体に伝わって嬉しい!この記事を書いたらもう一度ピリートしにいこうと思えるほどの出来栄えでした。
フリーのスコアは147.83点(TES77.25 PCS70.58)という、やや高めの奮発したものではありましたが、TESが77.25点で、何とあのメドベージェワ選手(77.03点)よりも高いのですから、この先は今以上に闘志を燃やし、そこに自信も合わせてライバルたちにに挑んでいけるのではないでしょうか。特に3Sの両手タノジャンプは良質でしたし、インパクトがありました。ステップでも今までになかった情感溢れる動きが見られ、課題だった腕の使い方にも意識し、少しずつ改善を図っているようでした。やはりオータムクラシック後に振付師のデビッド・ウィルソン氏から厳しいダメ出しと、指導をしていただいたことがポツポツと生かされつつあるのだと思います。まさにスルメプログラム!腕以外の上半身の処理の仕方にも気持ちが乗ってくるようになると、よりシルエットが美しくなり、心のこもった演技に化けてくるでしょうね。完成が待ち遠しいです!
問題はショート。ショートでいかに他の選手に近づけるかです。正直、苦しいかなという気持ちはありますが、修正を重ねて食らいついていってほしいです。もし、三原選手が代表に選ばれた場合、表現専属の人材を確保し、サポートに入ってくれると心強いのですが・・。その辺はいかがでしょう?今大会の結果からしても、日本スケート連盟は三原選手に期待していると見たので、ぜひとも強化の手助けをしてあげてください!
ビジュアル担当の本田は客寄せパンダ?
本田選手はシニア転向後、思ったように成績が伸びずにやや残念な空気になってきました。フリーの方も今までショーと試合とで数回観て、既に飽き感が出てしまっているのも私だけでしょうか。お披露目する度に質が下がっているような気がします・・。何よりジャンプの低さが目立ちます。
本田選手は結局「客寄せパンダ」だったのか?と、心配になってきました。世界ジュニアで優勝してから今までのメディア露出が歴代最高級でしたし、どの試合に出ても他の選手を差し置いて「マリンちゃん、マリンちゃん」と凄かったので、私はてっきり連盟は”本田真凜”を押しているのかと思っていました。ですがここ2試合の評価を見ると、むしろ、この過剰なメディア露出は、本命選手たちの風よけにしかなっていないのでは?と感じます。トリノの安藤さん的な立ち位置とも違う・・何というかマスコミも成績よりもカワイイかどうか、一般層に受けるかどうかで「人気があって話題になればいいから」という勝負を消し去ったタレント的扱いになっているのではないでしょうか。
これは非常にもったいないです。確かにジュニア時代の成績だけで、あのように期待するのは早すぎますが、それでも本田選手はシニアでもう少し勝負できるスケーターになっていると1年前は思っていました。まだまだトップ選手にはなれなくても、トップ選手が崩れた時に逆転ありくらいまではイケるかな~と想像していたので、今季の空回り感は見ていて辛いです。
しかし、シニア1年目。今はまだジャンプ構成などを見ても試行錯誤しているのが分かります。ここから授かる多くの経験を通して「これがシニアの本田だ!」という持ち味が出てくることを信じたいです。本田選手は日本女子の中でも、1番素質のあるスケーターだと思っているので、覚醒してほしなと思います。でも、シニアでステップレベル2というのは、さすがにきついので、どうにか頑張ってほしいですね。(ラストの時間を持て余してた部分は振付が足されて良くなっていました)
女王メドベージェワの審美眼
絶対女王のメドベージェワは圧巻の演技で152.08点をマーク、前大会と同様ルッツにエッジ違反があったものの、その他のジャンプは質が高く、昨シーズンよりも出来栄えが良くすら見えました。
私がネペラ杯でボロクソ言ってしまい申し訳なかったフリーのプログラムですが、ジャパンオープンではショーナンバーで使用していた「アンナ・カレーニナ」に変更して挑んでいました。詳しい情報が(ロシア語読めない)分からないのですが、これはプログラムの変更とみていいのでしょうか。だとしたら嬉しいです。さすが、女王わかってる!という感じ。
だって、「アンナ・カレーニナ」を観た時から「え?なんでコレを競技で使わないの?」とじれったく思っていましたから。メドベージェワ選手はここ最近マニアックな路線にいきすぎて、正直(音楽的にも)良くわからないプログラムが続いていたので、こういう分かりやすい題材をテーマにしたプログラムの方がオリンピックには適してるともどかしかったのです!!案の定、このプログラムは映画のワンシーンのようで、スケートファン以外がみても「素晴らしい」と納得できると思うし、何より似合っているのが戦略として正しいですよね。日本人が演じる蝶々夫人もこんな風に外国人には見えているのかしら~?なんて思いました。
そして、「やはり計画通りだったな」と感じたのは、ピークを本番へと向けて調節しているなということ。ここが本気でおそろしあ。明らかにネペラとは違う滑りでした。はぁぁここからさらに本気出してきたら、敵わないではないか~!と、もう一度おそろしあ。それでも隙があるとしたら、フリーがまだ競技用に作った即席感ある仕上がりだったという点と、ルッツ!ですかね。いくらでも乗り越えてきそうですが、隙が見えないよりは望みがあるでしょう!レッツポジティブ!
ザギトワに感じる未来
シニアに参戦してから順調な滑り出しのザギトワ選手。今回は演技前半部分を丁寧に滑っていたのが好印象でした。ロシアは思うようにスコアが伸びなかった部分を徹底的に研究しているな、と感じた瞬間でしたね。日本はココについていかないと勝てません。幸い三原・樋口の両選手はそこら辺の対応はきちんと処理できていると思います。
フリーは145.28点(TES79.21 PCS66.07)で、TESは断トツの高さ、ここでまず敵はいないでしょう。さらにPCSもメキメキと評価を上げてきています。ザギトワ選手はタノジャンプのフォームもメドベージェワ選手より長けていますし、まだ若いのに「勢い」だけで戦おうとしていない着実さが見えてきて楽しみな選手です。リスクを負いつつもジャンプを後半に固めるのは、それだけしないと自分が勝てないことを分かってやっているんですよね。自身の表現面での未熟さを補うための作戦です。このまま評価を重ねてPCSが上がってきたら、もう少し楽に戦えるかもしれません。しかし本田選手とはPCSでもすっかり差を広げましたね・・。トホホ。
ここからは短期決戦
女の戦いは凄すぎる・・。ジャパンオープンは日本人に甘く点が出ていて国際試合の参考にはなりませんが、今シーズンの女子の気迫は半端ないです。どの選手もライバルの試合を入念にチェックし、追い越されないように、低評価な要素には素早く対応しています。ダメ出をしくらっても這い上がってくるので、短期間でどんどん上達していきますし、12月で代表を決めるのが早いとさえ思えてきました。
しかし泣いても笑っても、ここから短期決戦で枠とりに向かわなければなりません。どれだけ力を出せるか、精度をあげるかが勝負。もう、あれこれと作戦を練り直す時期は過ぎ、戦いの場に挑む時間です。
日本としては面白くなってきましたね。樋口がザギトワに負けたと思ったら、三原がザギトワに勝ったり・・。オズモンドとメドベージェワの差が迫りつつあると思ったら、その後ろに安定感を手に入れたロシアや日本の若手が「ミスは命取りよ」と隙を狙える位置にまで来た。ジャパンオープンはフリーだけなので総合的な結果と比較するのとは話が違いますが、ここに各選手の今シーズンのショートの演技を重ねてみると、ロシアと接戦に持ち込めるくらいにまで日本はイケるのではないかと思います。もちろんミスがなければですが。
三原選手のショートは、もう少し先にならないと答えが出ませんが、三原・樋口コンビが安定の活躍を見せたら盛り上がってきますよね!そこに宮原選手が大復活を遂げて割り込んでくれれば最高なのだけれど・・。
戦うにはあまりにも短すぎるような、そのくらいがちょうどいいのか・・よく分からない全日本までの時間ですが、「オリンピックにいくため」の熱意より「オリンピックでメダルを狙う」熱意と覚悟を持った選手に神様はロックオンしてくれるのではないでしょうか。選手達が決して枠とりで燃え尽きないように、こちらも注目し、応援していかなければ!今はオリンピックがすべてになっている選手が(仕方ないですがね)多いと思いますが、「自分の持てるすべてを出し切ろう」と頑張っていってほしいです。
以上でおわりになります。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
補足
本田選手は新ショートの作成で、フリーに練習をさく時間がなかったのかもしれませんね。辛口になってしまったのでリカバリしておきます。でもね、本田家はサラちゃんといい、芸能界にどっぷり浸かってせっかくの才能が生かしきれなくなりそうで、ファンとしては不安なんですよ。(また余計なことをいったのでMs.オオカミに-1)
記事を大幅に編集しました
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